見た目が踏み台だからと言って、中身も踏み台だとは思うなよ?   作:蒼天 極

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前から決めてた展開だったから、批判を喰らう覚悟で投稿したとはいえ低評価は精神的にかなり応えるな……。


おおぅ、みんなキレてるよ……

 イリスとイルマにユーリを連れて撤退されてしまった事で、俺らは本局に戻って来た。

 ディアーチェ、シュテル、レヴィと言うはやて、なのはちゃん、フェイトちゃんのそっくりさん達はユーリを奪還する為に協力すると申し出てくれた為、東京湾に管理局が設置した指揮船の中で待機してもらっております。

 そして今回大戦犯をかました俺は……

 

「大戦犯かましてすみませんっした。いやマジで反省しております」

 

 ひなちゃんの能力で回復した、今回の事件の指揮官でもあるクロノ君に土下座しておりました。

 ヤマトがイリスを殺そうとしたとき咄嗟に止めてしまったものだが、止めた結果があんな形での逃走だ。今回ばかりは言い訳せずに逃してしまった咎は受け入れる所存ですわ。

 

「大丈夫だ。流石にヤマト君達の年で一線を踏み越えるのは色々と問題だろう。今回は相手が悪かっただけだよ」

 

「いえ、それでは俺の気が済みません。何でも言ってくだせぇ」

 

 この大失敗はあまりにも致命的。故にこの失敗を何らかの形で責任を取らなければ俺の気が収まらないのだ。

 だがクロノ君はしばらく考える様な素振りを見せると、真剣な顔で言ってくる。

 

「……そうだな。ならジュエルシード事件、闇の書事件同様に事件の解決に協力してくれ」

 

「っ!!」

 

 その程度で許してくれるなんて……なんて心優しいんだクロノ君は。

 俺が女の子だったら惚れてたね!!

 

「ならいつまでもダラダラしてる場合じゃねえな!! シャーリィちゃんもそろそろヴァリアントコアの複製も終わらせてるはずだろうし、次の出撃までに全員のデバイスにフォーミュラ機構を入れておく。クロノ君も次はデュランダル持って出撃するでしょ? デュランダルにも入れておくな」

 

「よろしく頼む。……もう一度言うが今回は相手が悪かったんだ。それにイルマの正体についても君の推測が当たっているなら…………あまり無茶はするなよ?」

 

「分かってるよ。デバイスの調整が済んだら俺も出るんだ。いつもよりもちょっと徹底的にやるだけだよ。それでは失礼しましたクロノ執務官」

 

 クロノ君に会釈して本局会議室を後にした俺であった。

 

 

 ◇

 

 

 早速メンテナンスルームに駆け込もうと本局を移動していると、医務室からはやてとテスタロッサ姉妹以外の女子組が出て来る。

 

「あ、レオ君」

 

「はいはい。大戦犯ぶちかました踏み台その2の参上ですよ」

 

「もう。そんな卑屈にならなくても良いじゃないの」

 

「そうだよ。ひな達もヤマト君に止める様に言ったんだから同罪だよ」

 

「そう割り切れない所なんですよ。……それで、なのはちゃんの検査だったよね。大丈夫だった?」

 

「うん。ちょっと疲れちゃっただけでどこも異常は無かったよ」

 

 いくらなのはちゃんのフォーミュラ IN レイジングハートを調整して負担を最小限に抑えたとはいえ、あれでもまだ未完全な状態。なのはちゃんの身体にどんな悪影響が出るか分からなかったが、運の良いことにどこも悪いところはないようだ。

 胸を撫で下ろしていると、隣の医務室の扉が開きそこからアミティエさんが出て来た。

 

「あ、皆さん」

 

「アミタさん、もう動いて大丈夫なんですか?」

 

「はい、頑丈ですので。それにひなさんの能力のおかげで怪我もすっかり良くなりましたしね。ありがとうございました」

 

「大丈夫だよ。痛いのは嫌だからね」

 

 ひなちゃんの純粋な笑みに同じく笑顔を浮かべるアミティエさん。

 ……妹のキリエをボコボコにした負い目のせいで、この人はなんだか気まずいんだよなぁ。だからアミタさんとも呼びずらいし。

 とっととメンテナンスルームに逃げ込もうかと考えていると、アミティエさんは頭を下げて来た。

 

「イリスを止められず申し訳ないです。あのときイリスを逃してしまったから……」

 

「いえ、そんな……」

 

「そうですよ。失敗しちゃったのは私達も同じです」

 

「いえ私の失態です!」

 

「いえいえ、私達が問答無用でノネットブレイカー食らわせてれば!」

 

 なのはちゃん、流石にそれは非殺傷でも死ぬやつや。

 そうツッコもうとしたが、なのはちゃんの発言にアリサちゃん達がハッとした様な顔をする。

 

「そうよ。それくらいしないとダメだったんだわ!!」

 

「ユーリちゃんを悪用して、この世界を滅ぼそうとしてるんだもん! ナハトヴァールと同じだからやるべきだよね!!」

 

「イリスさんは悪い人だし思いっきりやっつけてもいいよね!!」

 

「な、なのはさん? アリサさん? すずかさん? ひなさん?」

 

「あー、うん、あれだ。さてはなのはちゃん達、イリスに対してかなりブチギレてるな?」

 

 そりゃ殺そうとしたのを止めてやったって言うのに、それ無視した上にアルカンシェル奪い取ってこちらに向けやがったし、キレても当然かもしれないなぁ。

 何なら俺自身も死なない程度に手加減してノネットブレイカー撃てば問題ないかって思ってるし。

 

「あ、みんな検査終わったんだね」

 

 廊下で話し込んでいた為声が聞こえたのか、テスタロッサ姉妹が合流して来た。

 

「なのは、検査大丈夫だった?」

 

「うん。全然平気なの。怪我も後遺症もなかったよ」

 

「それは良かった」

 

「それでノネットブレイカーが何とかって聞こえたけど、どんな会話をしてたの?」

 

「もうイリスはノネットブレイカーで消し飛ばした方がいいんじゃないかって会話してた」

 

「いいと思う!」

 

「うん。流石にちょっと許さないからね」

 

 アリシアちゃんとフェイトちゃんも、青筋を立てて頷く。

 おおぅ、これじゃあディアーチェの所に行ったヤマトとはやても、ノネットブレイカーが妥当って言うだろうなぁ。

 結論、イリスはやりすぎた。一才の慈悲は無用。

 

「ノネットブレイカーが何かは知りませんが、あまりやりすぎては…………いえ。ですがイリスがいなければキリエはあんな酷い目には……それにイルマさんだって操られてただけみたいですし……」

 

「そうですよアミタさん! これ以上の被害が出る前にやっつけましょう!!」

 

「そうね! あいつのせいでパパ達が頑張って作ったオールストン・シーもメチャクチャになっちゃったし、しっかりお礼参りしないと気が済まないわ!!」

 

「ちょっと私も甘すぎたよ。次は夜の一族の全力を……ごめん今のなし」

 

 すずかちゃん、実は月村家の秘密隠す気ないでしょ? あんまり言うもんだから覚えちゃったじゃん、夜の一族って単語。死になくないから追求はしないけどさ……。

 まぁそれは置いといて、龍帝院に並ぶレベルで敵認定されてしまったイリスであったとさ。

 

 

 その後思い出すのも腹が立つので話を変える事にした俺達。フェイトちゃんは思い出したかの様にアミタさんと話す。

 

「あ、そうだアミタさん。キリエさん、先ほど目を覚ましたそうです」

 

「そうですか、良かった……」

 

「それから、これは個人的なお願いなんですが……」

 

「はい、何でしょう?」

 

「なのはに渡したフォーミュラ、私達にも分けてもらうこと出来ませんか? 戦力外になるのは嫌なんです」

 

 フェイトちゃんは決意を宿した表情でアミティエさんにそう伝える。

 それに対してアミティエさんの答えは首を横に振ること。

 

「……先ほどアリサさん達にも頼まれましたが、フォーミュラの運用には血液に乗せて体内を巡らせるナノマシンが必要なんです。ですが私が持って来たナノマシンのほとんどをなのはさんに渡してしまい……残ったナノマシンはほんの少し。それをフェイトさん達に差し上げたとしてもなのはさんほどの力は……」

 

 アミティエさんの答えを聞いたアリサちゃん達は、こちらの方を向く。

 

「レオえもん。なんとか出来ない?」

 

「レオさんが優秀な技術者なのは聞いてますが流石に「実は最初の襲撃の時にどさくさに紛れてイルマのやつから血液奪ってたんよね。そしてイルマの血液を解析してみたら体内に取り込むタイプのナノマシンを検出したからプレシアさんに培養頼んでたんだけど……そろそろ培養終わったかな?」え?」

 

 もちろん、なんとかしてるに決まってるでしょうが。

 ナノマシンはデバイスに入れる用と体内に取り込む用の二種類があるのは最初に確認していた。

 デバイス系のナノマシンは俺の専門だけど、体内に取り込む用は流石に専門外だったためプレシアさんにお任せしていたのだ。

 

「と言うわけでフォーミュラについては俺に任せてもらおうか? なのはちゃんのデバイス含めてきっちり魔法技術と融合させてやるZE」

 

「ナイスよレオ、これなら私達もフォーミュラを使えるわね!」

 

「私達も手伝うよ!」

 

「今は人手が欲しいからお願い。チンクにも連絡したから日が暮れる前に終わらせるよ!!」 

 

 と言うわけで、アリサちゃんとすずかちゃんは借りていくよ。

 俺のデバイスを含めて10人分改良を施さないといけない。ここからは時間との勝負だな……。

 

「レオさんってすごい人だったんですね…………。キリエのお見舞いに行ったら私も合流しましょう」




 おまけ

 〜レオが失敗を……!? 〜

「レジアス、お前のところの宮坂麗央が我々海の事件に無断で首を突っ込んだ上に彼のせいで犯人を取り逃したそうだぞ!? 貴様ら陸が甘やかすからだ! どう責任を取ってくれる!?」

「ぐ……ぬぬ……」

「待ちなさい。あの世界はレオさんの故郷、首を突っ込んだのではなく事件に巻き込まれただけです。それにあの場で指揮をとっていたクロノ・ハラオウン執務官曰く彼は問題なかったと言っていますよ?」

「ですがミゼット統幕議長。宮坂麗央はクロノ・ハラオウンと友人! 彼が庇っただけかも──」

「仮にそうだとしてなんだと言うのです? 人間失敗はするものですし、現場監督のクロノ執務官は彼を許した。ならば部外者の我々が口を挟む必要はないでしょう? それともなんです? 彼ほどの優秀な人間を一度の失敗で切り捨てると言うのですか? それが管理局にとってどれほどの不利益を被るか……分からないあなたではないでしょう? ここは私の顔を立ててもらいましょうか?」

「…………分かりました」


 ◇


「助かりましたミゼット統幕議長」

「おや、なんのことですか? 私はただ優秀な局員にチャンスを与えただけですよ? ……それにしてもあのレオさんでも取り逃してしまうほどの相手ですか。相当やっかいな相手の様ですね」

「あれの実力は一番儂が知っています。これは海とか陸とか言ってる場合じゃないかも知れませんな」

「……確かゼスト隊とクロノ執務官の部隊は過去に一度共同で研究所の摘発に動いたことがありましたね」

「えぇ。そしてちょうどゼスト隊も予定より早く任務を終えたため非番を与えています。……おぉ、ゼスト丁度いいところに!」

「俺もお前を探していた。……チンクからレオの故郷が不味い事になっていると聞いた」

「話が早いな。……ちょっと出張に行ってくれるか?」

「もちろんだ。今回の任務も彼がいたから早く終えられた様なもの。みんなも協力してくれるだろう」

「よろしく頼んだぞ」




「……レオ君の故郷が大変? ちょっと管理局の内側を探りに来ただけなのにとんでもないこと聞いちゃった! すぐにドクターに報告しなくっちゃ!!」


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 おやおやレオ君が失敗をしてしまったせいで、とんでもない事になりそうだぞ……
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