見た目が踏み台だからと言って、中身も踏み台だとは思うなよ?   作:蒼天 極

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オリキャラ出ます。
後カオス注意。


俺のシマで煽り運転たぁ、舐めた真似してくれるねぇ。

 俺とツヴァイの誕生会から早い事でもう一月、本日は魔法関連やスーパー関連の用事は無いため、久しぶりにチャリで爆走する事にした俺である。

 足に力を込めてペダルを踏み込むと、その勢いに比例してどんどんと速度を上げる俺のクロスバイク。

 あんまり速度を上げると子供とかが飛び出した際にブレーキが間に合わないなど懸念があるだろうが、俺が今走ってる道は見晴らしがいいため飛び出しを予測することが出来る上に、今この時間帯はこの道を使ってる人は少ない……っというかほぼ無いと言ってもいいだろう。

 

「るるるるるーるーるーるる〜♪ るるるるるーるーるーるる〜♪」

 

「Hey、今日は随分とご機嫌じゃないかマイブラザー!!」

 

「そりゃあ久しぶりのサイクリングだしなぁ! アレックスの家の門限までまだまだ時間あるし、今日は足が棒になるまで乗り回そうぜ!!」

 

「All right、いっそのことあの夕日に追いつこうぜ!!」

 

「上等、足を酷使する覚悟は出来てるか? 俺は出来てるぜ!!」

 

「Me too!!」

 

 普段魔導師としてや魔導師組の中では精神的に年長者に属している俺であるが、この瞬間だけはこの身体の年相応に楽しむ事が出来る貴重な機会だ。

 今日以降はまた忙しくなるかもしれないし、今のうちに思いっきり楽しんでおかなくちゃなー!!

 そんな事を考えながら、走り屋仲間のアレックス・フェルトとテンションマックスで会話しながらクロスバイクを走らせていると、少し離れた所に人影が見える。

 

「Heyアレックス!」

 

「OK! 轢いたらまずいし横切るまでは自転車は押そう!!」

 

 と言うわけでブレーキを握りしめて車レベルに加速していた自転車の速度を殺すと、降りて横切るまでは歩く事にした。

 別に上手く避けようと思えば避けられるんだろうけど、何かあってからでは遅い。かもしれない運転が重要なのだ。

 

「ん? ブラザー、あそこにいるのはお前さんの第二婦人じゃないか?」

 

 え? あ、本当だ。人影の正体はアリシアちゃんとフェイトちゃん、そしてヤマト。そして知らないガキンチョ複数人だ。

 アリシアちゃんがヤマトとつるんでるのは珍しいけど、ま、大方フェイトちゃんにアリシアちゃんが付き添ってるとかそんな感じなんだろうなぁ。

 ……まぁそれはいいとして

 

「アリシアちゃんの事を第二婦人って言うのやめてくんない? お陰様で最近学校で堂々と浮気するクソ野郎扱いされてんだから」

 

「ブラザーははっきりと拒絶しないからなぁ。煮え切らない態度を取ってるからそう言う対応されるんだZE☆」

 

「そうなんだけど……そうなんだけれど……! はぁ、我ながらほんとヘタレだよなぁ……」

 

「まぁブラザーは豊田のお坊ちゃんよりは自覚してる分マシってもんだよ! ……ところでテスタロッサの嬢ちゃんらと豊田の坊ちゃんなんか揉めてないか?」

 

 アレックスのその言葉に耳を澄ませる。

 

「危ないよ! 怪我したらどうするの!?」

 

「そうだ。つか俺のチャリ弁償しろコラ!!」

 

「怪我したくないなら、この道使わなければ良いんじゃないですかぁ?」

 

「この道は俺らの縄張りなんでーす」

 

 なんだか知らないガキンチョと揉めてるっぽいな。それにしてもガキンチョどもの声なんだかムカつくな。事情聞いてないけど取り敢えず喉仏に指でも突っ込んでおくか?

 ……流石にそれはあかんか。取り敢えず話を聞きに行くかね。場合によってはガキンチョどもは踏み台式脅迫術を駆使すればなんとかなるっしょ。

 

「ハロー皆さん。どうしたん?」

 

「え、レオ、なんでここにいるの!?」

 

「そりゃあこの道は自転車走らせるには最高だからだよ」

 

 そう言いながら現在の状況を確認してみる。

 テスタロッサ姉妹の近くに空色と黄色の子供用自転車。そして少し離れた所に黒色の自転車。あ、これチェーンが切れてる。そしてさっきの口論の内容から察するに……

 ……なるほどなるほど。

 

「とどのつまりヤマトとフェイトちゃんがラブラブサイクリングデートしてたら、そこの君達が突っ込んできたって感じ?」

 

「そうだよ! この人達が横に来たかと思ったら急にヤマトの自転車蹴ったんだよ!」

 

「そ、それに幅寄せとかもしてきて……グス、せっかくお年玉と給料で自転車買ったけどもう乗りたくなくなっちゃったよ……」

 

 煽り運転かよ、そりゃ笑えねえな。

 近い将来社会問題化したはずだし今のうちに排除してた方が日本の為かもしれん。

 

「ヒュウ、まさか一瞬で状況が分かるだなんて、流石はマイブラザーだ! 将来は探偵もおすすめだZE?」

 

「……フェルト、お前そんなキャラだっけ? 普段はメガネかけて目立たないのに……」

 

「アレックスはハンドル握ると人が変わるタイプなんだよ。……それで君達の言い分も聞いておこうか? なんで蹴ったの? 危ないでしょうが」

 

 非難を込めた視線でガキンチョどもを見ると、彼らはニヤニヤと笑う。

 

「違いますけどぉ?」

 

「俺らがやったって言う証拠はあるんですか証拠はぁ?」

 

「顔がムカつくなぁお前ら」

 

「「あぁん!?」」

 

 俺の正直な感想に対してガンを飛ばしてくるガキンチョどもは放っておこう。

 コイツらの反応からしてやったのは十中八九コイツら。被害者がヤマトならグラディウスの録画を見れば一発なんだけど、魔法のない日本においてはこれは証拠になり得ない。故に別の証拠を探さないといけないわけだけど……。

 

「確かここら辺に監視カメラあるんだけど、警察に電話してちょいと見てもらおっか」

 

「そうだな。それが一番か」

 

「OK! それなら早速電話してやるよ!!」

 

「おいお前らそいつを止めろ!!」

 

 直後、アレックスのスマホを奪い取ろうとするガキンチョ数名。

 それを俺とヤマトで阻止する。

 

「イテテテ、離せ!!」

 

「クソ、コイツら握力が強え!」

 

「ヒュウ♪ 流石はブラザーに豊田の坊ちゃん。痺れるねぇ」

 

 別に無力化してないけどあえて今言わせて貰おう。やめておけクソガキども。お前らが相手にしてるのはオリ主のヤマトと踏み台その2の俺様ぞ?

 貴様らのようなモブは逆立ちしてもまず勝てないのだ!!

 

「……まぁそれはさておき、この反応……どうやらやったって認めるみたいだねぇ?」

 

「は、だからなんだよ?」

 

「そもそもコイツらが俺の縄張りに入るのが悪いんだろうが!!」

 

「へ、ここは俺たちのチームのシマなんだから入ってくんなよな!!」

 

 開き直ったガキどもの姿を見て呆れたような表情を浮かべるアリシアちゃん。

 

「……さっきからずっとこんなんなんだよね」

 

「クソガキだねぇ。それにしても……おいガキども、今ここがテメェらの縄張りっつったか?」

 

「な、なんだよ……」

 

 俺はゆらりと立ち上がると、ガンを飛ばしてガキどもに詰め寄る。

 普通ならこんな大人気ない真似はしないんだけど、勘違いして危険な運転をするガキどもには一つ教えておかねばならない事があるのだ。

 

「ここは3年前から俺とアレックスの縄張りじゃオラァ! 最近忙しくて乗れてないタイミングで縄張りを侵犯するたぁ、良い度胸してんじゃねえかゴラァ!!」

 

「そうだ! ここはブラザーと俺の愛用ロード! 勝手に縄張りを主張しないでもらおうか!?」

 

「え、えぇ!?」

 

「えー! レオそっち側だったの!?」

 

「つか自転車のチェーン弁償して欲しかっただけなのに、なんで縄張りの話になった」

 

 この縄張りの所有者としては流石に今回の件は笑えない。なにしろ罪もない一般人に煽り運転ぶちかまして、挙げ句の果てにはヤマトの自転車のチェーンを壊したんだからなぁ。

 俺とアレックスがメンチを切ると、ガラの悪いガキどもは俺らの方へ詰め寄って来る。

 

「来れてねえならここはもうお前らの縄張りじゃねえんだよ!!」

 

「つかなんだその自転車? そんな安物で縄張りを主張するだなんて笑えるじゃねえか」

 

「はっ! これだからトーシロはダメなんだ!! ブラザーや俺のバイクはナイスなカスタマイズを加えた特別製!!」

 

「本気で漕げば高速道路でも走れるように魔改造してんだよこっちはよぉ! 脳死で高い自転車買っただけのお坊ちゃんは帰ってパパにゲーム機でもおねだりしてな!!」

 

「やんのかコラァ!?」

 

「上等だオラァ!!」

 

「ねぇ、ちょっとこれ不味いんじゃない?」

 

「確かにこれ喧嘩になっちゃう流れだが、喧嘩ならレオまず負けないだろうし問題ないと思うぞ」

 

「違うよ! あの子達がレオに殴り殺されちゃう!!」

 

「はっ!? そ、そうだよ。れ、レオ一旦ストップ! ダメだよ、流石にここで殺しは不味いって」

 

 ……いや殴り合いはせんよ。

 魔法関係なら半死半生にするけど、今回の相手は別に凶悪犯罪者なんかじゃなくて、タダの近所の悪ガキだからな。力の差を見せつければそれで万事解決なのだ。

 

「……テスタロッサ嬢は何を言ってるんだ?」

 

「全くだ。おいガキども、まさか殴り合いで白黒つけようだなんて考えてねえよなぁ?」

 

「あぁ!? そんな事したら死人が出るだろうが。俺と言う名の死人がな!!」

 

「オメェ喧嘩弱いもんな」

 

「うるせぇ、文句あんのかコラ!!」

 

「ふ、文句なんてないさ。ライダーにはライダーの戦いがある。ユーたちもそれで良いかい?」

 

「上等だ、負かしてやるよ!」

 

「それじゃあ始めようか、自転車勝負をよぉ!!」

 

 

「あー、今日のレオ変なテンションになってるよ……」

 

「……これもう帰って良いかな? もうチェーンは諦めよ?」

 

「いや、一方的にやられておいて流石に納得いかないから、少なくとも俺は払うまで付き纏う」

 

 その後俺とアレックスが圧勝した為、クソガキ達からヤマトの自転車のチェーン代をぶんどって追い払ってやりました。

 それから数日後、あのクソガキどもが危険運転してた件について近所の人が見てた様で、クソガキどもの小学校に苦情が入って、両親に自転車を捨てられてしまったと風の噂で聞いたのだった。




 アレックス・フェルト

 レオの自転車仲間。普段は大人しく読書好きな金髪の可愛い系の少年であるが、自転車を乗る時は性格が変貌してエセ英語を交えたウェイ系な言葉遣いになる。
 レオとは一年の頃からの付き合いであり、レオの自転車テクに惚れてブラザーと呼んでいる。
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