見た目が踏み台だからと言って、中身も踏み台だとは思うなよ?   作:蒼天 極

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お茶は何がいいかって?コーヒー、ブラックで。

 豪邸を前に大きく息を吸う。

 

「すーずーかちゃーん! あっそびーましょー!!」

 

 しばらくすると玄関の扉が開く。

 そして玄関の扉から拳が飛んできた。

 

「あべしっ!」

 

「インターフォン鳴らしなさいよ、うるさいわねぇ!!」

 

 そのまま数メートルぶっ飛ばされる俺。

 あ、なんか眠くなって来たゾォ……

 

「あ、アリサちゃん力いっぱい殴りすぎだよぉ。レオ君大丈夫……あれ? 気絶してる……」

 

「やり過ぎたかしら? ほらレオあーさーよー」パシンパシンパシン

 

「ひでぶ! たわば! ……起こすにしてもビンタは止めろよ!」

 

 頰への衝撃で意識が浮上した。

 痛いなぁ全く。あれ、皆はまだ来てないのかね?

 

「アンタは二番目よ。なのはは恭也さんと一緒にバスで来るって」

 

「ふぅん、ヤマトとひなちゃんは?」

 

「二人はどうやって来るか聞いてないよ。ヤマト君家まで車で迎えに行くよって言ったけど断られちゃったんだよね」

 

「ちょ、すずか! またアンタ抜け駆けしようとして……!!」

 

 相変わらずのモテモテっぷりにおっさん嫉妬しちゃう。

 まぁまだみんな来てないなら俺は屋敷に入って待たせてもらおうかな。

 お邪魔しますと言ってから屋敷に入ろうとすると上の方から、見知った声が聞こえた。

 

「おーい、すずちゃーん! きーたーよー」

 

「「おはようひな(ちゃん)、正座しなさい」」

 

 ひなちゃんってばよりにもよって変身して空から来やがった。

 流石にこれには俺も看過できず、アリサちゃんと二人でお説教タイムの始まりだった。

 ガミガミ叱られるそばで、ひなちゃんの背中に乗って来たリニスも「だから言ったじゃないですか」とため息をついている。

 リニス、お願いだからしっかり止めてくれよ。

 

「もう飛んできちゃダメだからね! 街の人に見つかったら大変なんだから……!」

 

「う、うぅ……ごめんなしゃい」

 

「ま、まぁまぁそれくらいで……「よっと。来たぞすずか」え、きゃああああああああ!?」

 

 仲裁しようとしてたすずかちゃんの足元から魔法陣が浮かび上がると、そこからニョキっとヤマト君が顔を出した。

 俺とアリサちゃんは一度顔を見合わせて頷きあうと、ヤマトの頭にツインシュートを決める。

 

「上がダメなら下からってか! どっちもアウトに決まってんだろアホ!!」

 

「あんた今すずかのスカート覗いたでしょ!」

 

「ごふぇ!!」

 

 蹴られた勢いで魔法陣の下に沈んでいた身体が一気に引き抜かれ、三回転した後に地面に叩きつけられた。

 全く、わざわざ来るのが面倒だからって魔法使うんじゃねえよ。

 家からここまで歩いて来た俺を見習え。

 

「え、レオ君の家から私の家まで四キロくらいあるよね?」

 

「だから歩いて来たって。四キロくらい一時間あれば行けるでしょ?」

 

「……普通にバスとかで来なさいよ」

 

 嫌だよバス代かかるし。

 お金を払って時間短縮するくらいなら、俺は歩く!!

 なぜならフレイムアイズとスノーホワイト作ったせいで今月は金欠だからだ(泣)。

 

「あ、アリサちゃんすずかちゃんおはよーってヤマト君が死んでるの!?」

 

「……何があったんだ?」

 

 あ、なのはちゃんとなのはちゃんのお兄さんの恭也さんも来た。

 これで全員揃ったため、アリサちゃんがヤマトにおはようのビンタを三発くらいお見舞いして無理やり起こし、屋敷にお邪魔した。

 

「お茶をご用意しましょう。何がよろしいですか?」

 

「任せるよ」

 

「なのはお嬢様は?」

 

「私もお任せします」

 

 バッカ高町兄妹! 何でもいいって相手が一番困る返答じゃないか。

 いや、だからこそ言ってるのだろうか。なのはちゃん恐ろしい子!!

 

「ひなお嬢様はいつも通りホットミルクでよろしいでしょうか?」

 

「はい!」

 

 ……まぁひなちゃんは紅茶とかよりもミルクの方がいいよね。子供舌だし。

 

「ヤマトお坊ちゃまは何がよろしいですか?」

 

「あ、お気になさらず。水で充分です」

 

 お前のその返答も普通に困るからな!?

 ほら見ろよノエルさん。えぇ……って顔してんじゃん!!

 

「レオお坊ちゃまは?」

 

「あ、徹夜してるんでコーヒーブラックでおねしゃす」

 

「本当に徹夜したのね……。あ、ノエルさん私ダージリンおかわりで」

 

「かしこまりましたアリサお嬢様。ファリン手伝いなさい」

 

「はい、了解です」

 

 ノエルさんとファリンさん。そして恭也さんはすずかちゃんの姉の忍さんの部屋へいった。

 おやおや、仲睦まじい事で。

 俺がチラリと三人娘の方を見ると、忍さんを羨ましそうな顔で見てた。

 

「……三人とも大変だねぇ。相手がこんなんだと」

 

「「「うん、そうなんだよ(なのよ)」」」

 

「ん? どうしたんだ、俺を見て?」

 

「「「「はぁ……」」」」

 

「何でみんなしてため息ついてるんだよ」

 

「アインは可愛いねぇ、よしよし」

 

「にゃーん」

 

 それは自分の胸に聞いてみるんだねヤマト君。あとひなちゃん、リニスが何とも言えない顔してるよ?

 

「それにしてもなのはのお兄ちゃんもスズカのお姉ちゃんもラブラブよね〜」

 

「うん、お姉ちゃん恭也さんと付き合い出してから毎日幸せそう」

 

「ウチのお兄ちゃんはよく分からないなー。……あ、でも前より優しくなったの」

 

 翠屋とかにコーヒー買いに行った時に、たまに恭也さんと忍さん一緒にいるところを見るけど、本当にバカップルって感じでいつもイチャイチャしている。

 その度に俺はこう思うんだ。

 

 爆発しろォ!!

 

「……レオ、あんた今変なこと考えなかった?」

 

「変な事って? せいぜいヤマトともども爆発しろとしか思ってないけど」

 

「しっかり考えてんじゃないの!」

 

「ぐへぇ!」

 

 殴り倒された、そりゃそうだ。

 床に倒れてピヨっているとさらに二匹が俺の顔面を踏んできた。

 ……おい?

 

「うわぁ! 助けてなのはぁ!!」

 

「あ、ユーノ君!」

 

「アインダメだよ!!」

 

「リニス! アインを止めて?」

 

「分かりましたにゃぁあ!」

 

 猫がフェレットを追いかけ、ヤマネコが猫を追いかけるという、なかなかシュールな光景になった。

 そして三匹がまた俺の顔面を踏んでいく。

 ……だから、おい?

 

「お待たせしましたー。ってえ、きゃ?」

 

 そして、ファリンさんの足元で三匹が追いかけっこした事で、ファリンさんは目を回し、トレーを俺の顔面に落として来た。

 

「よくやったわレオ! アンタの頭がクッションになったおかげで、お茶とクッキーは無事よ!!」

 

「……キレそう」

 

 お茶が届いたという事で、中庭でお茶をする事になった。

 そして中庭には大量の猫。

 もういっそ月村家は猫カフェに改築すればいいと思うんだ。

 

「いや、しないからね?」

 

「でも本当に猫カフェ出来そうなほど猫天国よねここは」

 

「そうだな。それに猫たちも幸せそうだ、きっとすずかが愛情を持って接してるからだな」

 

「え、そ、そうかな……」

 

 顔を真っ赤にするすずかちゃん。

 ヤマトの人たらしも絶好調だな。

 

「んー?」

 

 たくさんの猫と戯れていたひなちゃんが何かを感じたのか草の茂みの方を見る。

 

「あ、ジュエルシードだ!!」

 

「「「「「え?」」」」」

 

 俺たち一同は立ちあがり茂みの方を見ると、一匹の猫がジュエルシードを咥えていた。

 

「メイ! 口に咥えてるジュエルシードを……あ!」

 

 飼い主のすずかちゃんが大急ぎで駆け寄ろうとした瞬間、ジュエルシードは光り輝く。

 思わず目を閉じてしまったが、光が止んだのを確認して目を開けると……そこには文字通り巨大化した子猫の姿だった。

 

『にゃーん』

 

 ………………。

 

「た、多分猫の大きくなりたいって願いを正しく叶えたんだと思う」

 

「解説サンキュ。ユーノ」

 

 猫は森の方へとどすんどすんと歩いて行ってしまった。

 そして俺は気がつく。プルプルと震えて涙を流すすずかちゃんを。

 ……大切にしてた猫があんなになったのだ。悲しくて当然だろう。

 

「……お」

 

「お?」

 

「大きくなったねぇ、メイ……」

 

 いや違った。この猫バカは大きくなった事に喜んでた。

 それでいいのかアンタ。

 

「こうしちゃいられない! どれだけ大きくなったのか大きさ測らなくっちゃ!!」

 

「私もいくー! おっきくなったメイを思いっきりモフモフしたい!!」

 

「あ、すずか、ひな! 待ちなさい!! ああもう、みんな行くわよ!」

 

「「「ラジャ」」」




やめて!麗央たちが集団でかかって来たら、6対1でフェイトちゃんは撃墜されちゃう!

お願い、死なないでフェイトちゃん!

あんたが今ここで倒れたら、プレシアとの約束はどうなっちゃうの?

ライフはまだ残ってる。ここを耐えれば、なのはちゃんには勝てるんだから!


次回「フェイト死す」デュエルスタンバイ!(嘘)
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