見た目が踏み台だからと言って、中身も踏み台だとは思うなよ?   作:蒼天 極

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図書館で天使の文献を調べてみるか……。

 ひなちゃん家で夕飯をご馳走になってから数日。ひなちゃんがぼーっとしてる事が増えた。

 おそらくあのとき羽鳥さんに言われたことを悩んでるんだろうなぁ。魔法の修行の時もエンジェルウイングで色々やってみようとしてるし。

 ……その時に俺は一個エンジェルウイングの発展系を思いついたんだけど、ひなちゃんの為にならないし、まずは一個自力で発展を見つけてから教えようかね。

 

「ねぇねぇ、ウノ持ってきたからやらない?」

 

「あ、アリシアちゃん。先生に見つかったら怒られちゃうよ?」

 

「大丈夫大丈夫! 先生が昼休みに教室来た事ないし。すずかもやろうよ!」

 

「え、えぇ!? ……そ、それじゃあ一回だけ。……なのはちゃん達はどうする?」

 

「私はヤマト君がサッカーしに行く見たいだから、フェイトちゃんと見に行くの」

 

「ごめんねお姉ちゃん。アリサも行く?」

 

「行きたいけど今日は学級会議があるから無理ね。はぁ、学級委員なんて引き受けるもんじゃ無いわね……」

 

 そう言いながらなのはちゃんとフェイトちゃん、アリサちゃんは退室。

 え、ヤマト? アイツはもうとっくに校庭に出てるよ。

 

「ドンマイやアリサちゃん。アリシアちゃん。私も入ってええか?」

 

「もちろん! レオは強制参加として、ひなはどうする?」

 

「…………」ポケー

 

「……ひな?」

 

「…………」ポケー

 

 アリシアちゃんがひなちゃんの目の前に来て、手を振ってみてもゆさゆさ揺さぶってみても反応がない。

 てか俺は強制参加なのかよ。まぁ昼休みは大体は体育館でバスケするかイメトレしてるから別にいいけど!

 

「……レオー、ひなを起こしてー」

 

「はーい。ひなちゃーん、アリシアちゃんに反応してあげてねー?」ナデナデ

 

「ハッ! ……え? ごめんシアちゃん。なんだっけ?」

 

 ひなちゃんの頭を撫でて正気に戻した俺であるが、ニコポナデポなんて使ってはいない。

 あれはヤマトに封じてもらってるし、そもそもひなちゃんにニコポナデポは効かないからな。ただ純粋に頭を撫でられるのが好きなだけである。

 

「……ひな最近ぼーっとすること増えたよね。一体どうしたの? 悩み事?」

 

「う、うん。実はあれがこうでこれがそうでね……」

 

「ひなちゃん? もうちょっと分かりやすく説明してくれないと分からないよ?」

 

「大丈夫だよすずか、ひなのなら分かるから。ひなは修行してたけどひなのママに、ひなのレアスキルにはまだまだ先があるって言われたみたい。なるほど、それで悩んでたんだね」

 

「な、なんで分かるの!?」

 

 俺とはやてがカクカクシカジカで意思疎通できるのと同じ理論で、ひなちゃんとアリシアちゃんもよく分からない言葉で意思疎通が出来るのだ。

 俺とはやて、ひなちゃんとアリシアちゃんはライバル関係だし、ライバルだからこそ通じ合える部分があるって事なんだろうなぁ。

 

「と言うかすずかちゃんだってアリサちゃんとなら、以心伝心できるやん?」

 

「ちょ、ちょっとは出来るけど、あれ取ってとかこれをしてとかの意味が分かるくらいだよ?」

 

「それでも充分やと思うけどなぁ。て言うかそれは熟年夫婦にしか出来ん技術やん」

 

 多分なのはちゃんとフェイトちゃんもそのくらいなら出来そうではあるし、そうなると以心伝心が出来ないのはヤマトただ一人……?

 このグループの中心になってるのに、一人はぶられてんじゃん。今度これをネタにからかったろ。

 

「まぁ以心伝心については置いておいて……ひなのレアスキルって確かひなのママのレアスキルなんだよね? ならリンディ母さんに言って当時のひなのママの魔法とか見せてもらう?」

 

「いや、羽鳥さんはひなの力はひなが見つけるべきって言ってたし、これじゃあひなちゃんのためにならないと思う。だから兄貴分としてひなちゃんの意思に関係なくその案は却下とさせていただきます」

 

「過保護な姉貴分やねぇ、ちょっとくらいチラ見してもバレないやろ?」

 

「はやてお前人の話聞いてたか? てか姉貴分やない、兄貴分や」

 

「ま、まあまぁ。でもそう言う事なら今日の放課後に図書館でも行ってみる?」

 

「ほぇ? すずちゃん、どうして図書館の話になっちゃうの?」

 

「ひなちゃんのエンジェルウイングって天使の羽だよね? なら、図書館とかで天使の文献なんかを探せば参考になると思って」

 

「なるほどね! 確かに天使さんについてはいい参考になるかも! なら放課後に行ってみよう!」

 

「お、ひなの件はこれで解決だね! それじゃあ早速ウノをしよ「いけないいけない。テストの採点しようと思ったのにテストの答案を教室に忘れちゃうなんて……。ん、アリシアさーん? その手に持ってるものはなんですかー?」ちくしょー!」

 

 ウノは先生に没収されました。

 

 

 〜放課後〜

 

 と言うわけで図書館にやって来た俺とひなちゃんとアリシアちゃんとすずかちゃんの四人。はやてはヴィータちゃんとツヴァイと遊ぶ約束をしていた為不参加だ。

 

「それじゃあそれぞれ探してみよっか?」

 

「それじゃあ俺はキリスト系の聖典を中心に探してみようかね……」

 

「それじゃあ私はイスラム系の聖典をあたってみるね」

 

「うーん、ちょっと難しいな〜。ひなー、私たちは二人で探そ〜?」

 

「うん!」

 

 でもぶっちゃけ、ここの図書館は2階の専門書コーナーにあるプログラミング系の本を借りる以外に使ったことがないから、聖典系がどこにあるか分からないんだよなぁ。……仕方がない、聞くか。

 

「あれ、宮坂君偶然だね」

 

「ん? あぁアレックス。そっかお前よくここ来るもんな。ちょいと今キリストの聖典探してるんだけどどこにあるか知ってる?」

 

「ああ、それなら一階のそこを右に曲がった突き当たりにあるよ?」

 

「サンクス、お陰で職員に聞く手間が省けたよ」

 

「ううん。お役に立てたなら光栄だよ。僕ここにいるから分からないことがあったらまた聞きに来てね」

 

「……お前本当に自転車触ってないときは控えめだよな。実は二重人格とかいうなよ?」

 

 まぁ何はともあれ、アレックスに教えてもらった場所から適当に聖典を手に取る。うわ、結構ページ数多いな。

 

「《神創》」

 

 グラディウスを仕上げる時に使った神速の応用である神創により、知覚力を強化して速読を行う。

 これじゃあ神創じゃなくて神読だな。

 

 

 〜数十分後〜

 

 分厚い聖典の内容を10冊頭に叩き込んだ所で、すずかちゃんがやってくる。

 

「レオ君どう。見つかった?」

 

「あぁ、すずかちゃん……。一応天使については見つかったけど……ぶっちゃけ翼を使った技術とかってあんまり書かれてないから参考にならないかも」

 

「やっぱり? 私も見てみたけど参考になりそうなのは無かったんだ。……ところでどうしてそんなに顔色悪いの?」

 

「なんでもない。取り敢えずひなちゃん達と合流しようか」

 

 脳に負荷をかけたと言うわけにはいかない為平気なふりをして誤魔化す。

 取り敢えず今頭に入れた内容はこの先使うことは無いだろうから、脳のメモリから消去だな。

 脳内から聖典の内容を消去しながらアリシアちゃん達と合流。

 そこには天使とは全く関係の無い本を読む二人の姿があった。

 

「……ねぇアリシアちゃん? テメェは一体何をやってるのかな?」

 

「え? あ、れ、レオ……あ、あはは。ちょっと休憩して……はい。サボってました。ごめんなさい」

 

 え、なんでひなちゃんを注意しないでアリシアちゃんだけ?

 あぁ、別にひなちゃんを甘やかしてるわけじゃ無いよ?

 

「もぅ。ひなちゃんも絵本読んでないでちゃんと探さないとね?」

 

「いや、これでいいんだよすずかちゃん」

 

 なぜひなちゃんは叱らなかったか? それはひなちゃんが読んでいたのは鶴の恩返しだったからだ。

 おじいさんに助けてもらった鶴が、お礼に自らの羽で布を織る昔話。

 

「天使とは全く関係ないけど、着眼点としては悪くないね」

 

「そっか。天使にこだわりすぎてだけど、確かにこれなら……」

 

「そう言う事! ねぇ、みんなちょっと付き合って! ひな閃いちゃった!!」

 

「図書館では静かにしましょうね?」

 

「ご、ごめんなさい……」

 

 図書館のスタッフに注意されたひなちゃんであった。




 羽で布は織れねえよと思ってるそこの君。
 細かいことはいいんだよぉ!!
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