見た目が踏み台だからと言って、中身も踏み台だとは思うなよ? 作:蒼天 極
いくらイタズラされたとは言え、アリシアちゃんにとっては初めてのハロウィンだ。だと言うのにハロウィンのお菓子をあげないのは流石にいかがなものか。という事でパンプキンパイを焼いてあげる事にしました。
「よし後は焼き上がるのを待つだけ」
「うわぁ、美味しそうな匂い〜♡」
「楽しみだねぇ。あ、そうだ。焼き上がるまで時間かかるし、れお君も仮装しない?」
仮装か。確かに今はなのはちゃん達もヤマトの家でハロウィンを楽しんでるだろうし、今はヤマトと水入らずの時間を楽しませて、夕方くらいに合流すればいいかな?
「衣装については数日前から準備してたよ。少し手抜きだけど」
3階に収納していたとあるお面を、被ってTチェーンソーを展開する。
このキャラは映画ではチェーンソー使ってないくせにどうしてチェーンソーってイメージがあるんだろうな……。
「仮装してきたよ〜」
「「きゃぁあああ!!!!」」
俺の姿を見たひなちゃんとアリシアちゃんは悲鳴をあげてお互いを抱きしめ合う。
ククク、手抜きだけどハロウィンと言ったらこれだよな。
「れ、レオこれなんの仮装なの!?」
「13日の金曜日のジェイソン」
ククク怖かろう。ネットで注文したジェイソンお面に少々特殊な塗料でまるで返り血を浴びた様な演出をして、予備のTチェーンソーの刃の部分もお面に使った塗料で塗装したからな。
「だ、ダメー!! 13日の金曜日? が何かは知らないけどこれなんか嫌だよ!!」
「そうだよ! ハロウィンって可愛い仮装しなきゃダメなんでしょ!? ホラー路線で攻めないでよ!!」
「別にハロウィンは可愛い縛りじゃ無いんだけど……?」
その後流石にコレは嫌と言う事で、急ピッチで有り合わせのものを使って死神っぽい衣装を作りました。
「よしまぁ少し手抜き感が拭えないけどコレで良いかな……?」
「おー、死神さんだー!!」
「いいねいいね、ハロウィンっぽい!!」
コレもどちらかと言うとホラー寄りなのだが、ひなちゃんとアリシアちゃんの反応はなかなか悪く無い。なんで死神はよくてジェイソンはダメなのだろう? やっぱり猟奇ホラーだから?
「よし後は骸骨のお面と大鎌だけど……」
「ヤマト君の家に行くときに100円ショップ覗いてみようよ!」
「鎌はフォーチュンザンバー使う? 貸そっか?」
「大丈夫。過去に作った大鎌型デバイスを使うから」
そう言って取り出すは我が家の地下室の置き物と化していた実刃の大鎌。
以前踏み台のゴミ野郎に我が家を燃やされたが、せめて無事なのはないかと深夜にこっそり焼け跡を漁って発見した試作デバイス3号だ。
最初期に作ったものだしなんとか焼け跡から回収出来たデバイスという事で、感慨深いから属性デバイスの仲間入りをさせようかなと思ったが、いかんせんこれはチートに振り回されていた時代に作ったものであり、属性デバイスの同クオリティに改良するくらいなら新しいのを一から作った方が良いため、我が家の置き物と化していたのだ。
「お、パンプキンパイも焼けたね。冷めたら包んでヤマトの家に持って行くとして、俺たちは焼きたて熱々をいただいてしまおうか」
「焼きたては絶対美味しいやつだよね!!」
「わーい、ひなお皿とフォーク持ってくるね!!」
魔導師組連中にも配ると言う事で、大きめに作っておいたパイを魔導師組プラスヴィータちゃんの10人数分に切り分けて、火傷しない様にゆっくりと食べるのだった。
「ひなのそれ大きいね……」
「そう? 交換しよっか?」
「全く同じ大きさだから他の人のを欲しがるんじゃありません」
◇
ヤマトの自宅の前にたどり着いた俺らであるが、まずは一旦念話をかけてみよう。
せっかくの良い雰囲気ならば空気を読まずに入っては行けないだろう。でも念話をかけるだけでも良い雰囲気ってのはぶち壊しなんだよな。
「……はやてで良いか」
つい先ほどいらん気を回してくれたタヌキならば、迷惑をかけても問題あるまい。
(おい車椅子レーサー。今来ても問題ないかい? それともお楽しみ中?)
(ごめんなぁレオ君、今お楽しみ中や♪ 悪いけど入って来たらあかんよ?)
(え、その言い方からしてそう言う意味?)
(……言わせんといて、恥ずかしい……///)
「( ゚д゚)」
「あれ? どうしてポカーンとした顔になってるの?」
な、なんだと? あのはやてのあの言い方、ゴールインを迎えたって事か!? な、なんでこのタイミングで……も、もしやあのオリ主、覚醒と共にあの鈍感度がとうとう正常なものに……!?
だとしたらめでたい。本っ当にめでたい!!
「ひなちゃん、アリシアちゃん。はやて曰くお楽しみ中らしいからもう少ししてからまた来よっか?」
「お楽しみ中……つまりそう言う事ですな。フェイトはなのは達やヤマトと幸せになってるんだね。お姉ちゃん感慨深いなぁ……」
「え、どう言う事?」
ピュアッピュアなひなちゃんにはまだ早すぎることだよ。
よし一旦家に帰って赤飯でも作ってきてやろ「家の前で何話してるんだ? 入らないのか?」っ!?
「ふぇヤマト君お楽しみ中じゃなかったの?」
「……も、もしや妹だけじゃなく私達まで!? ヤマトが良い人だからフェイトを任せてたのに女の子なら誰でも良い? 見境がないだけ? ……見損なったよ!!」
「てかヤマト、テメェの言い方だと俺もターゲットって事だよなぁ? 今までの冗談と言い俺のことまで狙ってたと……? て事はたまに見る悪夢は予知夢だった……? や、やめろ来るな! 新たな世界をこじ開けに来るんじゃねえ! 俺の側に近寄るなぁああああ!!」
「……話し声が聞えるのに入って来ないから気になって玄関開けただけなのに、どうしてこんなに言われないといけないのだろう?」
「アハハハハハハハハ! 引っかかったなレオ君、アリシアちゃん!! ヤマト君がそう言う事する訳ないやん!!」
俺とアリシアちゃんが互いを抱きしめあって震えている姿を見て爆笑するタヌキ。
どうやらお楽しみというのは嘘だった様だ。
…………よし泣かそう。
「はやて、トリック・オア・トリック」
「え、それどう転んでもイタズラされるやん」
「そういうことさ」
そこまで言うとデバイスを組む際に使うモニターとキーボードを展開して、キーボードを打って打って打ちまくる。
……よし、最後はエンターでっと。
「……はやてのデバイス端末をハッキングして、リインフォースⅡのモデリングを弄らせていただきました」
「え!?」
はやてがすぐさま自前のモニターを確認。そして悲鳴をあげ始めた。
「な、なんて事するのレオ君!? そ、それはいくらなんでもイタズラの域を超えとるやろ!?」
「え、レオ何をしたの? 流石に頑張って作ったものをメチャクチャにするのはやり過ぎだよ?」
「リインフォースⅡの胸を断崖絶壁にしようと思ったけど、それじゃあこの先産まれてくるツヴァイが可哀想だから常識的な範囲で控えめな胸にしただけだよ。因みに変更前はこれね」
モニターに映し出されるのは、爆乳のツヴァイの姿。
「あー、これならレオの方が良いかも」
「なんでや!? 巨乳は女の子の憧れやろ!?」
「いくらなんでもやり過ぎだよ。胸が巨大すぎて身体が隠れてちゃってるじゃん」
だろう? はやてが作ってるのを見て幾ら何でもこれはやり過ぎだろうと思っていたのだ。
妹が生まれてくると言う事で楽しみにして来たヴィータちゃんからも「これじゃあツヴァイが可哀想だ。お前はやての師匠だろ、ツヴァイの胸をなんとかしてくれよ!!」って泣きつかれてたしな。
「お、おのれ〜、人が苦労して作ったものを……絶対許さへん! 当分特売に来れない様な身体にしてやるわー!!」
「上等だ、かかって来い! 貴様なんぞ俺が4歳の頃に作った試作デバイス3号機で充分じゃオラァ!!」
「レオ手伝うよ! はやてに勝たないとツヴァイが可哀想だ!!」
「ヤマト君、お楽しみ中じゃないなら入っていーい?」
「ああ、入って良いぞ。今朝お菓子いっぱい買って来たから、たくさん食べて行けよ」
「わーい!!」