見た目が踏み台だからと言って、中身も踏み台だとは思うなよ? 作:蒼天 極
「ハァ、ハァ、にゃはは、一分で突破出来たね」
「う、うん。でもかなりキツいや」
「全く、本当にハードね。悪いけど言霊お願い……」
「りょ、了解……【ここにいる全員回復】!!」
「ありがとう。あと少しだからみんな頑張ろ?」
マクスウェルがけしかけて来た機動外殻を本当に15秒で完膚なきまでに破壊して、なのは達を手伝って一分以内に全ての機動外殻を破壊してやったが流石に体力を使いすぎた。
俺はレオとかなのは、はやてと違って高威力の魔法をブッパするよりも、剣でチマチマ削るタイプだから機動外殻みたいな重厚型とは相性最悪なんだよなぁ……。
「あれ、アミタさんは?」
「いないね。戦いの場所を移したみたいだ」
「ならさっさと手伝いに行きましょ!」
「うん……あ、ちょっと待って!!」
直後地上や別方角の空から複数のミサイルがこちらに飛んで来ており、咄嗟にすずかが氷塊で撃ち落とす。
「くそ、こんなときに増援かよ!!」
別にこの程度片付けられるけど、あんまり時間をかけるとアミタさんが……仕方ない! こうなったら魔力の残量は気にせずに一気に「おぉおおおおおおおおお!!!!」ん? どこかで聞いたことのある声が……。
「ヤマト君達、もう大丈夫よ!!」
「シャマルさんにザフィーラさん!!」
自身の持ち場を片付けたらしいザフィーラとシャマルが救援に来て……いや違う守護騎士全員が救援に来てくれたみたいだ。
「でぇええええい!!」
「はぁあああああ!!」
「シグナムさんにヴィータ!! ナイスタイミングね!!」
「でもこのままじゃ埒が明かない。生産拠点の方はどうなってますか?」
「クロノ支局長が指揮をとって制圧していってくれてる」
「あっちこっちから協力者が来てくれてるみたいだからな」
「ここはアタシらに任せてお前らは黒幕をぶっ叩いてこい!!」
守護騎士のみんなは数百年一緒に行動してる分連携もかなりの練度。ならばここを任せてもなんら問題は無いだろう。
「ありがとうヴィータちゃん! それじゃあ急いでアミタさんと合流するの!!」
「あぁ!!」
「アミタさんは……見つけた! こっちだよ!!」
レーダー機能でアミタさんとマクスウェルの現在地を割り出したすずかの指示に従い、アミタさんの下へ大急ぎで向かう事にした。
◇
「アミタさんを見つけたの!!」
アミタさんはマクスウェルとアクセラレーターの高速移動で打ち合っているが、流石のアミタさんでもマクスウェルの攻撃に食い下がるのでやっとのようでだんだん押されて来ていた。
そしてとうとう自らの獲物を弾き飛ばされて、マクスウェルの裏拳が彼女を殴り飛ばす。
「あぐっ!!」
これ以上やらせるか! 殴り飛ばされたアミタさんに更に追撃を加えようとするマクスウェルに神速で急接近して逆にこいつを殴り飛ばしてやる。
「ぐぅ!? ……む?」
「「「「はぁああああ!!」」」」
殴り飛ばされながらもなんとか体勢を整えようとしていたマクスウェルだが、その直後桜色に金色、朱色に紫色のバインドで縛られ、動かなくなった隙になのは達がマクスウェルに攻撃を加えようとゼロ距離で砲撃を放とうとする。
だがそれを見たマクスウェルは余裕の表情……まさか!
「《アクセラレーター・オルタ》ァアアアア!!」
「やっぱりなぁ!!」
「おっと、読まれてしまったか。だが!!」
咄嗟に神速でなのは達への攻撃を防いだが、コイツはまだ何か仕掛けて来ようとしている。
一体次はどんな攻撃を……
だが武器を構えて最大限の警戒をした瞬間、マクスウェルは回れ右して距離を取る。マクスウェルの先にいるのアミタさんだ。
「あぁ!?」
「いくらなんでも多勢に無勢、少し人数を減らしてもらうよ。さようなら、アミティエ」
くそ、まさかのフェイントで本命はアミタさんだったのかよ!?
神速でなんとかアミタさんを助けて……っ!? 連続使用で足が……でもちょっと無茶をして……!!
「アミタさんっ!? ッ!! 《アクセラレーター》!!」
「なっ!? ぐおぉ!!」
なんとか神速でマクスウェルに追いつこうとする俺であったが、俺よりも先に動いたのはなのは。
アミタさんやマクスウェルと同じようにアクセラレーターを使い、一気にマクスウェルの距離を縮めるとアミタさんを素早く回収して、呆気に取られるマクスウェルに砲撃を浴びせた。
「……な、なのはさん」
「にゃはは、レオ君がここぞと言うときに使ってって言ってたけど、意外とキツいの……」
「なのは、また無茶をして!!」
アミタさんを救出しながらも、システムオルタの負荷で苦悶の表情を浮かべるなのは。
レオは一応アクセラレーターを安定して使えるように調整をしてくれてたけど、負担を軽減しきれなかったから本当に最後の手段に使えって言っていたのだ。
「エルトリア式フォーミュラと魔導の融合……。イリスとユーリを使って、私が達成しようとしていた事を……あんな子供が何故……?」
あまりに辛そうななのはを言霊で回復させようかと思っていると、マクスウェルはゆっくり起き上がると、たまにレオの家に遊びに来るスカさんと言う科学者友達の人よりも邪悪に笑う。
「素晴らしい、君達は本当に素晴らしい……本当に欲しいね、その力……。君も私の子供にしてあげよう!!」
「っ!? アンタなのはを……」
「ちょっと節操が無さすぎるんじゃ無いかな?」
全くだ、それに随分と余裕じゃないか。
アクセラレーターはなのはだけじゃ無くて俺達も使える。全員でやれば数の暴力で押し切れると言うのに。
「確かにこれでは私が圧倒的に不利。……だからイリスが連れて来てくれた私のもう一人の娘、イルマが用意してくれたとっておきを使わせてもらおう」
そう言ったマクスウェルは魔心を取り出して胸部アーマーに嵌め込むと、直後マクスウェルから凄まじい魔力が溢れ出す。
「コイツ魔心のレプリカを……!!」
「素晴らしい力だ。これでもレプリカと言うのだから、本物の力は一体どれほど素晴らしいものなのか……せっかくだからこの力、実験させてもらおうかな?」
「っ!? みんな!!」
直後先ほどのアクセラレーターオルタとか言うものよりも更に高速で、俺達に攻撃を加えてくるマクスウェル。
咄嗟にすずかがドーム状のプロテクションを張ってくれたから事なきを得たけど、もしまともに食らってたらどうなっていたか……。
「く……!」
「大丈夫すずか!? ここに来てパワーアップなんて……」
「でも、魔心に頼らないといけないくらい追い詰められてるってことじゃないかな?」
「なら全力全開で撃墜させればいいの!」
この絶体絶命的な状況で絶望せずに前向きでいられるなんて流石はなのは達だ。でもいくらアクセラレーターを使ったとしてもこの状態のマクスウェルと戦うのは危険。
『ヤマト、一応お前もアクセラレーター使えるようにしたけど、神速との重ねがけは絶対すんなよ?』
『ふむ、《アクセラレーター》、《神速》……いったぁああああああああ!! 足がぁああああああああ!?』
『っておい、前振りじゃねえよ!! 今回アクセラレーターの負担を殺しきれなかったから、タダでさえ足に負担をかける神速との重ねがけは相性最悪だからやめろって言ったのに!!』
『【回復】……い、いやぁ、言霊あるからどんなデメリットなのか身をもって知っておきたくて……』
『はぁ!? オメェそれ言霊みたいなバランスブレイカー級のレアスキル持ってない俺への当てつけのつもりですか!? ハァヤダヤダ、こんな奴がオリ主だなんて……ミニカーに小指轢かれて死ねばいいのに!!』
『いや、その程度で人間は死なねえよ』
……レオからは止められてるけど、命を削ってでも強敵を討ち倒すのがオリ主ってもんだしな!!
「【耐久アップ】、《アクセラレーター》、《神速》!!」
「っ!? 君もアクセラレーターを……本当に君は素晴らしいね」
神速とアクセラレーターの重ねがけでマクスウェルの攻撃を弾いて殴り飛ばしてやったが、マクスウェルが強化されてるのはアクセラレーターの最大速度だけではないようで、余裕そうな表情で立ち上がる。
足の耐久を上げてたおかげで腱が切れたりはしてないけどそれでも足に鈍い痛みが走る。でも、その分これならマクスウェルにも追いつけそうだな。
「ヤマト君!? 神速との重ねがけは使っちゃダメって……」
「そうよ、流石にそれは危険すぎるわ!」
「大丈夫だ。言霊でなんとかなるしそれに……ここは無茶をするべき所だからな!!」
俺の発言にアリサ達はハッとしたような表情をすると、しばらく目を閉じてやがて決心したような表情を浮かべる。
「仕方ないわね。私達で援護するから、さっさと倒しちゃいましょ!!」
「防御は任せて! ヤマト君達に攻撃は通さないから!!」
「ヤマトさんあなたに全てを託します。どうかご武運を!!」
自分で言ってなんだがこれで納得すんの? これ無茶するための言い訳なんだけど……。でもまぁ納得してくれたならいいや。
「作戦会議は終わったみたいだね。……でも子供は大人に勝つ事は出来ない。更に力を引き出して見ようか」
「何度やっても同じ事だ! お前の思い通りには絶対させない!!」
「それはどうかな? 魔王の遺物よ、更に力を──「「「三位一体《トリプルブレイカー》ッ!!!!」」」え? ぐわぁあああああああ!?」
「「「「「「えぇ!?」」」」」」
マクスウェルがそう言いながらこれ見よがしに魔心を掲げていると、明後日の方向から射出された極太の収束砲撃に巻き込まれてしまう。
いやいや待て待て、これから命を削りながらラスボスと最後の激戦を繰り広げるところだっただろ?
いや、不意打ちで倒れてくれるなら無茶しなくていいから別にいいんだけど…………なんと言うか……うん。ラスボス戦でそれはないだろ!!
しばらく呆然と光線を眺めていると、やがて光線は止みそこからボロボロのマクスウェルが姿を現す。
「……不意打ちとはなかなか卑怯じゃないか。これはお仕置きが必要か──ん?」
青筋を浮かべながら光線が放たれた方向を見ていたマクスウェルだが、直後彼の表情が消える。
彼の近くにボロボロのイリスが倒れていたのだ。
「すごい飛んだねー」
「うん。これで反省してくれるといいけど……」
「どうやろ? ……もしこれで気絶してなかったら今度は私も入ってもう一回やね」
「こ、これで意識を失ってなかったら、私が責任をとって気絶させるからこれ以上は勘弁してあげて……って、ヤマト君達にお姉ちゃん!? それに……」
「ん? こいつラスボスじゃん。探す手間が省けたねぇ」ニチャア
そして明後日の方向からやって来たのはレオ達だった。
あ、これ勝ったな。