見た目が踏み台だからと言って、中身も踏み台だとは思うなよ?   作:蒼天 極

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(ヤマト視点)前よりも強くなってる……!

 レオが壊れたグラディウスを修理と強化した事で生まれ変わったグラディウス・ネクストを展開すると、グラディウスは二刀と二丁拳銃に姿を変えて、剣は俺の両手に、拳銃というには大きな銃は腰のホルスターに収まっていた。

 

「……流石はレオだな。まさかここまで俺の要望に忠実に答えてくれるなんて」

 

『マイスターレオだけではありません。今回の私の改修作業は、すずか様を始めとしたマスターのご学友全員が関わっています』

 

 そ、そうなのか!?

 みんなこっそり何かしているなぁと思ったらそんな事をしていただなんて……

 チラリとみんなの方を向くと、おそらくグラディウスの完成を間に合わせるために神創を使い脳に負荷をかけ過ぎてしまったのであろう、気絶したレオを守りながら笑顔で頷く。

 後さり気なくひなとアリシアがレオの膝枕を奪い合っていたが、本当に二人はレオの事好きだよな。まぁ、普段おちゃらけているけど根はしっかりしてるし、やる事はイケメンだから当たり前か。むしろもっとモテても良いと思う。

 

 まぁ何はともあれ、改めて傀儡に向き直るとグラディウスを見た少年は笑い出した。

 

「ククク、アハハハハハハハハ! なんだよ、急にデバイスなんて届けるからどんなものかって警戒したけど、前回のデバイスがもう一セット増えただけじゃないか!! 僕のヘカトンケイルの腕一本も斬り落とさなかったナマクラなんていくら増えても怖くないもんね! やれヘカトンケイル!!」

 

『ナマクラですか。確かに前回は無様な姿を見せてしまいましたから、そう思われても仕方がないでしょうね』

 

「やれそうか?」

 

『はい。まずは何も考えずに振るって斬れ味を確認して下さい』

 

「あぁ!」

 

 試しに何も考えず、俺が培って来た技術を乗せずに襲いかかる腕を一閃する。直後その腕は前回とは比べ物にならないほどあっさりと斬れた。

 断面も綺麗でありレオやみんなの仕事の丁寧さが目で見てわかった。

 

「な、なにぃいい!? おいおいこんなにあっさり斬られるなんて……!!」

 

「お、驚いた。まさかこれほどとは……」

 

『それだけではありません。今度は剣の方に魔力を流してみて下さい』

 

「魔力を?」

 

 傀儡が襲って来る腕を躱しながら剣に魔力を流してみると、実剣が開いたかと思うと実剣の周りを魔力刃が纏う。

 レオの言っていた強化案ってもしかしてこれのことだったのか!?

 

『カリバーやフレイムアイズに使われた技術が転用されているそうです。切れ味に関しても実剣以上の性能となっております』

 

「なるほど……それなら!!」

 

「何ぺちゃくちゃ喋ってんだ! たかが腕一本斬り落としたくらいで調子に乗ってんじゃねえ! 数で応戦だ!!」

 

 直後傀儡はその巨体に見合わなぬ超スピードでこちらに迫ってくると、後方の複数の腕は砲撃を撃ち俺の行動範囲を制限して、前方の四つの腕で打撃を加えようとする。

 前回はこの攻撃を避ける事も弾き返す事もできずにまともに貰ってしまったが、これでなら弾き返す事ができそうだ。

 

「《御神流、奥義之六、薙旋》!!」

 

 魔力を更に流して刃渡りを長くしたグラディウスの刃の腹で傀儡を弾き返し、体勢が崩れたタイミングで前方の腕を全て斬り刻む。

 腕は身体のバランスを取るのに重要な部位だ。ムカデのようにたくさんの腕がついた気色悪い傀儡も、前方の腕が集中して無くなったことで残った腕の重さでバランスを崩して倒れる。

 

「はぁああああ!? な、なんだよそれチート! これチートじゃねえかふざけんな!!」

 

『……マスター、あなたはかなり強くなっていませんか? 私が入院している間に何があったのでしょう?』

 

 いや入院って……。まぁデバイスにとってもあの損傷は大怪我みたいなものだし、修理や強化改造も手術みたいなものだから言い回しは間違っていないのか……?

 

「実は俺もよく分からないんだ。あのクソガキが俺を殺した後みんな殺すって言うから守らなきゃってなってな」

 

『なるほど、マスターの転生特典が働いたのですね』

 

「転生特典?」

 

 …………あー。そう言えば大切なものを守れるだけの力を頼んでたな。

 第二の人生で上手くいかなかった時にせめて、大切なものだけは失わないようにする為の保険のつもりだったがこう言う形で働いてくれるとは。

 

『私と共にマスターも強くなっていたのは喜ばしいことです』

 

「だからなに呑気に話してんだ!! くそ……ヘカトンケイル! 傀儡召喚!!」

 

 ロストロギアの埋め込まれた傀儡を媒介にした召喚魔法により傀儡が大量に召喚される。コイツらは前回戦った時も雑魚だったから負ける事はまずないだろう。

 

『さぁ、今度は銃を使ってみましょう』

 

「分かった」

 

 二振りの剣を腰に収納するとホルスターから銃を引き抜くと、銃口を雑魚傀儡に向ける。

 

「《カラミティバレット》」

 

 魔力を込めて一発一発的確に傀儡の頭を撃ち抜く。

 前回も同じやり方で倒したが、その時は頭部に風穴が空いて機能停止していたが、強化されたグラディウスの弾丸は風穴ではなくそもそも頭を吹き飛ばすほどの威力を発揮した。

 おいおいこれただのスフィアだよな?

 

「いくらなんでも強過ぎないか?」

 

『いえ、覚醒した事でマスターの魔力量も増幅しております。今ほど火力が出るのは一重にマスターが魔力を大量に込めているからでしょう』

 

 そう言う事か。

 それにしても魔力量が増幅しているのならばその分グラディウスにかかる負荷も尋常ではないはず。今の時点で不具合ひとつ起きないだなんて流石はグラディウスだ。

 

「……え? こんなあっさり?」

 

 いくら前回も攻略した傀儡とはいえ、前回以上に早く倒した事でクソガキはポカーンと何も考えずに見ることしか出来なくなっていた。

 おいおい戦場でそれはいけないだろう。放心や油断は命取りだぞ?

 

『さぁ、トドメと参りましょう』

 

「ああ」

 

 銃を腰に刺していた剣と合わせる事でバスターフォームへと姿を変える。

 これは強化前のグラディウスにもあった機能で、砲撃を撃つ為の姿。だがバスターフォームのグラディウスがもう一つ増えた事で火力も二倍。つまりはそう言う事だ。

 

『いえマスター、ここでマイスターレオが強化した機能を使ってみましょう』

 

「まだあるのか!?」

 

『はい。二刀と二丁を一つにするのです』

 

「全合体機能か!」

 

 なるほど確かにアイツの考えそうな事だ!

 バスターフォームの二つを更に合体させて、一つの巨大な大砲……フルブラスターフォームへと姿を変え、グラディウスのコア部分から黒い水晶が排出される。

 

「これは……?」

 

『マイスターレオの試作ロストロギア。簡単に言うなれば魔王の心臓の劣化レプリカと言ったものらしいです』

 

「はぁ!?」

 

 グラディウス曰く、レオのやつは「いやいやロストロギアを持つのは俺じゃなくて、オリ主のヤマトの方がいいだろうが!」と魔心を俺用に複製してしまった様だ。

 いやなんてもん作ったんだアイツ馬鹿か? (褒め言葉)

 

『マイスターレオからの伝言です。「お前新型兵器の実験台な。あ、安全には気を使ったから安心して」』

 

「……まぁレオの作ったものだし間違いは無いよな。行くぞ!」

 

『はい』

 

 魔心の複製品……魔核から魔力を供給しながらフルブラスターフォームの先端に魔力を収束させる。

 

「《パンデモニウムブレイカー・フルブラスト》!!」

 

「え、なんだこの魔力!? な、あぁあああああああああ!?」

 

 黒色の光線が倒れて動かない傀儡をクソガキごと飲み込み、しばらくして砲撃をやめると大破した傀儡と気絶したクソガキの姿があった。




 おまけ

「うわぁ、ヤマト凄い……」

「うん。レオ君はグラディウスを強化させ過ぎてもしかしたら振り回されるかもって心配してたけど、こんなに使いこなしてくれるなんてね」

「いやー、見てて爽快や。さっきまで調子に乗ってたあの子すごく慌ててるで? レオ君のお手伝いしてよかったなぁ」

「……ねぇフレイムアイズ、あの戦いぶり録画してくれた? カッコ良過ぎて一日に一回は見ないと生きていけない身体になっちゃったんだけど」

『もちろんだぜアリサ!!』

「アリサちゃんずるい! 私にも送って!!」

「いやー、それにしてもホントすごいね。……ねぇひな、レオの口に何突っ込んでるの?」

「クリームパン! 疲れちゃったときには甘いものが一番だよね」

「モガモガ」
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