見た目が踏み台だからと言って、中身も踏み台だとは思うなよ? 作:蒼天 極
最後のラスボス戦。
「え、え、ふえぇ!?」
「わぁ、ひな達おっきくなっちゃったよ!?」
「あー、うん。今度はそう来たかぁ……」
「つ、ついに身長がフェイトに追いついた!!」
「おめでとうお姉ちゃん。でも、もうちょっと成長した事そのものを驚いてもいいと思うな!?」
「ちょ、レオ。アンタこれって……!」
「あ、あはは、まさか大人になっちゃうなんて予想外だったかな……」
「いくらなんでも予想外過ぎやろ! と言うかなのはちゃん達みんなおっぱい大きいなぁ。姉やん、ちょっと揉んでみてええか?」
「もう揉みしだいているだろうが! ええい、その手を離せ鬱陶しい!!」
「まさか一瞬で大人となるとは……それに魔力も上がっています」
「え、てことはもっと強くてカッコよくなれたってこと!?」
「……兄上はうっかり私に時計の能力を使わなかっただけ。……決して大人になっても小さいままなだけではないんだ…………」
「だ、大丈夫ですよチンクさん! 私もほとんど変わってませんし!!」
「いや、私とお姉ちゃんは元々成長してるからよ?」
おぉ、みんな驚いてる驚いてる。サプライズ気味にこの時計の能力使った甲斐があったって物ですよ。後チンク、ちゃんとお前にも使ったから現実を受け入れるんだ。
さて、もう少し大人になった件の感想とか反応を楽しみたい所だけど、まずはマクスウェルを叩きのめさないとな!!
「ク、フフ。一体何をするかと思ったら成長しただけ? ……いくら見かけが大きくなった所で中身が変わっていなければ意味はないのさ!!」
「っ! 構えろみんな!!」
ヤマトの掛け声で戦闘態勢に入る俺たち。マクスウェルが一番最初に狙ったのは…………ん、俺?
流石にこれ以上痛い思いはしたくないため、危なげなくアースカリバーでマクスウェルの得物を受け止めてやる。
「君を倒せばイルマの魔剣やその不思議な時計が手に入る。ならば狙わない理由はないだろう!!」
「そうだね。でももはや魔心も動かせない状況で俺を倒そうなんて千年早いんだよ! 《ベルフェリオンカリバー》!!」
「グッ!?」
左手で装備していた魔剣シュリセルでマクスウェルの左腕を斬り落とし、苦悶の表情を浮かべた隙にコイツの腹を蹴り飛ばしてやる。
そして蹴り飛ばした先で構えていたのはアリサちゃんとシュテルの二人。
「最大火力で行きますよアリサ。ディザスター……」
「えぇ、任せなさい! タイラント……」
「「ヒートッ!!」」
「ぐうぅ! な、なかなかやるね……だが!!」
アリサちゃんとシュテルの一撃をまともに喰らったマクスウェルだが、すぐさま体勢を立て直して剣を振る。だがその一閃はヤマトに塞がれてしまった。
「チッ、《アクセラレーター・オルタ》ァアアアア!!」
「上等だ。《神速》!!」
直後お互い高速で打ち合うヤマトとマクスウェル。
「君のその歩行法はスタミナを著しく消費するんだろう? 一体いつまで持つかな!?」と打ち合いながらマクスウェルはほざいてるけど、いや、何のために全員仲良く成長させたと思ってるし。
成長した分スタミナや脚の筋肉だったりも発達するから以前のようにやれると思ったら大怪我するで?
「《御神流奥義之極、閃》ッ!!」
「グハッ!?」
ほら、言わんこっちゃない。
神創で認知力だけ強化してたけど、グラディウスで武器を弾き飛ばされて袈裟にぶった斬られてやんの。
それにヤマトに集中してていいのかい? お前15対1で戦ってるの忘れてないかい?
「《エンジェルクロス》!!」
「なっ!?」
「今だよなのちゃん、フェイちゃん!!」
ヤマトに斬られて動きを止めた一瞬の隙に、ひなちゃんの羽衣をグルグル巻きにされて硬化される。
そして背後に控えますはなのはちゃんとフェイトちゃん。
「うん。行くよなのは!」
「うん! N&F《ブラストカラミティ》!!」
「「ファイア!!」」
「ぐぁあああああああ!!!!」
「まだまだ! 《ブラストカラミティ・ホームラン》ッ!!」
「ぐ……ぐぉおおおおお!!」
「ダメ押しだよ! 《クロスボンバー》!!」
今思い出したけど、映画ではマクスウェルを打ち倒した必殺の合体砲撃を浴びたマクスウェル。
だがコイツもコイツで原作よりも強くなっているからか、二人の合体魔法をアリシアちゃんのパリィでもう一回喰らい、挙げ句の果てには拘束していた羽衣の爆発すらも喰らったというのにマクスウェルは耐えやがった。
フラフラとゆっくり地面に降りると、先程斬り落とした腕の断面をくっつけて接合する。
「ハァ、ハァ……正直想像以上だ。勝てると思わないしこちらは撤退させてもらおう」
そう言ってマクスウェルはアクセラレーターを起動して……このタイミングで逃げんのかよ!!
だがここでコイツは重大な選択ミスをした。
ここで撤退に集中すればもしかしたらこの包囲網を抜けることはできたかもしれないのに、あろうことか欲を張って近くで意識を失っているイリスを回収して逃げようとしたのだ。……イリスはキリエが守っていたのを知らずに。
「もうこれ以上イリスを……お友達を利用させないわよ!!」
「邪魔だ!!」
「くっ「させません!!」お、お姉ちゃん!!」
イリスに手を伸ばす直前で邪魔をしたキリエを殴り飛ばそうとしたその裏拳はアミティエさんが剣の腹で受け止められる。
「キリエ、今です!!」
「うん! たぁああああああ!!」
「ぐぅ!?」
そしてその隙にキリエはヴァリアントザッパーを大剣に変形させて、アクセラレーターの除速で補強したフルスイングの一撃を叩き込む。
それでも立ち上がったマクスウェルは、近くにあった車に触れてそれをロボットに変化させてキリエとアミタを襲わせる。
「こんなもの!!」
「待て、これは爆発する。私に任せてもらおう」
どうやらキリエ達が攻撃を加えようとした瞬間爆発する仕様だったらしいが、爆発物に詳しいチンクが一瞬で看破。
投げナイフ爆弾でロボットを誘爆させると、ロボットの残骸を大量の投げナイフに変化させる。
そしてその大量の投げナイフをマクスウェルの頭上に転移させて爆発させてしまった。
「これに技名をつけるならそうだな……《ランブルスコール》と言った所か」
「おぉ、いいねカッコいい! なら今度はボクの番だ!!」
そう言ってレヴィは爆発して辺りが土煙で見えない中、マクスウェルの懐へ思い切り突っ込んでいく。
「レヴィ! 我と小鴉の方へぶっ飛ばせ!!」
「了解、王様! パワー極限、《雷刃封殺爆滅剣》! 峰打だろうが相手は死ぬ!!」
「ぐぉお!!」
「レヴィ、それは峰打じゃなくて腹打ちだ」
マクスウェルは咄嗟にアクセラレーターを使おうとしたが、使用する際に一瞬止まらないといけないアクセラレーターは高機動型のレヴィとは相性が最悪。
バルニフィカスの腹でディアーチェとはやてのいる地点へ叩き上げた。
「小鴉、我の妹を自称するからには失敗は許さんぞ。我に合わせろ」
「姉やん……了解や! 妹の底力見せたるで!!」
『なら私も妹として頑張ります!!』
『なら私は姉の力か。合わせるぞリィン』
『はいです! お姉ちゃん!!』
「《ジャガーノート》ッ!!」
「《ウロボロス》ッ!!」
「がはっ!!」
連続攻撃を叩き込まれたマクスウェルは、もはや抵抗すらできずにはやてとディアーチェの高威力魔法を喰らってしまう。
だが地面に落ちようとする直前、マクスウェルの持っていた銃ははやての額に銃口を向けていた。
「っ!? 小鴉!!」
「え──」
「大丈夫、《エターナルコフィン》ッ!!」
だが引き金を引く直前、すずかちゃんによりマクスウェルの身体は氷漬けにされて身動きが取れなくなった。
………………よし。(ゲス顔)
「コイツは確実に潰さないといけないし、アレやろうぜアレ!!」
「あれ? ……あぁ、イリスにやろうって話してたやつやね!!」
「いいな。正直殴り足りなかったんだよ!!」
「よし、なら海鳴組は集まりなさい。みんなでトドメを刺すわよ!!」
と言うわけで、氷漬けになって身動きが取れなくなったマクスウェルに追加のバインドでキツくキツーく締め上げて、ナハトヴァール戦と同じようにそれぞれ魔力を溜める。
「全力全開、スターライト……」
「雷光一閃、ホーネットジャベリン……」
「一撃必殺、真・パンデモニウム……」
「受けてみなさい、パルテノン……」
「熱血一閃、インフィニットフレイム……」
「絶対零度、グレイシャル……」
「必殺奥義、スターリー……」
「全身全霊、フィニッシュ・オブ・エレメタリオン……」
「響け終焉の笛ラグナロク……」
それではみなさん、ご唱和ください!
せーの!!
「「「「「「「「「ブレイカー!!!!」」」」」」」」」
「ぐわぁああああああああああああああ!!!!」
前回のナハトヴァール戦の時よりも格段に技術が発展し、更に大人になった事でその分魔力が増幅して威力が高くなったノネットブレイカー。
身体をとにかく丈夫に作っていたマクスウェルでも、この必殺の一撃は耐えられなかったようで見る見るうちに身体が消し飛んでいく。
このまま俺の5Sオーバーの魔力が尽きるまで魔力込めたるぜオラァ!!
「「「「「「「「「ブレイクシュート!!!!」」」」」」」」」
「あぁあああああああああ!!!!」
しばらくブレイカー砲撃を浴びせていたが、やがてマクスウェルを中心に大爆発を起こす。
そして爆発が止むとそこに残っていたのは、表皮が剥げて機械部分が剝き出しになったマクスウェルの頭部だけだった。
「それじゃ、最後のキメゼリフ。ヤマト頼んだ」
「え、俺よりお前のほうがよくないか?」
「俺もうイルマに言ったし。なのはちゃん達が惚れ直すレベルでカッコよく決めな」
「ここでなんでなのは達が……まぁいいや。フィル・マクスウェル、次元法違反で逮捕する」
こうして今回の事件のすべての黒幕、フィル・マクスウェルは無事捕らえることができたのだった。
……さーてこれからは後始末のお時間か~。面倒くさいなぁ。