見た目が踏み台だからと言って、中身も踏み台だとは思うなよ?   作:蒼天 極

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(ヤマト視点)不意打ちはダメだろ、不意打ちは……!

 少女の剣撃をグラディウスの二刀で受け止めていなして反撃を与えるが彼女は強い。反撃一つ一つをうまく受け流したり回避したりしており、フェイトやアリシアの追撃も事前察知で避けてくる。

 

「く……防御が鉄壁だな」

 

「あなた達が凄く強いから私も私で頑張ったの……よ!!」

 

 少女がブレードから風を発生させて、目眩しをしてくる。

 この場合不意打ちが飛んでくるはず。一体何処から……っ!? 狙われたのは俺じゃ無い、フェイトだ!!

 

「きゃっ「フォーチュンザンバー! 私の目が黒いうちは妹には手を出させないよ!!」あ、ありがとうお姉ちゃん!」

 

「くっ……! でもあなたの剣の腕はどうなのかしら?」

 

「ぐぅ……!」

 

 だが高町家で散々鍛えられてる俺を相手に撃ち合える少女。流石にアリシアでは荷が重かったようで、だんだんと押されている。

 

「せぇい!」

 

「うわっと、危ない!!」

 

 横一門の大振りの剣圧をうけて吹き飛ばされたアリシア。その隙を少女が見逃すはずがない、ブレードを銃に変形させて彼女を撃とうと……。

 

「このときレオならこうするね! ハピネスヨーヨー!!」

 

「え!? しまった……!!」

 

 だが引き金を引こうとする少女を俺とフェイトで止めようとする寸前。アリシアのヨーヨー型デバイスの魔力糸が銃に絡まっており、腕を思いっきり弾くと銃が彼女の手を離れ……いや、グリップをしっかり掴んでいたから彼女ごと引き寄せられてしまった。

 流石相手もなかなかの実力者だ。引っ張られる速度を生かして拳を握っているな。でもこれくらいならフォロー可能だ!!

 

「友人だからな。殴らせねぇz「お姉ちゃんはやらせない!」……まぁ流石にこれは妹の役割だよな」

 

 俺が拳を掴む前にアリシアの間に入って来たフェイトがザンバー状態のバルディッシュの腹で拳を受ける。本来ならば銃を持っていた右腕は縛られて、近くに引き寄せられて絶体絶命。だが彼女は流れるようにバルディッシュを蹴ると、思い切り踏み込んで半ば無理やり魔力糸を引きちぎり距離を取る。

 

「……三人とも強いのね。それに魔法の解析も出来ない。正直ちょっとヤバいかも」

 

「それなら素直に投降しようよ? 公務執行妨害については私達も一緒に謝るから」

 

「私達はただお手伝いをしたいだけなんです!」

 

「それに言霊の効果を確認する術は無いと言ったが、成功したかどうかは俺は分かる。流石にこのまま返すわけには行かないけど、成功しても失敗しても誤魔化さずにキチンと伝える事を約束する。……それでもやっぱり戦うか?」

 

 俺らの呼びかけに彼女は困ったように笑う。

 

「一方的に襲ってきた私にあなた達は優しいわね。……本当にいい子達。……お父さんなんだけどね……もう死んじゃうかもしれないの。時間ももう残ってない。助けるためなら……どんな事でもする。それが世間から見たら悪いって言われるような事でも……」

 

 彼女は続ける。先ほど家族を助けたいと聞いておそらく病気なのかと思ったが、その通りであったようだ。この世界に存在するという永遠結晶エグザミアを手に入れることが出来れば助けることが出来るのだという。

 

「確かに言霊ならエグザミアの代わりになってくれる。……でも、助かるかもしれないじゃダメなの。より可能性が高いものを選ばないとダメなの……」

 

 そこまで言うと、なんと彼女は手を合わせて深々と頭を下げた。

 

「だからお願い! ここは見逃して!! もっと迷惑にならないように気をつけるし、エグザミアを持ち帰ってお姉ちゃ……アミタに託したら罪を償いに戻ってくるって約束するから!!」

 

「だ……ダメです! それはダメです!!」

 

「お願い!!」

 

 …………これはどうすればいいのだろうか?

 確かに病気ならば捕まって無償奉仕でも、懲役でも長時間管理局に拘束されてたら間に合わなくなってしまうかも知れない。でもだからと言って彼女をここで取り逃してしまったら被害が拡大するのは目に見えている。

 

 …………。

 

「アリシア、どうするべきだと思う?」

 

「うーん、私は逃してあげたい! ……けど逃したら困る人が出て来ちゃうからなぁ。ここで一番の選択肢はエグザミア? を探すのを手伝ってさっさと帰ってもらう事なんだけど……」

 

「でも管理局としては彼女を捕まえたい。あぁ、管理局が融通聞けば楽なんだけどなぁ……! ………………待てよ?」

 

 よく考えたらレオって管理局の上層部とコネクション持ってなかったっけ?

 流石に上層部を動かすためには、プレシアの時みたいに発明品を渡す必要があるけど、それが出来ればそこまでの時間拘束される事なく釈放されるんじゃ……? その後に俺たちで探すの手伝えばあっという間だろうし……。

 

「行くよひなちゃん!」

 

「うん!」

 

「ほえ?」

 

「「「え?」」」

 

 一度レオに念話でコネクションを使えないか相談をしようとしていると、ピンク色のスフィアが少女に襲いかかる。

 

「こんなもの……きゃっ!?」

 

 咄嗟に銃で撃ち落とそうとするが、このスフィアは攻撃ではなく発光用であったらしく、光で視界を奪われる。

 

「《フェザースレッド》! てぇえええい!!」

 

「あ……!」

 

「「せーの!!」」

 

 そして最近ひなが習得したエンジェルウイングの羽を糸に紡いだフェザースレッドにより、少女の身体をぐるぐる巻きにしたかと思うと、なのはと一緒に糸を端を掴んで鉄球投げの如く彼女を投げ飛ばすと……

 

「どっかーん!!」

 

 なんと隙をつかれてしまった哀れな少女は空中で爆発した。

 おそらくフェザースレッドにレオのランブルデトネイターを付与していたのだろう。

 

「くっ、まさか糸が爆発するなんて……」

 

「うちのフェイトちゃんとアリシアちゃん。ヤマト君は優しい子なんで、虐めないであげて下さいね?」

 

「虐めたのはなのは達だと思う」

 

「「え?」」

 

 なのはとひなはアリシアの指摘にキョトンとした顔で首を横に倒す。

 

「なのは、ひな。とりあえず後で説教な?」

 

「ふぇ!?」

 

「えー、やっつけたのに〜!」

 

 いや上手くいけば和解できないものを不意打ちなんてするんじゃ無いよ。

 アンダーテールでトリエルと和解出来そうなタイミングで不意打ちして一撃で殺すのと同じレベルでタチが悪いぞ? 人の心ないのか貴様ら?

 まぁそれはさておき……

 

「えっと……不意打ちして悪かった。お詫びと言っちゃなんだが……友人に権力者とのコネを持ってる人がいる。そいつに土下座して頼めば、もしかしたら直ぐに釈放されるかもしれない。釈放したら俺らもエグザミア探しを手伝うし、なんなら言霊も気休めくらいにはなるはずだ」

 

「力になれるように頑張ります!」

 

 正直レオ頼みになるが、あいつはいい奴だから気前よく協力してくれるはずだ。アイツの汗と涙の結晶を使わせてもらうのだから、当分研究に協力したり言霊を悪用する権利といった出来るだけの見返りは渡す覚悟もある。

 これで納得してくれればいいのだが……。

 

「フッ……みんなすごいのねぇ」

 

 お、どうやら分かって……くれなかったようだなクソッタレ。一瞬肩の気が抜けたタイミングで、銃抜きやがった。

 

「だけど……」

 

「くっ!」

 

 俺も素早くグラディウス(銃)を引き抜くと彼女の銃に照準を合わせて……

 だがその直後、少女の銃が弾かれた。

 

「……キリエ、やっと見つけました。さぁ、帰りますよ!!」

 

 撃ったのは赤髪の少女。武装からして桃髪の子……キリエの関係者か?

 

「……アミタ」




 予想以上に戦闘描写で時間かけてしまっているから、レオ君と仮面イリスの戦闘はおまけでサクッとやっちゃいましょう。


 〜おまけ〜 一方その頃レオ君は……

「グフッ……ま、まさかこの俺が……踏み台のこの俺がオリ主でも無いやつに膝をつかされる事になるとは……」

「ハァ、ハァ、流石は魔王の血を継ぐものだ。だが……今回は私の勝ち。この魔王の心臓は私が貰い受けるぞ。さらばだ」ズズズ

「ま、待て!! くそ……くそぉおおおおお!!」

『マスター……』

「くそ、くそ、くそぉおおおお!!」

『……いつまでやってんですか? 上手くヤマト君にあげたレプリカと同じものを掴ませたくせに』

「あ、バレた?」

『ですがマスター、いくらレプリカが本物よりも劣っていても脅威である事には変わりありませんよ? マスターならなんとか倒す事も……』

「いや、あのまま戦ってたら負けてたよカリバー。切り札は切らなかったとはいえ本気で戦ったのに、あそこまで粘られたし、あいつのあの余裕……とんでもない初見殺しがあったはず。俺一人でこれ以上の戦闘は危険だったよ。せめてヤマトかひなちゃんがいないとね」

『それほどですか……。なるほど、どっちにしろ奪われるなら被害を少なくと言うわけですね』

「そゆこと。まぁどっちにしてもモノホンは家に厳重にロックした上で隠してたから見つかることはなかったんだけどな」

『あぁ、自宅からオールストン・シーまでは半径100キロ圏内ですもんね』

『流石マスター、常に最悪の可能性を想定して動くネガティブ気質がいい方向に働いたではありませんか』

「ネガティブで悪かったな? ……さて、俺もヤマト達と合流するか」


(??? side)

「まさか隠し球があると見抜かれるとはな。それに奪わせたのも偽物、本物はどこかに隠していたか。……まぁこれで代わりにはなるし、よしとしておこうか」



◇◇◇

と言うわけでレオ君と仮面イリスの勝負は、レオ君の戦略的敗北でした。
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