見た目が踏み台だからと言って、中身も踏み台だとは思うなよ? 作:蒼天 極
「第二の人生初の起床。目の前に映るは知らない天井……いやに声が甲高いな、これじゃまるで女の子みたいだ」
フカフカなベッドから脱出し、立ち上がると目線がかなり低くなっている。身体つきはだいぶ幼いし髪も伸び切っている。あ、髪の毛白い。
「……マジで転生したのか」
しばらく経ってからようやく自らの置かれた状況を理解した俺は鏡を探して新しい容姿を確認する。
……おおう。
「やべぇ、めっちゃ美人さんやんけ。芸能界デビューしたらすぐに売れっ子の子役になれる面だぞ?」
紫色の右目と黄緑色の左目、女の子のように長い白……いや銀髪で幼いながらも整った女の子のような顔。
え? 俺TSしてないよね。ちょっと確認確認……ちゃんとある。つか前世よりも大きい。
『おはようございます。我がマスター』
「ん?」
メカニックな声の方向を向くと、机の上に星型のエンブレムがあった。
『私は神により作られたインテリジェントデバイス。これからあなたの人生をサポートさせていただきます』
「へぇ、君がデバイスなのか。よろしく……えぇっと、名前ってある?」
『ないです。私のことはどうぞご自由にお呼びください』
「そうか。よろしくデバ子『おい?』じょ、冗談冗談」
やべえ今のやり取りだけで、将来このデバイスに尻に敷かれるんじゃないかって不安になってしまった。
せっかくならカッコいい名前の方がいいか。ここは無難に神話の武器の名前から取って……うん。
「ならアスカロンって呼ばせてもらおうかな。愛称はアスカとカロンどっちがいい?」
『どちらでも構いませんよ』
「じゃあ間をとってスカさんで『はぁ?』……ご、ごめんなさい」
このデバイスには冗談が通用しないらしい。嫌になっちゃうよやれやれ。
『今あなたが考えてることについて徹底的に追求したいところですがまぁ、いいでしょう。マスター。我が創造主から伝言があります』
「伝言?」
『貴方は今4歳。2年後に私立聖祥大付属小学校に入学することになります。また、この家には貴方以外いません。両親は管理局員で数日前に事件に巻き込まれ死亡したという設定になっています。お金については創造主によって親戚からの援助という体で二十歳になるまでは毎月百万円ずつ振り込まれます』
「毎月百万!? 豪遊し放題じゃねえか!」
いや、今までと生活水準を上げずにしっかりと節制すれば、二十歳になる頃には莫大な貯蓄となっているはずだ。さらにプラスアルファで管理局で20年程度働いたらもう働かなくても食っていけるだけの、貯蓄になるはずだ。
『ですがあまりに素行が悪い場合は支援額を少なくしていくため、出来るだけいい子でいるように。それでは第二の人生を楽しんで。とのことです』
素行が悪いとお金は減らされていくシステムかー。でも百万円から生活できなくなるまで減らされることは余程の事をしない限りないだろうし、毎月全部使わないようにしておけば最悪支援を打ち切られても数ヶ月は生活できるだろうし問題はないか。
「それでアスカロンはどんな性能なの?」
『私が出来ることはデバイスに頼らない簡単な魔法の講義と、時空間転移魔法でミッドチルダへ貴方を移動させられるくらいです。他の機能につきましては、拡張をしてもらわなければなりません』
詳しく聞くと本当にこの二つのみで、今のままだとバリアジャケットはもちろん、待機状態から杖などにも変形できないとのこと。
でもまぁ俺はデバイス知識についてのチートをもらってるし、自分の手でぼくのかんがえたさいきょうのデバイスにするのも悪くないか。
「原作始まるまでにあと5年もあるんだし、アスカロンはゆっくりと強化していけばいいか。……あれ? 原作って5年後だったか? でも5年後って9歳だしいくらなんでも早すぎるだろ。だとしたら早くても中学生くらいに原作が……でも違うような。あれれ?」
『原作知識を失っているので当然、何が起きたなども忘れてしまっているのですよ』
なんてこった。
そういえばあの女神は原作知識は持っていけないって言ってたしな。しょうがないか。
『今回だけは特別に教えておきます。魔法少女リリカルなのはの一期はあなたが三年生の頃に始まります』
「意外と早かったんだな。了解それじゃあ5年間の間にデバイス作成と、ある程度戦えるように鍛錬とを済ませておかないとな」