見た目が踏み台だからと言って、中身も踏み台だとは思うなよ?   作:蒼天 極

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守護騎士達ってこれ読めるー?

 宝物庫から本を持ち帰った俺は、我がライバルである車椅子レーサーのはやての自宅へと向かう。

 いくら立てるようになり車椅子を卒業したとはいえ、車椅子の方が素早く動けるからとスーパーに車椅子を持ち込むため、車椅子レーサーというのは間違いではないため悪しからず。

 

 ピンポーン

 

「はーやてちゃーん、ちょっといーいかーい?」

 

「えーえーよー。どうしたん?」

 

 ノリよく出てくれたはやてに早速要件を伝える。

 

「守護騎士さんらかリーン姉さんに用事があるんだけど、今日誰かお休みで家にいる?」

 

「おう、アタシとシグナムならいるぞー」

 

 お客さんが誰か気になったのか、リビングからチョコンと顔を出していたヴィータちゃんがコチラに来た。

 お、二人いるなら本を二冊持ってくれば良かったかなぁ?

 

「それにしても守護騎士とリインフォースって随分と曖昧やなぁ。話から察するに夜天の書ネタやろか?」

 

「違いまーす。魔王関連のネタでね、実はカクカクシカジカなんよ」

 

「いやだからカクカクシカジカで分かるわけ「なるほどなぁ。魔心の手がかりを探して宝物庫行って書物を見つけたはいいけど読めないんやね? 確かにウチの子達なら読めるかも知れへんしなぁ。まぁ上がって行き。お茶出すで?」えぇ!?」

 

「ありがとう。お邪魔しまーす」

 

 家に上がるとお気に入りののろいウサギをガッチリホールドしたヴィータちゃんがあり得ないといった表情でコチラをみているいったいどうしたと言うのだろうか?

 

「カクカクシカジカではやてが分かるのは知ってるけど……な、なんでそんなに詳細まで分かるんだ?」

 

「……なるほどヴィータにはライバルと言える人がおらんからなぁ」

 

「ライバル? 一応アタシにもいるぞ。なのはとアリサが」

 

「甘いよヴィータちゃん。ヴィータちゃんが好んで食べてるいちご練乳味のスーパーカップ以上に甘い「なんでアタシの好きなアイスの種類知ってんだよ?」なんて言ったってはやてと俺は5歳の頃からスーパーの食材を奪い合ってきた仲だからな」

 

 あとなんでアイスの種類を知ってるかって? はやてと念話で駄弁ってる時に聞きました。カンニングです。

 

「時に対立して時に手を組む関係を、生きた人生の半分以上続けてるんや。いやでもレオくんの事は理解できるようになるで!!」

 

「だから俺がカクカクシカジカで問われても答えられる自信があるZE?」

 

 俺がドヤ顔で言うとヴィータちゃんは「本当か?」と半信半疑な表情。この娘疑っているな?

 直後はやてが突如深刻そうな表情を浮かべると冷や汗を流しながら俺に話しかけてきた。

 

「な、なぁレオ君、カクカクシカジカなんやけどどうすればええと思う?」

 

「え、ヤマトよりも俺の方が理解できてるけど、それってヤマトに対する裏切りでは? ……そもそも俺とはやての関係ってお互い共通認識でライバル兼友人兼師弟だからなぁ。ライクとラブで噛み合ってないヤマトと差が出るのは仕方がないと思うよ?」

 

「そ、そうなんやけど……カクシカやん!」

 

「え、このままじゃヒロインレースで支障が出るのでは? ならいっそカクジカすればよくね?」

 

「そ、そっか。レオ君と同じようにヤマト君とも競い合える何かを探せばええんやね。確かにレオ君の言う通りちょっと時間がかかるかもやけど、恋愛について積極的になる年齢になる頃にはレオ君レベルで意思疎通できるもんな!!」

 

「そう言う事だ」

 

「流石レオ君は言う事が違うなぁ。ヴィータもそう思うやろ?」

 

「ごめん。アタシはやて達のハイレベルな会話についていけない。ハッキリ言って怖い」

 

 とてもいい表情でそう言い切ったヴィータちゃんなのだった。

 

 

 ◇

 

 

 その後リビングに通されると、ソファの一角を占領して居眠りをしていたシグナムさんを発見。

 いつも仕事が忙しいのに起こしちゃ悪いし、先にヴィータちゃんに見てもらった方が良いかもな。

 

「ヴィータちゃん。古代ベルカ語って読めたりする?」

 

「え? どの国の言葉?」

 

「……ああ、そう言えば流石に国ごとに言葉が少し違うもんな。魔王国語なんだけど……」

 

「魔王国語……ベルフェリア語か。ちょうど過去の主が魔王国出身だったからちょっとなら読めるけど……」

 

「魔王国? って事は昔のマスターはレオ君の祖先やったりして……」

 

「いや王族とは関係のない平民だったんだけどな。やめとけば良いのに大っぴらに蒐集したもんだから、すぐに捕まってアタシらごと火炙りにされたんだよ」

 

「「…………」」

 

 急にそんな事を言われた俺らは一体どうすれば良いのだろうか?

 俺もはやてみたいにヴィータちゃんを抱きしめるべきなのだろうか。いやこの本を読ませてたら日が暮れるだろうからいっそのこと夕飯は俺がヴィータちゃんの好きなものでも……。

 

「と、取り敢えず今夜は俺がヴィータちゃんの好きなもの作るから」

 

「え、この間も作ってもらったばっかりだけど良いの!? やったー!!」

 

 純粋にはしゃぐヴィータちゃんを見て、せめて最後の主であるはやての下では幸せである様にと祈るしか無かった。

 

 盛大に脱線したため話を戻す。

 その後ヴィータちゃんに読めるところを読んで貰った結果、これは魔王家の文献だった。

 

「……あ、魔王の心臓について書かれてる」

 

「お、適当に目立つ本を持ってきたのに当たりを引くとは……読んでみてくれない?」

 

「ええっと……。ごめんちょっとアタシじゃ読めそうにないや。おいシグナム起きろ、ちょっと手伝え」

 

「……ん? どうしたヴィータ? 私はこれから秋刀魚をレヴァンティンの錆にするところだったんだが……」

 

 おおう、随分と独特な夢だことで……。

 取り敢えずレヴァンティンで焼き切った秋刀魚はヤマトに食わせたれ。アイツ秋刀魚大好物だから。

 

「ここからここちょっと読んでくれない?」

 

 どんな夢を見ていたか気になるところではあるが、ヴィータちゃんはそれを完全無視してシグナムさんに本を突きつける。

 シグナムさんは数回瞬きして意識を完全に覚醒させると、魔王の心臓の部分を読み出した。

 

「なんだベルフェリア語か。ええっと……ベルフェリア王家を再建させんとする陛下の子孫に告げる……」

 

 読んで貰った内容曰く、スカさんの言う通り魔心は他の複数の宝物庫を開ける為の動力であるが、第一宝物庫と言うのは間違いであり合計五つの宝物庫がある事が判明した。

 つまり魔心のあった宝物庫は第六宝物庫に当たるってことか。

 五つの宝物庫の中には魔王国を起動? される為の五つの鍵があるため探してみろと言う内容だった。

 

「そして五つの宝物庫のうちの一つは、魔王の心臓が眠りし世界にあり。まずはそこから巡るべし……以上だ」

 

「……な、なんかスケールのデカすぎる話やなぁ」

 

「俺も驚いてる。それに魔王国を起動ってラピュタみたいな感じかな?」

 

「アタシ知ってる。ラピュタって天空の城だろ? バルスで滅びたやつ」

 

「そうやね。子孫の手で古代の王国が復活する……。うん、ロマンやねぇ。でもこの流れだとレオ君は悪役落ちしそうや」

 

 言うなはやて。

 俺が先祖の国を蘇らせるのだぁ!! って感じで悪役ムーブかますマッドサイエンティストになりそうで怖いんだから。

 取り敢えずそうなった時の保険でヤマトに闇落ちしたら躊躇いなく殺れいって言っておくか。

 

「……まぁ取り敢えずリンディさんとかミゼットさんに報告しておこ。十中八九探索は止められるだろうし、少なくとも魔心の継承者である俺は探索を断念したってオチにしておくか」

 

「それが良い。過ぎた力は身を滅ぼす。かつての闇の書の様にな」

 

「それじゃあこの話しはおしまいにして、そろそろご飯の準備しなきゃあかんね。レオ君も手伝ってくれる?」

 

「もちろん」

 

 そして今夜はヴィータちゃんの好きなものを作り一緒に食事をしてから帰宅。

 その翌日には読んでもらった内容をリンディさんとミゼットさんに話したのだった。

 

 

 

 

 

 

 

「レオ君、少なくとも私は止めませんよ。レオ君なら悪い様にはしないでしょうからね」

 

「いやここは止めるべきでしょミゼット婆ちゃん?」

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