見た目が踏み台だからと言って、中身も踏み台だとは思うなよ? 作:蒼天 極
ユーノ君に結界を張ってもらいすずかちゃん家の森に被害が出ないようにした後、すずかちゃんとひなちゃんを追いかけて行った俺たち。
少し森を進むと、仰向けに寝っ転がった猫と猫のお腹にひっついているすずかちゃんとひなちゃんがいた。
「はぁああああああああ♡メイのお腹を全身で感じられて……最っ高♡」
「気持ちいいー。すっごいモフモフだよ!」
『ニャー♪」
「ちょっとひな? 私よりこの
うん、何に嫉妬してんだよリニス。
てか気持ちよさそうだな。俺もちょっとモフらせてもらおうか……
いやいやダメだ! 危ないし早くこの子を何とかしてジュエルシードを取り出さないと。
「あー! いいな、いいな! 私もモフモフする!」
「あ、なのは抜け駆けはなしよ! 私も!!」
「コイツらがこのザマなら俺もいいよな! ヒャッホウ!!」
「お、お前らな……」
アリサちゃんとなのはちゃんもモフモフの魔力に逆らえなかったようなので、俺も屈服させてもらう。
モフ、モフ、モフ……
「あ"ー♡生きててよかった。生まれ変わって良かった。あのとき死んでおいて良かった〜」
「レオが訳わかんないこと言ってるけど、これは最高ね〜」
「気持ちいいの〜」
あー、もうずっとこうしていたい。
…………!
『マスター』
(あぁ、結界に誰かが侵入したな。まっすぐこっち向かってくる)
『あの金髪でしょうか?』
(かもな。ここに到着した瞬間に地面に引きずり落とす)
だが、金髪が来たと思ってまっすぐ突っ込んでくると思って警戒したのがいけなかったのだろう。
飛んできたのは金色のスフィア。
反応の遅れた俺のシールド展開は間に合わず、猫に当たってしまった。
『にゃぁああああ!!』
「あ! だ、大丈夫メイ!?」
猫は起き上がると、凄い速さで逃げて行った。
それを追いかけるように金髪の魔法少女が俺たちの上空を……
「させないよ! 降りてこいや!! Wファンメラン、セットアップ。《暴風域》!!」
扇モードのファンメランを思いっきり振ると、凄まじい風が出鱈目にふく。
「な……!?」
暴風域は簡単に言えば気流を乱す魔法。出鱈目に強い風を起こして飛んでる魔法使いを地面に叩き落とす魔法だ。翼があることで空中制御が他の人よりも安定しているひなちゃんですら落っこちたほどだ。もう空を飛ぶことは出来ないだろう。
金髪の魔法少女はしばらくの間、落ちないように必死に体勢を整えようとしていたが、やがて完全にバランスを崩したようで地面に落っこちてしまった。
だが地面に叩きつけられることはなく、綺麗に着地する。
「く、あなたは風の使い手……?」
金髪の魔法少女は猫を追跡することを諦めて、こちらに斧型のデバイスを向けて来た。
ここで現在の状況を確認してみる。
パッと見た感じあの子は速度型。しかも何もない空を縦横無尽に駆け回る事に特化しているのだろう。
だが空は飛べなくしたし、地上も障害物の多い森の中だ。
そして俺らも空は飛べなくなったが、こっちは六人いる。しかも俺含めた三人は割と戦い慣れしてる。
……勝ったな!
「……ねぇ、みんな。悪いけどメイを探して来てくれないかな? きっと迷子になって寂しくて泣いてるはずだから。みんながメイを探してくれてる間に私はあの子をやっつけるよ……」
「あ、あなた何? どうしてそんな怖い顔をしてるの?」
……っ!!??
すずかちゃんの目には怒りの炎が宿っており、一歩一歩進むたびに強い冷気があたりを包む。
大切な愛猫を傷つけられた飼い主はそれはもうお怒りであった。
そんな彼女の迫力に気圧されて金髪の魔法少女が一歩一歩後ろへと下がっていく。
これは……
「す、すずかちゃんが怒ってるの……」
「温厚な人ほど怒ると怖いって言うけど……」
「こ、怖すぎる……!」
「すずかの怒ってる姿を何回か見たことあるが、今回は今までで一番キレてるな」
「普段怒らない子が起こるととんでもないね。あの金髪死んだな南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏。せいぜいちゃんと成仏しろよアーメン」
6対1で確実にやっつけたほうがいいとも思ったが、多分、いや絶対すずかちゃん一人で勝つと確信した俺たちは猫を追って森の奥へ進んだ。
〜十数分後〜
「おーい、すずちゃーん!! メイちゃん捕まえたよー!!」
「しっかりジュエルシードも封印したの!」
「ニャー!」
警戒していた猫をひなちゃんが見つけ、持ち前のフレンドリーさを存分に発揮して猫の警戒心を解かせて、ユーノ君の魔法で眠らせているうちにさっさと封印してしまった。
ただ巨大化しただけで、中身は甘えたい盛りの子猫のままであったことが救いだったな。
「メイ! あぁ良かった。もう怪しいものを咥えちゃダメだよ?」
「ニャー……」
すずかちゃんは右手でスノーホワイトを左手で金髪魔法少女から強奪した斧型デバイスを持ちながらも器用に猫を胸に抱いた。
そんな彼女のそばにはぴよって倒れている金髪魔法少女の姿。
「……いくら相手さんの持ち味を潰してたとは言え、魔法を使い始めてわずか一週間の人がベテラン……かは知らんがまぁ戦い慣れてるであろう人に勝ちやがった……」
「すげえなすずか……」
もし起きた場合このままでは危険だ。魔法での拘束は干渉されて解かれるかもしれないし、紐がなんかで腕でも縛ってしまおう。
「すずかちゃんなんか紐とかない?」
「も、持ってないなぁ……」
「ひな持ってるよ!」
「ひな、リボンを差し出すんじゃありません。ちぎられたらどうするの?」
さてさてどうしたものかと考えて、気絶した金髪の魔法少女の顔を見るとあれ? どっかで見たような……あ。
「この子あのときの……」
「知ってるの?」
一期のライバル魔法少女じゃねえか。
ジュエルシードを拾おうとしたあの時近くでデバイス展開していつでも強奪できるように構えてたあの子じゃねえか。
あのときは対応すんのが面倒くさくてジュエルシードを見て見ぬふりして譲ってやったんだけど、それ正直に言ったら殴られるだけじゃ済まないよなぁ……。
だからって黙ってても多分この金髪の子からバレるだろうし。
……よし、誤魔化そう。
「……今思い出したんだけど、なのはちゃんが魔法少女になる前日に実はジュエルシードを見つけてたんだよね。あ、そのときはこの街にジュエルシードが落ちてるだなんて知らなかったから、なんか変な石が落ちてるとしか思ってなかったんだけど」
「それとこの子がどう繋がるの?」
「綺麗な石だし拾おうかなぁと思ってたら、その子が近くで武器構えて俺の方見てたんだよね。やり合ったら多分勝てただろうけど、フレイムアイズとスノーホワイト完成させなきゃいけなかったし、喧嘩してまで綺麗な石を拾うつもりもなかったから見て見ぬ振りしてしまったんだよ」
嘘を交えて本当のことを言ってやった。
今のところ矛盾な点なんて無いはずだし、これで隠し通せるだろう。
「ふぅん、つまりアンタは魔法使いのこの子が狙うほどの明らかに普通じゃ無い石だと言うことを、分かった上で敢えて譲ったんだ?」
「悪かったと思ってる。まさかこんなにヤバいものだとは思わなくてな」
「……レオって嘘ついてるとき瞬きの回数が増えるのよね」
「な、マジか。嘘つくときは自然体でいることを心がけているこの俺がそんな初歩的なミス……」
……あ。
自らの失態に気がつくがもう遅い、いい笑顔をしたアリサちゃんと指をポキポキ鳴らしているヤマトがこちらに詰め寄ってくる。
「ヤマト、一緒にやるわよ」
「おう」
「ちくしょうカマかけやがったな! ちょっと待て二人とも話せばわかる!! ちょ、ま、お、俺の……俺のそばに近寄るなぁああああああ!!」
なのはサイド
レオ君がヤマト君とアリサちゃんにお仕置きされているのを見届けた私は、倒れてる女の子が心配になって近くで様子を見てみる。
「……わぁ、綺麗な子だな」
このままここに寝させたままで、風邪を引いちゃうのも可哀想だしとりあえずすずかちゃんのお家に運んであげようかと考えてたとき、リニスがこの子の顔を見た。
「……フェイト?」
リニスはこの女の子を知っているみたいだ。
原作と比べてなのはサイドの戦力がとんでもない事になっているため、フェイトちゃんは初対面で倒され捕まってしまいました。(そりゃそうだ)