見た目が踏み台だからと言って、中身も踏み台だとは思うなよ?   作:蒼天 極

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(ヤマト視点)あ、アリシアが……!?

「おーい! ヤマト君、ひなちゃーん!」

 

「あ、なのちゃん。それにみんなも!」

 

 ひながクソ野郎にとどめをさしたと同時に、なのは達がやってきた。

 フェイトもいるし無事に合流して駆動炉を止める事ができたんだろうな。

 そしてレオは……まだか。もしかしたら途中で力尽きて倒れてるんじゃ…………

 

「ひな、レオを探してきてくれ。もしかしたら途中で力尽きて死んでるかもしれん」

 

「うん! れお君無事でいて……!」

 

 ひなにレオの身柄の回収を頼んだ。もし死んでいたとしてもひなならば蘇生する事ができるだろう。

 

「え、ヤマト。ひなはどこに行ったの?」

 

「レオを探しに行った。実は背後から龍帝院に刺されたらしくて、大怪我負った状態でこっちに向かってるそうなんだ」

 

「「「…………」」」

 

 おっと、なのはにアリサ、それにすずかから凄まじい怒気を感じるぞ。

 そしてレイジングハート、フレイムアイズ、スノーホワイトを気絶した金髪に向けた。

 

「いくらなんでもそれは許せないの」

 

「アイツを虐めていいのは私達だけなのに……!」

 

「レオ君が作ったスノーホワイトで敵討ちを……」

 

「君達落ち着け。竜弥はアースラできっちり絞るとして、まずは……」

 

 クロノが3人を止めてプレシアの方へ目を向ける。

 そこには拘束されたプレシアとフェイトの姿があった。

 

「…………」

 

「…………」

 

 無言。

 そりゃそうだ、プレシアはフェイトに酷いことを沢山したし、フェイトだって母さんに伝えたい事があるから行くと言ってたが、普通は緊張するだろう。

 

「……げほっ、ごほ」

 

「あ、か、母さん!?」

 

 プレシアが咳き込み吐血をする。これは何かの病気か……?

 

「……笑いたければ笑いなさい。フェイト。あなたに歪な生を与え、あなたを追い詰めて、傷つけてまで達成しようとした悲願を…………打ち砕かれた私を笑えばいいわ……」

 

 プレシアの自嘲しながらの言葉に、フェイトは静かに首を振る。

 

「私は笑いません。……あなたに言いたい事があって来ました」

 

 なのは達が見守る中静かにフェイトは続ける。

 

「私は……ただの失敗作で偽物なのかもしれません。アリシアにならなくて期待に応えられなくて……いなくなれって言うなら遠くに行きます。だけど、生み出してもらってから、今までずっと……今もきっと、母さんに笑ってほしい。幸せになってほしいって気持ちだけは本物です」

 

「…………!」

 

 フェイトは静かに微笑んでプレシアの元へ歩いていく。

 

「これが私の……フェイト・テスタロッサの本当の気持ちです」

 

「…………」

 

 プレシアは静かに目を閉じる。目の端には涙が……

 どうやらフェイトの気持ちは伝わったようだ。

 

「伝わったね。フェイト」

 

「うん、みんなのおかげだよ。励ましてくれたヤマトのおかげ。バルディッシュを修理してくれたレオのおかげ。私を母さんの元まで連れて来てくれたなのはにアリサ、すずかにユーノ。そしてアルフのおかげ……」

 

 その言葉に顔が赤くなったと思う。面と向かって感謝を伝えられると、照れるからやめてほしい。

 そんな中、アリサとすずかがアリシアの眠る試験管に近寄る。

 

「……ねえ、死体が綺麗ならひなの力でアリシアを生き返らせてあげる事が出来るんじゃないの?」

 

「どうにかならないかな? 死んだままだなんて可哀想だよ……」

 

「……難しいだろうな」

 

 ひなのフェニックスウイングは死んですぐの死体なら蘇生できるが、死んでから大体半日以上経つと蘇生できなくなる。

 ひな曰く死んだ後数時間は魂が身体に留まり続けるようだが、生き返らせたいなら魂が留まってる間に済まさなければならない様だ。

 

「アリシアは死後20年が経過してる。それこそイタコとかに魂を口寄せしてもらうとかしないと無理だろうな」

 

「え、イタコって実在するの?」

 

「しないぞ。……あ、ちょっと待て! イタコはあくまで例えで言っただけであって、具体的な解決案として提示したわけじゃないから脛を蹴らないでくれ!」

 

 勝手に存在を期待したのはアリサじゃないか。理不尽に暴力を振るうな。

 そろそろ一回お話しをした方がいいかもしれないな。

 

「……けんな」

 

「え、なのは、なんか言った?」

 

「え、私何も言ってないの」

 

「私も違うよ」

 

「……ざけんな」

 

「ほらなんか聞こえる。ヤマト?」

 

「俺じゃない。フェイトも違うよな?」

 

「うん、違うよ」

 

「ふざけんなぁあああ!!」

 

 突如龍帝院が起き上がった。

 こいつ、生きてたのか……。やはり非殺傷設定で攻撃を撃ったのが仇になったみたいだぞひな!!

 

「ふざけんなよ! 神に俺より強い力もらっただけのイキリ野郎どもが!! 俺の無限の剣製を奪いやがって、可愛い顔だからっていい顔してたら調子に乗って砲撃なんか撃ちやがってあのメスガキがぁああああああ!!」

 

「自業自得だ馬鹿野郎! お前がレオを刺したのが悪いんだろうが!!」

 

「はあ!? 踏み台を排除して何が悪い! 踏み台がかけた洗脳解けたから感謝すべきだろうが! なぁなのは、アリサ、すずか!?」

 

「洗脳? 確かにレオ君が笑ったり頭撫でられたりすると怖いけどそれだけなの!」

 

「そうよ! むしろ沢山意地悪してるのに、嫌わないでくれるアイツは良いやつだわ!! アンタと一緒にすんな!!」

 

「リュウヤ君とは違うんだよ。なんでそれが分からないの!?」

 

 龍帝院すごい言われ様だな。まぁ今までレオが貢献して来たことと、龍帝院がやらかして来たことを考えればこれは当然の結果と言えるだろう。

 だがその指摘を受けた龍帝院は反省するどころか逆ギレを始める。

 

「あ、助けてやったのになんだその態度は!? あー、もういい! お前ら話にならねえわ!! やっぱもうアリシアしかいねえな!!」

 

 そう言って龍帝院が手をかざす。

 問題はない。無限の剣製は使えなくしたからアイツに出来ることはもう何もない。

 そう思った直後、剣が召喚されて射出された!

 

「くそ……転生特典は封じてもすぐ解けるのかよ…………こんな事ならレオで実験しとけばよかった……」

 

「ヤマト、流石にそれはないわ」

 

 確かにな。下手してレオの転生特典全部喪失しても悪いから、今回龍帝院で実験を兼ねてたんだ。

 永久に失われたままならレオのニコポナデポだけでも消してやろうと思ったが、そうは問屋が卸さなかったな。

 

「おら、なのは貸せ!!」

 

「あ、レイジングハート!!」

 

 なのはのレイジングハートが奪われた。そして龍帝院はレイジングハートを地面に叩きつけ始める。

 

「おら、お前がジュエルシード全部持ってんだろ? 出せよ! じゃねえとお前がぶっ壊れるぞ!?」

 

『……あなたなんかに渡しません』

 

 俺が龍帝院を止めようとするが頭に血の昇ってる龍帝院は無差別にあちこち剣を射出するため、みんなを守るので精一杯だ。

 くそ、この場にひなかレオがいたら……!

 

「やめてリュウヤ君! やめてよぉ!! レイジングハートが壊れちゃう!!」

 

「うるせぇ! 俺に靡かない女なんか知るか!! ほらさっさと出せやレイジングハートォ!!」

 

『……あ……には……わ……た……な……』

 

 とうとうレイジングハートの水晶が砕け、中から12個のジュエルシードが出て来てしまう。

 龍帝院は素早くそれを取ると、封印されたばかりの9個のジュエルシードの下に放り捨てた。

 

「21個集めたぞ!! さぁとっととアリシアを生き返らせろよジュエルシードォ!!」

 

 直後、21個のジュエルシードは光り輝き、再び次元震を発生させる。

 9個と21個ではかなり規模が違う。

 

『くっ、竜弥君……なんて事を………………!!』

 

「かあさん! もう一度次元震を……!」

 

『ええ、止めるのは無理でもせめて崩壊を遅らせるわ!!』

 

 その衝撃で試験管が割れて、中にあったアリシアの遺体が浮かび上がる。

 それに21個のジュエルシードは飲み込まれたかと思うと……アリシアの身体は急成長を遂げたのだった。

 

「……う、………………あ!」

 

「あ、アリシア!! ま、まさか本当に……生き返ったの!?」

 

 アリシアの呻き声に、母であるプレシアが動揺する。

 だがアリシアは急に苦しみ始めたのだ。

 

「ぅあぁあああああああああ!! な、なに……? なんなの……これ? く、苦しい………………苦しいよ……!」

 

 龍帝院は前に言っていた。ジュエルシードはドラゴンボールで21個全部集めたら願いを正しく叶えると。だがそんなわけなかったのだ!!

 

「あ、ぁあああああああああああ!!」

 

 アリシアは絶叫と共に凄まじい魔力を放出し続ける。

 すごい魔力量だ! これじゃあ近づく事ができない!!

 

「あ、アリシア! アリシアぁあああ!!」

 

「ま、ママ! ……助けて…………たすけて……………………!!」

 

「リュウヤ、アンタなんて事をしてくれたの!?」

 

 アリサの問い詰めに、龍帝院はあり得ないと言った表情を浮かべる。

 

「お、俺は悪くねえぞ……だって21個もあるなら……全部集まれば願いが……叶うって思うのが普通じゃないか……!?」

 

「ふざけんな! この後に及んで責任逃れかよ!? 見ろよ、お前がやった事でアリシアは苦しんでんじゃねえか!!」

 

「う、うるせえ生き返らせてやったのはこの俺だぞ!! なら感謝こそされど攻められる筋合いは「衆合地獄!!」おごぉおおおおおお!!?!???!!?」

 

「れ、レオ!? 追いついたんだな!!」

 

 その後も責任逃れを行うクソ野郎の股間にレオの爪先が突き刺さった。

 どうやら無事にここまで辿り着いた様だ。……だがレオの腹には深い刺し傷があり、口から血も垂れ流していた。

 

「追いついたけどやっぱこうなったか」

 

「て、テメ……この踏み台ィ…………また俺の股間を「レオキック!!」ぐはぁああああ!!??」

 

 ピクピク痙攣しながらも後ろを振り向いた龍帝院にレオは回し蹴りを入れる。それにより龍帝院はアリシアの近くへぶっ飛ばされ、アリシアから発生する魔力の波にさらにぶっ飛ばされて壁に叩きつけられた。

 近くにいたすずかに確認してもらうと完全に意識は失っているとの事らしい。

 

「れお君待ってぇえええ!!」

 

 遅れてひなちゃんもやって来た。良かったすれ違いになったわけじゃないらしい。

 

「……さーて、せっかく来たんだ! 最後の最後の裏ボス戦、この踏み台その2が締めさせてもらおうか!!」

 

 そう言って笑うレオの姿はあまりに心強かった。




レオ君到着!
やはり最後は主人公に決めて貰いましょう!!
レオ君への応援よろしくお願いします!!
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