見た目が踏み台だからと言って、中身も踏み台だとは思うなよ?   作:蒼天 極

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雷は攻略済み……ハードモードになっとるがなこれ!?

 決着がついたと言うことで、すぐさま焼け野原と化した戦場へと戻り流れるようにフェイトちゃんを救出し、なのはちゃん共々ひなちゃんハグで回復させた。

 

「……あ、あれ?」

 

「あ、フェイトちゃん。ごめんね、大丈夫?」

 

「……そっか、私は負けたんだね」

 

「……うん、私の勝ちだよ」

 

 フェイトちゃんは俯いたまま何も話さない。

 ……よし。

 

(ねーねーアリサちゃん?)

 

(どうしたのレオ? 念話なんかしちゃって)

 

(お前なんか面白いことやれよ)

 

「はぁあ!?」

 

 念話を切って大声で反応する。

 アリサちゃんは何言ってんだコイツと言うような目でこちらを見てくる。

 まぁアリサちゃんは一発芸とか苦手そうだし、なぜよりにもよって自分がと思っているのだろう。

 

「いや、なんで私がやらないといけないのよ!?」

 

「だって俺が場の空気を宥めようと思ってボケたら、空気読めってぶっ飛ばされるのは目に見えてるから。アンタこの間俺にやったこと忘れたかい? あ、ヤマトなら巻き込んでもいいヨ?」

 

「ぐ……」

 

「は、俺も!?」

 

 過去にされたことを引き合いに出して脅してやる。

 普通に今ボケるタイミングでも無いでしょうがと言われれば何も言えないので解決するんだが、痛い懐をつかれているためこの断り方は頭にないようだ。しめしめ。

 

「さて、無難に裸踊りでもしてもらおうか」(ゲス顔)

 

「う、うぅ……」

 

「コラ、レオ君? 流石にそれはシャレになってないよ」

 

「すずか……」

 

「それにそもそもここはボケるタイミングじゃ無いよね? 大人しくフェイトちゃんを見守ろうよ」

 

「ぐふぅ!!」

 

 まさかのまさかで思わぬ伏兵!!

 まさかあまり存在感がなくて殆ど空気のすずかちゃんがこんな的確な注意をしてくるとは思わないじゃないか。

 思わぬカウンターにショックで吐血してしまった。ブクブク

 

「あ! れお君が海に落ちちゃった!」

 

「流石だなすずか。言葉でレオを倒すだなんて」

 

「そ、そうかな? ……ヤマト君に褒められちゃったエヘヘヘヘ」

 

 ヤマトに頭を撫でられて嬉しそうに微笑むすずかちゃん。

 水の中からだが聞いていたからなヤマト? 近いうちに踏み台その2の叛逆劇を見せてやるからな。

 一方でアリサちゃんはなんとも言えない表情で俺の沈んだ水面を見ていた。

 

「なんで物理攻撃よりも、口撃の方が受けるダメージ多いのよ?」

 

「れお君身体はすっごい丈夫だから叩いても平気っぽいけど、悪口とか指摘とかには弱いって言ってたよー」

 

「ひなに弱点を教えてるのは迂闊なだけか、信頼の表れなのか……」

 

 信頼の表れっすね。まさかここまであっさりバラされるとは思ってなかったけど。

 

「ぷ、クク……」

 

「フェイトちゃん?」

 

 急にフェイトちゃんがクスクス笑い出した。

 海に落ちたときに水面で頭でも打って幻覚を見ているのだろうか?

 

「負けて悲しくて悔しいはずなのに、みんなを見てるとどうでも良くなっちゃった」

 

「にゃはは。そっか」

 

「約束だもん、私がみんなから譲ってもらったジュエルシード9個、返すね。バルディッシュ」

 

『Pull out』

 

 バルディッシュから9つのジュエルシードが吐き出される。

 その直後またもや雷が鳴った。

 ……あーハイハイこのパターンね。

 

「か、母さん!?」

 

「な、なのちゃん急いでジュエルシードを回収して!」

 

「分かってるの! レイジングハート!」

 

 感電したくないので速やかに海から出て、炎熱変換で身体を乾かす。多少磯臭くなったが帰って風呂入ればいいか。

 

「《アルティメットプロテクション》」

 

 うーん前回のやつよりも威力高そうだし、これで耐え切れるかなぁ?

 そう思った直後前回の数倍の規模の雷がシールドを襲う。

 

「あ、ジュエルシードが!」

 

「なのちゃん一緒に集めよう! フェイちゃんも手伝って!」

 

「う、うん!!」

 

 シールドと雷から発生した衝撃で、レイジングハートに回収されようとしていたジュエルシード9つは散らばってしまった。

 防御してからそんなに時間が経ってないのにヒビが入るシールド。見れば分かるダメなパターンや。

 

「ヤマト任せたー」

 

「すまん、魔力溜めてるけど間に合わなそうだ」

 

「マジか!?」

 

 直後、あっさり敗れる俺のシールド。

 うわぁ魔力SSSなのに自信無くしそ。ってそんなこと言ってる場合じゃねぇ!

 こうなったら本気を出すかと、待機状態のアスカロンに手をかけた瞬間……アリサちゃんとすずかちゃんが前へと躍り出た。

 

「そこの金持ちコンビ!! 死にたいのか!?」

 

「大丈夫よ。見てなさいっての! この程度の攻撃あっさり弾いてやるんだから!!」

 

「私はみんなの盾だもん! みんなは私たちが守るからー!」

 

 おいフラグ立てたぞコイツら!!

 大急ぎでアスカロンを展開するが間に合わない……!

 二人に強大な紫の雷が落ちる瞬間。

 

「《タイラントレイヴ》っ!! おりゃああああああ!!」

 

「嘘だろ!?」

 

 異常なまでの大火力の一閃が雷を弾く。

 それにより強大だった雷は分裂し、威力のそこそこな複数の小さな雷へと変わる。

 

「すずかー、任せたわ!」

 

「任せてよ。《インフィニティゼロ》!!」

 

「……」

 

『久しぶりに起動されたのに私の出番は無しですかそうですか』

 

 そしてあたりに散らばった雷をすずかちゃんの氷の盾が防ぐ。

 ……これもしかしたらアルティメットプロテクションと同等以上の防御力じゃないか?

 直後再び凄まじい魔力を感じた。

 

「おいヤマト第二波来るけどまだか!?」

 

「溜まったぞ!」

 

 再び強大な雷が落とされる。アリサちゃんにすずかちゃんも今のは強力な技ゆえに二発は撃てないだろう。俺もアスカロン展開したから守れはするが……せっかく言霊を使う魔力が溜まってるのだから、手柄は譲ってやろうじゃないか。

 

「【俺らを襲う雷の魔法よ、180度跳ね返れ】!!」

 

 無難に打ち消すのかと思ったが、予想の斜め上を言った。

 襲ってきた魔法を跳ね返しやがったぞコイツ。いつの間にやら言霊の使い方が上手になっちゃって。

 

「大変だよ、れお君! あのねジュエルシードを回収しようとしたら、いきなりシュッてきえちゃったの!」

 

「……やられたな」

 

「だな、今からカチコミかけるか」

 

 どさくさに紛れて9つのジュエルシードは奪われてしまったようだ。

 

「……母さん。なんで……」

 

「フェイトちゃん……」

 

 呆然とするフェイトちゃんのすぐ横にディスプレイが浮かび上がる。

 そこには焦った顔のエイミィさんが映し出された。

 

『み、みんな無事!? 痛いところとかはないよね!?」

 

『落ち着けエイミィ!! ……緊急事態だ。みんなすぐにアースラに戻ってくるんだ!』

 

『思うところはあるでしょうけどあなたも来て頂戴、フェイトさん?』

 

「……はい」

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