見た目が踏み台だからと言って、中身も踏み台だとは思うなよ?   作:蒼天 極

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なのはちゃん、やらかすの巻

ま、劇場版準拠だし仕方ないネ!


完成度は6割? バカにしてんのか?

「おーい。フェイトちゃーん!!」

 

 レヴィをぶち転がして、後のことを管理局スタッフに託し一息ついていると、背後からなのはちゃんの声が聞こえる。

 振り向くとヤマトチームがこちらにやって来ていた。

 

「ねー、なのはー? フェイトだけじゃなくて私のことも呼んで欲しいなー?」

 

「にゃはは、ごめんね。アリシアちゃん」

 

 頬を膨らませたアリシアちゃんがなのはちゃんに詰め寄る一方でヤマトが何だか得意そうな顔でこちらにやって来た。

 

「ようレオ、遅いから様子を見に来たぞ?」

 

 何だお前? 早く状況クリアしたからって威張ってんのか?

 

「うるせぇ、こちとらフェイトちゃんのそっくりさんとイルマを同時に戦ってたんだよ」

 

「は? イルマと? おいおいもしかして倒したのか?」

 

「無理だった。途中までは実力が拮抗してたけど、奥の手を使われてからは命を守るために行動してたわ。俺ってこの手の事件では結構な頻度で死ぬから」

 

 今回はひなちゃんもいなかったし、それ以前に結構な頻度で邪神の下に逝きかけるけど、死んで生き返るたびに何だか大切な物を失ってるような気がするのだ。

 

「死ぬたびにひなちゃんに蘇生してもらってさ? 死ぬのに慣れて、蘇生が当たり前になったらいずれ事件解決のために爆弾巻いて敵地に特攻とかしそうになりそうで怖いんじゃ」

 

「……そ、それを言われたら何逃してんだって軽口を叩けないな」

 

 取り逃したことで軽口叩こうとしてたんかい。

 コイツ最近強くなったからって調子乗ってるよな。ちょっとここらで力の差をしっかりと知らしめておくとするか。

 

「ヤマト、お前あんま調子乗ってるとゲーム合宿のときに飯作らないからな?」

 

「え"」

 

「後みんなで昼飯食べるときにお前だけ菓子パンなのはどうだろうと思って、弁当二人分作って来てたけどそれも二学期からは打ち止めるからな?」

 

「俺が悪かった。流石に手料理食べられないのは死活問題なんだ。どうか許してください」

 

 それはそれは見事なDOGEZAでした。

 ヤマトの胃は俺が握っていると言っても過言ではない。いくら純粋な戦闘力が強くとも、俺を敵に回したらとんでも無いことになるとしれい。

 

「……私は何を見せられてるのかしら?」

 

「前から思ってたけど一番のライバルはやっぱりレオなんじゃないかな?」

 

「れ、レオ君がライバルって勝てる気がしないの……」

 

 そしてなんなか不穏な空気のヤマトラバーズの皆さん。

 心配しなくても俺の代わりにヤマトのご飯作りたいとか思ってるなら、俺はいつでも代わって差し上げますよ?

 まぁ、何はともあれ……

 

「どうしてヤマトらはここに? 終わった連中からクロノの救援に行くって言ってたのに……」

 

「私達も早速合流しようと思ったんだけどね、シャーリィがなのはに渡したいものがあるんだって」

 

 ふぅん。そう言えば出撃のときになのはちゃん、レイジングハートを受け取ってなかったな。

 レイハはそこまでメンテナンスが難しい部類ではないってのにどうしてそんなに時間が掛かってるんだろう?

 

「お待たせしましたなのはさん! あ、皆さんもいらしたんですね!!」

 

『ご無事のようですねマスター』

 

「あ、シャーリィ、レイジングハート!」

 

 おっと丁度良いタイミングでシャーリィがやって来たぞ。

 全く、どうしてそんなに時間がかかったのよ。戦場に出るまでに、どんなに遅くとも決着がつく前に間に合わせるのが、デバイスマイスターとしての義務だと言うのにプンプン。

 ぶりっ子のような口調でそう言ってやろうとすると、視界の端に手錠をかけられたアミティエさんがいた。

 

「皆さん! すみません、妹のせいでこんな時間まで。それに……」

 

「そう言うのはまた後で、それよりもこれからです。お願いしてた件……どうでしょう?」

 

「彼女の指示に従って準備はしました」

 

『完成度は6割ほどですが、運用は可能です』

 

 …………あー、はいはい。なるほどなるほど、そう言うことですか。

 

「ねぇ、お師匠様? なのはったらもしかして……」

 

「なるほど、コッソリとやりやがったみたいだねぇ」

 

「? つまりどう言うこと?」

 

「なのはがアミタさんにお願い。そしてレイジングハートって事はデバイス関連だよね……もしかして」

 

 そう。もしかしてだよフェイトちゃん。

 なのはちゃんったら、アミティエさんに技術提供してもらいやがったな?

 

「ですが無茶ですよ」

 

「無茶だから引っ込んでろって言われてアミタさんは従いますか?」

 

「……無理です」

 

「私もおんなじです。諦めて後悔するのも、それで悲しんでるのを見るのも嫌なんです。私達の魔法はその為の力なんです!!」

 

「「「「なのは……」」」」

 

 ヤマト達はなのはちゃんの心の内を聞いて、「それほどの決意を持ってたんだ」と言った顔をなのはちゃんに向ける。

 …………なんか良い雰囲気になってるけど、俺は騙されんぞ。

 

「ヤマト、ニコポナデポ解放よろ」

 

「え? 【レオのニコポナデポの封印解除】」

 

「にゃ?」

 

 俺はとっても良い笑顔でなのはちゃんの前に立つと、彼女の前に立って……

 

「な・の・は・ちゃーん!!??」ナデナデナデナデナデナデナデナデ

 

「うにゃぁあああああああああ!? れ、レオ君! 流石にニコポナデポは洒落になってないの!!」

 

「洒落になってないのはお前の方だ!! 無茶? 完成度は6割? バカにしてんのか!? そんな装備で戦いに行くつもりかよ!? バカか!? 常識人に見えて実は一番頭が逝ってるのはなのはちゃんか!? この砲撃バカめ!!」ナデナデナデナデナデナデナデナデ

 

「そ、そこまでバカバカ言わなくても良いじゃ無い!! レオ君だってフォーミュラシステムをデバイスに入れてるでしょ!?」

 

「入れてますよ? もちろん入れますとも、未知の技術を試さない研究者がどこにいる!? 俺が怒ってんのはフォーミュラシステム入れた事じゃ無いんですよ。未完成品で戦いに行こうとした件なのですよ!!」ナデナデナデナデナデナデナデナデ

 

「にゃぁあああああああああ!!!!」

 

 

 〜数分後〜

 

「にゃぁあああああ……」ピクピク

 

 数年ぶりにニコポナデポの餌食になったなのはちゃんは、ピクピクと痙攣しながら地面に倒れてしまった。

 普段はヒロインが気絶したときはヤマトに預けるが、こんなバカな事をする彼女を好きな人に預けるわけにはいかないのでアリサちゃんに任せて俺は大急ぎでレイハを回収して改修していた。

 

「全く、6割が完成って動かしたときにどんなバグが出るか、分かってるのかねこの子は……」ブツブツ

 

「今回のなのはの独断はレオがニコポナデポを使ってお仕置きするほどってか……」

 

「確かに未完成って一歩間違えたら取り返しのつかないことになるからね。私とした事がいい雰囲気に流されかけた……」

 

「うぇえええん!」

 

「えっと……なんでフェイトさんは急に泣き出して?」

 

「フェイトは昔レオとは違うオッドアイの子に虐められてて、あのトラウマが呼び起こされちゃったんだと思う。ほら大丈夫だよ〜。……それにしてもなのはったら私を差し置いて頭撫でてもらってずるい!」

 

 なんだこのパーツ? えぇっと……あ、やっぱりエルトリア由来の技術か!

 ……でもこれ暴発する可能性があるな。こっちのコードに繋いでこうすれば威力を落とさず安定していけるか?

 ……よし!

 

「レイハ、どんな感じ?」

 

『完成度は99.999%です』

 

「……ま、即興での改造ではこれが限界だよな……」

 

「即興でどうしてこんな数値を叩き出せるんですか……?」

 

「デバイスという分野においてレオが規格外な存在だからだろ」

 

「と言うか人間やめてるわよね……」

 

 仕方がない。俺としては非っ常に不愉快だけど、これくらいで妥協しよう。

 あとアリサちゃん、人間やめてるとは失礼なやつだな? 君にもニコポナデポをくれてやろうか、おおん?

 

「……まぁいいや。一応これで、余程のことがない限りバグが起きないようになったと思う。……シャーリィとレイハ……あとアミティエさんも事件終わったらお説教します」

 

「……はい。すみませんでした」

 

『申し訳ありませんマイスター』

 

「ごめんなさい。確かに私が無茶をするタイプでも、なのはさんが無茶するのを許容してはダメですよね……」

 

 さて、随分と時間を無駄にしてしまった。いい加減クロノ君のところに向かわないと不味いだろうしとっとと──

 

『クロノ執務官と武装隊員16名が重傷! 対象キリエ・フローリアンは確保しましたが、対象イリスは上空へと逃走!!』

 

 ヤッベェ、時間をかけすぎた!!

 ……いや、でもここで時間を取られてなくても、俺チームもヤマトチームも流石に間に合わなかったよな……?

 ……つまり俺らは悪くない!! (責任転嫁)

 

「クロノが大怪我!?」

 

「え、そんな……!!」

 

「ちょっとこれは不味いわね……。クロノを助けに行きましょう!!」

 

「落ち着け! クロノが重傷って分かってるなら、きっと局員に保護されてるはず。なら俺らはイリスを捕まえるべきだ!!」

 

「そうだねぇ。準備も終わったしさっさと向かうか!! ほらなのはちゃんもいい加減起きて──」

 

「にゃ〜」(気絶ちう)

 

「……置いていきましょう」

 

「だな。これは起きねえわ」

 

「まぁこれはなのはの自業自得だしな」

 

 と言うわけでなのはちゃんは置いて、現場へ急ぐことにした俺達だった。




 おまけ 〜普通ならレオを頼るのに〜

レオがレイハを改造している合間。

「そう言えばシャーリィ」

「何でしょうアリサさん?」

「あんたレイジングハートを改造するなら何でレオを頼らなかったのよ? レオがいたなら短時間で100%に仕上げられたじゃない」

「えっと……腕を切断されて輸血中だったし、流石に戦いに出るのに迷惑はかけられないかなと…………すみません。だからと言って未完成な物を渡す方が問題ありましたよね。反省してます」

「そうよ、反省しなさい。なのはからそう言う打診があったなら、私達のデバイスにも適用しておくべきだったのも含めて」

「すみません、レイジングハートの強化に使ったヴァリアントコアっていうフォーミュラの中枢パーツが足りないんです……」

「そんなのレオが複製するわよ」

「そんな無茶な「もう解析終わってるし、改修作業と並行してヴァリアントコアを複製する為の設計図作成してる。シャーリィこれ人数分作っといて」……え?」
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