見た目が踏み台だからと言って、中身も踏み台だとは思うなよ? 作:蒼天 極
……ああ、ここのパーツがダメになってるのか。ここは自動回復で勝手に治るな。
ここは自動回復じゃダメか。ならささっと治してっと。
「おい、デバイスの修理をしている暇はないぞ!! プレシアがジュエルシード9個を起動させた。それに駆動炉を暴走させて、足りない分を補っている。君の力が必要だ、手伝ってくれ!!」
「終わったぁあああ!」
「な、もう終わったのか!?」
ちょうどクロノ君に呼び出されたタイミングでバルディッシュの修理が終わった。
ククク、神からもらったチートを駆使すればこの程度チョチョイのチョイだ。
『創造主から賜ったデバイスの知識と技術だけでもデバイスを作るだけなら充分だと言うのに、成長補正がついた状態で古今東西のデバイスの専門書やプログラミング言語など様々な分野を勉強したことで、世界最高レベルのデバイス技師になってるんです。そりゃあこの程度楽勝でしょうよ』
そう言われると俺も充分チートよな。
そんな事を思いながらフェイトをお姫様抱っこしているヤマトの方へ行く。
「どうせお前この後フェイトを励ましてから行くんだろ? そのときにバルディッシュを返しておいて」
「ああ分かった。すまんが俺が行くまでの間任せてもいいか?」
「おうよ。しっかり好感度イベント成功させてこい!」
「いや、好感度イベントじゃないからな、俺はフェイトを心配して……」
白々しくそんな事を宣うヤマトは無視して、クロノ君となのはちゃん達と一緒に転送ポートへ入った。
【ラストダンジョン、時の庭園】
っとまあふざけてる場合ではなく、庭園の廊下に転移したようだが所々穴が空いていた。
「ユーノは知ってるな、この穴には気をつけろ!」
「え?」
「虚数空間、魔法が使えない空間だ! 飛行魔法も発動しない、落ちたら穴の底まで真っ逆さまだ!!」
「ちょ、危険すぎるでしょここ! すずか、氷でなんとかできない?」
「これだけ穴が空いてると魔力足りないよ! レオ君どうにかならない?」
「魔力が勿体無い! 落ちずに進め。以上! マリオと同じで落ちたら死ぬ。それだけだ!!」
「全然それだけじゃないの! ひなちゃん気をつけてね……ひなちゃん?」
「…………」
先ほどから無言のひなちゃんを横目で見ると、すっごい冷たい目をしていた。
あ、これ完全にブチギレてるときの目だ。
普段は頬を膨らませて怒るひなちゃんだが、怒りのメーターが振り切れた際はこんな目をする。
この状態になったら怒らせた相手を徹底的に叩き潰さないと止まらなくなる。
以前金髪がひなちゃんをこの状態にした事あるが、あのときの惨劇は今でも脳裏に焼き付いて離れないほどだ。
フェイトちゃんの件で完全にキレちゃったのだろう。あのババア死んだな、南無阿弥陀南無阿弥陀。
廊下を進み終わり部屋の扉を蹴破ると中には鎧の兵士らしき連中が待ち構えていた。
「れお君。お願い」
「はいよ。行くぞアスカ《ストーミングスフィアーズ》!」
だがこんな雑魚兵士ごとき俺の敵ではないわ!
ものの一撃で全滅させるとなのはちゃん達はすごい顔をしていた。
「な、なんなのよその威力……」
「あぁ、アスカロン使ってるからね。俺魔力が多すぎて普通のデバイスで本気出したら壊れるんだけど、コレは本気出しても壊れないように高級素材ふんだんに使って作った至高の一品だから」
「つまり君の本気用のデバイスという事か」
クロノが納得したように頷くが、その後ろではなのはちゃん達が「もうレオ君を怒らせないようにしよう」とか失礼な事を言っていた。
やめろよなお前ら。本気で魔法撃つぞコラ?
「よし、二手に別れよう。なのは、アリサ、すずか、ユーノ、ひな、君たちは最上階にある駆動炉の封印をお願いしたい」
「クロノ君は……」
「レオと一緒にプレシアを止めに行「待って!」え?」
ひなちゃんがクロノ君の元へ行く。
「クロ君。ひなも連れてって。フェイちゃんにあんな酷い事たくさんしたあのおばちゃんは許せないから……」
「だが危険だ! レオを連れて行くのだって今のでプレシアに対抗出来ると踏んだからで」
「それなら大丈夫だよクロノ君。ひなちゃん俺と本気でやり合ったら良い勝負するから。ひなちゃん、もう手加減する必要はないよ。
「うん、《セラフィムウイング》!!」
ひなちゃんがそう唱えると、真紅の翼が三対展開される。
これはエンジェルウイングとフェニックスウイングを融合させて不死鳥の炎を攻撃に転用したひなちゃんのとっておきだ。
そしてひなちゃんはやろうと思えば合計三対まで翼を展開でき、翼が増えるほどに攻撃、防御、速度が増す。
その戦う姿はまるで熾天使の様だと言う事で俺が名付けたのがこのセラフィムウイングだ。
「……もう驚かないぞ。だが分かった、それじゃあプレシアを止めるのは僕とレオ、ひなの3人だ」
そのとき空間の揺れが加速する。
おぉっと予想以上に次元震が強い事で。
俺はため息を一つ吐くと、アスカロンを構えて本気で魔力を解放する。
「な!? すごい魔力量だ……これはオーバーSSS以上の…………」
「悪いけど俺はここで次元震を食い止めておくわ。クロノ君、ひなちゃんと二人でやれる?」
「……あ、ああ行ける。次元震は任せて良いか?」
「ああ、早く行け!」
「ごめんねレオ君! 行ってくる!!」
「すぐ終わらせてくるから待ってなさい!」
「頑張ってね!」
もう驚かないぞと言っておきながら、簡単に驚いたクロノ君となのはちゃん達を送り出す。
さてこっちはこっちで次元震を食い止める勢いでやらせてもらうか。
〜数分後〜
「レオ!!」
後ろからヤマトとフェイトちゃんがやってきた。
どうやらイベント成功の様だな。
「レオがバルディッシュを修理してくれたんだよね? ありがとう。私は良い友達に恵まれた」
「いや、あえて強化しなかったあたり少なくとも俺は良い友達ではないな」
「そんな事ないよ。今回の修理でバルディッシュを強化してくれたでしょ?」
「は、お前あの短時間で強化改造までやったのか!?」
「いやー、前々から強化ユニットとかプログラムとか作ってたし、それ組み込んだだけだ」
ヤマトがあり得ないと言った風に見るがコレもチートあっての物だ。非っっっっ常に感謝したくないが神には感謝せねば。
「それにアリサ達も言ってたよ。魔法をくれた恩人だって、縁の下の力持ちだって、レオには頭が上がらないって」
「……その割にはお前含め扱い酷いけどな!」
「アリサ達はただの照れ隠しだと思うよ。私は……ごめん態度悪かったかな? 次から気をつけるよ」
なんと迷惑なツンデレだろう。そしてフェイトちゃん。その言葉聞いたからな?
っとこんなところで雑談してる場合じゃなかった。
「なのはちゃん達は最上階の駆動炉に行った! そんでクロノ君とひなちゃんはあのババアの所だ!」
「次母さんをババアって言ったら引っ叩くからね? ……でも分かった。ヤマト、私はなのは達のところへ行くよ。ヤマトはひなの方に行ってあげて」
「ひななら一人で倒してしまいそうだけど分かった。援護してくる」
二人を見送りもう一度次元震を抑えるのを再開した。
二人があった直後入れ替わりでリンディさんがやってきた。いや、なんでアンタまでそこにいるの?
「麗央君。ここは私が引き継ぎます。麗央君もなのはさん達の元へ行ってあげてください!」
そう言うと背中から妖精のような羽を生やして、魔法陣を展開した。
それならお言葉に甘えてなのはちゃん達の元へ向かおうか。
直後俺の腹から剣が生えた。
「…………は?」
口から血を流し、激痛に耐えながら後ろを振り返ると下卑た笑みの金髪が立っていた。
あー、お前ここに来やがったか。 拘束されたから来ないと思って油断したわ。
「……不意打ちとは卑怯じゃないか?」
「いつも不意打ちしてくるお前が何言ってんだ!!」
金髪はそう言いながら膝をついた俺を蹴り飛ばした。
「な、竜弥君!? あなたなんでここにいるの!?」
「抜け出したに決まってんだろ! こんな大切なイベント、俺だけ欠席というわけには行かねえよ!! 踏み台も倒したし後はアリシアを復活させるだけだ! じゃあな踏み台、病院のベッドで俺がなのは達を侍らす様を指を咥えて見てるんだな。ギャーハッハッハ!!」
金髪はそう言いながら走っていってしまった。
……これはあかん。
「麗央君大丈夫!? ごめんなさいもう少ししっかりと拘束しておくべきだったわ!!」
「いや、あいつの事だからゴリ押しで脱出したに決まってる。すみませんが背中にブッ刺さった剣、抜いてくれません?」
「ダメよ! 抜いたら血が流れ出てしまう。医療班、すぐに麗央君を撤退させ「いいから早く!! 金髪が向かったら状況悪化するんだ! 俺も行かないと世界がヤベェ!!」っ! ごめんなさい!!」
俺の熱意に押されたリンディさんは一度謝ると、一思いに引っこ抜いてくれた。
俺はすぐさま魔力を炎に変換して傷口を焼くと、金髪が向かったであろうババアの元へと向かった。
『マスター、急所は外れてますが無茶したら死にますよ?』
「死んだらひなちゃんに蘇生して貰えばいい。蘇生できるヒーラーがいるなら命よりも金髪を止める方が大切だ!!」
死ぬほど痛いけど、ババアと金髪を止めるまでの間持ってくれるかなぁ?