見た目が踏み台だからと言って、中身も踏み台だとは思うなよ? 作:蒼天 極
「あ、アリサちゃんにすずかちゃん」
「……レオ」
「レオ君……」
ヤマトたちの救援に向かってる途中で、バリアジャケット姿のアリサとすずかと遭遇する。
おおう、よりにもよってこう言うタイミングなのな。
「積もる話は後にしてまずはヤマト達の救援に専念しよう」
「……分かったわよ」
「うん、お話はそれから……ね」
俺たち三人は大急ぎで現場に直行していたが、現在のヤマトたちの状況を説明するくらいしか会話はなかった。
(アスカ〜、めっちゃ気まずいんだけど)
『友達と喧嘩すればそうなるでしょうよ。これぞアオハルってやつです。おら、この状況を楽しみなさいよ?』
(お前後でバラすわ)
俺のデバイスは性格が悪過ぎる。
レイジングハートやバルディッシュみたいな主に忠実で悪口の言わないAIだったらよかったのに。
「……初めて会った頃はさ。わたしは今よりずっと気が弱くて、思ったことは全然言えなくて、誰に何を言われても反論できなくって……」
「私は我ながら最低な子だったっけね……。自信家で我儘で、だからクラスメイトを揶揄って馬鹿にしてた……」
おいなんか語り出したぞこの二人。え、なに? 今そんなこと言う状況じゃないだろ!?
二人が俺の方を見る。あ、これ俺も言うパターンなの?
えぇっと、えっとー……
「うーん、強いて言うなら当時は銀髪オッドアイが……というか金髪と一緒にされるのがコンプレックスで、それについて追求したやつとは喧嘩してたっけ? まぁそれは今もだけど」
「そうだったわね……。私がすずかのカチューシャを取って揶揄ってたとき、なのはに頰を叩かれて……」
「あのときなのはちゃん、何て言ったんだっけ?」
「痛い? でも取られた方はもっと痛いんだよ」
「ちょっと待て、なのはちゃん。本当に当時6歳か?」
いくら何でも成熟しすぎでは無いだろうか。
そうそう、当時のこと思い出したわ。その後なのはちゃんとアリサちゃんが取っ組み合いの大喧嘩になって、それを仲裁しようとした俺も、金髪と同類扱いされたからそれに加わって……。近くで見てたひなちゃんは泣いて。うん、なかなかにカオスな状況だったな。
そして大人しくてオドオドしていたすずかちゃんが大きな声でやめて! って言ったのと同時にヤマトにぶっ飛ばされて気絶したんだった。
「……そういえばあの時の仕返しまだして無いじゃん。あのオリ主どうしてやろうか……」
「やめなさいよ。もう時効でしょうが」
「そうだよ」
「それで、何で今その話をしたのさ?」
「悔しいのよ! あれからヤマトの件でみんなと話すようになって、すぐに友達になって……」
「それから6人でたくさん遊んで一緒にいて……」
「あー、なのに自分たちだけ魔法の才能がなくってみんなに置いていかれてる。自分らの才能のなさを嘆いてるんだ?」
「最後まで言わせてよ」
二人の独白は自分たちだけ取り残された焦り、悲しみそんな物を感じた。
……二人の悩みは既に解決してるとこの場で言った方がいいのだろうか?
いや今説明しても到着が遅れるだけだし、何よりこのまま放置してたら面白そうだからほっとこ。
(フレイムアイズとスノーホワイトには言っておくが、アリサちゃんとすずかちゃんに魔力が生まれた。おそらく二人は無意識下で自前の魔力も使うと思うが、俺の魔力と二人の魔力を同時に流してお前らは無事でいられるわけがない)
『ま、そうなったらマイスターが治してくれよ!』
『壊れるのを避けられないのでしたら、せめてこの戦闘が終了するまでは耐えて見せますわ』
(AIの癖に大した奴らだよまったく)
一応コイツらはAI含めて俺が設計したが、ここまで頼れるデバイスを作るだなんてさすが俺(自画自賛)。
頭の中でドヤ顔をしていると現場に到着した。
ブロリーと化した金髪が、ヤマトを大剣で圧倒するだけでなく、なのはちゃん、ひなちゃん、フェイトちゃんにも無限の剣製で剣を射出している光景だった。
「すずか、なのは達を守りなさい! 私はあのバカを叩っ斬るわ! いけるわねフレイムアイズ!?」
『おうよアリサ! 存分にぶちかましてやれ!』
「《フレアブレード》!!」
「ぐぁああ!」
ヤマトに集中していたブロリーには、アリサの攻撃を防ぐ術はなく、炎の魔力刃で斬り飛ばされて行った。
一応非殺傷設定にしてただけ優しさを感じる。
「な、アリサ! それにすずかも……どうして来た!」
「心配だからに決まってるでしょうが!」
俺も今日は火属性で行きたい気分だな。
「デバイスチェンジ、纏うは炎! Fガントレット、セットアップ」
Fガントレット。それは俺の拳の三倍くらいの大きさの籠手型デバイスであり、炎の魔力を燃料としたジェット噴射により速度を補強して速度は破壊力だ理論でぶん殴ったり、指に魔力刃を纏って爪として攻撃をするゴリッゴリの近接戦闘特化デバイスだ。
指の先端についた小さな射出口から発射される小型スフィアや、掌から収束砲を発射することで遠距離にいる奴にも対応できる徹底ぶりだ。
まぁ、デバイス紹介はさておき……
「もっかいぶっ飛べや踏み台その1がぁあああ!!」
「ぎゃぁあああ!!」
アリサに体勢を崩され隙だらけになってたブロリーの土手っ腹を紹介したやり方で思いっきりぶん殴ってやった。
ついでにしっかりとバインドで拘束して動けない様にしてやる。
「すまん遅れたわ! 後、アリサちゃんとすずかちゃんと合流したからそのまま一緒に来た!」
「れ、レオ君! アリサちゃんとすずかちゃんは……」
「大丈夫だよなのはちゃん! 私たちだって戦える!」
「それにあんた達だけを危険な目に合わせるわけにはいかないわ!」
「と言うわけで言っても聞かないだろうし諦めた」
それにぶっちゃけ魔力SSSにジュエルシードの魔力が重なった上に、暴走状態で火力によるゴリ押しをしてくる金髪相手には戦力は多い方がいい。
今は隙だらけだしさっさと倒してしまおう。
「《シャイニングバスター》!」
「《ディバインバスター》!」
「《サンダースマッシャー》!」
「《タイラントフレア》!」
「《フローズンバースト》!」
「《ルインズスマッシャー》!」
上から順にひなちゃん、なのはちゃん、フェイトちゃん、アリサちゃん、すずかちゃん、ヤマトの必殺技。
いや同時攻撃ってみんな殺意マシマシだな。まぁ、これだけ金髪に不満があったと言うことか。
……俺もやろ。
「《サラマンドブラスター》!」
俺もFガントレットの掌から赤い熱線を放つ。
それを見たブロリーは逃げようともがくが、魔力SSSの俺が魔力に物を言わせて作ったバインドを解くことに手こずり、その間に俺たち7人の砲撃の餌食となったのだった。
「リュウヤ君、やっつけたよね?」
「ど、どうだろうね。リュウヤ君しぶといし油断はできないよ」
「いや、問題ないぞ。ほら見ろ」
ヤマトが促した先には、白眼で倒れる金髪の姿。
どうやらジュエルシードと分離できた様だ。
それじゃあジュエルシードはどこに……
そう思った次の瞬間、リュウヤの手元に落ちていたジュエルシードはドクンと鼓動を一つしたと思うと、膨大な魔力を撒き散らし始めたのだった。