見た目が踏み台だからと言って、中身も踏み台だとは思うなよ? 作:蒼天 極
イルマの改造は時間がかかるらしいため、彼女をスカリエッティ研究所に入院させた翌日。
俺達はヤマトの家でお茶会をしていた。
「戦闘機人に改造……それってちょっとどうなのかな?」
「そんな顔しなさんなフェイトちゃん。ご先祖自身100%機械の身体は嫌だったみたいでさ。なんでも機械の身体だと機械だから大丈夫だろ? とか理不尽な扱いを受ける可能性があったんだと」
「そ、そっか……確かに少しでも人としての身体を取り戻せるならそっちの方が良いのかな?」
「それにしてもレオの細胞を培養したのか。まぁご先祖みたいだから妥当と言えば妥当だが……え、それはヤバくない? スカリエッティって一応研究者なんだろ? 万が一悪用されたら純度100%のレオクローンと戦わないといけないってことじゃ……」
「え〜てことは次の敵はレオ君なん!? 流石にそれは勘弁してほしいわ〜。相手がレオ君って難易度高すぎや!」
「大丈夫よ。レオが一番厄介なのって魔力じゃなくて知能とか戦術とかの引き出しだから」
「うん、身体だけ再現したってだけなら簡単にやっつけられるんじゃないかな」
「偽物なんてひなが簡単にやっつけちゃうんだから!!」
「とうとうレオが真の踏み台になるのか…………しっかり乗り越えてやるからな!!」
「ちょっと君達? レオ君の顔だと戦えないよ〜とか言ってくれても良いんだよ? 後なのはちゃん、ディバインバスター撃つ時の目で俺を見るのやめてくれない?」
あと、あんまり調子に乗らない方が良いぞ。そう言う場合は大体オーバー5Sの魔力を使った固定砲台みたいになるからそれはそれで厄介だと思うぞ?
それに悪用されないように、帰る直前にこっそりスカさんラボのシステムハッキングしておいて、カメラとかデータベースなんかはこっちから見れるようにしてるからな。万が一隠したとしてもいつでも見つけられますよ。
そう言ってサムズアップをしていると、先ほどから黙っていたアリシアちゃんがガタリと立ち上がる。
「ねぇみんな、最終日がそれで良いの!?」
うわっとビックリした!? いきなり大声出すのは反則だって……それにしても最終日? 何のこと?
だがアリシアちゃんの発言にやけに芝居がかった様子ではやてが自分の胸を抑える。
「そ、そうやねアリシアちゃん……。今日は私の人生最後の日…………確かにこのままお喋りだけして終わるなんてもったいないなぁ……」
「え!? はーちゃんの最後の日!?」
「そんな、闇の書はやっつけたのにどうして!!」
そんなはやての演技に盛大に引っかかったひなちゃんとフェイトちゃん。ひなちゃんはともかくフェイトちゃんも結構騙される方だよなぁ。
と言うか俺らの反応で普通はやての嘘だって気づくだろ。
「黙っててごめんなひなちゃん、フェイトちゃん。実はうち、闇の書に寿命を削られとってな……助かった所で長くは生きられなかったんや」
「そ、そんなぁ!! はーちゃん、はーちゃん!!」
「まだ何とか方法が……そうだ、ヤマト! ヤマトの言霊ならきっと……!!」
「……すまない、何度かやってみたけど過去に蒐集されてしまったせいで、はやては言霊を受け付けづらい体質になってしまって、言霊を受け付けないんだ」
「「そんな……」」
いや、ヤマト。お前も乗るのかよ!?
と言うか良い加減にしろや。ひなちゃんもフェイトちゃんもとっても青い顔しとるやろがい!!
ほんとタヌキもオリ主も性格悪いよなぁ、一変聖王教会で根性叩き直して貰えや。
「……バカなことやってるはやてとヤマト、そしてあっさり騙されたひなとフェイトの事は一旦置いておくわね。それでアリシア、何が最後の日なの?」
「大人でいられる日がだよ。明日には三日が過ぎて子供になるんでしょ? 今日が大人になって遊べる最後の日だよ!?」
「なるほど……確かに大人になったからヤマト君とデートしたいなぁって思ってたのに出来てないの」
「うん。せっかく大人になったんだから楽しまないと損だよね!」
「え〜、流石に最近動き回ってるし今日ぐらいのんびり過ごしたい俺でありますが……」
「でも今日を逃したら大人の姿でデートなんて、大きくなるまでお預けなんだよ!?」
「こちら今朝完成させた、久遠の時辰儀から寿命を操作できなくしてインターバル72時間の制限も取っ払った懐中時計でございます。これがあればいつでもどこでも何度でも年齢操作なんて思いのまま」
「…………遊べるのは今日しかないの!!」
「ゴリ押したわね」
「と言うかロストロギアを数日で再現しちゃうなんてレオ君の存在そのものがロストロギアなんじゃ……「黙れ砲撃魔、ニコポナデポ食らわすぞ」ほ、砲撃魔は余計なの! それとも成長したなのはの全力全開受けてみる!?」
「その発言は明らかに砲撃魔のものじゃねえか! 上等だ、リーン姉さんに植えつけられたスターライトブレイカーのトラウマ。貴様をぶち転がす事で払拭してや「はいはい喧嘩しないの!!」あて!」
「うにゃ!」
一線おっ始める寸前で二人仲良くアリサちゃんに頭を引っ叩かれて止められました。
まぁ喧嘩の事はいっぺん置いておくとして、アリシアちゃんはせっかく大人になったのだから、最後に思い出作りをしたい。そう言いたいわけだ。
「でも何するの? 動物園デートとか面白そうだけどこの身体じゃ大人料金になっちゃうよ?」
「すずかってお嬢様なのに意外と庶民派だよね……。せっかくだから小学生だから行ってはいけませんって言われてる所に行ってみようよ。ゲーセンとか」
「私らルール無視して普通に行ってるわよね? よくタップダンスで対戦するじゃないの」
「俺もこの間メダルゲームしに行ったばっかりだからなぁ」
「そう考えるとルールを守らないなのは達は悪い子なんじゃ……」
え、今更気づいたの?
アリシアちゃんはしばらくえーと……えーと……と頭を抱えると思いついたように顔を上げる。
「あ、そうだ。ならビデオ屋さんの18歳未満は入っちゃいけませんの所を探検してみようよ!! 今なら入っても怒られないよ?」
「アリシアちゃんにはまだ早いよ。やめておこうね?」
「えー、すずかはすぐそう言うことを「あそこは純粋な好奇心で行くところじゃないんだよ。やめておこうね?」……はい」
うん。アリシアちゃんもませてるようで、そこら辺の知識とかはあんまり無いからねぇ。せめて後ちょっとは純粋無垢なままの君でいてくれ。
大人になったからとリーン姉さん連れて嬉々と入ろうとした某タヌキの様にはなるな。絶対なるな!
なおリーン姉さんも流石に某タヌキを叱りつけて、入るのは諦めさせたらしい。
アリシアちゃんは「これもダメか〜、それじゃあ……」と再び何をするか思案し始めたが、 なのはちゃんが手を挙げる。
「あの〜、何も大人だからこそ出来ることって限定しなくてもいいんじゃないかな。ショッピングモールとかで遊んで、そこのゲームコーナーでプリクラ撮ってみるって言うのも楽しそうだと思うよ?」
「……確かに」
「うん、それが妥当だと思うな。それにプリクラだったら写真に残せてアルバムにも入れられるし」
「というかなのはがプリクラを知ってるなんてビックリね。そう言うの興味ないと思ってたわ」
「にゃんですと!? なのはだってちゃんと女の子なんです〜!!」
ごめんなのはちゃん、俺もなのはちゃんがプリクラ知ってたの普通に驚いたわ。
「それじゃあ行き先は駅前のショッピングモールでいいね? ひなー、フェイトー。はやてにヤマトも。今からショッピングモールに遊びに行くから準備して──」
「ツーン……」
「むぅうううう!!」
「アハハ、ちょっとやり過ぎてもうた……。ごめんなぁフェイトちゃん、ひなちゃん」
「すまん、ちょっとふざけすぎた」
「酷い嘘をつくはやてもヤマトももう知りません……」
「ヤマト君とはーちゃんなんてもう知らないもん!」
あらら。はやての茶番が時間かかりそうだから敢えて無視してたけど、ひなちゃんもフェイトちゃんもすっかりご機嫌斜めになっちゃってたよ。
「なーにやってんのよ二人とも。せっかくショッピングモール行こうかって話になったのに、二人がこんなんじゃ楽しめないじゃないの」
「ほんまごめんなぁ! なんとかご機嫌なおしてみるからアリサちゃん達は先行っててええよ〜」
そうは言うけど二人の機嫌が治らなかったら結局はやて達抜きで楽しむことになるしなぁ。
ヤマトとはやてとフェイトちゃんは別にどうでもいいけど、この際ひなちゃんとは楽しく遊びたい所だしなぁ……よし。
「ひなちゃーん。今からショッピングモールに遊びに行くんだけど、そんなに拗ねてたらお昼ご飯のハンバーグはひなちゃん抜きで楽しむ事になっちゃうかな〜?」
「え? それはいや! 機嫌治す!!」
「……流石はレオ君やねぇ」
「うん。ひなの扱い方が上手い。……でも流石にひなチョロすぎない? 本当に近いうち不審者に捕まっちゃわないか、恋のライバルはちょっと心配だよ」
「大丈夫なの。ひなちゃんがご飯ネタで食いつくのは、ひなちゃんのお母さんか、レオ君の二人だけだから」
「私達だとひなちゃんって意外と遠慮しちゃうからそうはならないよね〜」
衝撃の事実判明。
ひなちゃんの食い意地は俺と羽鳥さんだけが対象の……いや、ひなちゃんのことだからひなちゃんパパとリニスも対象に入ってるだろうなぁ。
さて残るはフェイトちゃんだけど、流石にフェイトちゃんはひなちゃんほど単純じゃない。
「フェイトー、遊びに行こ〜? 今ならワンチャンヤマトにあーん出来るよ〜」
「今日は私遠慮するから、フェイトちゃんが私の分までアタックしてええよ〜」
「……嘘、またヤマトとはやてで結託してるんでしょ?」
「ぐぬぅ、流石は妹。手強いなぁ」
「ほんまごめんやで〜!!」
おやおや、フェイトちゃんは疑心暗鬼に陥っちゃってるなぁ。
……こうなったらヤマトのオリ主パゥワーを信じてみるか。(ゲス顔)
「ヤマト、耳かせ」
「助かる」
「…………」(少年説明中……)
「……え? それ余計にフェイトを怒らせないか?」
「お前が真のオリ主なら大丈夫の筈だ。さぁ、今こそ怒らせてしまった責任をとって来い。俺はこの
「わ、分かった。フェイト!」
「……何? 今は一人にして欲しいんきゃっ!?」
ヤマトは膝を抱えて倒れていたフェイトちゃんを、押し倒して仰向けにすると彼女の顔の横の床をバンと平手で叩く。
「や、ヤマト!?」
「本当にごめんな。はやての悪ノリに乗った俺が悪かったよ。この埋め合わせは絶対する。……だから許してくれないかな……?」(イケボ)
「……ゆ、許しましゅううぅぅ……////」
今回俺がヤマトに提案したのは、壁ドンならぬ床ドン。
相手が乙女なフェイトちゃんで、実行するのが成長して下手なアイドルよりイケメンになったヤマトだからもしかしたらの賭けであったが「ふざけてるの? 《ホーネットジャベリン》ファイア!!」なんて事にならなくて本当に良かったよ。アッハッハ!!
「え〜。いいな、いいな、フェイトちゃんいいなぁ!!」
「ヤマト私も! 私もやって!!」
「私もお願い!!」
「ご、ごめんヤマト……もう一回…………」
「それ私もして欲しいわ! ヤマトくーん、私もお願いや「流石に今回は自重した方がいいと思うよ。いや、マジで」……はい」
今回はやてには反省が必要なため、ガチトーンではやての床ドン祭りの参加は止めました。
さーて、ヤマト派の女性陣が満足したら出発だな。今のうちに準備を終わらせて──
「れお君。ヤマト君のやってるあれひなにやってみて欲しいな?」
「あ、ひな抜け駆け!! 私もやってー!!」
「…………」
その後ヤマトと共に女性陣が満足するまで、床を手のひらで叩き続けたオリ主と踏み台その2なのでした。
やり過ぎて手のひらが腫れました。
おまけ 〜もう子供に戻れるんじゃ……〜
「ところでレオ君」
「どったのなのはちゃん?」
「時計のレプリカを作ったなら私たち元の姿に戻れそうだけど戻らないの?」
「バッカなのは。今元に戻ったら服がブカブカで帰る時苦労するわよ? それとも初日の惨劇を繰り返したいの?」
「あ、あの事は思い出させないで欲しいの!!」
「それもあるんだけど、久遠の時辰儀で成長したのに、時辰儀意外で元に戻るってなんか落ち着かないんだよね。成長させたもので戻りたいと言うかなんと言うか」
「ごめん、理解できないの」