見た目が踏み台だからと言って、中身も踏み台だとは思うなよ?   作:蒼天 極

19 / 297
麗央君は今話はお休みさせていただきます。


(なのは視点)私の友達は天使さんなの

「なのは、今日なのはの家にお邪魔していいか? 個人的にユーノに聞きたい話があるんだ」

 

「え、うん! 分かったの、ユーノ君と三人でおやつでも食べよ」

 

 下校時間になってフラフラとお家に帰っちゃったレオ君とお稽古のあるアリサちゃんとすずかちゃんを見送った私は、ヤマト君と一緒にお家へ帰る事にした。

 今日のおやつは何かなー?

 

「なのちゃん、なのちゃん! 私も遊びに来ていいかな?」

 

「え、ひなちゃん!?」

 

 ひなちゃん、無邪気で純粋な私のお友達。

 

「あ、えっと……そのう。今日はちょっと……困るっていうかなんというか……」

 

(なのは。ひなにも昨日あったこと教えた方がいいんじゃないか?)

 

(そういえばひなちゃんも魔法少女なんだよね。いつもの姿を見てると全然魔法少女っぽくないんだけど)

 

 私はひなちゃんが魔法を使えることを知っている。一緒に公園で遊んでいるときに、転んで膝を擦りむいた事があったけど、ひなちゃんは魔法で治してくれた事があるの。

 

(……ごめんねヤマト君、ひなちゃんには昨日のこと内緒にしてて。巻き込みたくないの)

 

(そうか、分かった)

 

 いくらひなちゃんが魔法を使えても、いつもニコニコ笑って一緒に遊んでくれる優しいひなちゃんを昨日みたいな危険な事には巻き込みたくなかった。

 

「あ、そっか。なのちゃんはこれからヤマト君ともっと仲良くなりに行くんだね!」

 

「「え?」」

 

「れお君がヤマト君がなのちゃん、すずちゃん、アリサちゃんの誰かと二人きりでいるときは、もっと仲良くなろうとしようとしてるから、邪魔しちゃダメだよって言ってたよ!」

 

 レオ君のおかげですっかり勘違いをしちゃったひなちゃん。

 とりあえず明日にでもレオ君としっかりO☆HA☆NA☆SHIしておくの。

 

「ひなも今日はもう帰るから、二人で仲良くねー! バイバーイ!!」

 

「あ、待ってひなちゃん。誤解だよぉ!!」

 

「なんの話をしてるんだ?」

 

 ぼくねんじんなヤマト君は放っておいて、走って帰っちゃったひなちゃんを追いかけた。

 

 

「ハァ、ハァ、ひなちゃん足速すぎるよぉ……」

 

 数分後、私は商店街の真ん中で必死に息を整える。

 勘違いしちゃったひなちゃんに弁解をする為に後を追いかけていたけど、運動神経がお世辞にもいいとはいえない私とクラスでも上位のひなちゃんでは勝負にもならなかったの。

 

(ヤマト君、置いて行っちゃってごめんね。ひなちゃんに追いつけなかった)

 

(まぁ、ひなは足速いし仕方がないさ。俺は先になのはの家に向かうぞ)

 

(うん)

 

 直後、なんとも言えない不思議な感覚が辺りを支配した。

 それはすぐに消えて、いつも通りの商店街に戻ったけど、何? この嫌な感じ……

 私はすぐにユーノ君に念話を送る。

 

(ユーノ君、これって……)

 

(近くで新しいジュエルシードが起動している。すぐ近くだ!)

 

(それは不味いな、すぐに向かおう。俺がユーノを連れてくるからなのはも現場に向かってくれ)

 

(分かったの!)

 

 私は走って嫌な感じがした方角へと向かった。

 

 

 〜時を同じくして〜

 

「ん、なんだろこの感じ? 行ってみよ!」

 

「ひなー。遊びに行くなら口に咥えてるメロンパンをちゃんと食べてからにしなさいね」

 

「はーい」モキュモキュ

 

 

 私が神社の前に着く同じタイミングで、ユーノ君だけがやってきた。

 

「ユーノ君! ヤマト君は?」

 

「ごめんなのは。昨日の金髪の子に絡まれてそっちの対応に追われてる!」

 

「もぉ、リュウヤくーん!!」

 

 なんであの人はいつもいつも余計なことしかしないのだろうか?

 銀髪オッドアイだけど常識人……常識人かなぁ? まぁ、良識はあるレオ君を見習ってほしい!

 

「ヤマトもちょっとしたら来るはずだ。行こうなのは!」

 

「うん!」

 

 神社の階段を一気に駆け上がると鳥居の上に獣の姿の黒い影がいた。

 

「ハァ、ハァ……ユーノ君あれって……?」

 

「まさか現住生物を取り込んだ!? 実体がある分手強くなってる、気をつけて!!」

 

「大丈夫、多分……」

 

「なのは、レイジングハートの起動を!」

 

「ふぇ? 起動ってなんだっけ……」

 

「えぇ!?」

 

 なんかパスワードを言ったのは覚えてるんだけど、あのパスワードなんだったっけ!?

 長すぎて覚えられないよぉ!

 

「なのは危ない!」

 

「え? きゃ!」

 

 起動のパスワードを思い出そうとしていると、黒い獣が鳥居から降りてきてまっすぐ私に襲いかかって来たの!

 も、もうダメ……!

 

「なのちゃん!? ミラクルホープ、セットアップ!!」

 

『セットアップ!!』

 

「《エンジェルウイングー》!!」

 

 ……あれ? 私なんともない。

 っていうか、私の目の前が真っ白いふわふわしたものが覆っている。

 なんだろ?

 

「なのちゃん大丈夫!? 怪我してない?」

 

「え、ひ、ひなちゃん!!」

 

 背後を振り向くと、ピンクのフリルの衣装に身を包み、背中から翼の生えているひなちゃんがいた。

 ひなちゃんは背中の翼で私を守ってくれたみたいなの。

 

「うわぁ、ひなちゃんその服可愛いの! それに翼が生えてるの! ひなちゃんって天使さんだったの?」

 

「えへへー、凄いでしょ! エンジェルウイングっていう私の魔法だよ!!」

 

「なのは、話は後! 襲ってくるよ!」

 

 まるでプリキュアみたいな姿に興奮していると、また黒い獣が襲いかかってくる。

 ひなちゃんはユーノ君を肩に乗せて私をお姫様抱っこすると、天高くへと飛び立つ。

 

「へへーん、ワンちゃんもここまでは来れないでしょ」

 

「なのは、レイジングハートはすでにマスター認証を済ませている! セットアップの掛け声で変身できるよ!」

 

「わ、分かったの。レイジングハート、セットアープ!!」

 

『セットアップ』

 

 レイジングハートが輝き光が収まると、昨日の姿になり右手に杖が握られていた。

 成功したみたい。

 

「え? な、なのちゃんも魔法使えたの!?」

 

「う、うん。昨日使えるようになっちゃった」

 

「お揃いだねぇ!」

 

 ハイテンションのひなちゃんに降ろしてもらい、黒い影と向き合う。

 

「一気にやっつけちゃお! まずは私から《エンジェルフェザー》!!」

 

 ひなちゃんは翼から無数の羽を飛ばしてそれを影に突き刺したの。

 

「今だよなのちゃん!」

 

「うん、リリカルマジカル、ジュエルシードシリアルナンバー16封印!!」

 

 ひなちゃんの攻撃で弱った黒い影は、私の封印の掛け声ともに消えてジュエルシードに戻った。

 それはレイジングハートの水晶に飲み込まれたの。うん、これで封印完了だね。

 

「やったねなのちゃん! イェーイ!」

 

「いぇーい!」

 

「悪い遅れた! ……え、ひな?」

 

 ひなちゃんとハイタッチしていたら、ヤマト君もやって来た。リュウヤ君を追い払って来たようだ。

 

 

「ふむふむ、ユーノ君が発掘したジュエルシードが事故でばら撒かれて、街のあちこちで悪さしてると……」

 

「ごめんなさい。僕のせいで」

 

「気にしないで。わざとじゃないならしょーがないよ」

 

「それでひな。お前にも手伝って欲しいんだけど「ダメなの!」うぉ!?」

 

 私はヤマト君を止めた。

 今回はひなちゃんのおかげで封印できたけど、やっぱり危険な事には巻き込まないよ。

 でもひなちゃんは私のそんな思いを無視して無邪気に笑った。

 

「危険なのは、なのちゃんも一緒でしょ? だいじょーぶだよ。ひな強いもん」

 

 確かに危険なのは私も一緒だし、ひなちゃんよりも私が弱いのは事実だからこう言われたら何も言えないの。

 

「それに一人より二人で、二人より三人で戦った方が危険も少ないと思うな。そうでしょヤマト君?」

 

「ひなの言うとおりだな。大丈夫何かあれば俺が守るよ。それに万が一俺に何かあっても、ひなの身に危険が迫ればひなのお兄ちゃんが助けに来るだろうし」

 

 あれ? ひなちゃんって一人っ子だったよね。ひなちゃんのお兄ちゃんって……ああ。

 そう言えばレオ君も魔法使いだったっけ? いつも巧妙に隠してるしそんな気配を微塵も見せないから忘れてたの。

 

「まぁ、レオには明日にでも俺が声をかけるよ」

 

「それじゃあ、れお君も含めた四人でこの街を守っちゃお!」

 

「うん!」

 

 でも、その翌日からしばらくレオ君は学校を休んだ。




エンジェルウイング:ひなが神様から与えられた転生特典の一つ。背中に生えた翼でひなの身を守ったり羽で相手を攻撃したり、翼を羽ばたかせて素早く飛んだりできる、攻撃と防御と速度を兼ね備えたレアスキル
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。