見た目が踏み台だからと言って、中身も踏み台だとは思うなよ? 作:蒼天 極
「……それじゃあチンクとギンガちゃんはこちらの方で一晩お借りします」
「おう。ちゃんと見てやってくれよ?」
「えぇ」
その後そろそろ夕刻という事で、海鳴市に帰還してアリサちゃん家に移動しようと考えていたが、ギンガちゃんが「ひなとアリシアに抜け駆けさせない!」と言ったため急遽彼女も参加してもらうことにしました。
「行きたいって言っちゃったけど、急に私来ても迷惑じゃないかな……?」
「大丈夫、ヤマトにギンガちゃん参加するってさっき伝えたし。ま、俺に黙って準備を進めてた意趣返しにはなっただろ。兵糧的な意味で」
「追加の食材を買ってきて料理しなくてはならないからな。みんなの苦労が脳裏に浮かぶよ……」
「な……今日ぐらい遠慮するもん!!」
本当ならばお姉ちゃんだけではなくスバルちゃんとかも連れていくべきなんだろうけど、この子達は昼に色々回って疲れたのか今はすっかり夢の中なのでゲンヤさんと共にお留守番だ。
「あ、あと一つ。娘に手は出すなよ?」
「いやいやもし喧嘩するにしても口喧嘩に留めますよ。殴り合ったら確実に俺が勝つでしょうし」
「いや、そうじゃなくてな……」
「そうじゃ無いなら何ですか? はっきり言って下さらないと分かりませんよ?」(ゲス顔)
「おめえ分かってて言ってるだろ!? ……まぁ、レオ坊に限ってそりゃ無いか……。それじゃあ娘達を頼んだぜ?」
「えぇ。それよりも手を出すなとはどう言う意味ですか?」(ゲス顔)
「それ詳しく言ったら娘の精神衛生に悪いだろうが! いいから早く行け!!」
いやギンガちゃん頬を赤らめてるし今更なような気がするけどね。
と言うか小学生相手にその手の心配をするんじゃ無いよ。
◇
「それじゃあ、リインフォースツヴァイの誕生とレオ君の誕生日を祝って乾杯や!!」
『かんぱーい!!』
18時ピッタリでアリサちゃん宅へお邪魔すると、歓迎されて早速乾杯をする。
「それにしても……急にギンガちゃん呼んでしまってごめんね」
「大丈夫だよ。レオ君なら誘うかもって思ってたから」
みんなが準備してくれてる途中にギンガちゃんを途中参加させようとするという究極のドクズムーブをぶちかましたにも関わらず、それを見越してギンガちゃんの分の食事も用意していたと言うのだから流石と言うべきだろう。
「私の予想じゃスバルも連れてくると思ったんだけど、予想が外れちゃったわね」
「あの子はお昼遊び回ったから疲れて眠っちゃってね。と言うか今回は寝てくれて正解だったかもしれないね」
「なんで? みんなで楽しんだ方がいいでしょ?」
首を傾げるすずかちゃんにチンクが少々複雑な顔をする。
「実は私の妹の戦闘機人の三人がナカジマ家に引き取られる事になってな、スバルが起きていたならあの三人も起きてるだろうし、姉上とスバルだけを連れて行こうとしたらあの子達も行きたいって駄々を捏ねるだろうし……」
「な、なるほど、確かに予測してたギンガやスバルはともかくそこからさらに三人増えたら流石に困るわよね……」
「スバルちゃんにお留守番してもらったのは正解かも……。取り敢えずスバルちゃんに用意してたご飯は包んで帰りにチンクちゃんに渡すね?」
「助かる」
納得した表情のアリサちゃんとすずかちゃんであったとさ。
もしスバルちゃん達が寝てくれてなかったら、ギンガちゃん含めて5人を途中で誘うと言う地獄行き確定の大罪を犯すか、チンク以外はナカジマ家の参加を認めないかの究極の二択を選択をしていたかもしれないなぁ。
「まぁそれはそうと……」
みんなに囲まれてビックリしたのか、リーン姉さんの懐に隠れてしまったツヴァイをチラリと見る。
「生まれたばかりだからか、流石の人気っぷりだねぇ」
「レオったら嫉妬なんて珍しいわね〜」
「嫉妬ちゃうわ」
俺を差し置いてツヴァイの方に行くのはむしろ良い事だからな?
なんて言ったって重要度的には誕生日の俺よりも、今日生まれたばかりのツヴァイを構ってやる方が正解だし、もしツヴァイを差し置いて俺の方に来てたら説教していただろうしな。
「そう言う意味ではアリサちゃん達はツヴァイを見に行かなくて良いの?」
「私達は生まれた瞬間に立ち会えたから後でで良いわよ」
「うん。それに流石に今はあの人の輪には入れないかな……。物理的に」
「心配しなくともひな達が兄上の所に来たら入れ替わりで行くさ」
どうやら我が弟子達は俺と同じ事を考えてたようだ。
そうだよな。流石にあの人混みの中に入りたくないし、別に減るもんじゃ無いんだから後で顔を見る程度でいいだろ。
お、今の発言を聞いてたのかは知らないけど、ツヴァイの方の人混みが減って来たな。正直ツヴァイの様子は気になってた所だしちょいと顔を出すか。
「はやて、ツヴァイはどんな感じ?」
「こんな感じや」
はやての視線を追ってリーン姉さんの方を見ると、彼女の掌の上ですやすやと寝息を立てるお姫様姿のツヴァイ。どうやら疲れて寝てしまったようだ。
なーるほど、人混みが減ったのはツヴァイが寝てしまったからか。
「見に来てくれたところで申し訳ないが、今は寝かせてやってはくれないだろうか?」
「もちろん。赤ちゃんは寝るのが仕事だしねぇ」
「リーンは赤ちゃんちゃうけどな」
いや見た目は少女ではあるけど生まれて1日も経過してないから赤ちゃんだよ。異論は認めない。
「そう言う事なら私達も退散しましょ」
「起こしちゃ悪いもんね」
「そうだね。さっきからひなちゃん達がチラチラ俺の方見てるし顔出して……いや、ここは敢えてパーティー終了まで顔を出さずに放置してあの子達の反応を楽しむのも……」
「ひな達が泣くぞ? そして父上から姉上を泣かせたら責任を取らせるように言われてる。…………どう責任を取らせるべきか分からないが、お仕置きされたくなければ行くべきだろう」
……そ、そうやね。ひなちゃん達の親って全員親バカだから泣かせたりしたら、殺されるどころか来世も命を狙われる可能性があるしいくか。
そろそろヤマトの所に行くと言うお嬢様コンビやリーン姉さんと話があるというチンクと別れてひなちゃん達と合流する。
「あ、れお君やっと来た〜」
「ごめんごめん。ちょいと話し込んでしまった」
「レオ、そう言うのを浮気って言うんだよ?」
「レオ浮気したの!? う、浮気はダメだよ!」
ニヤニヤとイタズラな表情を浮かべてそう言ってくるアリシアちゃんと、それを間に受けてしまったギンガちゃん。
いやいや浮気言うてもそもそも俺君らと付き合って無いやん? なのに浮気者扱いされるのは流石に酷くね?
…………よし(ゲス顔)
「なるほど確かに浮気はダメだよね。それじゃあ浮気するわけにも行かないから、アリシアちゃんとギンガちゃんは放っておいて、向こうでご飯食べよっかひなちゃん?」
「うん。あ、これひなが作ったんだよ?」
「へぇ。食べるの楽しみ」
珍しく俺の企みに乗ってくれたひなちゃんを連れて、別の席に移ろうとするとガシッとアリシアちゃんに裾を掴まれる。
「レオからかってごめんなさい。お願いだから二人で行こうとしないで下さい……」
「う、浮気でもいいから二人で行かないで!!」
俺をからかおうだなんて10年早いよアリシアちゃん?
あとギンガちゃんには浮気の定義をしっかりと教えなければ……いや、しっかり教えて耳年増にして返したらゲンヤさんやクイントさんに殴られそうだし適度に誤魔化した方がいいかな?
「もぅ、だから言ったでしょシアちゃん? からかっても返り討ちになるよって」
「うぅ……まさかひなが乗っかるのは予想外だったよ」
「いたずらっ子なシアちゃんを懲らしめるために一芝居打ったひなであった!」
そう言って得意げな表情で胸を張るひなちゃん。
どうやら本気では無かったらs「でもれお君が本当に移動してたら、ちょっとの間独り占め出来たんだけどなぁ」……まさかワンチャンを狙っていたとは、予想以上に強かに育ってくれた妹分であった。
その後ひなちゃん達にあーんしたりあーんされたりしながら誕生会を楽しませていただきました。
モチベが下がり切ってお休みをいただきました。
なんとかモチベを上げ直さなければ……