見た目が踏み台だからと言って、中身も踏み台だとは思うなよ?   作:蒼天 極

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統一感が無い?

 最高評議会の一件も片付き、聖王教会も俺を敵対視することは無くなった。

 破門された過激派連中が何かして来ないとも限らないが、既にどこかに散らばってしまったから俺には何も出来ない。喧嘩売ってきたら殴り倒して人体実験の被験体にでもしてやる。

 ならば後は魔王の遺物が納められた宝物庫を探すだけなのだが……

 

「別に今すぐ探さないと行けないって訳でも無いしなぁ」

 

『そうですね。それに本格的に捜索するとなるとそれこそ数年かかるでしょうし、のんびり探しても良いんじゃ無いでしょうか?』

 

 カリバーの言う通りだ。

 せっかくの夏休みだしおっちゃんも落ち着くまでは嘱託で呼ばないって言っていたし、のんびりゴロゴロライフを楽しもう。

 

 ピルルルルル

 

 ん? ひなちゃんからか?

 

「はーい?」

 

『おはよー。ねぇれお君れお君。今からすずちゃん家に来れる?』

 

 おやおや随分と楽しそうな声で。すずかちゃんが何か面白いイベントでも企画したのかしら?

 

「来れるけどお昼前だからお昼ご飯食べてくるね。ご飯の時間含めて一時間ですずかちゃん家に来るから」

 

『そう? それじゃあ……あ、どうしたの忍お姉ちゃん? え、替わって? はい。……もしもーし聞こえるレオ君?』

 

「ヒィ、し、忍さん!?」

 

『……え、えっとそんなに怯える事無いじゃない。別に取って食おうとも思ってないし、すずかを巻き込んだ件については既に解決してるでしょ?』

 

 え、本当に?

 すずかちゃんを勝手に魔導師にした件についてでネグリジェ着させられたけど、本当にその程度で許されたの俺? まだ続きがありそうで怖いなとは思ってたけど……。

 

『それにこれ以上やったらすずかが怒っちゃうからね』

 

「さ、さいでっか。それじゃあ何のご用で?」

 

『みんなの分と一緒にお昼ご飯用意してるからご飯食べずにおいでよってね』

 

「あ、はい。タダ飯にありつけるのは俺としては万々歳なので……。すぐ行きますわ」

 

 流石に対面するのは怖いけど。……怖すぎて旅行のときも近くに行かない様にしていたくらいだけど、許されてるから大丈夫か。

 さっさと準備して月村家に移動しよう。

 

 

 ◇

 

 

 豪邸の前に大きく息を吸う。

 

「すーずかちゃーん。あっそびーましょー!!」

 

 さてもしアリサちゃんが既に来ているなら「やかましい!」と鉄拳制裁が飛んで来るはず。いつもぶっ飛ばされてるし今日こそは全弾回避してみせる!!

 直後扉が開いて手が……やっぱり来たか!!

 だが手が視界に入ったときには既に手遅れであった。いつの間にか忍さんに両肩を掴まれていた俺である。

 アリサちゃんじゃなかったんかい!!

 

「捕まえたわよ!!」

 

「ば、バカな!? 今の俺はゾーンに入っていたはず……!!」

 

「フフフ、夜の一族の身体能力を舐めないでよね!」

 

「夜の一族?」

 

「あ、ヤベ。……すずかとおままごとする時の私の設定よ。空想上のものだから気にしないで。ね?」

 

「ア、ハイ」

 

 得体の知れない圧力を感じた為これ以上は聞かないことにした。勘の良いガキは長生きできないのだ。

 それにしても急に俺を捕まえてどうしたのだろうか? ……も、もしかしてやっぱり許されて無かったと言うことか? これから俺の首が飛ぶと言うのか?

 

「さ、まずは最近怖がって近づいて来ない件について少しお話ししましょ? 「せ、せめて遺書だけは書かせてくだせぇ……」え、どうしてそんなに泣いてるの?」

 

「あ、コラお姉ちゃん!! だからレオ君は私の為にスノーホワイトを作ってくれたんだからこれ以上はしちゃダメって言ったでしょ!? どうして分かってくれないの!?」

 

「え、冤罪よぉおお!! レオ君を捕まえたら急に泣き出しちゃったのよぉおおお!!」

 

 俺の命運も尽きたと思われたその時、すずかちゃんが助けて下さいました。

 

 

 〜数分後〜

 

 その後ひなちゃんに背中をさすられてなんとか落ち着きを取り戻した俺。

 すずかちゃんの仲裁の元、改めて忍さんとしっかりO☆HA☆NA☆SHIをして、すずかちゃんを魔導師の道に引き摺り込んだ件に関しては許してもらい改めて和解しました。

 その後忍さんの部屋に通されるとそこには魔導師組全員が呼ばれていた。なんでも忍さんが呼んだのだと言う。

 

「それでお姉ちゃんはどうしてみんなを呼んだの? 魔導師関連?」

 

「統一感がないのよ」

 

「え?」

 

「みんなって魔法少女だけど「俺とレオは魔法少年っす」衣装に統一感が無さ過ぎると思うの!」

 

 忍さんは続ける。

 以前すずかちゃんが頑張ってるのか気になってリンディさんに嘱託としての様子を見せてもらったそうだが、そのとき俺らのバリアジャケット姿に思うことがあったそうだ。

 

「やっぱりみんなはチームなんだし衣装に統一感が必要だと思うわ」

 

 忍さんの意見にみんなのバリアジャケットを思い出す。

 確かに俺らのバリアジャケットってバラエティ豊かだからなぁ。

 なのはちゃんは制服だし、フェイトちゃんはブレイズフォームを得てからはマシになったとは言え水着マントだし、アリシアちゃんはアイドルだし、ひなちゃんはプリキュアだし。

 

「そうやねぇ、確かにそう言われてみると統一感があっても良いかも知れんなぁ」

 

「ちょっと合わせてみたいかも。特にアリサのバリアジャケットはカッコいいなぁって思ってたんだ」

 

「お、フェイトはアリサのバリアジャケットが好みだったんだねー。私はひなのバリアジャケット着てみたいかも」

 

「いいねー。みんなでお揃いの服着てプリキュアごっこしようよ!!」

 

「盛り上がってるところ悪いけど、誰かのバリアジャケットの真似をするって意味じゃないと思うわよ?」

 

「そうなの?」

 

「にゃはは。まぁバリアジャケットを変更するかは別にしても、みんなでお揃いの服は着てみたいの」

 

 なのはちゃんはこう言っているが、正直うちらのチームってヤマト派と俺派で分かれてるからお揃いっていうのもなんか違う気がするんだよなぁ。

 でもまぁ俺ら小学生だしそこら辺を難しく考える必要はないか? なんだかんだみんなズバッと言うタイプの集まりだから、お揃いが嫌ならハッキリと嫌って言うだろうしな。

 

「決まりね。それじゃあ……」

 

 みんなの前向きな意見を聞いた忍さんが自室のクローゼットを開けると、そこには大量の子供用の服があった。

 

「取り敢えず着てみましょっか?」

 

「え、これ全部忍さんが?」

 

「えぇ。九人分の色違いを揃えるのに苦労したわ!!」

 

 サムズアップですごくいい表情の忍さんであったとさ。

 バリアジャケットに統一感が無いって言うのは口実で、俺らにお揃いの服を着せたいだけなんじゃ無いのこの人?

 ……と言うかこれ全部女ものやんけ。こりゃまた女装するパターンやな。

 

「……え? これって俺も女装しなきゃいけないパターンか? 女装はレオ担当だろ!?」

 

「いつも俺が女装すると揶揄ってんだ。たまには揶揄われる俺の気持ちを知るといい」

 

「ヤマト君は髪が短いからウィッグを被ってねー。それじゃあ早速「忍お嬢様、皆様の食事の準備が整いました」……お昼ご飯について忘れてたわ。冷めてもいけないしね、先に食事にしましょうか」

 

 昼食を摂った後にお着替えタイムが待っているのだが、まぁ今はノエルさんの料理を堪能させて頂こう。

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