見た目が踏み台だからと言って、中身も踏み台だとは思うなよ?   作:蒼天 極

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ひなちゃんとレオ君、不憫注意


(ひな視点)みんなお散歩行こー?

 海でいっぱい遊んだ翌日から三日間、ひな達はアリサちゃんの別荘のお家でのんびりする事になった。

 でもせっかく海鳴市を遠くまで来たんだから、あちこち探検したりお散歩したいよね。

 

「というわけで誰か誘って一緒にお散歩行こう!」

 

 ひな一人だけでお外に行ったら絶対迷子になる自信がある。向こう見ずな事をしてみんなに心配はかけたくないし、誰かと一緒に行動すれば迷子にならない筈!

 誰を誘おうかなぁ……真っ先に思い浮かぶのはれお君だけど、いつも忙しそうにしてるし今日くらいゆっくりお休みしてほしいし……。

 

「うーん……」

 

「どうしたのひなちゃん?」

 

「あ、なのちゃん」

 

 そうだ。なのちゃんをお散歩に誘ってみよう。

 

「ねぇねぇ、一緒にお散歩行こうよ! せっかくだから見てまわりたい!」

 

「いくらここが高い所にあって涼しくても、やっぱりお外は暑いよ? 明日から近くの観光スポットを回ったりするんだから今日くらいゆっくりしようよ」

 

「えー、でもお外に行けば暑いけど楽しいかもよ?」

 

「流石に昨日の海で疲れちゃったかも。今日は休ませて?」

 

 むぅ、なのちゃんは極端に暑い日や寒い日なんかは外に出たがらないタイプだから断られちゃった。模擬戦するってなったら暑い日も寒い日も関係なく必ず参加するのに……。

 いいもんいいもん。一月みたいに素敵な事をしてなのちゃんを悔しがらせちゃうからいいもん!

 

 ……それじゃあ誰を誘おうかなぁ?

 あ、シアちゃんはひなと同じで活発系な子だから一緒にお散歩行ってくれるかも。

 

「シアちゃーん!」

 

「うわ、ひなどうしたの?」

 

 近くではーちゃんとリーンお姉ちゃんと一緒に昼ドラを見ていたシアちゃんを見つけたから声をかけてみる。

 

「ねぇねぇ、お散歩行かない?」

 

「あ、お散歩? いいねぇ、はやてにこのドラマ面白いからって勧められたけど、ドロドロしすぎててちょっと無理だなぁって思ってたし行こうかな」

 

「ちょ、アリシアちゃん!? このドロドロ具合が最高なんやないの!?」

 

「理解できない」

 

 ひなも同意。やっぱりお話しはハッピーエンドが一番だよ。

 でもやった! シアちゃんと一緒ならお散歩行っても迷子に……うーん、シアちゃんはっちゃける子だし二人揃って迷子になるんじゃ……?

 

「まぁ気のせいだよね」

 

「え、気のせいって?」

 

「なんでもないよ。それじゃあ行こ?」

 

「オッケー! 「この後私と一緒に遊ぶって約束してたのに……」うわ、フェイト!?」

 

 リビングの入り口で身体を半分隠しながらそう呟いたシアちゃんの妹のフェイちゃん。

 どうしてそこにいるの? 入っておいでよ?

 

「あ、そっか。ドラマを見終わったらフェイトと一緒に遊ぶ約束をしてたんだった」

 

「そっかー。先に約束が入ってるなら邪魔しちゃ悪いよね?」

 

「ごめんねー。あ、ひなも一緒に遊ぶ?」

 

「何をするの?」

 

「何をするんだっけフェイト?」

 

「人生ゲームだよ」

 

 人生ゲームかー。お外で遊ぶならやるって言ってたけど今日はお散歩したいからなぁ。

 

「ひなはお散歩行きたいからいいかな? ごめんねフェイちゃん」

 

「ううん。気にしないで?」

 

 先客がいたならしょうがないよね。フェイちゃんを差し置いてシアちゃんをお散歩に連れ出すのはわがままだもんね。

 それならちょうど昼ドラを見てるはーちゃんを誘おうかなぁ。

 

「はーちゃん、リーンお姉ちゃん」

 

「言いたい事は分かるで。お散歩行きたいんやな?」

 

「うん。一緒行こ?」

 

「丁度昼ドラも終わったしええでー……と言いたいところなんやけど。ごめんなぁ、ちょっとこれからやる事が出来ちゃったんよ」

 

「そうなのですか? この後どうしようと言っていたではありませんか?」

 

「これや」

 

 やる事?

 はーちゃんが宙にモニターを展開すると、れお君がいつもいじってる様なプログラムと、その隣に小ちゃなリーンお姉ちゃんが写されていた。

 

「はーちゃんこの子は? リーンお姉ちゃんの妹?」

 

「ふふん。リインフォース・(ツヴァイ)(仮)や! 前々からちょっとずつ作ってたんやけど、ちょっと行き詰まってるところがあってな?」

 

 話を聞いてみるとなんでも行き詰まってる所があり、旅行が終わったられお君に聞こうと思ってたみたいだけど、今見た昼ドラがキッカケで良いプログラムが思いついたから実践をしてみたいらしい。

 

「ねぇ、プログラムに昼ドラって関係あるの?」

 

「無いよ。でも全く違う事してるとパッと思い浮かぶことってあるんよ? リインフォース、手伝ってくれる?」

 

「御意に」

 

 そうなんだ。

 前々から作ってるみたいだし、せっかく良い案が思い浮かんだのにお邪魔したら悪いよね?

 それにリーンお姉ちゃんも妹が出来るなら近くで見ていたいだろうし、これ以上ここにいてもはーちゃんの邪魔になっちゃうだろうからひなは退散しまーす。

 

 普通ならこうも断られちゃったら潔く諦めるひなだけど、今日はせっかくの旅行先だし諦め悪く全員を誘って見よう!

 そう思い他を探してみると、ハンモックでアリサちゃんとヴィーちゃんが寝ている。

 寝てるのに起こしたら可哀想だし別の人を探そうかな?

 

「ひ、ひな……」

 

「みゅ? あ、ヴィーちゃん起きてたんだね。ねぇねぇお散歩行こ?」

 

 アリサちゃんを起こさない様に小さな声で誘ってみると「ああ」と承諾してくれた。

 

「行く。行くから助けてくれ……。アリサに強制的に抱き枕にされてるんだ」

 

「分かった」

 

 アリサちゃんを起こさない様に、優しくヴィーちゃんを抱きしめる腕を退かそうとすると、逆にアリサちゃんの腕はヴィーちゃんを更に強く抱きしめた。

 

「んぅうう……ヴィータはわたしのー…………」

 

「……無理みたい」

 

「し、仕方ねえならアリサを起こして脱出を……」

 

「ダメだよ? アリサちゃん気持ち良さそうに寝てるんだから」

 

 仕方がない、ヴィーちゃんは諦めよう。

 小声で「おい、ひな。カムバック……」と助けを求めるヴィーちゃんに謝る仕草をして撤退するのだった。

 

「うーん、それじゃあどうしようかなぁ……。あ、シグナムお姉ちゃんとシャマルお姉ちゃんがいる!」

 

 そうだ。大人が一緒ならお散歩に行っても迷子になる事は確実に無いもんね!

 ちょうど二人ともお茶を飲んでお話ししてるし、言えば一緒に来てくれるかも!

 

(ひな)

 

「んみゅ?」

 

 二人の下へ行こうとすると男の人から念話が来た。この声は……もしかして近くにいるザフィーラかな?

 ザフィーラは無口だから声忘れかけちゃってたよ。

 

(先程から聞いているが散歩の連れを探しているんだろう? すまぬがシグナムとシャマルは誘わないでやってくれないか?)

 

(どうして?)

 

(二人は普段管理局の仕事で忙しくてな、家にいる事も少ないんだ。こういう日くらいのんびりさせてやって欲しい)

 

(そっか。うん分かったよ!)

 

 せっかくの休日、邪魔しちゃ悪いもんね。ならザフィーラと一緒にお散歩……あ、ザフィーラはワンちゃんだから人数には含まれないか。それに朝にはーちゃんが散歩したみたいだからこれ以上連れ出しても悪いし。

 

 あと誘ってないのはすずちゃんとヤマト君だね。

 二人はどこかなぁ……。

 

「あれ? ひなちゃん」

 

「あ、れお君」

 

 二人を探しているとれお君が見つかった。

 

「誰か探してるけどどうしたの?」

 

「お散歩行きたいけどひなだけじゃ迷子になりそうだから一緒に行ってくれる人を探してるんだ。でもみんな予定が空いてなくて、あとはすずちゃんとヤマト君なんだけど……」

 

「あぁ、あの二人は今はダメだよ。今甘酸っぱい空気だからね」

 

「あぁ、仲良くなろうとしてるんだね。うぅ、みんなダメか〜」

 

「丁度暇してたし俺行こうか?」

 

「え! ほんと? でもいつも忙しそうだし、今日くらいしかお休み無いでしょ? いいの?」

 

「お散歩も休日の過ごし方の一つだし、避暑地に来たは良いけどやること無さすぎて暇だったからねー。行こっか?」

 

「うん!!」

 

 やった! れお君と一緒にお散歩デートだ!! シアちゃん羨ましがるだろうなぁ。

 ウキウキ気分で玄関で靴を履くと、れお君のデバイスが急に点滅する。

 

『マスター、クマ髭のおっさんから連絡ですよー』

 

「え、おっちゃんから? なんて?」

 

『ミッドで凶悪犯罪発生。休日で申し訳ないが至急応援を求む……いやー、ドンマイですねー』

 

「……ひなちゃんごめん」

 

「お、お仕事だもん。しょうがないよ……」

 

「お詫びに何か買ってくるから……すぐに戻って来るね!!」

 

 れお君は時空間転移でミッドに行ってしまった。

 うぅ、せっかくのデートが……。

 

「むぅうううう……」

 

「どうしたんですかひな?」

 

「あ、リニス……。あのね、みんなお散歩行けないんだって」

 

「なるほど、それでは私と行きましょうか?」

 

「うん……」

 

 寂しい気持ちでお散歩に出かけたひなだったけど、現地の子と仲良くなって色んなところを案内して貰いました。楽しかったです。




 〜おまけ〜 一方レオ君は……

「ガベェ! グボァ!?」

「死ね! オラ! オメェが生きてるせいでこっちは大迷惑してんだ!! とっとと世界のために死ねやこのゴミクズがぁああ!!」

「あ、兄上、私が言うのはなんだが流石に殺すのはまずい!! チェーンソーをしまうんだ!!」

「こ、コイツ私たちでも苦戦するほどの実力の広域次元犯罪者よね?」

「そうね。私やメガーヌ、隊長でもコイツのレアスキルの前に手も足も出なかったわ」

「3秒で戦闘不能にしてボコボコにしてるんだけど、この子こんなに強かったっけ?」

「レオから凄まじい怒りを感じる。おそらく怒りで新たな境地に至ったんだろうな。だがこれほど怒ってるって何があったんだ?」

「この子旅行中だったのよ……。きっと観光を楽しんでる真っ最中だったのね。なのに呼ばなきゃどうしようもない状況になるなんて、レオ君にはなんてお詫びしたらいいか……」

「そ、それよりも良い加減レオ君止めないと本当に犯人を殺しちゃうわよ!? ……お、おーいレオ君落ち着いてー!! 今度うちの可愛い愛娘抱かせてあげるから……ね?」

「……確かルーテシアちゃんでしたっけ?」

「うん。最近よちよち歩きが出来る様になったの」

「……おい。命拾いしたなぁ。次悪い事したら今度は右腕だけじゃ済まさねえからな?」

「ず、ずびばぜん……でした……」
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