見た目が踏み台だからと言って、中身も踏み台だとは思うなよ?   作:蒼天 極

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俺のニコポナデポが効かない……?

 風呂から上がると、そのまま遺書を書くために受付に紙とペンを貰いに行こうとしたが、なのはちゃんがヤマトを庇ったことでついでに俺も許された。

 

「フェイトちゃん。あっちに牛乳売ってるよ!」

 

「ほんとだ。でもなんで牛乳?」

 

「それはね、温泉に入った後の牛乳は格別だからだよ」

 

 なのはちゃんは積極的にフェイトちゃんに話しかけたりしている。

 ヤマト曰くフェイトちゃんが寂しそうな目をしてるから、なのはちゃんは心配しているのだと言う。それはそうと友達になりたいとも言ってらしい。

 

「牛乳の他にもコーヒー牛乳にフルーツ牛乳。色々あるんだね。私はどれにしようかな……」

 

「なのはは牛乳がいいと思うの」

 

「そう? それじゃあ私も「お、フルーツ牛乳あるじゃん。やっぱり風呂の後はフルーツ牛乳に限るよな!」……私もフルーツ牛乳にしよう」

 

「フェイトちゃんが裏切ったの!」

 

 ガーンとショックを受けるなのはちゃん。

 フェイトちゃんの優先順位はヤマト>なのはちゃんだったみたいだ。可哀想に。

 その後フルーツ牛乳を飲んだフェイトちゃんは、フルーツ牛乳をかなり気に入り、風呂上がりに飲むのはフルーツ牛乳の派閥に入ってしまった。

 

 

 その後旅館の料理に舌鼓をうち、トランプ勝負に興じていた俺たちだが、やがて寝る時間となった。

 

「一緒に寝るのヤマト君!」

 

「一緒に寝ましょヤマト!」

 

「一緒に寝ようよヤマト君」

 

「一緒に寝てもいいヤマト?」

 

「流石に四人と隣は難しいだろう?」

 

「「「「…………」」」」

 

 はい、戦争開幕です。

 前回のように誰かが上に乗ると言う手段も、四人に増えた時点で誰かが一人余ってしまうのは確実だ。

 

「しょうがない。大当たり一枠、当たり二枠、外れ一枠を掛けて勝負しましょうか」

 

「当たりで妥協しても当たる確率は75%……でも今回は大当たりをとってみせる!」

 

「負けないの!」

 

「ねぇレオ」

 

「なんだいフェイトちゃん?」

 

「当たりってヤマトの両隣りだよね、なら大当たりってなんなの?」

 

「ヤマトの上に乗って寝る。隣で寝るより密着出来るから大当たりなんだよ」

 

「そんな素敵なことを考えた人は天才だね。絶対に負けないよ!」

 

「お褒めいただきどうも」

 

 フェイトちゃんも目を光らせてなのはちゃん達のところへ向かった。

 さて、今回はどうなるかな……?

 

 〜一時間後〜

 

「「「「あいこでしょ! ……あいこでしょ! ……あいこでしょ!!」」

 

「いつまでやってんねん」

 

 ほらマイペースなヤマトはもう寝ちまったぞ。それにひなちゃんも俺の腕を掴んですやすや眠っている。

 

「あいこでしょ! あいこでしょ! ……やった、私の一人勝ちだね!」

 

「大当たりはすずかね。悔しいけどしょうがない。さぁなのは、フェイト、決着をつけるわよ!」

 

「「うん!」」

 

 その後、アリサちゃんがヤマトの左隣、フェイトちゃんが右隣となった。

 

「にゃ〜負けちゃったの……」

 

「ドンマイなのはちゃん」

 

「うー、フェイトちゃん。ジュエルシード一個あげるから交換して?」

 

「え、ジュエルシード? うーん……」

 

 あ、悩んでる。全力で葛藤している。

 ジュエルシードを集めることを至上命題にしているフェイトちゃんが、ジュエルシードとヤマトの隣を巡り全力で葛藤している。

 

「ちょっとなのは? じゃんけんで決まったことなんだから諦めなさいよ」

 

「そうだよ。あんまり聞き分け悪いと、レオ君の隣で寝てもらうよ?」

 

「それは嫌なの!」

 

「おい泣くぞ俺?」

 

 俺は罰ゲーム枠かよふざけんな。

 だから頭に来たからってすずかちゃんをニコポナデポの刑に処した俺は悪くない。

 

「まぁいいや、俺も寝よ。おやすみ……あ?」

 

 この旅館の近くでなんともいえない違和感を感じた。

 この近くでジュエルシードが暴走しやがったな?

 

「寝ようとしてたのにタイミングが悪いよ〜」

 

「レオ、アンタ強いし一人で封印してきなさいよ」

 

「……別にいいけどさ」

 

 しょうがない、俺が行くか。

 

「ごめんねひなちゃん。ちょっと野暮用で外行くから、腕離して?」

 

「スピー……」

 

「ちょっと? 離してくれないと頭撫でちゃうよ?」

 

「スピー……」

 

「撫でていいんだね? 泣いて後悔することになるよ?」

 

「スピー……」

 

「ほーらー? 離してー?」ナデナデ

 

「レオ、アンタひなに対してなんて酷い事を……」

 

 くくく、ニコポナデポの餌食に合えば流石に離すだろう。

 

「ん〜、……えへへ〜」

 

「俺のニコポナデポが効いてない……だと?」

 

「な!? 効いてないどころか笑った……ですって?」

 

「ひなちゃん強すぎるの……」

 

「そっか、ひなちゃんはレオ君のこと大好きだから、頭ナデナデされても不快感を感じないんだ……」

 

「ひな、すごい……」

 

 そ、そういえば確か一年の頃のお泊まり会で頭撫でたときも起きることはなく、寧ろ安らかな眠りになった。

 つまりこの子には俺のニコポナデポは効かないもしくは、正しい意味で効いているんだ!

 まずい。ひなちゃんにニコポナデポが効かないと分かったのは収穫だけど、今この状況でそれは非常にまずい。

 

「……ん? なんだ、この感じ? ……すずか、なんで俺の上に乗ってるんだ?」

 

「寝るためだよ」

 

「俺ってすずかの布団じゃないだろう?」

 

 あ、ヤマトが起きた。

 しょうがない、ヤマトに行ってもらおう。

 

「というわけで任せた」

 

「……全員で行けばよくないか?」

 

「いやひなちゃん寝てるし、俺ひなちゃんに引っ付かれてるから」

 

「起こせばいいだろ?」

 

 えー、この子機嫌悪くなるんだけどなー。

 でもヤマトの一声でもみんな行くムードになってるし仕方ない、こうなったらみんなで行くか。

 

「ごめんねひなちゃん。おーきーてー」

 

「んー……」

 

 

 〜数分後〜

 

「むぅうううう!」

 

 無理やり叩き起こされて、外に連れ出されたひなちゃんは絶賛不機嫌であり、頬を膨らませてそっぽを向いてしまっている。

 

「ごめんねひなちゃん。でもジュエルシードは封印しないといけないから……」

 

「むぅうううううううう!!」

 

「ひなってばすっごいご機嫌斜めね」

 

 仕方ないんよ。この子寝てるときに起こされるとすっごい不機嫌になるから。

 明日お菓子買ってあげるからと言ってなんとか許してクレメンス。

 そう言いながら頭をなでで見たが不機嫌そうな表情こそ変わらないが、嫌がる様子はなくすんなり受け入れている。

 やっぱりこの子ニコポナデポ効いてないな。

 

「あ、ジュエルシード見つけた。今日は猿に取り付いてる」

 

「ひなの寝る邪魔するなんて絶対許さないんだからー!! 《シャイニングバスター・フルバースト》!!」

 

『うっきぃいいいいいいいいいい!!??』

 

 秒殺であった。

 一瞬で魔法陣を七個展開してそれぞれからピンクの光線を猿に集中砲火で浴びせたのだ。

 魔法陣展開から光線射出までわずか1秒。完全に不意を突かれた猿になす術はなかった。

 

「……ねえアルフ」

 

「……なんだいフェイト?」

 

「私、あの子には勝てる気がしないや」

 

「そうだねえ、ひなは性格的にも実力的にも戦いたくはないねえ……」

 

 フェイトちゃんとアルフは悟った目でひなちゃんを見ていた。

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