見た目が踏み台だからと言って、中身も踏み台だとは思うなよ?   作:蒼天 極

211 / 297
好き放題やりすぎたかな……。まぁいいや。


お前調子に乗ってるな、半分殺そ

「ひなちゃん……疲弊しきった俺のためにパンくれたのは素直に嬉しいよ、ありがとう。でもね? ……窒息したらどうするの?」

 

「ご……ごめんなさい……」

 

 ひなちゃんを正座させてお説教中の俺氏。

 いや本当にビックリした。苦しいなって思って目が覚めたら口の中いっぱいにクリームパンが詰め込まれてるんだもん。

 そりゃ苦しいよ。息できねえよ、死ぬよ。

 

「ま、まぁまぁ。ひなもレオの事を思って、したんだしそれくらいで……」

 

「甘いよアリシアちゃん。しちゃいけない事はしっかり注意しないと」

 

 今回は途中で目が覚めたから良かったものの、例えひなちゃんに殺されるならまぁいいかなぁと思っている俺だとしても、流石にひなちゃんに人殺しの業は背負って欲しく無いのだ。

 だからしっかりと叱ります、泣いても許しません。

 ひなちゃんが俺のためにおやつのクリームパンを譲ってくれたおかげである程度回復出来たし、彼女の優しさには感謝しますがそれとこれとは別なんです。

 可愛い妹を叱るせいでキリキリと胃が痛みますが続けます。嫌われても今回ばかりは心を鬼にします。

 

「まぁ今回はひなの自業自得よね」

 

「うん。流石にあれはね……」

 

「地獄への道は善意で舗装されている……だっけ?」

 

「お、フェイトちゃん難しい言葉知っとるなぁ」

 

「終わったぞ。……あ、レオ起きたんだな。……なんでひなを説教してるんだ?」

 

 砲撃で傀儡を破壊して、今回の事件の黒幕っぽいガキンチョの意識を飛ばしたヤマトがこちらに来た。

 今回のMVPの一人が来たみたいだし、お説教はここまでだな。

 え、ヤマトがMVPの一人なら他のMVPは誰って? フッ、俺だよ。(ドヤ顔)

 

「もうしちゃダメだよ? いいね?」

 

「はい……もう気絶してる子に……食べ物詰め込みません……」グスグス

 

「よろしい。……ところでヤマトよ。最後の方だけ見てたけどさ……お前なんか覚醒してね?」

 

「あぁ……まぁなんか覚醒した」(なのは達がいるから念話で失礼するが、転生特典の大切なものを守れるほどの力ってチートが働いたらしい)

 

「は?」(え? て事はとどのつまり、実力差があっても今回みたいに一発逆転できるって事?)

 

 なんだよそれ、勝ち目ねえじゃねえか。

 てかそれがあるなら闇の書で俺だけ取り残されたときとか、俺いなくても実はなんとかなったパターンじゃねえか。ふざけんな。

 

「それに今回レオやみんながグラディウスを強化してくれたからな。もう何も怖く無い!!」

 

 その言葉を聞いた俺は無言でFガントレットを展開してヤマトの頭を握り潰そうとする。

 だがヤマトは素手でガントレットを止めやがった。おや、筋力も増加しているんですね。

 

「な、何をしようとしてんだ!?」

 

「いや、死亡フラグを建てたから回収させてやろうかとな。だから潔く散れ、貴様の存在は踏み台である俺にとっては脅威なのだ」

 

「いやいや俺の強化に一枚噛んでおいて何言ってんだお前は!? 覚醒したこの力でぶっ飛ばしてやろうか!?」

 

「は、上等だよ! まだ試してない新兵器の実験台にー」

 

 その直後、ヤマトが倒した傀儡から魔力反応を感じる。咄嗟に後ろを向いてみると、大破した傀儡の胸から光が発生していた。

 これはロストロギアの融合体が暴走してるのか? ……いや、いつの間にか意識を取り戻してたガキンチョが融合体を暴走させてる?

 

「く、ククク……こ、このボクを……天才のボクをバカにしやがって…………それに、ヘカトンケイルを壊して……なんでこんな意地悪をするんだよぉ!!」

 

「はぁ? ふざけんじゃ無いわよ! 意地悪してたのはそっちでしょうが! ヤマトに謝りなさい!!」

 

「うるさい! 管理外世界の人間なんてボクのおもちゃになるべきなんだ!! ボクの作った兵器で蹂躙されるべきなんだ!! なのに抵抗するなんて…………そんな意地悪な奴がいる世界消えて無くなればいいんだ!!」

 

 自分勝手な事を言うだけ言ってロストロギアのの融合体を暴走させるガキンチョ、コイツ次元震を起こしてこの世界ごと俺らをやる気なのかしら?

 ……調子に乗ってるなぁ。

 

「こ、このままじゃ次元震が起きちゃうよ!!」

 

「ヤマト君、言霊でなんとか出来ないの!?」

 

「……すまない、言霊は今封じられてしまってる」

 

「よし、レオやっておしまい!!」

 

「あいあいさー「ちょっと待て」……なんよヤマト?」

 

 アリシアちゃんから指示を受けた俺は、回らない頭をなんとか動かしながら次元震を止めるためにアスカロンを構えたが、ヤマトにより待ったがかけられた。

 

「悪い。だが俺にやらせてくれないか? いつもいつも良いところは持っていかれるし、たまには活躍したい」

 

 そう言うヤマトは切実な表情をしていた。しゃあねえなんとかする術があるってんなら変わってやるよ。

 俺が素直に引き下がると、ヤマトは俺に礼を一つ。そして光り輝いているロストロギアの融合体の下へ移動する。

 そして魔力刃を纏った新生グラディウスを引き抜くと、腰を半腰落とす。

 

「……あ、この構えアレじゃね?」

 

「アレ?」

 

「アリシアには分かんないわよ。なんて言ったってこれはなのはのお兄さんの恭也さんがたまに見せてくれる奥義なんだけど……」

 

「これはお父さんがお兄ちゃんに教えて、お兄ちゃんがお姉ちゃんに教えた必殺の一閃って言ってたの」

 

「確かに必殺の一閃だ。なんて言ったってこの技は……」

 

「「「これを極めた剣士の前では間合いも距離も武器の差も全てがゼロになる」」」

 

「うわぁ……息ぴったりやねぇ」

 

「アリサちゃんもレオ君もなのはちゃんも高町家道場の門下生だからね」

 

「うん。たまにシグナムの道場と合同で試合をするよ」

 

「そう言えばフェイちゃんってシグナムお姉ちゃんの道場でお稽古してたよね?」

 

「うん。シグナムは時間がある時に来てくれるんだ」

 

 ほんと仕事が忙しいのに尊敬しますわ。

 おっと話が逸れまくってたしそろそろ本筋に戻そう。

 確かにヤマトの構えは御神流の必殺技だが、アイツはまだコイツは使えなかったはず。もしかして覚醒したついでにこの場で習得してしまおうって言うのか?

 全く無謀もいいところだ。下手を打ったら盛大に笑ってやる。

 

「ふぅ……《御神流奥義之極、閃》」

 

 直後ヤマトの姿が消えて、それと全く同時にロストロギアの融合体は真っ二つに斬られた。

 おおぅ、今のは紛う事なき恭也さんの閃。あまりの速さに門下生である俺たちでなきゃ見逃しちゃうね。

 

「凄い……。恭也さんと同じ速さだし同じフォームだったね」

 

「……流石、未来のなのはちゃんの義妹はレベルが違った」

 

 なんで道場に通っていない貴方が見えるんすかすずかさん?

 

「な、なんで見えるのすずか?」

 

「夜の一ぞゲフンゲフン。……たまに恭也さんに見せてもらうからだよ」

 

 まーた月村家のおままごとネタかよ。忍さんもおままごとは大概にしないと、すずかちゃんが変な事口走りかけたよ?

 まぁそれはさておき……。

 俺はロストロギアの融合体が破壊されたことに衝撃を受けて腰を抜かしているガキンチョの髪の毛を掴み上げる。

 

「ひ、ひぃ!?」

 

「ヤマト、あのゴミは俺が処理しても良いかい?」

 

「え? これから俺が何発か殴ろうと思ってたんだけど……」

 

「すまん頼む! コイツ魔心を狙って来たんだろ? だったら俺がやっても良いと思うんだ!」

 

「……まぁそうなんだが、せめて一発は殴らせろ」

 

「おう」

 

 ガキンチョを関節を決めて逃げられない様にすると、ヤマトに突き出す。

 

「お、おい!! こんな事してただで済むと思ってんのか!? 僕は未来に名を残す科学者のダーバイン様だぞ!?」

 

「いや未来に名前残して良いのはレオとレオの弟子だけだから」

 

「嬉しいこと言ってくれんじゃん」

 

 ヤマトはそう言うと、左右左右左右左右フックを連続で叩き込むと、最後にアッパーを叩き込んだ。

 一発って言ってたのに何発も殴って……よっぽどヘイトが溜まってたんだろうな。

 

「ガバァ!」

 

「ほら後は料理して良いぞ」

 

「ありがとな。それじゃあ……なぁ科学者(笑)の短パンさん?」

 

「ダ、ダーバイン様だ!!」

 

「お前今回は魔王の心臓が欲しくて襲撃をかけたんだよな? その勇気に免じて魔心の魔力……少しばかり分けてやろうじゃねえか」

 

「え?」

 

 魔心をやつに手渡すとそのまま突き飛ばしてやつをたたみ半畳ほどの広さの強力な……非常に強力な結界の中に閉じ込める。

 そして魔心を遠隔操作して魔王の心臓から膨大な量の魔力を発生させて次元震を引き起こす。

 

「ぐぁ、が……ぐぁあああかかかあああかああああ!!!??!?」

 

「ククク、この結界は次元震だって外には出さない特注品さ。つまり周りにも管理局にも一切迷惑をかけずに次元震の衝撃だけをテメェに伝える。それにジュエルシードの一件でこの程度の次元震では人が死なないことは学んでる。さぁ泣け! 泣いてパパにでも助けを求めるんだなァ!! あぁ、調子に乗ったクズを痛ぶるのは本当に気持ちがいいぜ、ヒャーハッハッハッハッハ!!!!」

 

「れお君が壊れちゃった……。ひながパンを口に詰め込んじゃったからかなぁ……」シクシク

 

「え、いつもこんなんやよ?」

 

「んなわけないでしょ? 気絶するくらい脳に負荷がかかってたらしいし、そんなに余裕がないんでしょ」

 

「つまり追い込まれて本性を露わにしたと。……狂った様に笑うレオも可愛いなぁ///」

 

「お、お姉ちゃん!? お願い戻って来て!!」

 

「それにしてもあの笑い方、どっちが悪役か分からなくなっちゃうの」

 

「一つ言えることは……ヤマトにしてもレオにしても、あの人は喧嘩を売る相手を間違えたって事だね」

 

 その後みんなに止められるまで、次元震の衝撃を直接食らってもがき苦しむ短パンの姿を見て大笑いする俺であった。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。