見た目が踏み台だからと言って、中身も踏み台だとは思うなよ?   作:蒼天 極

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仮面イリスに絡まれたレオ君はいったん置いといて、ヤマト君の方に行ってみましょう!


(ヤマト視点)見逃して? 断る!

 ザフィーラとアルフをピンク髪の女子高生からの攻撃から守り、地上に降りたところを結界に引き摺り込んでバインドで縛り上げる。おそらくこの人がレオの言ってた劇場版の敵なのだろう。

 

「豊田ヤマト君……知ってるわ、調べたからね」

 

「調べた?」

 

「こんなに早く会えるなんて予想外……だったけど!」と言いながらバインドを破壊した少女。

 バインドは得意ではなくて……いやむしろ苦手で、バインドの強度に関してはグループの中では下から数えたほうが早いと自負しているが、まさかこんなにもあっさり解かれてしまうなんて少し自信をなくす。

 というか俺のことを調べたということは当然俺の言霊なんかも知っているだろう。俺自信ですらチートだと思っている能力だが、俺相手にこんな堂々と相対しているという事はもしや……。

 

「とりあえずダメ元で……【動くな】」

 

「それが言霊ってやつね。でもごめんね、対策はしてきてるの」

 

「……そりゃそうだよな」

 

 試しに相手の心臓まで止まらない様に改良した言霊を試してみたが予想通り効かなかった。

 一体どうやって対策をしたのかと思ったが、以前もロストロギアの力で異能を封じられた。つまり今回は異能の干渉を受けないなんらかを持っていると並んだほうがいいか。

 今回言霊が使えないなら普通に戦うしか無いなと銃口を向けたタイミングで、桃色のバインドが再び少女の自由を奪ったかと思うと、少女の首筋にハーケンフォームのバルディッシュが突きつけられる。

 

「な……」

 

「時空管理局です。このまま動かないでくださいね」

 

「ヤマト君!」

 

「お、みんな来たんだな」

 

「来たんだなじゃないわよ! 勝手に抜け出して……後でお仕置きだからね!?」

 

「事前にレオに連絡を受けて早期行動を取っただけでお仕置きとは……」

 

「行くなら行くで一言言って欲しかったの」

 

 なのは達がジト目で睨んでくる。れ、連絡しなくて悪かった。でも大体こういうのって最初の方で後手に回って相手にいいようにされるから、さっさと的確に対処するべきだと思ったんだよ。

 そんな風に言い訳をする俺のそばでフェイトちゃんは少女に歩み寄る。

 

「何か事情がおありだと思いますが、詳しくは局の方で……」

 

「フェイト・テスタロッサちゃんにお姉ちゃんのアリシア・テスタロッサちゃん。アリサ・バニングスちゃんに月村すずかちゃん。桃崎ひなちゃんに高町なのはちゃんね。宮坂レオ君と八神はやてちゃん以外勢揃いね」

 

「あなた……私達のことを」

 

「さっきも言ったけど調べたの」

 

 彼女はそこまで言うと、何処からともなく姿を現したよく分からないロボを操作してガトリングガンで牽制してきた。

 

「《ファングス・バレット》!」

 

「うわっとまさかこっちを狙って来るなんて……!」

 

 この手のロボは操作しているやつを潰せば機能が停止する。故に少女を無力化しようとしたが、なのはの一瞬で解くと、魔力弾が服を擦りながらも紙一重で街路灯に避難する。

 なるほど、なのはのバインドがダメなら俺のバインドでもダメだわな。

 

「残念……この服結構気に入ってたんだけど……それとも敢えて狙ったのかしら? いやん、意外とむっつりさんなのね♡」ニヤニヤ

 

「え、ヤマトって変態だったの!?」

 

「「「「ヤ・マ・ト(・く〜ん)〜!?」」」」

 

「え、いや普通に当てようとしたけど、変態扱いはやめてもらおうか!?」

 

「ほぇ? どーゆー意味?」

 

 なんてやつだ、まさか仲間割れを狙って来るとは……!!

 意味が分かってないひな以外から敵意を向けられ、注意が引いた所で少女はポケットからデバイスを…………これデバイスか? まあなんらかの変身アイテムを取り出した。

 

「フォーミュラースーツ、セット!!」

 

 俺達が変身するのと同じプロセスでどこかの女子校の制服から、メカニックな防護服に姿に姿を変える。

 

「申し訳ないけど、流石にこの人数差は危ないからね……正々堂々やりましょ」

 

 そう言って指を弾いたその瞬間、コンクリートの地面からコードが現れてフェイト以外を縛りあげた。

 

「な、なにを〜、ぐぬぬぅ……たりゃあああ!!」

 

「チッ! コードごときで俺を止められると……思うなよ!!」

 

 転生者をこんなもので動きを止められると思うなよ?

 俺は無理やり引きちぎって、ひなも無理やり拘束をずらして翼を展開して、硬化した翼で拘束を切り裂いた。

 

「ひながなのちゃんの縄を解くから、ヤマト君はフェイちゃんをうわっ!?」

 

「おっと、これは先にロマンのカケラもないロボもどきをなんとかしないとダメそうだな……」

 

 ひながなのは達を解放する間に俺はロボを無力化しよう。

 

「ひな、私からお願い! フェイトを助けないと!!」

 

「うん! なのちゃん達は少し待っててね!!」

 

「大丈夫、このまま援護射撃できるの!!」

 

「えい!! あ、解けた。アリサちゃんは私が解くね!」

 

「大丈夫、溶かすから! 熱く燃え上がれ、私の精神(こころ)ぉおおお!!」

 

「すずかちゃーん、なのはの取ってー」

 

 いやなのは達も大概逞しいな。

 なのはは縛られたままフェイトの援護射撃してるし。アリサは炎を纏って溶かそうとしてるし。すずかに関しては俺と同じで引きちぎったし。

 

「よし、溶けた! ヤマト、あんたもフェイトの助太刀に行って! ロボは私達でなんとかするわ!」

 

「分かった! 行くぞアリシア!!」

 

「うん!」

 

 フェイトとアリシアはとても相性がいい。

 互いが互いを知り尽くしている上に性能的にもうまく噛み合っているから、もし二人が連携すればその力は二倍以上に膨れ上がり俺でも苦戦するほどの力を発揮する。フェイトとアリシアの連携を更に俺が援護すれば負ける事は無い。

 だが合流する直前、少女の言葉で俺とアリシアの動きが止まる。

 

「ねぇ、フェイトちゃん、見逃してくれないかな?」

 

「「「え?」」」

 

 少女はフェイトに集中していて俺とアリシアに気づいてなかった。だからこそ俺とアリシアが合流して不利になると悟ったわけでは無いはずだ。なのにまさかこのタイミングで見逃せって?

 

「私はどうしても欲しいものがあるの。それをイリスに……友達に手伝ってもらってここに来た。パパを……家族を助けるためなの!」

 

「パパを? ……訳ありってことかな?」

 

「みたいだな」

 

 詳しく聞かなければならないが、おそらく彼女は二年前の……初めて会ったときのフェイトと似たような境遇なのかもしれない。

 

「……もう解いちゃったのね。ねぇ見逃してもらうわけにはいかない……?」

 

「そ、それは……」

 

「む〜、どうするヤマト?」

 

「断る!」

 

 確かに彼女は訳ありなのだろう。

 それにハッキリと見逃してと言ったり、先ほど拘束したときも拘束した隙にロボに襲わせなかったあたり、俺達が怪我をするのは本意ではないと思っている。つまり良識がある人間だと判断できる。

 

「だがいくらなんでも一線を越えすぎだ。車両を盗んだせいで車両の持ち主……企業が困っているだろうし、さっきのヘリももし操縦を失敗してビルに当たったりしたらどうなってたか……。たとえ家族のために手を汚す決意をしてるとしても許すわけにはいかない」

 

「……これでもなるべく迷惑をかけないようにしてたんだけどね」

 

「普通に迷惑かかってるから。……でも罪を償うって約束するなら力を貸す。調べたのなら知ってるだろうが、俺は口に出した事象を実現する能力を持っている。家族を助けるという理由なら俺の力でなんとかなるかもしれないぞ」

 

「……! 確かにヤマト君の力なら……。でも捕まってたら間に合わないわ」

 

「なら先に父親を助けようか? 魔力次第だがここから父親に言霊が届くかもしれないし、もし無理でもその時は俺があなたの世界にまだ出向いてもいい」

 

 俺の言葉に少女は警戒しながらも考え込むような素振りをする。さてこれで上手くいけばこのまま和解に持っていけるんだが……。

 だがその直後、少女は耳に手を当てて会話を始める。どうやら先ほど言ったお友達から連絡がかかって来たようだ。

 あ、これは……

 

「うん。……うん。確かにそうね、分かったわ。……ごめんね、ヤマト君。その申し出はとてもありがたいけど聞けないわ。あなたがここで言霊を使った所で確認する術はないし、エルトリアはここよりも過酷な世界。連れて行くにはリスクがありすぎる」

 

 少女はそういうと、手に持っていた剣を分離させて二刀流になる。

 

「友達め。余計な事を言いやがって……」

 

「えっと……これって交渉決裂って事かな?」

 

「そう見たいだな。来るぞ、警戒しろよアリシア、フェイト!」

 

「怪我させないようにしないとね」と言いながら少女が俺たちに襲いかかって来た。

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