見た目が踏み台だからと言って、中身も踏み台だとは思うなよ?   作:蒼天 極

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胸糞注意。

あくまでもあの状況から劇場版に準拠させようとしただけなのに……どうしてこうなった(白目)


(アリシア視点)地雷踏み抜いちゃったね。

 泣きながら逃げていったレヴィを追いかける私とフェイト。

 私はあの子を絶対に捕まえないといけない。あれだけの事をやったあの子を見逃せないのもあるし、大切な妹とそっくりの見た目をしてるのだ。

 そんな子が泣いていたら励まさねばと言う使命感に駆られる。

 

「アハハ、これじゃあまたレオに甘いって言われちゃうかなー?」

 

「そうだね。でもお話しして分かり合えたらそれに越した事は無いと思う。それにレヴィは良い子だから分かってくれるよ」

 

「分かってくれるかなぁ? ……あ、いたいた」

 

 オールストン・シーの海沿い。イルカショーとかが開催される予定のマリンステージの片隅でレヴィは泣いていた。

 

「なんだよ、なんだよぉ……。好きに暴れていいって言うから好きに暴れただけなのに、あんなに怒る事ないだろぉ……」エグエグ

 

「やっと見つけたよ」

 

「レヴィ、大丈夫?」

 

「うわ!? お、お前らボクを追いかけてきたのか!?」

 

 声をかけるとレヴィは猫顔負けの反射神経で距離をとると、獲物を構える。

 それに対して私もフェイトも臨戦体制は取らずにレヴィに歩み寄る。

 

「や、やるのか!? 今ボクはご機嫌斜めなんだ、どーなっても知らないぞ!?」

 

「はいはい、後で戦おうね」

 

「レヴィ、泣きすぎて顔がびしょ濡れだよ。ほら、まずは涙拭こ?」

 

「な……ぼ、ボクは泣いてない! これは汗だ!! ……でもハンカチは借りる」

 

 ハンカチを差し出すフェイトにレヴィはそう強がりながらも、ハンカチを受け取る。素直じゃないなぁ。

 そして顔をゴシゴシと拭くと、そのままそれを鼻に当てて……

 

「チーン!!」

 

「……ティッシュを渡してあげた方が良かったんじゃない?」

 

「洗濯すれば大丈夫だよ」

 

 確かに洗えばいいし、ハンカチで鼻かむ人もいるけどやっぱり……ね?

 涙を拭いてすっきりしたらしいレヴィは「ありがと」と少し照れたようにハンカチを返却する。

 

「ねぇ、レヴィ? あなたはどこの子なの?」

 

「どこの子って、ボクは王様の臣下でシュテルンのマブダチ! 王様がね。キミらをなるべく足止めして、出来る事ならやっつけて来いって言うからボクとシュテルンは頑張るの! でも……」

 

 そこまで言うとレヴィはプルプルと震え出すと、「うがー!!」と大声をあげる。

 泣いたり怒ったり忙しい子だなぁ。

 

「イルマのやつ手伝うって言っておきながら、ボクを追い出して…………後で王様にチクってやる〜!!」

 

「ま、まぁまぁ。レオと戦わなくて済んだだけ幸運だったと思えばいいよ!」

 

 まぁ、キリエさんの場合はひなの歯を折ったからあれだけ痛めつけただけで、訳ありの人に関しては割と寛容でそこまで痛めつけずに無力化するんだけどね。

 敵と戦ってるときのレオはクールでかっこいいし目標ではあるんだけど、流石にフェイトと同じ顔をしたレヴィだけは私達で捕まえたいんだ。

 

「それで王様って言うのはキリエさんの関係者?」

 

「もしかしてキリエさんだったり?」

 

「あの桃髪じゃないよ! 王様は王様!! ……あ、ヘイト達がここにいるならやっつけないと!!」

 

 何とも微妙なタイミングで思い出したレヴィは、素早く距離をとって再び獲物を構える。

 ありゃりゃ。もうちょっと話して、出来たら説得して戦わずに解決したかったんだけどな。

 

「ハンカチ貸してくれたのは嬉しかったけど、それはそれ、これはこれ! イルマを放っておいてボクのところに来たならボクが相手だ! それじゃかかってこーい!!」

 

 そう言って斬りかかってきたレヴィの一閃をフェイトのハルバードが受け止める。どうやら撃墜させて止めるしかなさそうだね。

 それにしても、この子にとって遊ぶとは戦うことのようだ。ひなも模擬戦は遊び感覚でやってるしひなと会ったら仲良しになれるんじゃないかな!?

 

「ねぇ、レヴィ! 遊ぶのは後じゃダメ!?」

 

 レヴィがやる気なら仕方がない。無理やり止めてお尻ぺんぺんの刑に処す!!

 レヴィの攻撃がフェイトに止められたタイミングに合わせてラッキーシューターを撃って、レヴィの妨害、あわよくば撃ち落とそうとしているとフェイトが再びレヴィに呼びかける。

 

「何だよしつこいぞ〜! ほら、アリシアって子はもうやる気になってるんだから、ちゃんと戦え~!」

 

「それは……「フェイト、今は切り替えて! ……って言いたいけど、レヴィが心配なんだよね? それならお姉ちゃんがしっかりカバーしてあげるから、この子に伝えたいことを伝えればいいよ!!」ありがとう、お姉ちゃん!!」

 

 ママから聞かされたが、フェイトは昔おかしくなっていたママの命令で悪いことをしてたみたい。

 だからこそ王様の頼みで悪事をしているレヴィの姿が自分の過去の姿と重なったのかもしれない。そう思ったら、お姉ちゃんとしては妹を叱れないのですよ!

 

「ねぇ、レヴィ? 今キリエさんを中心に事件が起きてて、沢山の人が困る事になるかもしれないの!! 私はそれを止めたくて……!!」

 

「ダメだって! ボクはキミ達をやっつけろって命令されてるんだし!! 大体、人が困るたってそんなのボクの知らない人だしね!!」

 

 …………知らない人なら迷惑かかってもいいって、これ説得無理じゃない?

 私ならば今の発言を聞いたら、切り替えて戦うことに集中しちゃうけどフェイトは諦めず呼びかけ続ける。

 

「今は知らない人でもいつかレヴィと出会うかもしれない……大切な人になったりするかも知れないよ!?」

 

 その直後、激しく飛び回っていたレヴィの動きがピタリと止まる。

 

「その発想はなかった……大切な人が困るのは困るね〜……」

 

「関係ない人に迷惑をかけたり、物を壊したりするのは悪い事なの!」

 

「む〜……」

 

 レヴィは腕を組んで難しい顔で思案を始めた。どうやらフェイトの決死の呼びかけはレヴィに伝わったようだ。

 流石はフェイトだね! このまま押し切っちゃえ!!

 

「例え、それが命令された事でも!!」

 

「む〜……ん? ちょ、ちょい! ちょい待ちフェイト!! それってさ、ボクの王様の事を悪い人だって言ってるの?」

 

「え、いやちが……」

 

「王様はさ、ボクを良い子だって言ってくれた! ご飯もおやつもくれたし、うんっと優しくしてくれた!! 一緒に眠ってくれた!!」

 

 レヴィは憤怒の表情を浮かべながらフェイトに詰め寄る。

 あちゃ~、どうやらフェイトは地雷を踏み抜いてしまったようだ。

 

「ボクが世界中でたった一人、この人について行くって決めた人だ! それを悪い人だって言う奴は……ボクがこの手でぶち転がす!!」

 

「レヴィ待って! 違うの、そうじゃなくて……!!」

 

「違わない! 王様をディスる奴は悪い奴!! ボクはそれくらいシンプルで良いって、シュテルンが言ってくれたからね!!」

 

「レヴィ、私は──」

 

「うっさい! 良いから黙って、やっつけられろぉおおおおお!!!!」

 

「そうはさせないよ!!」

 

 問答無用でフェイトに斬りかかるレヴィを、シールドで遮る。

 交渉は完全に決裂。フェイトには悪いけど、もうこれは撃墜させて止めるしかない。

 

「そう言えばキミがいたね。ボクは王様を悪く言われて怒ってんだ! 邪魔するな!!」

 

 直後シールドが破壊されて、レヴィの一撃が私に入りそうになる。

 でも力尽くだ破壊してそのまま攻撃しようとしたから、どう斬ろうとするかは予測済み! タイミングを合わせて避けると、ポンポン型デバイスを右手に装着する。

 

「妹が傷つけられそうなのに黙ってるお姉ちゃんはいないよ! 《ポンポンパーンチ》!」

 

「くぅ!?」

 

 このポンポンはガントレットの役割も果たしており、これを使ったパンチは結構痛い。

 ポンポンのストレートがレヴィの頬に当たって殴り飛ばされてた。

 

「フェイト、ここからはレヴィも本気だよ。切り替えてね?」

 

「わ、分かった。謝るのは撃墜させた後だね」

 

 フェイトもこれ以上の説得は不可能と察して、ハルバードを構える。

 正直今の私達じゃ、連携したところでレヴィに勝つのはキツい。でもうっかりフェイトが地雷を踏んじゃってレヴィは怒っているから、単調な攻撃しかして来ないでしょ。

 

「イタタ……ヘイトを守るならキミも悪いやつだ! こうなったらボクの切り札で一気にやっつけてやる!!」

 

 そう言うと、レヴィの得物が斧型から巨大な大剣に姿を変える。

 

「こ、これは……もしかしてザンバーフォーム!?」

 

「ボクとバルニフィカスのとっておき、ブレイバーさ。それじゃあ……行くぞぉおおおお!!」

 

 まずい、あれは明らかに攻撃範囲も射程も威力もさっきよりも威力が更に高くなってるはず。

 今ならなんとか避けられそうだけど、避けたら確実にレヴィの攻撃はマリンステージを破壊しちゃう!

 それにシールドで守り切るのは至難の技だし、当たったら確実に負けちゃう。どうする? ……どうする? ………………よし!

 

「避けるよフェイト!」

 

「う、うん!」

 

 三十六計逃げるに如かず!

 例えシールドを張っても、破壊されてマリンステージもろともやられるのがオチだ。なら身の安全を優先しよう。大丈夫、後でヤマトにこのステージを修理してもらえば──

 直後、私とフェイトの身体が水色の枷で拘束された。

 

「しまった、拘束魔法!?」

 

「く……せめてお姉ちゃんだけでも!!」

 

「食らえぇえええええ! 必殺、《蒼破極光斬》!! どっっせぇえええええい!!!!」

 

 まずい。避けられな────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふぅ、スッキリした……。ヘイトー、アリシアー、どこー? 死んじゃったー?」

 

 ……しまった。まともに食らっちゃった。フェイトがシールドを張って、威力を少しでも落としてくれなかったら終わってた。

 フェイトは……大丈夫、隣で意識を失ってるだけだ。

 

「あぁ、よかった、まだ生きてる! …………あ、いやいや、王様のため、シュテルンのため……一応トドメをね。まずはアリシアから……」

 

 っ! 私がやられたら次はフェイト! なんとかフェイトだけでも逃さないと…………ダメ、身体に力が入らない!!

 だけどバルニフィカスを突き刺そうと構えていたレヴィはしばらく私達を見つめると、フルフルと首を振ってバルニフィカスを収めた。

 

「…………やっぱやめとこ、ハンカチ貸してもらったのもあるしね。一応無力化したし、安全なところにでも運んであげよ」

 

 そう言ったレヴィは私を持ち上げると、壊れたマリンステージの近くの安全なところに運んでくれた。

 

「さて、あとはヘイトか。……あれ? あの子の名前ヘイトだったよね? ……まぁいいや。それじゃあ……っ!?」

 

 直後取り残されたフェイトの方を向いたレヴィの顔色が変わる。

 どうしたのかと、重い身体を動かしてフェイトの方を向くと、レヴィがメチャクチャに壊したマリンステージの照明が意識の失ったフェイトの頭上に落ちてきているところだった。

 

「ヘイト!!」

 

 レヴィが高速でフェイトの下へ急ぐけど、ダメ。間に合わない!!

 

 

 ガシャァン!!

 

 

「良かった、無事みたいね」

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