見た目が踏み台だからと言って、中身も踏み台だとは思うなよ? 作:蒼天 極
さて今日は本来学校ではあるが、サボらせていただきました。
え、何故かって? そりゃあ……
『チッ、ガキだからって下手に出てれば……おい、あんまり大人を困らせない方がいいよ? そっちがその気ならこっちも考えがあるんだよ? いいの? ある事ない事書いても? こっちは視聴率が取れればそれで良いんだからさぁ?』
「さってー? これはどう言う事ですかねぇ。ミッドテレビ……略してミッテレのお偉いさん方?」
「そ、それは……だ、だが取材の許可はきちんと取った! なのにそれを反故にしたのは君達ではないか!!」
「あまり嘘はつかない方がいい。こちらにリンディ提督との会話が録音されたデータは残っている。……と言うかどうしてそんな一発でバレる嘘が通用すると思ったのか知りたいくらいだ」
現在クロノ君と一緒にちょっかいをかけて来たミッテレのお偉いさんに、今回の問題を問い詰めているところと言うわけでさぁ。
「今回の一件でスタッフ達は現地の警察に捕まって、色々取り調べを受けています。管理局法では管理外世界への渡航は基本禁止。渡航する場合は管理局に届け出を出して戸籍やその他諸々を偽造してから向かうようにって法律があります。そうですよね、クロノ執務官?」
「あぁ」
「なのにそれを破って挙げ句の果てには現地の警察に捕まるなんて……これでこの世界に次元世界のことや魔法のことがバレたらどう責任を取るつもりなんですかねぇ? 死刑ほどではないにしてもかなりの重罪ですよこれ?」
(いやいや、警察の件はレオと忍さんが暗躍したからだろ?)
(まぁそうなんだけどね。でもある程度したら月村家の権力で釈放してもらう約束だから大丈夫だと思うよ?)
(本当になんなんだ月村家!?)
クロノ君が念話でツッコミを入れてくるが俺も詳しくは分からん。バニングス家が企業として表社会を支配してるなら、月村家は忍さん個人が裏社会を支配してるって印象なのよな。あの人色々と規格外だし。
「だ……だが警察に通報したのはミヤサカ レオ、あなたではないか!! この責任についてはあなたにあると言えるのではないか!?」
「え? 知らない大人に囲まれたら警察に通報する。俺は海鳴市に住む善良な一人の小学生として当たり前の事をしただけですけど?」
「ぐ……」
「と言うか警察に逮捕されるような取材の仕方をするミッテレのやり方の方がよっぽど危険なんじゃないですか? 我々管理局としてはこの際ミッテレを徹底捜査させていただきたいものですけど?」
「わ、我が社を捜査したいならば令状を「あ、これ令状ね」……は?」
いけないいけない、令状を用意してたのに出すのを忘れるなんて。おかげでミッテレのお偉いさんがめちゃくちゃ青い顔になってるよ。大丈夫、病院行く?
「それじゃあ捜査官の皆様、後のことはよろしくお願いします」
「はい、了解しました。レオ・クローベル特別技術局長」
「うん違うからね? 嘱託魔導師の宮坂麗央だからね?」
と言うわけで令状は捜査官に託して俺とクロノ君は撤退させていただこう。
その後ミッテレはでっち上げに関しては表現の自由とほざいていたらしいが、地球に違法渡航したのは事実の為お偉いさんやそれを指示したディレクターなどが軒並み逮捕されましたとさ。
◇
このまま海鳴市に帰還しても良いが昼前だった為、クロノ君の提案で適当な食堂で昼飯を食べてから帰ることになった。
「これでミッテレも終わりだねぇ。ミッテレの番組が好きな人に恨まれるだろうけど後悔はないね」
「それについては問題ない。ミッテレはミッドチルダ唯一の民間放送局。だがそれは言ってしまえばテレビ放送をほぼ独占していたと言える」
なるほど、これを機に様々な放送局が設立されるきっかけになるかもしれないのか。
それにミッテレも大企業、頭を潰したからと言ってこのまま潰れるわけがない。お偉いさんらが出て来て出てテレビ局を立て直すだろう。
次こそはまともな人がお偉いさんになる事を祈るね。
「そう言えばジェニス捜査官が先ほど君のとこをレオ・クローベルと言ってたが、とうとうミゼット提督と養子縁組したのか?」
「いやしてない。俺とミゼットさんには複雑な事情があるのよ」
「と言うと?」
「いやね、いつも通り養子縁組を断ったときにミゼットさんが、頑固なところは母親と変わりませんねって言ったんだよ」
ミゼットさんは今世の俺の母親を知っていたらしく、気になって詳しく聞いてみると、どうやらミゼットさんは若い頃に一人のストリートチルドレンの女の子を保護して育てていたらしく、それが俺の母親なんだと。
「そのときに母も魔王の件で養子縁組を断ってたらしくてね。とどのつまりミゼットさんが婆ちゃんと言うのはある意味正しかったのよな。たぶんレオ・クローベルって言うのも婆ちゃんが外堀を埋めに来てるんだろ」
「……とんでもない事実を聞いた気分だ。それなら尚更養子縁組しても良いような気がするが……まぁ、それは本人の自由か」
「そう言うこと。ただでさえうちの両親は俺よりも最高評議会の摘発を優先して俺を置いて逝った(と言う建前)だから親に良い感情持ってないのよ。一人暮らしも誰からも何も言われなくて楽しいしのんびりやらせてもらいますぜ」
「君の事だ、それ以外にも色々考えがあるんだろう」
もちろん養子縁組しないのは理由がありますとも。ミゼット婆ちゃんと養子縁組なんてしてしまったら、一生管理局に勤め続けるのは確定コースになるだろう。将来はのんびりゴロゴロニートライフを楽しむと決めている。ゆえに養子縁組はもってのほかなのだ!!
「まぁ俺のことはいいんだよ。話題変えない?」
「そうか? なら最近カレドヴルフ・テクニクスが君をスカウトしたがってる話でもするか?」
「なんでカレドヴルフからスカウトもらってる話をクロノ君が知ってるんだよ?」
「母さん宛てに君とじっくり話す機会を作ってくれないかって以前カレドヴルフから話が来てたからな。……一体今度は何をしたんだ?」
「大したことはしてないよ? 最近ようやくフルダイブシステムのゲームが完成して、安全性も確立。魔力を持たない人でもプレイ出来るようにバッテリーデバイスの技術も取り入れたんだけどね」
「あぁ以前遊ばせてもらったな。確かにあれは凄い出来だった」
「そこでゲームとかも作ってるカレドヴルフに技術を売り込みに行ったんだよね? そしたらバッテリーデバイスとかその他の知識とかも買われて、ぜひうちで働いて欲しいって頼まれちゃって……。一応まだ今は子供だから保留にさせて欲しいって言ってるけどね」
ここで何がタチが悪いかと言うと、このカレドヴルフ社はミッテレとは違ってめちゃくちゃ誠実な善良企業。
取引についても俺の言い値よりも高くで買ってくれたし、以前スカウトされたときも断ったら「そうですか。……では気が変わったらこちらまでご連絡下さい。あなたのご活躍を心よりお祈り申し上げます」って言って来るし。
「普段変な連中を相手にしてる俺からしたら、誠実すぎてやりずらいんよ。あ、ゲームは量産体制とか安全性を高めるために色々カレドヴルフ社の方で調整してるから、販売は再来年になるかもって言ってた。もし良かったらやってみてね?」
「前回はアリシアに勧められてやっただけで、普段はゲームをする時間は取れないからしないだろうが……本当に君は引くて数多だよな。就職口はどこも困らないだろうな」
「まぁねぇ、将来ニート志望なのに価値を示しすぎてしまったよ……。そう言えばカレドヴルフ社ってどっかで聞いたことあるんだよなぁ」
「そりゃあ、日本の日立とか三菱みたいな大手の魔導機器メーカーだからそれはそうだろう?」
いやクロノ君には言えないけど原作の方でカレドヴルフ社って出て来たはずなんよ。ええっと……ええっと……あ"! 今更になって思い出した。カレドヴルフ社ってリリカルなのはForceと劇場版で名前だけ出て来てたやん。そして劇場版は今年の夏、後一ヶ月ちょっとしかない。
「やっべ、二期みたいな感じになっても困るし今のうちに諸々準備しておかねば……!」
「にき? 何を言ってるんだ君は?」