見た目が踏み台だからと言って、中身も踏み台だとは思うなよ?   作:蒼天 極

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(ヤマト視点)アミタさん覚醒……レオまたやりやがったな!?

 ユーリをディアーチェ達と本局の局員に任せ、俺は再び地上に降り立ち、あの男を追っていた。

 首都高に沿って飛んでいると、目の前にアミタさんのバイクが見える。

 

「あ、アミタさん!!」

 

「ヤマトさんにアリサさん、すずかさん! あの人を追っているんですね!!」

 

「えぇ、あなたもですか!?」

 

「はい! 彼を止めるのにどうか協力して下さい!!」

 

 アミタさんはエルトリアから来てフォーミュラの扱いにも長けている。あの男を止めるには持って来いの人材かもしれない──っ!?

 トンネルを抜けた地点に機動外殻が二体もいる……!!

 

「仕方ない、ヤマト、アミタさん! こっちは任せなさい!!」

 

「すぐに追いつくから先に行って!!」

 

「アリサ、すずか。悪い!!」

 

「ごめんなさい、よろしくお願いします!!」

 

 アリサとすずかが機動外殻を引き受けてくれる様だ。

 本来なら四人で大急ぎで破壊した方が良いかもしれないが、あいつが行方をくらませる可能性がある以上、一分一秒も惜しい。

 オリ主として情けないがここは二人に任せよう。

 

『マスター。およそ500メートル先で首都高を降りて下さい! 降りた先に先ほど戦った男がいます!!』

 

「了解だ!」

 

 サーチャーで見たけど、この先は量産型も機動外殻もいない。

 それならば一切速度を落とさずに一気に目的地までかっ飛ばすとするか!!

 

 

 ◇

 

 

「生産ペースは良好かい?」

 

「はい。陽動部隊とは別に、採掘生産拠点を設置しています」

 

「素晴らしいね。私とした事がユーリを確保し損ねてしまったが……なに、戦力を整えて取り返しにいけばいいのさ。……ん?」

 

 量産型と相談している男が俺達の存在に気がつくと同時に、そこに控えてた量産型がこちらに銃を構えてくる。

 ならばとグラディウス(銃)で応戦しようとしたが、男が量産型を手で制した。

 

「構わない、道を開けてあげなさい」

 

 量産型は命令通り銃を下ろして…………。

 

「《ファングスバレット・マルチプルブレイク》!!」

 

 隙だらけなら殺るしか無いよな。(ゲス顔)

 地上に控えていた量産型は皆殺しにした……ってコイツらよく見たら全員魔心が埋め込まれてるじゃん!? 壊しといて良かった!!

 

「酷いなぁ。いくらでも作れるとはいえ、資源は有限なんだよ?」

 

「いや、そりゃ壊すだろ」

 

「ふむ、この際リサイクルも視野に入れて見ようか……」

 

 いや、流石にリサイクルなんてされたら、それこそレオの小型アルカンシェルを大量生産してもらって消し飛ばす以外に方法なくなるから止めてくれ。

 そんな事を考えていると、バイクから降りたアミタが男を問い詰める。

 

「あなただったんですね。この事件を起こしたのは!!」

 

「君と面識は無いはずだけれど?」

 

 直後アミタさんの目の前にモニターが開き、そこに一人の少し年老いた女性が写る。

 

『ですが私とはありますよね? 惑星再生委員会、フィル・マクスウェル所長?』

 

「ほぅ、君は……そうか。彼女は君の娘だったんだね」

 

『えぇ。……ですがなるほど、そう言う事だったんですか。何故あなたがあの日あんな事をしたのか……これで合点が行きました』

 

 モニターの女性はまるで解説をするかの様に話し出した。

 

 なんでも昼間に見たイリスとユーリの一件なのだが、それの真の黒幕はコイツ。

 惑星再生委員会の局員を裏切って、エルトリアを……イリスとユーリを私兵にしようと襲いかかったところをユーリが返り討ちにしたらしい。

 だが不幸な事にユーリがあの男……マクスウェルを討った瞬間だけをイリスに見られてしまった事で、イリスは委員会虐殺の犯人をユーリと誤解してしまい襲い掛かり、やむを得ず石板にAIだけを封印してイリスの身体を破壊してしまったのだと言う。

 

 アミタさんのお母さんの……エレノアさん解説どうも。それにしてもマジで諸悪の根源だなコイツ……。

 

『何処からがあなたの計画かは分かりませんが……』

 

「全部さ……とでも言っておくよ。記憶データの一欠片でもあればイリスは何度でも蘇る。私の記憶と意思も、そこに託した。そして私は新天地へと辿り着いた。私の宝物は帰って来なかったが……この星はいい星だ。新たな拠点にちょうどいいし、宝物を取り返す足場になるだろう。良かったら君達も協力しないか? そこの君も、ユーリを奪った事に思うところがあるが君の力は見込みがある」

 

「っ! 《アクセラレーター》!!」

 

 あまりに自分勝手な発言にアミタさんも、堪忍袋の緒が切れてしまったらしい。

 アクセラレーターを起動して真っ直ぐ彼の元へ高速移動するアミタさん。

 

「はぁああああ「遅い」くぅ!!」

 

 アクセラレーターを起動して彼を剣で叩き斬ろうとするが、その時には既に彼は銃口を向けていた。

 銃を受けて怯んだ隙にマクスウェルは彼女の頬に裏拳を放とうとするが、咄嗟にプロテクションを張ってこれ以上の追撃を止める。

 

「……ふむ、あの子がいなかったらまともに食らってたね。でも慣れない次元移動に、こちらに来てからはずっと戦い続けて、そんな身体じゃ抵抗するだけ無駄だよ」

 

 悔しいが彼の言う通りだ。

 やはり流石の彼女も疲労が溜まってしまっていたのか、彼女の動きはとても悪い。

 そういえば敵か味方か分からない微妙な立場だったから、アミタさんにはひなのフェニックスウイングとか言霊とか使ってなかったんだよな。

 ……それ普通に俺らが悪いじゃん。

 

「イリスの言う通りさっさと帰れば良かったのに……どうして関わろうとする?」

 

 彼にそう問いかけられたアミタさんは、辛そうにしながらも真っ直ぐな瞳で彼に訴えかける。

 

「……この星も沢山の人の故郷です。必死に生きてる人がいる。大切なものを守ろうとしている人がいる。見知らぬどこかの誰かの為に必死になってくれる人がいる……。同じだからです、この星も……エルトリアの故郷も!!」

 

「そうだね……同じだ。同じように私の実験場だ」

 

 そう言ってマクスウェルは俺とアミタさんに同時に銃を撃ってくる。

 咄嗟に自分の方に飛んできた銃弾を避けてアミタさんの方の銃弾はグラディウス(銃)で撃ち落とそうとしたが、その瞬間明後日の方向から飛んできた砲撃で相殺された。

 

「警告です。武器を捨てて投稿してください!!」

 

「……あなたがこの事件の本当の……次元法違反で逮捕します!!」

 

 そしてやって来たのはなのはとフェイト。どうやら別のところで雑魚処理をしていたみたいだけど、シャーリィの連絡を受けて駆けつけてくれた様だ。

 そしてそれとほぼ同時に、アリサとすずかも飛んでやって来た。

 

「ヤマト君、アミタさん。お待たせ!!」

 

「プロテインがなんたらって言ってる人が任せてって言ってくれたから、その人に任せてこっちに来たわ!!」

 

 プロテイン? 変な局員もいたもんだけど、単体で機動外殻二体同時に相手取れるなんて相当な使い手なんだな。

 だがこれで6体1。流石のあいつでも六人同時に相手出来るかな?

 

「……《アクセラレーター・オルタ》」

 

「っ!? 《アクセラレーター》!!」

 

 マクスウェルが高速移動を行おうとしたが、それに気づいたアミタさんが咄嗟に彼を抑え込みにかかる。

 

「私と同じアクセラレーターを……!!」

 

「同じでは無い。稼働効率は君達より遥かに上だ」

 

「……ならば! ガーディアン、お願いします!!」

 

『ガーディアン、起動します』

 

「っ!?」

 

 マクスウェルが異変に気づいて彼女を蹴り飛ばそうとするが、アミタさんから魔力が発生した事で逆にマクスウェルが吹き飛ばされる事になった。

 

「ふぇえ!? あ、アリサちゃんあれって……!?」

 

「レオとこっそり追加したシステムね。小型の魔心レプリカを搭載して、バッテリーデバイスと同じ容量で魔導師の才能がなくても魔法が使える様になるの」

 

「デバイスにフォーミュラを組み込めるなら、フォーミュラ技術に魔導を組み込めるはずというコンセプトでアミタさんの武装を強化したんだ。……ぶっちゃけあれが一番時間かかったよ」

 

「す、すずか? なんだか目が死んでるよ?」

 

 そんな会話をしている間にアミタさんの防護服が前よりも強化された上に、武装も従来のものよりも更に装飾も性能もアップしたものに姿を変わる。

 いや、俺達のデバイスだけじゃなくて、アミタさんの武装も強化してたのかよ!?

 この分じゃキリエさんとかの武装も強化してたり……ちょっと頑張りすぎじゃ無いかレオ達? 事件終わったら翠屋のケーキでも奢ってやろう。

 

「ふむ、これは流石に予想外だったが、私は君達と戦っても負けない。……でもそもそも戦う必要もないんだ。武器も機動兵器もいくらでも生み出せる」

 

 急なアミティエさんの覚醒に驚きもせずにマクスウェルが指を弾くと、近くに五体の機動外殻が現れる。

 いやまだいたのかよ。と言うか五体って、負けないって豪語した癖に一人としか戦う気がないじゃ無いか。

 

「そして私は手にした戦力の全てを自由に操れる。イリスはもちろんユーリも……いや、彼女は回収して調整をしなければならないな」

 

 そう言ってマクスウェルは剣を構えてニヤリと笑った。

 

「さぁ、君達も管理局とやらも私の手駒に出来るかな?」

 

「皆さんは先に外殻をお願いします! フィル・マクスウェル、覚悟!!」

 

 そう言ってアミタさんとマクスウェルはぶつかり合った。

 アミタさんは急なパワーアップっていう勝利フラグを立てたけど、フラグは折られることもある。

 一刻も早く外殻を破壊してアミタさんと合流しないとな!!

 

「アミタさん一人じゃ無茶すぎるよ! 三分以内に破壊するの!!」

 

「三分じゃ遅いよ! 二分で頑張ろ!! あと無茶についてはなのはにだけは言われたく無いと思うな!?」

 

「二分? あんなの一分で片付けるわよ!! そしてなのはの無茶については同感だわ! アンタが言うな」

 

「えっと、これは空気読んで三十秒っていうべきなのかな? あと無茶っていうならなのはちゃんも少しは自重して欲しいかな?」

 

「やめてくれすずか、その理論だと俺は十五秒で片付けないと行けなくなるから。そして周りからの信用がないなのはなのであった」

 

「みんな酷いの!?」




マクスウェルはラスボスの為一旦ここまで。

次回、レオVS裏ボス(魔王(イルマ)
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