見た目が踏み台だからと言って、中身も踏み台だとは思うなよ?   作:蒼天 極

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さぁ、ここからはレオ君サイドです。


外的要因が弱点になる事もあるんだよ!!

 オールストン・シー近くの海上にてカリバーとロストロギアの魔剣がぶつかり合う。

 

「ほう? 驚いたぞ! まさかこれほどの魔力量とはな!!」

 

「今日の俺は本気モードってやつだ! 《トールサンダー》!!」

 

 今までリミッターをかけていただけで、俺の本当の魔力量は測定不能。つまり測定出来ないほどの量の魔力をリンカーコアが生み出していると言う事でもある。

 この状態で今の俺が使える最強の雷属性の魔法を撃とうとしたらどうなるか……今まで以上の出力が出せるのだ!

 

「ほぉ? 流石にこれは食らってやるわけにはいかないな。セキュリティ突破、魔法の解析、解除。……残念だったな」

 

「クソが! このセキュリティも突破して来るかよ!!」

 

 本来なら今のでイルマはマルコゲになっているはずだが、こいつはエルトリアと言うこの世界の魔法体系とは全く違う世界から来たと言うのに、なぜか管理世界の魔法に関して造詣が深い。

 故にいくらこちらが強力なセキュリティを魔法に貼ったとしても、こいつは僅か数秒でセキュリティを突破して俺の魔法をハッキング、魔法の発動を解除してしまう。

 

「くそ、これがなければいくらでも付け入る隙はあるんだがな!!」

 

「貴様の魔法は一撃で沈んでしまうほどの大火力。正直言って危険だからな」

 

 魔法が解除される。それはつまり不意打ち以外の魔法はスフィアだろうが、バインドだろうが、シールドだろうが、ゴリ押し大魔法だろうが、こいつの前では使用不可という事。

 つまりは近距離戦前提のデバイスとランブルデトネイターのみでの戦いを強いられてしまうのだ。

 クソ、まさか手数の多さが売りの俺がまさかここまで選択肢を制限されるとはな……。

 だが厄介なのはこれだけではない。

 

「後ろ側がお留守だよ!」

 

「っ!? ぐぅ!!」

 

「隙を見せたら魔剣の餌食となる」

 

「ぐぅううううう…………」

 

 突如の背後からレヴィの一撃をくらい体勢が崩れる。その隙にイルマの魔剣が俺の身体を斬り裂こうとするが、咄嗟にカリバーを魔剣と俺の間に滑り込ませて受け止める。

 唯一のイルマの弱点は近接戦闘。いや、近接戦闘もこいつはかなり強いが、近距離でスフィアを撃てば、こいつが俺の魔法を解除するよりも前に当てることができる。

 だがそれも近くでフェイトちゃんとアリシアちゃんの二人と戦っているレヴィがたまに高速移動でこっちに邪魔しに来るせいで、うまくいかないのだ。

 

「れ、レオ大丈夫!?」

 

「ごめん! またレヴィをレオの方に……」

 

 レヴィの実力ははっきり言ってフェイトちゃんと同レベル。フェイトちゃん達が協力すれば確実に勝てる相手だ。……()()()()()()()()()()()()()()()()()

 現在フェイトちゃんもアリシアちゃんも、メイン武装であるバルディッシュやフォーチュンザンバーの強化が終わっていない。

 つまり二人の戦闘力は半減してしまっており、レヴィを完封するのが難しいのだ。

 

「どうしよう……レヴィめちゃくちゃに高速移動するから私じゃ追いつけない」

 

「私なら追いつけるけど、あの子のデバイスには押し負けちゃう」

 

「そして二人の包囲網を掻い潜って俺を邪魔しに来る。だからと言ってレヴィに反撃しようとしてもイルマが許さない」

 

 くそ、本当に厄介だなぁ……。

 せめてレヴィが邪魔しに来なければ何とかなるんだけど……。

 ……あ、そうだ。

 

「フェイトちゃん、アリシアちゃん。すっごい危ないこと頼んでいい?」

 

「え、うん。私達今は役立たずだから、何でもやるよ!」

 

「私も全力で手伝うよ」

 

 そう? それならありがたく使わせて頂きますよ。

 それじゃあアリシアちゃん、耳を貸してね。大丈夫、流石にこの状況でヒソヒソ系のボケをするつもりはないから。

 アリシアちゃんに耳打ちをすると、彼女は冷や汗を流しながら乾いた笑みを浮かべる。

 

「おおぅ、確かにそれはすっごい危ないね」

 

「れ、レオ? お姉ちゃん? どう言う作戦なの?」

 

「それはね。ヒソヒソヒソヒソ……」

 

 フェイトちゃんの耳はヤマトの物のため、アリシアちゃん経由で作戦を伝えると、彼女も冷や汗を流して唾を飲み込む。

 

「……た、確かに危険だ。でも安全を第一に考えてくれるレオがそれを提案するってことは、もうそれしか無いんだね?」

 

「悪いね。俺がもう少し有能なら二人に命を賭けさせなかったものの……」

 

「だいじょーぶ、せっかくレオが私を頼ってくれたんだもん。いくらだって命賭けちゃうよ!」

 

「今までずっとレオに助けられて来てるからね。こう言う時くらい頑張らなきゃ!!」

 

 二人が気合を込めると、再びイルマとレヴィを見据える。

 

「作戦会議は終わったようだな」

 

「終わった? なら早速続きをしよっか」

 

「作戦会議の時間を寄越すなんて随分お優しいことで。その余裕の表情ぶち壊してやる。行くよアリシアちゃん。フェイトちゃん」

 

「うん」「オッケー」

 

 直後、三人同時にイルマに襲いかかる。

 それに対してイルマは呆れたようにため息をついた。

 

「何を相談したかと思えば各個撃破か。三人で一人を狙えば倒せると言うことか? 随分と舐められた……何!?」

 

「え、狙われていたのは実はボク!?」

 

 ほーら、お二人仲良く驚愕の表情を浮かべやがった!

 俺らがイルマに襲いかかろうとする中、俺だけ何の前振りもなく方向転換してレヴィに襲いかかったのだ。

 今回俺が提示した作戦。それはレオVSイルマ、テスタロッサ姉妹VSレヴィで勝てないのなら、選手交代すれば良いじゃないと言うものだ。

 俺ならばレヴィの高速移動も予測して対処可能。それにフェイトちゃんとアリシアちゃんがイルマの注意を引いてくれれば、俺は魔法をハッキングされず本来の力を発揮できる。

 

「ふーん、今度はキミがボクの相手をするんだね。いーよ、ならばいざ尋常に勝負!!」

 

 俺の不意打ちを凄まじい反射神経と高速移動で避けると、ビシッと決めポーズをとるレヴィ。本来なら俺がイルマからレヴィに方向転換して驚いている間に無力化したかったんだがな……!!

 

『気をつけてくださいマスター! フェイトちゃんとアリシアちゃんは格上のイルマの相手をしなければならない。正直言って危険すぎるでしょう!!』

 

『一歩間違えたらお二人は死んでしまいます。マスター、早急にあの少女を対処しましょう!』

 

(あぁ。20秒でケリをつける!)

 

 運の良いことに相手は俺を標的に定めたみたいだし、攻撃を加えるために近づいて来た一瞬のタイミングを狙う! チャンスは一回だけだ!!

 

 …………………………っ!!

 

「ここっ!」

 

「え、うそぉ!?」

 

 高速で俺との距離をつめて攻撃を加えようとするレヴィ。

 だが何度神速とか言う公式チートの使い手を相手にして来たと思ってんだ? こんなの俺には見えている。彼女のデバイスにIスティックを滑り込ませて攻撃を受け流すと、すぐさま離脱しようとしたレヴィの足を掴む。

 

「おぉおおおおらぁあああああああ!!!!」

 

「うわぁああああああ!?」

 

「ぐぉおお!?」

 

 そして今にも二人にトドメを刺そうとフォーミュラ製のブレードを振りかぶっていたイルマにレヴィを投げつけてやった。

 ロストロギアの方を使わなかったのは彼女の優しさなのか? まぁ今はどうでもいい。

 

「フェイトちゃん、アリシアちゃん。今だ!!」

 

「うん! 《ライトニングバインド》!!」

 

「《ハピネスヨーヨー》!!」

 

 イルマはレヴィが投げ飛ばされて来るとは思ってもいなかったらしい。

 彼女がレヴィを無理な体勢で受け止めた瞬間、フェイトちゃんとアリシアちゃんが二人に拘束魔法をかけて動きを止める。

 

「く、だがこの程度「捕まったー!! はーなーせー!!」っておい、レヴィ!? 一旦落ち着くんだ!!」

 

 本来ならば拘束した所でイルマは解除して来る。だがレヴィと密着状態で拘束した事で、ジタバタともがくレヴィに邪魔されて拘束魔法のハッキングに集中する事が出来ていない。

 レヴィなら拘束されたら暴れると思ったよ!!

 

「行くぞアスカ! デバイス融合!!」

 

『ハッキングされないなら私にも役目がありますからね。さ、あの目隠しとクソガキにお灸を据えてやりましょう!!』

 

 アスカロンをMブラスターと融合させて、さらに巨大なブラスターに変形させると魔力を収束する。

 相手が魔法を散々解除してくれたおかげで、本来使われるはずだった魔力が使われなくてこの空間は残存魔力で満たされていたんだ。ものの数秒でチャージは完了する!

 

「フェイトちゃん、アリシアちゃん! 俺の後ろに避難して!!」

 

「う、うん!」

 

「分かった!」

 

「レヴィ、良い加減にするんだ! お前が暴れると解除に集中できない!!」

 

「イルマの方こそこんなのボクがぶっ壊すんだから邪魔するな!!」

 

「喧嘩してる所悪いが隙だらけだぜ!? 全身全霊、《ブレイク・オブ・エレメタリオン》!!」

 

 俺の必殺の収束砲により目の前が赤や青、黄色に緑色が混じった色で埋め尽くされる。

 流石に今のを受けて立ってる奴はいないだろう。

 

「やったー! 流石レオだね!!」

 

「ううん、二人があの化け物相手に頑張って時間を稼いでくれたからだよ。無茶を聞いてくれてありがとね」

 

「ふふ、どういたしまして」

 

『これが真の友情ってやつですか。友情なんてなくて喧嘩してたあの二人とはえらい違いですねぇ』

 

 全くだ。

 見た感じ二人とも割と好き放題動いていたから、実はあんまり仲良くないんじゃないかって思って互いの足を引っ張り合わせてみたが本当に上手くはまってくれたよ。

 

「二人で組んだ事自体がコイツらの敗因だったって事だ。「確かにそれに関しては同感だ」おっと、今の一撃で倒れなかったか」

 

 煙が晴れるとそこにいたのは、服がボロボロになったイルマとあまりダメージを負っていないレヴィ。

 どうやらイルマが大半を庇ったようだ。

 

「全く、ぐうの音も出ないとはまさにこの事を言うのだろう。まさかこうもお前の思惑通りになってしまうとは」

 

「見た感じお前自身にはこれと言った弱みが無いからどうしようかと思ったけど、外的要因が弱点になる事もあるんだな。勉強になったよ」

 

「私の方こそ、これは良い勉強になったな。……レヴィ、お前は邪魔だどこかへ行け」

 

「な……何を言ってるんだ! ボクについて行くって言ったのはイルマだろう!? ならボクがどこかへ行く理由なんてどこにあr「邪魔だと言ってるだろう。早く行け!!」っ!? …………う……うぅ……わ、分かったよ、行けば良いんだろ行けば! どーなっても知らないからな!? うわぁああああああん!!」

 

「あ、レヴィ!!」

 

 泣きながらオールストン・シー方面へ行ってしまったレヴィ。

 ……悪党に同情はないけど、見た目がフェイトちゃんだからちょっと可哀想だな。

 

「フェイトちゃん、アリシアちゃん。二人はレヴィを追いかけて」

 

「え? だ、大丈夫なの?」

 

「大丈夫、レヴィが邪魔してこないなら充分戦える」

 

「そっか、分かったよ。でも約束して! 無茶はしても良いけど、大怪我だけはしないでよね!?」

 

「あぁ。俺も痛いのは嫌だからな」

 

「約束だよ。行くよフェイト! レヴィを追いかけよう!!」

 

「うん!」

 

 フェイトちゃんとアリシアちゃんもレヴィを追いかけてオールストン・シーへ移動し、ここに残っているのは俺とイルマの二人となった。

 

「さて、仕切り直しと行こうか」

 

「仲違いの原因を作ったのは俺とはいえ、いくらレヴィを収束砲から守ったとはいえ、大声出して追い払うのはちがうだろうが。そんなやつに負ける踏み台じゃねえんだよ。今度こそぶっ転がしてやらぁ!!」

 

 ここからは第二ラウンドだ。踏み台の底力……甘く見るなよ!!

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