見た目が踏み台だからと言って、中身も踏み台だとは思うなよ? 作:蒼天 極
さて、二期の反省から出来る限りの対策は行ったレオ君ですが、果たしてイリスやその裏の黒幕の企みを阻止する事が出来るのか……
内覧会の前に模擬戦だな。
五年生の夏休みが始まり数日が経ちました。ここで思いっきり肩の力を抜きたい気分ではあるがそうは言ってられない。
はやての家に向かう途中で、ヤマトに劇場版が始まる注意を促しておく。
「と言うわけで出来る限り準備を終わらせたけど……果たしてどうなるか」
「なるほど。急にフェニックスカートリッジを超大量生産したり、魔王の遺跡からあのロストロギアを取ってきたり何かしてるなぁって思ったら……」
半ば呆れたようなヤマト。
「いや、二期みたいになっても困るじゃん? だから準備するに越したことは無いじゃん」
「俺が呆れてるのはそっちじゃなくて。なんでそろそろ劇場版って教えてくれなかったんだよ? 教えててくれたら俺の方でも対策できてただろうに。ただでさえ俺はこの世界のアニメを見た事がないんだからさぁ……」
「え、言ってなかった? ごめん、言うの忘れてた」
言われてみればそうだった。
俺自身一ヶ月前になって思い出したのもあって、目の前の準備に集中しすぎてヤマトに注意喚起と準備をするようにって言ってなかったかも。
……ところでヤマト君? なぜ君は僕の足を掴んでいるのでしょう?
「お前のことだから言わなかったのはなんらかの理由があったのかと思えば…………まさかのまさかで忘れてた? ………………何やってんだこのアホォ! 奥義、飛龍竜巻投げぇええええ!!!!」
「略してドラゴンスクリュゥウウウウ!!??」
ヤマトの筋力で回転投げさせられた事で、某日常アニメよろしくすごい勢いで回りました。吐きそうです。おぇ……。
「お、お前なぁ……流石に勘弁してくれよ……後で水族館? 遊園地? ……なんか二つが合体したテーマパークに行くってのに、ここで脱落して行けませんでしたなんて嫌だぜ俺?」
「いや、ホウレンソウが出来ない踏み台は行かなくていいんだが……まぁ、お前前世ではそう言うところ行ったことも無いらしいからな。今回も行けなかったら可哀想か」
「何故に憐れみの視線を向ける? こっち見ろやコラ?」
回りすぎて酔ってしまい、若干千鳥足になりながらもなんとかはやての家に辿り着いた俺であった。
◇
今日は待ちに待った、オールストン・シーと呼ばれるテーマパークの内覧会の日。親がいなくて遊園地とか行けない俺にとっては初めてのテーマパークでドキドキしております。
だが朝に少し時間があると言うことで、一旦集まって軽く模擬戦をしようと言うことになったのだ。
「あ、ヤマト! ……あとレオも。おはよー」
「おはよう二人とも」
「おはよう、アリサ、すずか」
「おはようさん。……ところでアリサちゃんよ。俺をついで扱いしやがったな?」
「うん、したわよ?」
「よく言った。なら今日は俺とやろっか? 師匠の恐ろしさを思い知らせてやる」
「上等! レオが相手ならまだなんとか……あ、魔心とかアレ含めてロストロギア使うの禁止ね?」
「模擬戦で使ったら流石に怒られちまうよ」
「ん? そういえば集まったのは二人だけか?」
「そう見たい。なのはちゃんもいないし、アリサちゃんもレオ君と喧嘩中……。なら今はヤマト君を独り占めだね」
「あー! すずか抜け駆けよそれはー!!」
いつもならば行きつけの山だったり海鳴市の海上に簡易結界を張って模擬戦するのだが、今回は管理局がバトルフィールドを貸してくれると言うことで本日はなのはちゃんとフェイトちゃんが決戦を行った水没都市で戦うことになったのだ。
「それにしてもなのはちゃん達遅いね」
「全く。言い出しっぺのなのはちゃんが遅刻したらどうしてやろうか?」
「遅刻したらなのはやフェイトが見てる前でヤマトにあーんしてもらいましょ。……それにしてもレオのこの時計綺麗ねぇ。写真撮っていい? これをモデルにした時計とかって流行りそう!」
「どうぞどうぞ。別の世界で作られたものだから、パクっても誰も怒らないよ」
「さ、流石に丸パクリはさせないわよ。あくまでもモデルにするだけだからね!? バニングスグループは真っ当な商売を心がけてるんだから! この間のテレビ局と一緒にしないでよね!?」
いやいや心配せんでもそこら辺はキチンと信用しておりますよ。バニングスグループの不祥事とか聞かないし。
ただモデルにするんならモデルにした商品のサンプルをおくれ? ミッドで転売して小銭稼ぎするから」
「あんたは最低よ」
「うん。転売は流石にどうかと思うな?」
あら、うっかり口に出してしまったか。
悪びれずに頭をかいてるとヤマトに胸ぐらを掴まれてしまった。い、いや急になにさ!?
いきなりな暴挙を非難しようとしたが、ヤマトは過去一……それこそ金髪が俺を襲撃したことで怒ってくれた時のような冷たい目をしており何も言えなくなってしまう。
「お前みたいに転売で楽に金稼ごうとか考えるハイエナがいるから、本当に欲しい人に商品が行き届かないんだぞ? 欲しい人に商品を売ってるだけ? 転売ヤーは慈善事業? ふざけんな。ならちゃんと定価で売れ。なんで二倍も三倍も値段を釣り上げるんだよ? 人の欲しいと思い気持ちを弄ぶ罪人どもが。ここで殺してやろうk「や、ヤマト君落ち着いて! どうせレオ君の転売うんぬんは冗談だから!!」ハッ!?」
「ゲホッ……ゲホッ……お、お前……過去に転売ヤーと何があったんだ?」
「レオ。もう転売ネタの冗談はよしなさい。次は本当に消されるわよ?」
「そ、そうする」
ヤマトの地雷をうっかり踏み抜いてしまった俺なのであった。
〜数分後〜
「あ、みんな来たみたいよ。なのはー、フェイトー、ひなー、アリシアー!!」
「みんなおはよう!」
あと一分で集合時刻という時になのはちゃん達はやって来た。全く。五分前行動が基本だぜ?
アリサちゃんとすずかちゃんの呼びかけで、俺らの存在に気がつきこちらに来た五人。
「あー! アリサちゃんにすずかちゃん!」
「ヤマトにレオもおはよう」
「おっはよ〜! みんな早いねぇ!」
「ごめんね〜。ひな寝坊しちゃった〜!」
おやおや。どうやらギリギリに来た理由はひなちゃんのお寝坊だったようだ。しょうがない妹分だねぇ。
「ちょっと待ちい。アリサちゃん? さっきさりげなく私を抜いたやろ!?」
「あらそうだったかしら?」
「口元がにやけとるで! 確信犯やな!? そんな事をするアリサちゃんなんてこうや!!」
おっとっと。はやてがアリサちゃんの胸に手を伸ばそうとしていたので、俺は即座に後ろを向いて耳を塞ぐ。
セクハラされてる光景を見たり聞いたりして、理不尽にお仕置きされたくは無いのだ。
対応が遅れたヤマトがなのはちゃんとすずかちゃんとフェイトちゃんの三人からの理不尽なお仕置きの後、改めて模擬戦するメンバーを選ぶ事になった。
「なのは、今日は私とやらない? なんだか戦いたくなっちゃった」
「にゃはは、ここはジュエルシードをかけて戦った場所だからね。負けないよフェイトちゃん」
「ひな。私とやろ! 勝った方が今日の車レオの隣ね?」
「よーし、負けないよシアちゃん!」
「アリサちゃん。私とやらない?」
「すずかと? 今日こそはレオと決着つけようと思ってたんだけど……ま、いっか。……うぅ、それにしてもまだ胸がジンジンする。強く揉みすぎよ……」
「なら消去法で俺とレオとはやての三人は三つ巴のバトルロワイヤルだな」
「バトルロワイヤルちゃう。ヤマトVS俺&はやてな?」
「そうやねぇ。それじゃあいくよ、リィン! ……あれ? リィン! ちょ、リィン朝やで! 起きるんや!!」
チビダヌキが首につけていたエンブレムを振りながら何度も問いかけるが反応なし。どうやらひなちゃん以上のお寝坊さんがいるようだ。
仕方ない、こうなったら俺とヤマトの一対一だな。
「メンバーは決まったね? それじゃあ変身しよっか?」
「待ってひなちゃん! リィンが……うちのリィンが起きないんや! だから起きるまで待って──
「「「「「「「「セーットアーップ!!」」」」」」」」
あぁああああ! 言い損ねたぁああああ!!」