見た目が踏み台だからと言って、中身も踏み台だとは思うなよ?   作:蒼天 極

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半殺しにした分はこれでチャラね?

 指揮船でゆっくりと休んで体力もある程度回復した俺らは、フローリアン姉妹やそっくり三人衆、それに手術も終わり目が覚めたユーリちゃんに会いに現在本局に来ていた。

 

「それで大人のひなとアリシアと寝た感想はどうだった? やっぱりドキドキして眠れなくなったのかしら?」

 

 本局の移動中、ニヤニヤとそう尋ねてくるアリサちゃん。

 ヤマトの隣を逃した憂さ晴らしに、俺のザマを聞いて笑い転げたいんだろうな。ならばよろしい、貴様が想像するオチとは違うと言う事を教えてやろうではないか。

 

「れお君ひな達よりも早く寝ちゃったよ〜」

 

「え?」

 

「布団に潜って五分くらいで落ちた。フィニッシュ・オブ・エレメタリオン2回とトリプルブレイカー1回の計三回フルパワーの砲撃ブッパしたせいで、気を抜いたら気絶しそうなレベルで疲れてたし、何よりひなちゃんとアリシアちゃんの体温だったり良い匂いだったりがなんと言うか安心して……」

 

「なんやつまらへんなぁ。そこは寝ぼけたアリシアちゃんとひなちゃんが抱きついて来て胸が当たって、頭の中で理性と本能が激戦を繰り広げてた展開を期待しとったのに」

 

 一体このタヌキレーサーは俺のことをなんだと思っているのだろうか?

 と言うかひなちゃんが「りせー? ほんのー?」って首傾げてるからこれ以上はやめてもろて。

 だが興奮したはやては止まらない。

 

「そのあと結局本能を押さえきれなくなったレオ君が狼になって、欲望のままに二人を「はやてちゃん? これ以上はひなちゃんの教育に悪いからやめようね?」……はい」

 

 やーい、調子に乗りすぎてすずかちゃんに怒られてやんの〜。

 すずかちゃんに怒られるはやてを嘲笑っていると、なのはちゃんが先ほどから黙っていたアリシアちゃんの顔を覗き込む。

 

「あれ? アリシアちゃん目の下にクマができちゃってるけど眠れなかったの?」

 

「え、うぅん。しっかり寝たから元気100%だよ!?」

 

「その割にはなんだか眠そうだよお姉ちゃん?」

 

 …………。

 

「ねぇアリシア? もしかしてだけどアンタ、ドキドキして眠れなくなったの?」

 

「……はい。成長してさらに綺麗になったレオの顔とかサラサラの髪とかにドキドキして私の方が眠れなくなりました」

 

 いや、仕掛けた方が寝不足になってどないすんねん?

 知らないうちに返り討ちに遭っていたアリシアちゃんに内心呆れていると、アミティエさん達がいると言う部屋に到着。

 先頭にいたアリサちゃんがドアを開けると、部屋の奥にフローリアン姉妹がいた。

 

「あ、みなさん来たんですね」

 

「アミタさん、キリエさんも身体の方は大丈夫ですか?」

 

「はい。お腹いっぱいご飯を食べたおかげで完全回復。略してO.O.Kです!!」

 

「お姉ちゃんは食べ過ぎなのよ。太っても知らないわよ?」

 

「……た、大丈夫です。食べた分の栄養は疲労と怪我の回復に使ったので」

 

 冷や汗を流してそう並べ立てるアミティエさん。

 でも確かにマクスウェル戦で負傷したところとかは既に治りかかってる。最初にキリエに腹撃たれたときも、食事で回復してたっぽいしエルトリア人は傷の回復は早いのかもしれない。

 

「あなた達はユーリに会いに来たのよね? あの子は奥の部屋のベッドで寝てるわ。丁度リィンフォースさんもお見舞いに来てるの」

 

「リィンフォースも来てたんやね。あ、姉やんもユーリのところかな?」

 

「姉やん? ……あぁ、王様のことね。王様とシュテルとレヴィもユーリのところにいるわよ」

 

 流石に寝込んでいるのにゾロゾロと押しかけても悪いため、今回ははやてと俺の提案でヤマトにも行ってもらう事にした。

 え、はやてはともかくどうしてヤマトも? だってあいつ最終的にユーリちゃん助けたんだろ? それにオリ主ならばそろそろメインヒロイン以外の子もハーレム入れても良いだろうし。踏み台たる者しっかりお膳立てはしてやらないとな!!

 

「そう言えばアミタさん達はそろそろ取り調べが終わるんですよね?」

 

「はい。一応私達も違法渡航者という事で色々取り調べを受けていたんですが……」

 

「私達は早く帰してくれるみたい」

 

「そうですか、よかったです」

 

 まぁそもそも今回は管理局の支配下にない管理外世界から管理外世界の渡航だ。

 そもそも違法渡航したくらいなら、管理局で半日程度の取り調べで済む程度のものだったのだ。

 まぁキリエの場合違法渡航プラス次元法違反がいくつかついてしまうけど、今回は騙されて犯人に利用された上に、動機はあくまでも父親を助ける為だったから今回は厳重注意という事で罪には問われなかった。

 

「えっと……レオ君よね? 私が管理局に逮捕されないように裏から手を回してくれたのって? ありがとうね」

 

「え!? そ、そうだったんですか!?」

 

「アンタいつの間に……」

 

 いやー、いくらひなちゃんの歯を折った相手だったとはいえ、俺に半殺しにされた挙句信じてた友達に裏切られて前科持ちになって数年は元の世界に帰れないっていうのも流石に可哀想だったからね。

 反省はしてたから半殺しにした罪滅ぼしにこれくらいはさせて貰いましたよ。

 

「半殺しにした分はこれでチャラという事で」

 

「素直じゃないの」

 

「罪悪感を感じてたならキチンと謝れば良いのに……」

 

 呆れたようななのはちゃんとすずかちゃんでした。

「はい、そーです。俺は素直じゃないんですー」と言いながら視線を逸らしていると、ひなちゃんが「あれ?」と言いながら俺の方を向く。

 

「と言う事はイリスさんも逮捕されないようにしたの?」

 

「してないよ?」

 

 イリス、テメェはダメだ。

 今回の事件、ある意味イリスも被害者ではあった。

 だがそれでもキリエを騙した事、ユーリを復活させてウイルス漬けにした事、そして復讐という理由で地球を滅ぼそうとした事実は消えない。

 流石に罪を犯し過ぎたせいで流石の俺でも庇い切れるものではないし、俺個人イリスには非っっっ常に頭に来た為助けないことにした。

 別に転生者だからって無理に原作キャラを助ける必要もないしな。せいぜい自分のした事を反省しろってんだ!!

 

「と言ってもまぁ、今回一番悪いのはマクスウェルだからそいつがイリスの罪の大半も背負ってくれる筈。数年は拘置所なり無償奉仕なりになるだろうけど、それが終わったら釈放される筈だよ」

 

「そう、良かった…………。あ、ならイルマはどう? あの子操られてただけだし、レオ君にとってはご先祖様なんでしょ? なら……」

 

「あぁ、イルマについてな「私ももう釈放だ」うぉっと!?」

 

 直後後ろのドアが開き、イルマが姿を現す。

 いきなり入ってくんなよビックリするじゃんか!!

 

「イルマ、良かった無事だったのね!!」

 

「心配かけて申し訳なかったなキリエ。後騙していた事も謝罪しなければ」

 

「うぅん、別に謝罪なんて必要ない! ……それよりイルマ……腕が……」

 

「気にするな。今の私の身体は機械、腕なんて修理すればすぐ動かせるようになる」

 

 イルマは俺との必殺技のぶつけ合いに押し負けて、右腕は欠損、左腕も壊れて動かせなくなっている。

 一応左腕は応急処置をして貰ったおかげでゆっくりなら動かせるみたいだが、日常生活では大変そうだ。

 釈放したなら明日にでもスカさんの所に連れて行ってやろ。せいぜいあのマッドの餌食になると良い。(ゲス顔)

 

「それでイルマ、釈放って……」

 

「あくまで私はイリスに利用されていた事。それに自力で逃げ出せた件についても、魔王の心臓の魔力を使わなければウイルスを除去できなかったという事にして、どうしても魔王の心臓を奪い取るまでは命令に逆らえなかった事にした」

 

「おい」

 

 取り調べで嘘つくんじゃねえよ。もしそれがバレたら普通に罰受けるよりも重罪になるぞ?

 まぁ自力で逃げることが出来たかは証明しずらいから大丈夫だろうし、今の会話録音してるけど誰かに聞かせる気は無いから大丈夫だけどさ……。

 

「魔王の心臓を盗んでしまった罪滅ぼしに、レオが作ったレプリカを敢えてウイルスをそのままで量産した事で、ウイルスによってマクスウェルの戦力の低下に貢献したと説明したら、影の協力者とか言われてあれよあれよと釈放されたよ。フッ、管理局もチョロイもんだ」(ゲス顔)

 

「イルマ……」

 

 ゲス顔を浮かべるイルマをなんとも言えないような表情で見るキリエでしたとさ。

 でもほんとこのガバガバな司法はなんとかしたほうが良いなぁ。マジでおっちゃんの後継いで管理局をテコ入れしてやろうかしらん?

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