見た目が踏み台だからと言って、中身も踏み台だとは思うなよ?   作:蒼天 極

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なのはちゃんとフェイトちゃんの決闘

 それから数日後、管理局が用意した決闘の場に約束の時間とちょうどにフェイトちゃんはやって来た。

 

「フェイトちゃん。時間ギリギリは相手に失礼なんだよ。5分前行動が基本!」

 

「え、そうなの? ごめんねなのは」

 

「別に気にしてないよ。だからちょっと黙っててレオ君?」

 

「ア、ハイ」

 

 なのはちゃんに睨まれたので俺は撤収する。

 すると俺と入れ替わりでひなちゃんがフェイトちゃんに抱きついた。

 どうやら鞭で打たれた傷を回復させてあげているらしい。

 

「これで思いっきり戦っても痛くないよ?」

 

「ありがとう。ひな」

 

「えへへ、二人とも頑張れ〜!」

 

 ええ子や。ホロリ

 

「さ、私たちは避難してましょ」

 

「そうだな。ほら行くぞレオ」

 

「分かったから首根っこ掴むな。俺は猫じゃねえんだぞ?」

 

 どいつもこいつも最近俺に対する扱いがあまりに悪いのでは無いだろうか。いい加減どちらが上なのかをハッキリさせるために魔法を用いた喧嘩でも仕掛けるべきなのかもしれない。

 初見殺しなアレやコレでトラウマを植え付けてやろう。……近いうちに!

 俺たちがアースラに避難した後なのはちゃんとフェイトちゃんが話し始める。

 

『なのは。ジュエルシードは私が持って帰る。でもなのはとは喧嘩をしたく無い』

 

『ジュエルシードは渡せないよ。アルフさんにフェイトちゃんのお母さんのことを聞いて、渡すわけにはいかなくてなった』

 

『それじゃあ力ずくで奪うことになる』

 

『いいよ。勝っても負けても恨みっこなしでやろう』

 

『『行くよ!!』』

 

 そしてなのはちゃんとフェイトちゃんが激突した。

 

「リニス。なのちゃんとフェイちゃん、どっちが勝つかなぁ?」

 

「フェイトは強いです。誰にも負けないように魔法を教えましたし、再会してからあの時よりもさらに強くなっていました。ですがなのはさんなら勝てる。そんな気がします」

 

「それになのはちゃんのレイジングハートは強化されてるからな。なのはちゃんを勝たせるためにレイジングハートの強化にだけ承諾したわけだし。ただ修理しただけのバルディッシュに負けたら承知しないっての」

 

 修理したときバルディッシュにも強化を頼まれていたのだが、敵に塩を贈るつもりは無かったのであえて断ってやったのだ。そのときバルディッシュは『解せぬ』って言ってたっけ。

 安心しろ。この戦いが終わってフェイトちゃんが俺たちと和解したら、バルディッシュにも強化改造を施してやるからよぉ」(ゲス顔)

 

「お前地の文に見せかけてさりげなくぶっちゃけやがったな! それを差別って言うんだぞ、本当に人間か貴様!?」

 

「は、はぁああああ!? 当たり前だろうが、手を組んでるとは言えフェイトちゃんは敵なんだし! 両方強化したらしたで、なのはちゃんが負けたら俺が戦犯扱いじゃねえか! 正しい判断をした俺に対して怒りをぶつけんじゃねぇ! てかそもそも修理したのは俺なんだからそれくらいの自由は許せや!」

 

「こ、こいつ逆ギレしやがった!」

 

 と言うか最終決戦の直前にデバイスを整備するって言ってこっそりバルディッシュを壊さなかっただけ俺はまだマシだろう! なんなら昨日の夜まではバルディッシュに自爆システムつけようか悩んでたけど、流石にフェイトちゃんが可哀想だからってやめてやったんだぞ!

 

「「「「「「「「「………………」」」」」」」」」

 

「ほら女子組だけじゃ無くてアルフにユーノにリニス。挙げ句の果てにはエイミィとクロノとリンディさんすらもドン引きしてるぞ」

 

「なんとでも言えい! 文句があるならデバイスを整備できるようになるんだなァ!」

 

「れ、れお君さいてー……」

 

「ぐはぁ!!」

 

 ひなちゃんの言葉が俺の心臓に突き刺さった。

 か、可愛い妹から最低と呼ばれた。もう生きていけない、死のう。

 

「レオったら私が殴ったときよりもダメージ受けてない? 吐血してるわよ」

 

「うん、ダイイングメッセージかは知らないけど血をインクにしてひなちゃんの名前まで書いちゃって……」

 

「ま、まぁ確かにレオの言ってることは正しくはあるんだろうけど……人としてどうなんだ?」

 

 パッと見頭の硬そうなクロノ君にすらこの言われようかよ。

 

 そんなバカみたいな茶番をやっていたが、なのはちゃんとフェイトちゃんはそろそろ勝負を決めるつもりのようだ。

 フェイトちゃんがなのはちゃんの手足をバインドすると、大量のフォトンスフィアを呼び出す。

 ヤマトの肩を借りながら様子を見て見たが、かなり高位の魔法だ。

 

「あ、あれはフォトンランサー・ファランクスシフト!? 生成されるフォトンスフィア38基から、毎秒7発の斉射を4秒継続することで、合計1064発のフォトンランサーを目標に叩きつけるフェイトの必殺技!! フェイトあんたなのはを殺す気かい!?」

 

「ご丁寧な解説どーもアルフ」

 

『アルカス・クルタス・エイギアス。疾風なりし天神、今導きのもと撃ちかかれ。バルエル・ザルエル・ブラウゼル。《フォトンランサー・ファランクスシフト》。撃ち砕け、ファイアー』

 

 フェイトちゃんの詠唱が終了し、バルディッシュを突き出した瞬間。大量のフォトンランサーがなのはちゃんを襲いかかった。

 そして四秒経ったかと思うと、フォトンスフィアを集結させて一本の巨大な槍にしてそれを投げつける

 

『スパーク……エンド!』

 

 明らかなるオーバーキル。くらったらまず助からないだろう。……あれがひなちゃんやアリサちゃんだったら。

 

『今度はこっちの番だよ、フェイトちゃん!』

 

 なのはちゃんはすずかちゃんほどの高い防御力は持たないにしても、それでも防御力の高い魔法少女だ。ほんの少しバリアジャケットが焦げたり破けたりする程度ですんでいた。

 

『《ディバインバスター》ー!!』

 

 なのはちゃんがお得意の砲撃魔法を撃つが、それをプロテクションで耐えきったフェイトちゃん。

 でもなのはちゃんの猛攻はその程度では済まなかった。

 

『受けてみて! これが私の全力全開!!』

 

 いつの間にか空高くを陣取ったなのはちゃんはレイジングハートの先端に空に漂う使われなかった魔力が集まる。収束砲撃だ。

 

「……あ!!」

 

「っとどうしたレオ?」

 

「……あ、はは。ごめんなんでも無い」

 

 思い出した。これあれやん、別名桜色の核兵器。

 

『《スターライトブレイカー》っ!!!!』

 

 直後アースラに映されていた映像は桜色に染まる。撮影用のスフィアすらも巻き込んだようだ。

 

「な、なんつーバカ魔力!?」

 

「フェイトちゃん死んで無いよね!?」

 

「す、すごいや。なのちゃん」

 

「これは……すごいな。もしかしたら俺の砲撃よりも……」

 

「あれ死んだだろ絶対。フェイトちゃんの遺言。聞いてやれば良かった」

 

「ちょ、やめなさいよ縁起でも無いわね!」

 

「フェイトちゃんは生きてるよ! ……た、多分」

 

 自信ないんかい。

 桜色に染まっていた画面が元に戻ると、気を失ったフェイトちゃんが海に落下しているところだった。

 

「やばいな。ちょっとフェイトを助けてくる」

 

「私も行くわ! ひな、行くわよ!」

 

「うん、二人を癒さなきゃ!」

 

「……一応念のため俺も。すずかちゃんはどうする?」

 

「もちろん行くよ」

 

 何はともあれジュエルシード21個を賭けた決戦はなのはちゃんの勝ちで終わったようだ。

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