見た目が踏み台だからと言って、中身も踏み台だとは思うなよ? 作:蒼天 極
「るるるるるーるーるーるるー♪ るるるるるーるーるーるるー♪ るるるるるーるーるーるるーるるるー♪」
『ご機嫌ですねぇ』
「特許取ってうはうはって思うと楽しくてな」
バッテリー型デバイスの特許をとるために論文を書いてる俺。
もしこの論文をミッドチルダで発表したら、それだけで遊んで暮らしていけるのに楽しくならないわけがない。
発表したことでバッテリー型デバイスを悪用するやつもいるかもしれんし人生壊れるやつがいるかもしれんがそれは知らん!! (ゲス顔)
(レオ、今起きてる!?)
(なーにフェイトちゃん?)
(ジュエルシードが発動して、ヤマトとなのは、ひなの四人で向かったんだけど……)
(え、ごめん発動してるの気が付かなかった)
(急いできて! 金髪の子が邪魔しに来て大変なの!!)
またあの金髪か!!
あの野郎がヤマトにボコボコにされてから戦線に復帰するまでに集めきる予定だったけど時間をかけすぎたか……!
(待ってろすぐ行く! 状況が悪化するから絶対に金髪をジュエルシードに近づけさせないようにな!?)
(ごめん! もう手遅れだ!!)
…………は?
フェイトサイド
ジュエルシードが発動したことを感じ、ヤマト達と合流来てから発動した場所に急いだ私達。
ジュエルシードが完全に暴走して暴れ回る前に、現場に到着してジュエルシードを封印しようとしたが、何処からか飛んできた剣が私の砲撃をかき消してしまった。
「よお、俺の嫁達! 俺が来たからにはもう大丈夫だ! ジュエルシードは俺が封印してやるからな!」ニコッ
整った笑顔だけど何となく腹が立ってしまうその顔は忘れもしない、あの金髪の男の子だった。
金髪の男の子は私がジュエルシードを見つけて封印しようとすると、決まって現れて邪魔をしてきた。その度に暴走したジュエルシードを取り逃してしまい、母さんに怒られてしまっていたのだ。
しかもタチの悪いことにその男の子は私よりも強く、実力行使で追い払う事すらできない。
私の中であの男の子は完全に嫌悪の対象となっていた。
「早く封印をしなきゃ不味いってのに、邪魔をするな龍帝院!」
「何でお前がここにいるんだモブゥ!!」
「ちょ、おい何で俺を攻撃するんだ!?」
「うるせぇ! いつもいつも邪魔ばかりするお前から先に潰してやるよぉ!!」
男の子がヤマトを見つけた瞬間、彼は顔を真っ赤にしてヤマトに襲いかかった。
ジュエルシードを無視して。
「……ねぇねぇ、今のうちに封印しちゃおっか」
「そうだねひなちゃん。フェイトちゃんお願い」
「う、うん。行くよバルディッシュ。《サンダースマッシャー》!!」
よし。ジュエルシードが完全に暴走する前に、なんとか封印することができた……!
「やったねフェイトちゃん。これで14個目だよ!」
「うん。でもなのは達はいいの? 約束じゃ取り分は半分このはずなのに私ばっかりもらってるよ?」
「うん、大丈夫だよフェイトちゃん。私たちはまだ9個も持ってるし、戦う時は同じ数を賭けて戦おうよ」
「うんうん! あ、でもフェイちゃんが誰を決闘相手に選んでも私達は負けないからね!」
無邪気に笑うなのはとひな。
私はそんな二人を見て頰の筋肉が緩んだのを感じた。
私はジュエルシードを手に入れるために降り立ったこの街で、たくさんの友達が出来た。
少し頑固者だけど、私を心配してくれる優しいなのは。
無邪気で活発なみんなに元気をくれるひな。
強気でしっかり者の、でもちょっぴりいじめっ子なアリサ。
飼い猫を傷つけた私を許してくれた心の広いすずか。
金髪の子と同じオッドアイでちょっと怖いけど、意外と頼りになるレオ。
そしてカッコよくて金髪の子から私を守ってくれたヤマト。
みんな大切な私の友達だ。
本当はなのはやひな。アリサやすずかにヤマトとレオとはジュエルシードを集めて終わっても戦いたくはない。……特にレオとすずかとは絶対に嫌だ。
でも私はジュエルシードを持って母さんの元へ帰らないと行けないから。だから戦う、友達と敵対することになってでも……!
それに私の決意を汲んで、それでも友達と言ってくれるみんなを相手に手加減なんてしたらそれこそ失礼だ。
だから私はジュエルシードを全部見つけたら、この子達の持つジュエルシードを全て奪い取るんだ。
改めてそう決心をした私は、封印したジュエルシードを回収しようとする。
「悪いなフェイト! ちょっとこれ借りるぜ!」
「あ、返して!!」
だがジュエルシードがバルディッシュに飲み込まれる直前に、金髪の男の子がジュエルシードをひったくってきた。
私は思わず奪い取ろうとするけど、あっという間に私の側から離れたあの男の子を取り逃してしまう。
「おい、ジュエルシードを返せ!」
「俺に命令するなモブゥ! ジュエルシードの力でお前を八つ裂きにしてやる!」
そういうと男の子は封印を解くと空にジュエルシードを掲げた。
「俺に力を寄越せ、ジュエルシード!!」
ジュエルシードの膨大な魔力に飲み込まれてしまった男の子。
見ると白目を剥いて「ぐぁあああああああ!?」と絶叫を上げている。男の子はジュエルシードの膨大な魔力に耐えられてないんだ。このままじゃ、男の子の身体を依代にしたジュエルシードが暴れ出しちゃう!
「これは不味いな……。なのは、ひな。俺が近距離で戦うから、二人は援護を頼む」
「分かったの!」
「うん!」
「ヤマト、私はどうしたら!?」
「フェイトはレオを念話で呼び出してくれ。今は一人でも人手が欲しい」
「分かった! レオ、今起きてる!?」
(なーにフェイトちゃん?)
今ここにはいなかったレオに念話で呼びかける。
寝てしまっていたらどうしようと思ったが、まだ起きていたようで気の抜けた返事をするレオ。
(ジュエルシードが発動して、ヤマトとなのは、ひなの四人で向かったんだけど……)
(え、ごめん発動してるの気が付かなかった)
(急いできて! 金髪の子が邪魔しに来て大変なの!!)
(待ってろすぐ行く! 状況が悪化するから絶対に金髪をジュエルシードに近づけさせないようにな!?)
(ごめん! もう手遅れだ!!)
(マジかよ! 本当に急ぐからその間、何とか持ち堪えてくれ!!)
レオとの念話が途切れた。彼も急いでこっちに向かってきているようだ。
私が念話を止めたタイミングで金髪の男の子の体が巨大化、筋肉も肥大化していく。
そして筋肉達磨と化した男の子を中心に膨大な魔力が走り始めた。
『う"ぉおおおおおおオ!』
「完全に暴走して理性失ってる……。みんな、いくぞ!」
「うん!」
「全力全開で行くの!」
「私も本気で行くよ!」
バルディッシュを構えると、男の子……リュウヤはまっすぐヤマトの方へ咆哮を上げながら殴りかかったのだった。