見た目が踏み台だからと言って、中身も踏み台だとは思うなよ?   作:蒼天 極

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まさかここで会うとは……

「うーむ、やっぱりアスカの余りだけじゃパーツ足りないな」

 

『まぁ、そりゃそうでしょう。しかも剣型にするなら必要なパーツは違ってくるでしょうし……』

 

 やはりそうか。レイジングハートの修理代で金銭面に余裕はあるし……ここは思い切って買い出しにいくか。

 

「よしミッド行くか」

 

『あの……そんなに急いで作って頂かなくても…………日常生活のついでに作ってくだされば充分です』

 

「暇だからいいんだよ。アスカ次元転送」

 

『はいはーい、《ワールドテレポート》』

 

 そういえば首都クラナガンのショッピング街のカフェで期間限定スイーツ売ってたっけ? ついでだし食べに行こうかな。

 

 

 〜クラナガン〜

 

 クラナガンに到着するとすぐにパトロールの管理局員に呼び止められた。

 ミッドチルダに行く度に毎度毎度呼び止められるけど、次元転送って感知されてしまう物なのだろうか?

 

「僕、今次元転送使ってこっちに来たよね? お父さんお母さんは?」

 

「とっくの昔に空の向こうに引っ越しました」

 

「そ、そっか……ごめんね嫌なこと思い出させて。それじゃ一人できたんだね? 次元転送してこっちに来たなら一番最初に入国審査をしないといけないの。こっちで手続きしてくれるかな?」

 

「あ、渡航許可証持ってるんで手続きは必要ないですね」

 

「あ、ほんとだ。……それにちゃんと本物ね。なら手続きの問題はないわね」

 

「おーいクイントー! ゼスト隊長が呼んでるわよー!」

 

「分かったわー! 呼び止めてごめんね。クラナガンを楽しんで?」

 

「お勤めご苦労様です」

 

 もはやこっちに来たときに習慣となった、軽い取り調べをあっさりと回避した。

 ……あ、渡航許可証の有効期限もうすぐじゃん。買い物済ませる前に有効期限の延長の手続きしにいこ。

 

 

 〜一時間後〜

 

「あれ? あそこにいるのってレオじゃない?」

 

「あ、ほんとだ。遊びに来たのかな?」

 

 手続きを済ませたタイミングでどこかで聞いたことある声が聞こえた。声の主の方を振り返ると、アリシアちゃんとエイミィさんがそこにいた。

 あらやだ凄い偶然。

 

「やっぱりレオだー!」

 

「やっほーアリシアちゃん。それにエイミィさんも」

 

「レオ君がここにいるって事は入国審査かな?」

 

「違いまーす。渡航許可証の期限延長です。それでお二人は?」

 

 聞くとエイミィさんは休暇なので遊びに来たらしい。

 そしてアリシアちゃんの方も、プレシアは裁判の準備。フェイトちゃんもギリギリ罪には問われなかったがそれでも自分のした事のケジメとして嘱託魔導師になる決意をしたそうで、嘱託魔導師の試験の勉強。そんな中暇をしていたようでエイミィさんについて来たとか。

 

「レオ君も嘱託魔導師にならない? レオ君の実力ならきっと上からもお声がかるよ?」

 

「いや上とコネ持ってるんで。それに局員にならないかって勧められてはいるんですけど、局員になったら俺が開発した物の特許権とか全部管理局の物になりますしねー。もうしばらくはフリーランスでやらせて貰いますよ」

 

 今入局したら俺が現在開発中のフルダイブシステムがやれ管理局の未来のためだ、局員強化のためだと持っていかれるのは目に見えている。

 少なくともVRMMOの基礎理論を完成させてその特許をゲーム会社に売りつけてからじゃ無いと、絶対に入る気はない。

 それになんかあったときの為に日本の高校も出ておきたいし、管理局入りはもっと後だろう。

 

「あはは勧誘失敗」

 

「ねぇねぇ、レオもこれから遊びに行くんでしょ? 一緒に行こうよ!!」

 

「いいよー。でも今日はデバイスの資材を買いに来たから途中で寄らせてな?」

 

 普段はさっさと資材を買ってさっさとカフェで昼飯を食べて帰るのだが、せっかく友人がいるのだ。たまには日が暮れるまで遊んでもいいかもな。

 アリシアとエイミィさんに連れられてクラナガンへ繰り出した。

 

 

 〜デバイス売り場〜

 

「ええ、資材ってこんなに高いの!?」

 

「そうだよアリシアちゃん。デバイスってすっごい高いんだよ〜」

 

 俺の用事を先に済ませてくれるとの事なので、お言葉に甘えて行きつけの高級なデバイスショップへ来た。

 この店はインテリジェントデバイスの受注生産以外にも、フリーでデバイスを組む人達のためにデバイス機材を売ってくれたりするのだ。

 

「レオにドロップ貰っちゃったけど、これいくらしたの?」

 

「材料費だけで150万、手数料はプライスレス」

 

「ぷらいすれす?」

 

「うーん、アリシアちゃんのドロップって管理局が確立してない凄い技術が組み込まれてるし、手数料だけでさらに数百万くらいするんじゃ無いかな?」

 

「えぇえええ!? そ、そんな凄い物貰っちゃって本当に良かったの!?」

 

「別いいよ。アリシアちゃんが貰ってくれなきゃ、これ倉庫の肥やしになってただろうし。使い潰す勢いで使っちゃって」

 

 倉庫の肥やしになるくらいなら、誰かに使ってもらった方がいい。それに、アリサちゃんやすずかちゃんにも無料で上げてるのにアリシアちゃんだけ有料というわけにはいかんからな。

 

「それにしてもすっごい高いのばかり買うねー。レオ君の最強デバイス壊れちゃった?」

 

「いえ、つい昨日リンディさんから羽鳥さん経由で金髪の……龍帝院の使ってたデバイスを貰ったんですけど、AI以外使い物にならなかったんですよ。でも残ったAIはアスカロン並みに性能のいいAIだったから、最強デバイス2号にしてしまえーってなったんですよ」

 

「ほぇー、あの竜弥君のデバイスをね。まぁその子もレオ君に使ってもらえたら幸せだろうね」

 

「リュウヤって私を暴走させた人でしょ? 私リュウヤ嫌い!」

 

 正直なのは良い事ではあるが、流石にこれは容認できない。

 

「こらこらアリシアちゃん? 結果論にすぎないとはいえ、あの金髪がアリシアちゃんの生き返るきっかけになったんだから、ちゃんと話したこともないのに一方的に嫌いっていうのはダメだよ?」

 

「えー」

 

 まぁ、一度話してみると良い。そしてあいつの性格を知って、それで金髪のことが嫌いになったのなら俺はもう何も言わないからな。

 金髪の性格を知っているエイミィさんは、「レオ君の言ってる事は正しいんだけどー……」と複雑な表情をしていた。

 

 

 デバイスの材料を買い終わり、昼食を取ろうということになったが行き先は俺が行こうとしていたカフェだった。

 

「期間限定のチーズタルトか。ここのタルトは美味いんだよな」

 

「常連さんなんだ。なのはちゃん家の翠屋とどっちが美味しい?」

 

「比べるもんじゃありませんぜエイミィさん?」

 

 どちらにも違った魅力があるのだ。

 さてチーズタルトはデザートにいただくとして、昼食はいつも通りスパゲッティとコーヒーでいいかな。

 

「レオのオススメってどれ?」

 

「バラエティミニサンドウィッチかなー。卵とか野菜とかカツとか魚とかの色んな種類のサンドウィッチが食べられるよ」

 

「へぇ、じゃあそれで!!」

 

 

 カフェで昼食をとった後は、アリシアちゃんの服を見繕うと言うことで服屋さんに行く。

 アリシアちゃんはヘソだしな服を着て、くねくねとポーズをとる。

 

「うふ〜ん。……どうレオ、のーさつされちゃった?」

 

「10年経って出直してこいガキが」

 

「何をー!」

 

「あ、レオ君口悪い。悪い子だー」

 

 エイミィさんにほっぺを引っ張られた。

 ……ん?

 ほっぺを引っ張られる中水色のワンピースが目に入った。

 

「アリシアちゃん。あれなんてどうよ? 髪の色とマッチすると思うけど」

 

「あ、ほんとだ、あれ可愛い! アリシアちゃん着てみてよ!」

 

「えー、しょーがないなー♪」

 

 しょーがないという割に楽しそうに笑ってますぞ?

 エイミィさんと二人で試着室に入る。

 

『随分と楽しそうですねマスター。ひなちゃんが嫉妬しちゃいますよ?』

 

「なぜここでひなちゃんが出てく……あー、確かにひなも誘って欲しかった! って拗ねるかも」

 

『そういう意味じゃ無いんですがねぇ』

 

 そういう意味じゃないなら、恋愛的な意味か? まだひなちゃん恋愛に関しては一切興味がないように見えるぞ? あの子俺の事を兄としてる見てる節があるし。

 

『はぁ、マスターは鈍か……ごめんなさい。私もひなちゃんが嫉妬する所を思い浮かびませんでした』

 

「だろ?」

 

「着てみたよー!!」

 

 アスカと雑談していると、着替えたアリシアちゃんが出て来た。

 うん、やっぱり似合う。

 

「やはり俺の目に狂いはなかった……」

 

「そうだよね。やっぱり可愛いよね! フェイトちゃんが着れるくらいのサイズもあるし、姉妹コーデで買っちゃう?」

 

「買う!」

 

 喜べフェイトちゃん。お姉ちゃんとお揃いだぞ。

 後でフェイトちゃんとのお揃いコーデでのツーショットを送ってもらおう。

 

 

 予想以上に服選びに熱中していたようで、服屋を出る頃にはすっかり日が傾いていた。

 

「うーん! いやー、楽しかったねぇ」

 

「ですねー。でも本当に良かったんです? 俺まで服何着か買ってもらっちゃって」

 

「いいのいいのー。子供が遠慮しないの!」

 

「遠慮しないの! エイミィの奢りなんだから!!」

 

「アリシアはちょっと遠慮しろー!」

 

「きゃー!」

 

 今日はデバイスの材料買いに来ただけだったのに丸一日遊んでしまったな。

 でもたまにはこういうのも良いもんだ。次はひなちゃんを誘うのもありかもしれない。

 

「それじゃ、遅くなってもリンディさんに心配されるし私とアリシアは帰るね。また遊ぼうねレオ君」

 

「バイバーイ!」

 

「それじゃまたねー。フェイトちゃんによろしくー!」

 

 アリシアちゃんとエイミィさんに会って遊んだと合う土産話を持って、海鳴市へと帰還を果たしたのだった。

 

 

 〜その夜〜

 

『マスター、リンディさんから写真が届きましたよ』

 

「見せて」

 

 届いたのはお揃いの服を着たフェイトちゃんとアリシアちゃんのツーショット。

 俺は無言で写真のデータを携帯に写すと、海鳴魔導師組の面々へと写真を送信したのだった。

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