見た目が踏み台だからと言って、中身も踏み台だとは思うなよ? 作:蒼天 極
「あ、君達、バリアジャケットは解除してくれ」
クロノ君に促された俺たちはバリアジャケットを解除して、デバイスを待機状態にする。
正直一瞬でもクロノ君と敵対しているため、ここでバリアジャケットを解除するのは危険ではあるが、寝ぼけて金髪と間違えて襲いかかったという事にしてるため、わざとでないと信じさせるために指示に従う。
「君もだ。そっちが本来の姿じゃないんだろう?」
「あ、そっか。いつもこの姿でいるから忘れてた」
「おいユーノお前それでいいのか?」
ヤマトのツッコミを聞き流したユーノ君は、光と共に人間の男の子の姿となった。
そしてポカーンとする女子組。
「なのはにはこの姿を見せるのは久しぶりだね」
「い、いや初めてなの! ユーノ君って普通の男の子!?」
「あれそだっけ?」
「ユーノ君はリニスと同じで人に変身できるんだねー!」
「ち、違うよひな! 僕は人間の姿が本当の姿でフェレットの姿は、魔力を回復させるための姿なんだよ!」
「ユーノが男の子ね……てことはユーノにスリスリしてた私って……」
「やめようアリサちゃん、ユーノ君は人間に変身できるフェレット。それでいいんだよ……」
「ど、どうしたんだアリサ、すずか。俺に抱きついて?」
アリサちゃんとすずかちゃんは無言でヤマトに抱きつくと、ユーノ君にスリスリしてた分を浄化するように顔を埋め出した。ザマァ。
因みに俺はとっくに知っていた。だって管理世界に喋るフェレットっていないんだもん。
「つもる話があるんだろうが、こちらを優先させて貰ってもいいだろうか?」
その後、アースラの艦長室に案内された俺たち。
扉が開くと桜に鹿威しに盆栽に茶釜に傘? にわか知識の外国人がやるような、和風な装飾の部屋であった。
そして傘の下で正座している緑の髪の女性がこちらを向きニコリと微笑んだ。
「初めまして。私はリンディ・ハラオウン。時空管理局の巡航船アースラの艦長をしているわ。どうぞ、楽に座って頂戴?」
リンディさんにヤマトが歩み寄る。何故か彼は青筋を立てていた。どうしたんだ?
「本題に入る前に一ついいでしょうかリンディさん?」
「あら、どうしたのかしら?」
「今すぐ日本人全員に土下座で謝罪してくだ「落ち着けヤマト。どうどう!」」
どうやらヤマトにとってリンディさんの部屋は地雷だったらしい。
どこに地雷原があるか分からんやつだ。
その後ユーノ君がジュエルシードが海鳴市に落ちた経緯そして俺たちの出会いについてをリンディさんに話した。
「……そう、ジュエルシードはあなたが発掘したものだったんですね?」
「はい。それで僕が回収しようと……」
「立派だわ」
「だが無謀でもある」
クロノが冷たく切り捨てた。
それに対して友達思いのアリサちゃんが立ち上がる。
「ちょっと、それはどういうことよ! ユーノは責任を感じたから危険を犯して一人で戦ってたっていうのに!」
「あ、アリサ……」
アリサちゃんの剣幕に押されるクロノ。
俺は手でアリサを制した。
「あー、すみませんね。彼女うちのなかでも過激な方でして……」
「そ、そうか。こちらも謝罪する。さっきの言葉は軽率だった」
「そして俺も過激な方でして……謝罪するなら土下座しろやゴラァ!!」
「き、君もか!?」
その後ヤマトに止められたため潔く座り直す。命拾いしたなァクロノ君……。
座りながらアリサちゃんと一緒にガルルルルとクロノ君に威嚇をしていると、リンディさんはこほんとわざとらしく咳払いをする。
「そしてもう一つ。あなたたちはあの金髪の女の子と行動を共にしていましたよね? 彼女はどうして逃げたのでしょうか?」
「それは俺から説明します」
ヤマトがフェイトちゃんとの出会いと手を組むまでの過程について話し出した。
それを聞いたクロノ君の顔と言ったらもう面白い事。
「な、何を考えてるんだ君達は!? ジュエルシードを円滑に集めるためにロストロギアの違法収集者と手を組むなんて……下手したら君達もフェイトという子の所属する組織の関係者として扱われるぞ!?」
「え、なんで関係者になるんですか?」
俺がクロノ君に返す。
先ほどまでの威嚇的な態度とは打って変わって、あくまでも理性的に話し出す。
「俺たちはフェイトちゃんと敵対しロストロギアの奪い合いの果てに、ロストロギアを刺激しての重大な事故に繋がる事を懸念しました。だからこそジュエルシードを協力して集めていた。フェイトちゃんと敵対してジュエルシードの捜索が危険且つ困難になるか、一旦協力してジュエルシードの捜索を安全に且つ迅速に済ませるか、リスク回避のためにこの上ない選択をしたと思いますけどねぇ?」
「へ、屁理屈だ!!」
確かに屁理屈である。どんな理由があろうとも次元犯罪者と手を組むだなんて正気の沙汰とは思えないし、その理論なら金髪とも手を組んでおかなければおかしい。
……まぁ金髪に対しては話が通じなかったという事にしておこう。
「それにミッドチルダにちょくちょく買い出しに来てて、ロストロギアを所持する事に対して届出を出して特例を貰った俺はともかく、この子達は完全にこの世界の住民。その証拠にこちらの世界……地球の日本という国の海鳴市という街の戸籍にも名前が載っている。確か管理局法に管理外世界の住民への逮捕権は持たないって条文があったはずですが……? 管理外世界で誘拐として騒がれるのを防ぐためでしたよね?」
「ぐっ……」
「な、なんかレオ君が頭良さそうに見えるの……」
「レオ君デバイスとかを作れるし本当はすっごい頭いいと思うよ……」
「まぁアイツの成績普通だけど、明らかにテストで何問かわざと間違えてるしね……」
「ひながお勉強分からないところがあるときに聞いたら、なんでも教えてくれるもん。とっても頭いいよー」
なのはちゃん俺のことをバカだと思ってたのかな? 喧嘩売ってるのかな? 撫でるよ、頭を?
クロノを論破するとリンディさんがニコリと微笑みながらこちらを見る。
「ですがあなたはそうではないでしょう? 管理局にジュエルシードを集めると言っておきながら、違法所持者と手を組んだ。それは特例を越権する行為でありあなたもジュエルシードの違法所持者になりうる」
「……俺が届出を出した理由は、あくまで住んでいる世界の防衛の為というのが主目的であり、防衛の結果手に入れたジュエルシードは誰にも渡さず速やかに管理局員に渡すというのが特例の条件でした。間違い無いですね?」
「えぇ、ここに来る前にあなたが管理局に提出した書類には目を通してますよ。宮坂麗央君?」
「ですが俺は
「っ! そう来ましたか、法律を回避するのが上手いですね」
ヤマト達は俺の言った意味を理解できないのか困惑した表情を浮かべる。
俺は届出を出したがそれはあくまでも街を守る過程で手に入れたロストロギアを所持している場合、違法所持者として逮捕されないためのものであった。
だが俺は今までジュエルシードを封印することはあっても、なのはちゃんやフェイトちゃんに回収をしてもらっていた。
つまり『街は防衛していたが、
「……ですがあなたさっきウチのクロノに手を挙げましたよね? 流石にこれは公務執行妨害の逮捕案件ですよ?」ニコニコ
「えぇ、寝ぼけていたとはいえそれは事実ですし素直に逮捕されますよ。ただあくまで寝ぼけていたのでわざとでは無かった事と、俺が未成年である事を考慮したら、罰金と厳重注意で終わると思いますよ?」ニコニコ
「は、腹の探り合いをしてやがる……」
その後もリンディさんの追求を華麗に回避し続ける俺であったとさ。
予想以上に38話の批判が多いため、もしかしたら38話に大幅な加筆修正を行うかもしれません。