見た目が踏み台だからと言って、中身も踏み台だとは思うなよ?   作:蒼天 極

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今回、イルマの謎がある程度明かされます。


お前のその目ってまさか……

 イルマがレヴィを追い払い、俺もテスタロッサ姉妹にレヴィの追撃を頼んで第二ラインドに移行したわけだが、見事に形成逆転出来ていた。

 魔剣の攻撃をカリバーで受け流しながら、相手に悟らせないように魔法で追撃を行う。

 

「《フォースジャベリン》」

 

「ここで来るか!?」

 

 魔法をイルマ本体だけではなく、敢えて魔剣の腹にも当てることでイルマのバランスを崩す。

 そのまま流れるようにシールドを足場にして、思い切り踏み込みを行い、背中をイルマに当てて思い切り突き飛ばす。八極拳の鉄山靠ってやつだ。

 

「がはっ!? ……っ、急に動きが良くなったな」

 

「さっきまでは、レヴィの不意打ちにも意識を回しておかなきゃならなかったからなぁ!!」

 

「それでもだ。私が貴様の魔法を打ち消せると言う事実は変わらない。なのになぜこれほどまでに……」

 

 そりゃゼロ距離からの魔法はセキュリティを解く前に当てることが出来るからな。

 それにイルマが魔法をハッキングするときにどう言う手口かを調べてみると、フォーミュラシステムで魔法をハッキングしていた。

 つまりイルマは魔法を使うことはできない。

 

「そう考えると遠距離攻撃はお前のガトリングガンしか無いからな」

 

「ほぉ。だから執拗なまでに近距離で戦うのか。……それに我が魔剣シュリセルも貴様のカリバーとやらで容易く受け止められてしまう。いくらこの魔剣が真の姿で無いとはいえ、これはお前らの世界でいうロストロギアであるにも関わらずだ」

 

 そこまで言うとイルマは自らのバイザー型の仮面を外す。

 ……っ!?

 

「お前、その目って……」

 

「認めよう、お前は強い。魔王の血筋に胡座をかかず、相応の努力を積んできたと見てとれた。……故に、私も真の切り札を見せるとしよう」

 

 そう言って取り出したのは、俺から強奪した魔心レプリカ。それをシュリセルと呼ばれた魔剣のグリップと等身の間に開けられていた穴に嵌め込む。

 直後シュリセルと呼ばれた魔剣から黒いオーラが発生する。

 

「……いくらレプリカとはいえ魔心を嵌め込む事でパワーアップする魔剣か。これってもしかして魔王の遺物か?」

 

「その通り。……私の仲間にディアーチェと言う王を名乗るものがいる。だが、私からしてみればやつはただの王様遊戯。………………()()()()()()というもの見せてやろう!!」

 

「なるほど……そう言うことか、だからお前は俺の前に現れたんだな!? …………でもレプリカの遺物の力を借りただけで王と名乗るなんて笑わせる!!」

 

「ふふふ、違いない」

 

 ……と息巻いてみたは良いものの……。

 …………あかん、このタイミングでのパワーアップは死亡フラグや。

 フラグ的にもそうだが、こいつさっき以上にパワーアップしてる。おそらくキリエやアミティエさんの使ってたアクセラレーターを使ってくる可能性が高い。

 今のまま戦うのは危険だ。今回は捕まえるのを諦めて防戦に徹して、次に戦うまでの戦力分析だけして逃げた方が良いかもしれないな。

 

「行くぞ、宮坂麗央!!」

 

「っ!!」

 

 直後目の前に現れたイルマから振り下ろされる魔剣。

 咄嗟にカリバーを滑り込ませるものの、先ほどとは打って変わって、あっさりと刃は斬られそのまま俺の身体を──

 

「斬らせるかバーカ!!」

 

 カリバーの魔力刃をまるで豆腐を斬るかの如く斬られるのは目に見えてんだ!

 魔力刃ごと斬られるかもしれないのに、何も考えずカリバーで防御するほど俺もドMではない。三十六計逃げるに如かずだ!!

 ……あれ、なんか今アリシアちゃんが同じこと言ったように感じる?

 

「お前なら避けると思ったぞ。シュリセルは囮だ!」

 

「ガハッ!?」

 

 直後イルマの脚が俺の腹に突き刺さる。

 そのまま蹴り飛ばされたかと思うと、目の前にイルマが現れ右拳を再び俺の腹を減り込ませて、俺はそのまま海は落下した。

 ここで海に落として来たのはラッキーだ。夜の海から俺を見つけ出すなんて至難の業。

 ならばどさくさに紛れて、こっそり転移で逃げさせてもらうぜ! サラバ!!

 

「……レプリカにあんな物騒なシステムが組み込まれているんだ。これ以上この魔王の心臓の魔力を使うべきでは無い。今回で決着をつけたかったが、次回へ持ち越しだな。海から出てくる前に逃げさせてもらおう! サラバ!!」(※レオと似たようなことを考えていたイルマであった)

 

 

 ◇

 

 

「ぐぅう……メチャクチャ痛ぇ。もしかしたら肋骨折れたかも。フェニックスカートリッジあって良かったわ」

 

 それにしてもなんだかんだあいつ剣をほとんど使わなかったな。

 俺なんて斬る価値もないってか、舐めやがってぇ……。まぁお陰でこうして生還した訳なんですけど!!

 

「さて、ここはどこだっけ? 適当にオールストン・シーに転移したけど……」

 

『ここはエリアDですね。おそらくフェイト様やアリシア様がレヴィと戦っていると思います』

 

「なるほど。ならイルマに逃げたって悟られる前にアリシアちゃん達と合流して数の暴力でレヴィを倒すか」

 

 イルマの正体は察しがついてしまったが、仮に俺の勘が当たってるならイルマはレヴィの下に顔を出すほど愚かでもないだろう。

 それじゃあ早速フェイトちゃんとアリシアちゃんと合流するか!!

 

 直後近くの建物から、例えるならトラックを10メートルの高さから落としたようなそんな音がした。

 

「……随分ド派手にやってんじゃんか」

 

『アリシアちゃんやフェイトちゃんじゃないですね。これは……』

 

『後はあちらのマリンステージからですね。すぐ合流しましょう!』

 

「おう。……なんだか嫌な予感がする!」

 

 

 ◇

 

 

 と言うわけでフェイトちゃんとアリシアちゃんへの助太刀にマリンステージへやって来た俺であるが、マリンステージの惨状をみて絶句する。

 マリンステージはもはや限界を留めないほどにボロボロになっている。……まぁこれは良いだろう。ヤマトに修理させればどうとでもなる。

 問題はステージ近くの観客席の端で横になっているボロボロのアリシアちゃんがいたのだ。

 

「アリシアちゃん無事!?」

 

「れ、レオ……ごめん。怪我するなって言ったのに私がやっちゃった……」

 

「気にしないで! カートリッジを使えば──」

 

「ごめん! それよりも…… 私よりもフェイトとリンディ母さんを助けてあげて!!」

 

 え? アリシアちゃんがプルプルと震えながらもなんとか指を刺したステージの方を見ると、同じく倒れているフェイトちゃんと、彼女を咄嗟に突き飛ばしたのだろう。照明に潰されてしまったリンディさんの姿だった。

 おいおいこれは……

 

「確かにアレはまずい! アスカロン置いておくから回復しておいて!!」

 

「う、うん……」

 

 アリシアちゃんのラッキーシューターにカートリッジは入っているだろうが、流石にあのダメージだと展開するのすらキツいだろう。

 故にアスカロンを彼女の近くに置いてから、フェイトちゃん達のところへ向かう。

 

「良かった、無事みたいね」

 

「り、リンディさん!?」

 

 丁度目を覚ましたフェイトちゃんが、彼女の下へ駆け寄ろうとするが、ダメージが大きいのだろう。脚をもつれさせて転んでしまった。

 そのタイミングでようやく俺も到着、さっさと助けてやるか!!

 

「グヌヌ〜、重い〜!!」

 

「ちょっと退いてろ!! これくらい……!!」

 

 何故かリンディさんを押しつぶす照明を退かそうと必死で持ち上げようとしているフェイトちゃんのそっくりさん、レヴィの下に駆け寄ると彼女を退かして照明を持ち上げて……ステージの端の誰もいない場所へ投げ捨てた。

 

「助かったわレオ君。…………ごめんなさいフェイトさん。ちょっと失敗しちゃった……」

 

「どうしてこんな無茶を!?」

 

「大切な人が……危ない目に遭ってるのを……帰って来なくなっちゃうのを黙ってみているなんて……嫌だもの。…………なんて……親でもない私に言われても困っちゃうかもしれないけどね」

 

 その言葉にフェイトちゃんは涙を流しながら首を振る。

 そしてリンディさんに抱きつくと、淡く光出す。どうやら自前の回復魔法でリンディさんを回復させているようだ。

 

「うぅん、違うよ……。プレシア母さんに生み出してもらって、アルフと一緒にリニスに育ててもらって……アリシアお姉ちゃんに受け入れられて……リンディさん……いや、リンディ母さんを含めた家族と沢山の友達と一緒に幸せに暮らせてる……」

 

「フェイトさん……」

 

「フェイトがリンディ母さんのことをお母さんって呼んだ?」

 

 いつの間にか回復して俺の隣に来ていたアリシアちゃんがフェイトちゃんの発言を聞いて涙を流す。

 

「ねぇ、レオ!! フェイトがリンディ母さんをお母さんって呼んだよ!! おめでたい日だよ、お赤飯ものだよ!!」

 

 こんなクソやばい状況だと言うのに、大喜びのアリシアちゃん。

 それにはテスタロッサ・ハラオウン家はかなり特殊な家庭である事が関係する。

 俺やヤマトやひなちゃんの活躍で、プレシアさんは改心して無罪になったとはいえ、責任はしっかりと取らされて現在は無償奉仕している。特にプレシアさんは優秀な科学者だから何処からも引くて数多らしく、忙しくてあまり家に帰っては来れないのだ。最も週末には無理やり帰って来てるみたいだけど。

 だからこそプレシアさんの代わりにフェイトちゃんとアリシアちゃんの面倒を見てるのはリンディさんであり、二人にとってはもう一人の親と言ってもいい存在。プレシアさんも血の涙を流しながらも二人のもう一人の母親であることを認めた。

 でもプレシアさんに認められるために一生懸命だったフェイトちゃんにとって、プレシアさんを裏切ってる感じがしたのか、どうしてもリンディさんの事をお母さんと呼べなかったのだ。

 

「確かにそんなフェイトちゃんが、リンディさんをお母さんって言えたのはおめでたい事だね。パーティーものだ。でもその前にやるべき事があるね」

 

「うん、ここからは第三ラウンド。レオとも合流できた、三人でレヴィを捕まえよう!」

 

「あぁ、あいつの血がお赤飯の材料だ!!」

 

「え、ボク食べられちゃうの!?」

 

「流石にそれはちょっと……私のことなんだかんだ安全な所に運んでくれたし、お尻ぺんぺんで充分だよ。……いけるフェイト!?」

 

「うん、大丈夫! それじゃあ三人であの子を説得してくるから、待ってて。母さん?」

 

「……えぇ、行ってらっしゃい! ……あ、まって頂戴! 私、フェイトさん達のデバイスを届けに来たの!! はいこれ」

 

「あ、ありがとう!」

 

 ……しまらねぇ!!




そろそろ戦闘シーンいい加減終わらせたいけど、この後ひなちゃんサイドでディアーチェ戦もやらなきゃ……はぁ、日常シーン書きたい。
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