見た目が踏み台だからと言って、中身も踏み台だとは思うなよ? 作:蒼天 極
トドメを刺そうとしたタイミングで割り込んできたアミティエさん。
一体どうして……あぁ、そうか。
「そう言えば妹と言ってましたね」
「はい、この子は妹です。お願いします、どうかこの子を許して下さい!! それがダメなら……私を殴って下さい!!」
「お、お姉……ちゃ……ん」
確かに家族からすれば大切な家族が痛めつけられるのは面白くないだろうな。
それに今回俺がここまで半殺しにしたのは半分はひなちゃんの仕返しであるが、もう半分はバインドを自力で脱出できる上にヤマトをぶっ飛ばせるレベルで戦闘力も高い危険人物だからである。
確かに今は半死半生だけど、ここで何かをしてくるか分からない。気絶させてから拘束した方が安全だ。
「これだけ痛めつけたらもう動くことは出来ないでしょう。後は気絶させて拘束するだけです。そこをどいてください」
「ダメです、退きません! これ以上痛めつけられるのはお姉ちゃんとして見ていられません!」
「…………」
「…………」
安全に拘束したいから気絶させたい俺と、これ以上妹を痛めつけられたくないアミティエさん。
本来危険人物の拘束を邪魔するなど問答無用と行きたいが、お姉さんからすればもうやめて欲しいと言うのも分からんでもない。
「れ、れお君、もう良いよ! これ以上はお姉さんが死んじゃうよ!!」
「そうよ! もう意識があっても動けないだろうし、急いで本局に連れていっちゃいましょ!?」
「流石にやり過ぎだ。これが地上本部でのお前のやり方なのは分かるけど、これじゃあただの傷害罪だぞ」
舐めんなよヤマト。そもそもお前らはちょっと甘すぎるんだ。砂糖をそのまま舐めるのと同じくらい甘い。
加害者にも事情があるってのは分かるけど、現場でしつこく説得するべきではない。
相手は暴力で訴えているんだからこちらも圧倒的な暴力で捩じ伏せて、お話ししたいなら拘置所で話せば良いものなのだ。
……まぁその理論だとフェイトちゃんも初対面で殴り倒して管理局に突き出すべきだったが…………まぁ、キリエは表立って暴れ過ぎたってことで。
「でもまぁ加害者親族が庇ってるのに、それを無視して叩き潰すのも問題か。仕方がない、クロロホルムを嗅がせて意識飛ばすか」
「いや薬あるなら最初っからそれ使えよ」
「いや、身体の構造違うのに効くか分からなかったからさ。殴って意識飛ばした方が確実だったんだよ。でもまぁ気絶させるのは絶対だから妥協できるのはここまでだな」
「分かりました、では私にやらせてください! 妹の自業自得をこんな風に思ってしまうのは申し訳ないのですが、妹をこんな目に合わせたあなたを信用できません!」
はっきり言うなぁこのお姉ちゃん。おそらく今の時点でアミティエさんからの好感度はだいぶ下がっているだろうなぁ。でもまぁこればかりは仕方が無いか。
「まぁ執拗に痛めつける可能性もありますからねぇ。こればっかりは仕方ないですよ。ではこれを」
「ありがとうございます。……さぁキリエ、吸って下さい。そちらで治療してもらいましょう」
「……いやよ。…………まだあきらめない……」
「き、キリエ!? 動かないで! これ以上は……!!」
吸ったら終わりだと思ったのだろう。無茶して身体を起こしたキリエがアミティエさんに銃口を向けた。
おいおいまだ動くか! ここまで来ると一種のホラーじゃねえか、どんな精神力だよ!!
仕方が無い。こうなったらひなちゃんに申し訳ないけど、一度殺して…………いや、やめとこ。ひなちゃんもこの人蘇生したく無いだろうし。それにもうほとんど力も残ってないし、後はみんなで取り押さえれば……
「はぁああああ!!」
「おいおいまだ奥の手使える力が残ってたのかよ!?」
高速移動で俺らを攻撃しようとしてるのか? いや、コイツの主目的は夜天の書……はやてか!!
「はやて、こいつの狙いはお前だ!!」
「りょ、了解や──っ!? あ、夜天の書を取られてもうた!!」
遅かったか。……でも奪う事だけに最後の力を振り絞ったようだ。
キリエは夜天の書を手に入れると、動く体力が無くなったのかそのまま倒れてしまった。……遠目でだけど意識を失っている。これなら殴り倒したら薬を嗅がせたりする必要もないだろう。
「気絶を確認っと。それじゃあアミティエさんに睨まれてるから、俺以外で拘束よろしく。俺は報告でもしてるよ」
「分かった、じゃあひながやるよ」
「良いのひな? レオが仕返ししたけど、この人ひなの歯を折ったんだよ?」
「ワザとやったわけじゃないもん。それに事情があるからこんな事しちゃったんだし、ひなは許すよ。拘束と同時に治療もしちゃうね?」
「ひなちゃんは優しいなぁ。あ、夜天の書を回収するから私も手伝うで?」
「ありがと、はーちゃん」
そう言いながら気絶したキリエの下へ向かうひなちゃん。まぁ完全に気絶してるし回復させても目を覚まさないだろうし問題はないか。
「ひなってなんでこんなに優しいんだろ? 後光が見えるよ」
「ヒナリエルの名は伊達じゃないな」
「ヤマトがひなのことをヒナリエルって呼ぶせいで、すっかりそのあだ名も定着しちゃったわね」
あれの犯人お前かよ。止めろよな? ひなちゃん「そんな大層な存在じゃないよ〜」ってそのあだ名嫌がってるんだからな。
おっと俺も報告しなければ。流石に今回は痛めつけ過ぎたし始末書とか減給ものかな? ……まぁ、相手がしぶとかったし、殺意100%の装備だったから一歩間違えたら死ぬ可能性もあったって言って正当防衛で通すか。
「こちらレオ。今犯人を拘そ……っ!?」
直後、キリエさんの下に辿り着いたひなちゃんとはやての頭上から黒い刃が降りてきていたのが見える。
「え──」
「あ──」
ザシュッ
「……ふぅ、間一髪!!」
「流石は魔王の子孫。反応能力や危険察知能力に目が見張るものがある。……だが高くついたな」
ひなちゃんとはやてを突き飛ばして、先ほど魔心レプリカを強奪したバイザー型仮面をつけた少女の一閃から二人を守る。
危ない危ない、後少しで二人とも死んでたよ。
咄嗟に動けたおかげで斬られたのは
「レオ!? お前ぇええええ!!」
「おぉおおおおおお!!」
俺の腕が切断されたのを見てヤマトとシグナムさんがそれぞれグラディウスと剣型の次世代兵装で少女を襲いかかる。
だがシグナムさんの次世代兵装はあっさりと切り刻まれ、彼女も剣の餌食になろうとした所でヤマトが彼女を守る。
「おっと、女の剣はナマクラだったが、そちらは中々の業物のようだな」
「ぐ……」
「だが小手先の技術はどうk「一対一じゃないからな? フォースカリバー!!」おっと」
左腕よりも素早く手を引っ込めたことで斬られずにすんでいた、右腕でカリバーを展開し奴を斬り返してやろうとしたが、予想通り防がれてしまった。
って言うかコイツの持ってる武器、さっき戦ったときのとは違うな。
最初に会った時はキリエやアミティエさんと同じような武器を使っていたけど今は黒色の剣を使っている。なんだか凄い魔力を感じるし、これ絶対ロストロギアだろ。
「ヤマト、一旦下がるぞ。この剣はヤバい」
「だが夜天の書が……!」
「分かった。ならついさっきもコイツにボコボコにされて、今に至っては左腕を切断されたせいで割といっぱいいっぱいな俺が神風特攻するからその隙になんとか「分かった、下がろう!!」分かりゃあ良いんだよ」
ヤマトもひなちゃんがいるからと犠牲になるように強いるほど落ちぶれてはいなかったようだ。俺を担いで仮面の少女から距離を取る。
「ッ、イテテ。腕を切断するなんてやってくれんじゃんか」
「お前がキリエにした事と同じ事をしたまで。なんなら次は爆破を二発と串刺し一発を喰らうか?」
「おおぅ、因果応報すぎて何も言えねぇ……」
軽口を叩きながら、斬り後を火で炙って止める。
にしても片腕失うって、痛い以上になんだか精神的に来るものがあるな。これは…………相手の心をへし折るには丁度良いかもしれない。(※反省しろよ)
「レオ……これってどうにか出来るか?」
「そうだねぇ。キリエを見殺しにして良いなら行けると思うよ」
「じゃあダメだ。死者を出すのは後味が悪い」
「そうだねぇ。キリエが死んだら正当防衛を立証しづらくなる」
「お前なぁ……」
……と言うかこの状況はまずいな。相手はロストロギアを持ってるし、魔心レプリカに夜天の書まである。
ヤマトなら覚醒ゴリ押しムーブでギリギリ行けるだろうけど、一刻も早くキリエを治療しないといけないこの状況であまり時間をかけるのも良くはない。
……今回は俺らの負けだな。キリエの尋常じゃない執念に負けた。クソッタレ。
「彼女のおかげで目的は達成した。我々は引かせてもらうぞ」
「あかん、夜天の書を悪用したらダメや! 返して!!」
「それにキリエは怪我をしています! こちらで治療するので返して下さい!!」
「八神はやて、心配せずとも数日以内には返すさ。そしてアミティエ・フローリアン、そちらの組織に捕まる事を妹は良しとするのか? 心配しなくともこちらで治療する。……流石に腕は治らないだろうがな」
アミティエさんは「そんな……」と言いながら顔を真っ青にする。
うーん、流石にちょっと罪悪感を感じるなぁ。本来なら後遺症に苦しめって嘲笑うんだけど、真の踏み台である龍帝院じゃないから流石に家族の悲しむ姿は罪悪感が湧く。
「おい、何を言ってもどうせ返す気ないんだろお前。これ持っていけ」
アスカロンからフェニックスカートリッジを抜き、懐からカートリッジをロードする為だけのデバイスである、カートリッジローダーを取り出して二つを投げ渡す。
「五体満足で完治するだろうよ。そしてコイツに伝言を一つ。……次はこの程度じゃ済まさない。自首するか、更なる地獄を見るかを選べ。後お前にも魔心の借りは返させてもらうぞ?」
「……伝えておこう。あと魔王の子孫、宮坂麗央よ。偽物をわざと渡したと言うのに借りとはよく言ったものだ。……私の名はイリスMarkⅡ、キリエはイルマと呼ぶ。こちらこそ彼女の借りがある。次に相対するとかまでに遺書でも一筆したためておくと良い」
仮面の少女……イルマが虚空に剣を一閃すると、空間に切れ込みが入る。その中にキリエを担いだイルマが入り込むと切れ込みは消えてそこには何もなくなった。
……このロストロギアこんな使い方もできるのかよ。てかあいつの奥の手って絶対あれだろ。
龍帝院も似たようなロストロギア使ってたけど、使い手が俺と同じレベルで戦える奴だし絶対戦ったらキツいだろこれぇ!!
「……逃げられちゃったね」
「そうやね。夜天の書を取られてもうた」
「……ごめんなさい。うちの妹が」
「いえいえ、キリエさんをうちのレオが痛めつけちゃったしおあいこですよ!」
フェイトちゃん? うちってなんだようちって? ……てか君たちが「お話が〜」とか言わずにキチンと捕まえて置けば俺が動くことも無かったからな?
「だから俺は悪くない。強いて言えばあそこまでキリエを付け上がらせたお前らが悪い」
「にゃ!? そ、それを言ったらレオ君はやり過ぎなの!」
「そうよ! 確かにちょっと説得に集中しすぎちゃったかもだけど、あそこまでボコボコにしなくても良いじゃないの!」
「そうだよ! 見てあそこの血溜まり。全部キリエさんのだよ!?」
「何を言うかごっこ遊びのあまちゃんどもが! ここは戦場、取るか取られるかだ!」
「私達がごっこならレオは狩り感覚で痛めつけてるよね!?」
「…………」
「「「「…………」」」」
「「「「「よし、喧嘩するか(しよっか)(しましょう)」」」」」
「喧嘩の前に状況報告が先だろ!? あ、こちらヤマト、はい……はい、今回の事件面倒くさい事に…………」
「後レオは腕の治療しないとね。ひな、お願い」
「う、うん! ……うぅ、帰ったら歯医者さんに行かないといけないのかなぁ? ……いやだなぁ。クスン」
と言うわけで喧嘩になりました。
その後リンディさんに「なのはさん達は甘過ぎだし、レオ君は厳しすぎです!なんでみんな両極端なの!?」とみんな仲良く叱られました。
加筆修正終了!!
いやー、昨日寝ぼけて書いてしまったから、朝読んでみると駄文に駄文で!!
これで少しはマシになったんじゃないか……!?