見た目が踏み台だからと言って、中身も踏み台だとは思うなよ?   作:蒼天 極

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レオバッテリー?殺すぞお前

 ……あれここどこだ?

 気がつくと知らない豪邸のエントランスで1人佇んでいた。

 

「アスカ俺死んだ筈だよな? 普通なら意識が戻ったときにはひなちゃんに抱かれてるのに……」

 

『死んだ? 何を言ってるんですマスター? あなたはヤマト様に自宅に招待されたからここにいるんじゃないですか』

 

 は、ヤマト様? 何言ってんだこいつ?

 

『いやぁ、ヤマト様程の至高なる存在にお声がけいただけるなんてマスターも幸せものですね』

 

「いやほんと、何言ってんだこいつ?」

 

 ダメだ。なんかアスカのAIがおかしくなってる。今すぐいじり回して修理したいところだけど、修理用の機材とか持って来てないしな……。また今度にしよう。

 辺りを見回してみると、エントランスの正面の階段を登った二階の部屋から明かりが漏れている。

 

「……お邪魔しますよーっと」

 

 二階の部屋にお邪魔するとそこにはヤマトとフェイトちゃん含めた原作四人がイチャイチャしていた。

 ………………。

 

「お邪魔しましたー」

 

「まぁ待てよレオ」

 

 なんだよ。せっかく人が気を遣って撤収しようと思ってたのに。

 

「お前も入れよ。俺のハーレムメンバーに」

 

( ゚д゚)

 

「ちょ、ちょっと待てお前それはおかしいだろ? 何が悲しくてハーレムメンバーに男入れなきゃいけねえんだよ? そもそもそこの四人が許す筈ないだろ?」

 

「私は別に構わないわよ」

 

「仲間外れは寂しいもんね」

 

(;゚д゚)

 な、なんか受け入れ態勢出来てるがなこれ!?

 そう思ってると背後からひなちゃんに羽交締めにされる。

 い、いつの間に!? ってかひなちゃんもヤマトの魔の手に堕ちていたのか?

 

「さ、れお君一緒に行こ。いつまでもみんなで仲良く過ごそうよ……」

 

「や、やめるんだひなちゃん! 正気に戻れ、や、やめ…… ヤメロー! シニタクナーイ!

 

 シニタクナーイ!!

 

 

 

 

 

「シニタクナーイ!!!!」

 

「うわっ!? れお君どうしたの! どこか痛いの!?」

 

 …………。

 気がつくと病室らしいところで俺は寝ていた。ヤマト達はいない、ここにいるのはひなちゃんだけだった。

 

「れお君蘇生してから起きるまでずっとうなされてたよ? 怖い夢でも見てたの?」

 

「う、うん。すっごい悪夢を見てた」

 

 とりあえず今見た夢は記憶のメモリから消去しておこう。思い出しただけで吐きそうだ。オエ

 さて俺のクソみたいな悪夢はどうでもいいとして……

 

「ひなちゃん、俺が死んだ後どうなった?」

 

「それはねぇ「あら目が覚めたのね」あ、リンディさん」

 

 病室の扉からリンディさんが入って来た。随分とタイミングがいいな、これ外でスタンバってたパターンか?

 

「全身裂傷に腹部貫通……ひなさんがいなければあなたは死んでたわよ?」

 

「俺がいなければ地球ごとみんな仲良く死んでたかもしれないんで、悔いはありません」

 

「……それを言われちゃうと何も言えなくなるわね。まぁ麗央君の事だから無茶するべき場面を見極めてたのかもしれないし、今回はお説教は許しましょう」

 

 大人の説教は、現在保護者のいない俺にとっては久しぶりに聞きたい気もするが、それよりも聞きたいことがあるから今回は諦めよう。

 

「それで、俺があの世へ行った後どうなりました?」

 

「そうねぇ、まず結論から言うと全員が無事に脱出できたわ。この事件の首謀者のプレシア・テスタロッサにその娘のアリシア・テスタロッサ。そして最後の最後でとんでもないことをしでかしてくれた龍帝院竜弥君もね」

 

「あの金髪脱出できたんですか? 気絶してる間に虚数空間にでも捨てておけばよかったのに」

 

「それは同感だけど、ここで犠牲者を出すと私やクロノの立場が……ね? 許してちょうだい」

 

 ハッキリ言うなぁ。

 結局金髪は全身を物理的な拘束と魔力的な拘束を二重に施して、壊された独房よりもさらにセキュリティの厳しい独房にぶち込んだらしい。まぁあの金髪のことはどうでもいい。

 

「それでアリシアちゃんとババアは?」

 

「アリシアさんはひなちゃんの活躍で蘇生できたわ。プレシア・テスタロッサは……」

 

「もうすぐ死んじゃうんだって」

 

 なんでもあのババアは、過去の駆動炉事故の際の汚染魔力を少量とはいえ浴びてしまったのが原因で不治の病に陥っているらしい。そして今回の事件で限界を迎えたとのこと。

 あと数日もてばいい方らしい。

 

「フェイちゃんもアリシアちゃんもすっごい泣いてた。おばちゃんの事は嫌いだけど、せっかくアリシアちゃんも助かったのに……なんとかしてあげたいなぁ」

 

「ひなさんの力は使えないのよね?」

 

「うん。フェニックスウイングを試してみたけど、病気は治せないみたいなの」

 

 何気にフェニックスウイングの死者蘇生って制約が多いよな。死亡直後じゃないとダメ。寿命で死んだ場合は死亡直後でもダメ。病気はダメ。病気での死亡は寿命扱いだからダメ。

 こうなればヤマトになんとかしてもらう必要がありそうだが……

 

「それにたとえ助かったとしても、彼女は今回の事件の主犯格。経緯はどうあれ世界を滅ぼそうとしたのは重罪よ。良くても数百年の実刑判決、悪くて……死刑ね」

 

「うわぁ、救いがねえなー」

 

 そう言いながらベッドから立ちあがろうとすると、カクンと身体が前のめりに倒れる。

 

「あ、れお君!」

 

「動いちゃダメよ。あなたはかなりの貧血に陥っているわ。少なくとも数週間は絶対安静にしなきゃ」

 

「そうですか。ひなちゃんおんぶお願いしてもいい?」

 

「はーい」

 

「ちょっと麗央君、どこへ行くつもりなの?」

 

「ヤマト拾ってババアを回復させに」

 

 別にババアに同情したわけではない。だが彼女が死んだらフェイトちゃんに事件の責任が降りかかるのは目に見えている。

 彼女には生きて罪を償ってもらおう。

 

 ひなちゃんにおんぶしてもらって病室の扉を開けると、そこにはすでにヤマトがいた。

 

「レオ、生き返ったか。悪かったな、一番きつい役目を押し付けてしまって」

 

「気にすんな。それで俺に用があるんだろ?」

 

「ああ、悪いがもう少しだけ無茶してもらう」

 

「翠屋のケーキ10個とコーヒー豆3瓶で手を打とう」

 

「取引成立だ。だけどケーキ10個も食べられるのか?」

 

 食えるよ。だってほとんどをひなちゃんにあげるだろうし。ほら俺を背負ってるひなちゃんはケーキ……と目をキラキラ輝かせてる。

 ヤマトに連れられて二つ隣の病室へと移動する。

 

「母さん……」

 

「ママ……」

 

 そこには意識のないプレシアのベッドで泣くフェイトちゃんとアリシアちゃん。そして彼女らをなのはちゃんとアリサちゃんとすずかちゃんが見守っていた。

 俺の存在に気がついたなのはちゃん達がこちらは駆け寄る。

 

「あ、れ、レオ君! 無事だったんだね!?」

 

「もうなんであんな無茶するのよ! いくらなんでも捨て身すぎるわ!!」

 

「そうだよ。命が軽すぎるの! もっと大切にして!」

 

「あー、ごめん。反省してないけど一応謝っとくわ」

 

 ちゃんと反省しなさいよ! というアリサちゃん達は完全無視して、ババアの近くの椅子に下ろしてもらう。

 

「レオ、俺は今から言霊でプレシアさんを事故のあった26年前まで身体だけを若返らせる。無論魔力が足りない。だから……」

 

「魔力SSSの俺が魔力を供給するってことか」

 

「ああ、レオバッテリー作戦だ!!」

 

「人を物扱いしやがって、殺すぞお前?」

 

「い、いつもはブッ転がすとか表現を濁してるあのレオが堂々と殺すって言うなんて……」

 

「本当に今のレオ君は余裕がないんだね……」

 

「ちょっと食堂でレバニラをたくさん貰ってくるの!」

 

 ヤマトにしゃがんでもらい、彼の肩に手を置く。そして一思いに大量の魔力を注ぎ込んでやる。

 自前とは違う魔力が大量に身体に流れ込んでくるのは相当な苦痛のはずだ。ヤマトは苦悶の表情を浮かべながらもなんとか魔力を集めている。

 それから数分間彼に魔力を流し続けてようやく充填が完了した。

 

「【プレシア・テスタロッサ。精神や記憶はそのままで、身体だけ26年前の事故直前の状態に若返れ】!」

 

 直後プレシアは急に苦しみ出した。どうやら身体が急激に変化していると言うことで痛みとかが生じているのだろう。

 だからフェイトちゃん。そんな恐ろしい顔で俺らをみないで。

 しばらくするとババアはすっかりと若返っていた。懐からアナライザーを取り出して確認してみたが、うん、癌とか病気とか悪いところは見つからない。

 プレシア・テスタロッサは若返り、残り数日の余命から解放された。

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