見た目が踏み台だからと言って、中身も踏み台だとは思うなよ?   作:蒼天 極

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さっきはうまく行ったからと調子に乗るなよ!?

 アミティエさんの聴取を聞きながら捜索を続けていたタイミングで、遠くから黒い魔力の柱が発生したのを確認。

 

「アスカ、あれって」

 

『大方夜天の書を悪用した結果でしょうね。カチコミをかけますか?』

 

「……いや、あれだけ目立った動きをすればすぐにあそこから離れるはず。ここは管理局のオペレーターさんに魔力反応を送ってもらって、柔軟に行動するしかないだろ」

 

 ここで最高な展開は陽動はシグナムさん達守護騎士やクロノ君に任せて、永遠結晶の前で魔導師組全員で待ち伏せをして、永遠結晶を取りに来た黒幕を数の暴力チートの暴力で取り押さえる事なんだけど、いかんせん永遠結晶がどこにあるか分からないからなぁ。(※レオ君は昼にオールストン・シーで巨大結晶を見ていないため、あれが永遠結晶だとわからない)

 どう動いたものかと思案していると、管理局のオペレーターさんから連絡が入る。

 

『先ほどの魔力爆発地点から大型魔力反応が三つ、高速で移動しています! また、追跡対象キリエ・フローリアン、イルマと思われる反応も確認!』

 

 なるほど、新手が三つか。

 しかも見た感じ三体ともそこそこの魔力量を感じる。

 

(レオ、魔力量的にこの三人はそこそこやるぞ。どう動く?)

 

(あいつらはおそらく陽動。……ここは何人かを三人に回して、俺とヤマトで黒幕を……あー、やっぱり今のなし)

 

(え?)

 

(こいつらオールストン・シーに向かってるわ。あれだけの魔力反応だと結界に閉じ込めるのも難しいだろうし、いくらなんでもここを壊されたら、アリサちゃんとすずかちゃん家の会社に損害が出るはず。崩されてもヤマトの言霊で何とかなるかもしれないけど、一般人の目とかを考慮したら崩されないに越したことはない)

 

 こうなってしまったら、犯人の確保よりも被害を最小限に抑える事の方が重要だろう。

 黒幕をいち早く潰せばいいと思うかもしれないが、それで防衛がおざなりになってお嬢様コンビの実家に被害を出させるわけにはいかない。

 敵の確保よりも友達の実家の安全だ、文句あるかコラァ!?

 

(俺たちは防衛に徹するってわけか)

 

(そう言う事。と言うわけで、クロノ君! 任せていいかい?)

 

(僕もその作戦で行こうと思っていた! フェイトもまもなくそちらに合流するだろう。魔力反応一つに対して三人ずつで対処。守護騎士達は援護に回って欲しい。そして撃破した組から僕達と合流して欲しい!)

 

(了解!)

 

 と言うわけでオールストン・シーの防衛は俺達が担当する事になりました。

 

 

 ◇

 

 

 と言うわけでヤマトと別れオールストン・シー近くの海上に向かい、アリシアちゃんとフェイトちゃん、シグナムさんと合流した。

 

「あ、レオだ! こっちに来たんだね?」

 

「うん。こっちの魔力反応は動き的にスピードタイプ。ならば先読みして行動できる俺が担当した方が良いって判断だ。と言うわけでヤマトじゃなくてすまんねフェイトちゃん」

 

「うぅん、大丈夫! レオがいるなら心強いよ」

 

「ちょうど良かった。バルディッシュのフォーチュンザンバーは間に合わなかったみたいだからな」

 

「調整が難しいみたいで……でも大丈夫、この子でなんとかします!」

 

「それにママとリニスが手伝ってくれてるから、すぐに完成するよ。だからちょっとの間私とフェイトは援護に集中するね!」

 

 フェイトちゃんの現在の装備は量産型の斧型次世代兵装。

 そしてアリシアちゃんも、アップデートしているとは言え、フォーチュンザンバー以外のデバイスでなんとかしなければならない。

 テスタロッサ姉妹の戦闘力は半減。……と言う事は当分は俺とシグナムさんが主力になりそうだな。

 直後オペレーターさんから焦ったような声が聞こえてくる。

 

『シグナム班、上空に注意してください! 大型の質量反応が上空から……!』

 

 え、上空に注意? 質量反応?

 上を見ると隕石がこちらの方へ…………隕石!?

 

『墜落予想地点、オールストン・シー。エリアD!!』

 

「おいおいおいおい、初っ端から殺意高いなぁ!?」

 

「私が止める、行くぞレヴァンティン!!」

 

 冷静に墜落予想地点へ移動したシグナムさんは、レヴァンティンと鞘を合体させて弓形のボーゲンフォルムに変化させると矢を引き絞る。

 おぉ、これはカートリッジを二個使うシグナムさんの必殺技!

 

「駆けよ、隼!!」

 

『シュトゥルム・ファルケン!!』

 

 レヴァンティンより打ち出された炎を纏った矢は炎の鳥へと姿を変えて隕石を破壊する。

 流石はシグナムさんだ! ……さーて、隕石なんて落とす迷惑な奴は一体誰かな……?

 

『もう一発、来ます!!』

 

「え、もう一発?」

 

 直後空の方から先ほどと同じくらいの大きさの隕石がこちらに落下してきていた。

 …………。

 

「……アルカンシェル、撃っちまーす!!」(怒)

 

「あ、レオがすっごい素敵な笑顔になってる!?」

 

「そ、そう言えばレオって本気で怒ると笑うんだっけ……。今すっごく怒ってるんだね」

 

 こんなにも執拗にテーマパーク破壊しようとして来たらキレるのは当たり前でしょうが。

 ただでさえ今回テーマパークで遊べなかったって言うのに、ぶっ壊そうとするんじゃねえよ! 遊べなくなるやろがい!!

 

『マスター、アルカンシェルはちょいとタンマです。隕石の向こう側に魔力反応があります』

 

「なるほど、当てないように気をつけないとな! ま、当たった所で不幸な事故だけど!!」

 

『いやいや、そうじゃなくて。隕石ごと消し飛ばすより、投げ返してぶつけた方がスカッとするっしょ?』

 

『ちょ、アスカロン? あれ何トンくらいの質量だと思ってるんですか。流石のマスターでも持ちきれな「なるほど、流石は俺の相棒! 良い考えだ!!」マスター?』

 

 アスカロンの名案に乗った俺は、早速自分に強化魔法でバフをかけると、Fガントレットを両腕に装着して隕石の下へ向かう。

 

「ぐぉおおおおおおおお!!」

 

「ちょ、レオ!?」

 

「む、無茶だよ!!」

 

 テスタロッサ姉妹が止めてくるが、大丈夫大丈夫。5Sを超えた魔力を贅沢に使ってかなり強力な身体強化魔法かけてるから。

 

「ヴォオオオオオオオアアアアアアアア!!!!」

 

「な、なんだと!?」

 

「うそー!? あんな大きいのを持ち上げちゃったよ! あ、カッコいいから後でひなに見せよ」

 

「お姉ちゃん今それどころじゃないよ!?」

 

 プロテクションを足場にして、受け止めた隕石を持ち上げる。今まで鍛えて来た強靭な肉体に身体能力を足すそれすなわち最強なのだ。リキリキの実なんてなくても人間頑張ればいけるのだ。

 直後、空から水色の雷が俺らの前に落ちてくる。

 

「なんだよも〜。せっかく運んできた鉄団子を壊すとか受け止めるとか……てか、受け止めるってキミは常識外れだな〜」

 

 なるほどお前が犯人か。

 てか隕石落として来やがったお前には常識外れだなんて言われたくねえよ。

 そんなお前にはこの隕石返してやるぜ!! ……って。

 

「あ、無理だ」

 

(あー……こりゃダメですね〜)

 

 ダメだ、投げ返せない。

 何故ならこの隕石もどきを運んできた正体はフェイトちゃんの2Pカラー。友人の姿をした奴にこんな物騒なもんを投げ返すなんて出来ない。

 くそ、随分と汚い真似をしてくれるじゃねえかキリエェ、イルマァ!!

 ……と、言うわけで。

 

「これお前にやるわ。オラァァアアアア!!」

 

「うわっと!? 危ないな〜、怪我したらどうすんだ〜!!」

 

「さっきからあなたの発言はブーメランだよ?」

 

 俺が投げつけるのは2Pカラーフェイトちゃんの右上の空。雲に隠れて様子を伺ってるのバレバレなんだよ、出て来いや!!

 上空に投げ返された巨大隕石は途中で縦に真っ二つに斬り裂かれる。そしてそこから現れたのは黒い剣とガトリングガンを装備したイルマだった。

 

「ほぉ、まさかバレているとは思わなかったぞ」

 

「どうせ油断をさらした隙に不意打ちでも当てようとしたんだろ? そうはさせるかってんだ」

 

「あの隕石を投げ返すとは何者だ、名を名乗れ!!」

 

 イルマが2Pカラーフェイトちゃんの隣に降り立ったタイミングで2Pカラーがそう吠える。

 

「時空管理局本局魔導師シグナムだ。大規模危険行為で現行犯逮捕する!」

 

「同じく本局魔導師アリシア・テスタロッサ! フェイトの姿で悪い事をするなんて許さないよ!! 逮捕の前にお尻ぺんぺんの刑に処すからこっちに来なさい!!」

 

「お、お姉ちゃん、今それどころじゃ……こほん、本局魔導師フェイト・テスタロッサです。あなたの氏名と出身世界は?」

 

 フェイトちゃんがそう尋ねると、2Pカラーフェイトちゃんは手に持っているデバイスをクルクル回しながら、まるでヒーローごっこの様に名を名乗り始める。

 

「どこから来たとか僕だって知らん! 誰が呼んだか知らないが、ボクの名はレヴィ! 雷光のレヴィとはボクのことさ!!」

 

 名乗りの最後に青い雷を背負って、ビシッと決めポーズを取るレヴィ。なるほど、カッコいいじゃんか。

 

 …………。

 

「おい、キミ! キミも名乗りなよ!!」

 

「……私はとっくに自己紹介を済ませているのだが、まぁいいだろう。私はイルマ、正式名称イリスMarkⅡだ」

 

「そして、ボクがわざわざ運んで来た、ボクの僕……」

 

 レヴィはイルマが自己紹介を済ませたのを待つと、海の方に手をかざす。

 直後、シグナムさんとイルマによって破壊された隕石の残骸が、水柱の中で一つに合わさって行く。

 そして水柱から現れるは、黒い人形兵器。

 

「機動外殻、壊塵のトゥルケーゼ!!」

 

「おぉ!何あれカッケェ!!」

 

「ふふん、キミもなかなか分かってるねぇ」

 

 お前の方こそ分かってんなぁ。そうだよ、ロボはこう言うカッコよさが大切なんだよ。先ほどの車を改造しました感満載のロボよりこっちの方が好きだぜ?

 ロボのお披露目も終わりすっかり満足したレヴィは得物を構える。

 

「……さぁ、遊んであげるよ!!」

 

「宮坂麗央よ。あの制裁は我々の自業自得だと分かってはいるが、仲間をあんな目に遭わされて私も多少は憤っている。……遺書は書いて来ているな?」

 

「そっちこそさっきはたまたま上手く行ったからって、あんまり調子に乗らないことだ! ここに来たなら丁度いい、そっちのクソガキと一緒にボコボコにして拘束させてもらうぜ!!」

 

「あのレヴィって子には、しっかりとお説教しないと。行くよフェイト!」

 

「うん、捕まえてちゃんとお話ししよう。お姉ちゃん!!」

 

 あのロマン満載なロボは壊すのが勿体無いし、イルマに邪魔されそうだからシグナムさんに押し付けて、俺とフェイトちゃん、アリシアちゃんの三人でレヴィとイルマのコンビと戦うことになった。




レオ&テスタロッサ姉妹VSレヴィ&イルマ
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