見た目が踏み台だからと言って、中身も踏み台だとは思うなよ?   作:蒼天 極

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まさか料理だけで一話丸々使うとは……


レオのお料理教室

「来たぞヤマト」

 

「よく来た」

 

 翌日、昨日買い込んで冷蔵庫に入れていた食材を再びエコバッグに入れて、足早にヤマトの家まで持って行って彼の家の冷蔵庫の中に移す。

 今の時刻は昼の2時。

 料理は出来立てがいいに決まっているし、4時くらいから作り始めれば充分に間に合う。

 ならばその間部屋の装飾でも手伝ってやるとするか。

 

「折り紙の輪っかでも作ろうか?」

 

「いや、お前は料理するだろ? 今くらいのんびりしておいてくれ」

 

「それじゃそうさせてもらう。あ、ゲーム借りるな」

 

「おう」

 

 お言葉に甘えさせてもらう事にした俺は、ヤマトのテレビゲーム機を拝借してプレイを始める。

 うーん、やっぱりゲームは良いもんだ。

 毎月の支給額はほとんどをデバイスの材料や、専門書に当ててしまうせいでゲームなんて買っていないけど、二期が終わったらゲーム機を買ってみてもいいかも知れない。

 ……そうだ。ゲームのソフトをセットすれば、そのゲームの世界へフルダイブ出来るようにするのも面白そうかも。カリバーが完成したら試してみようか。

 

「ヤマト君来たよー!」

 

「頑張ってケーキ作ったの!」

 

 お、なのはちゃんとひなちゃんが来た。

 

「よく来たな。飾りつけは俺の担当だから、あっちの部屋でレオがゲームしてるから混ざったらどうだ?」

 

「え、手伝うよ?」

 

「いやケーキ作ってくれたなのはをこれ以上働かせるわけには行かない。ここは俺の仕事だから安心して任せてくれ」

 

「そう? 分かったの。ケーキは冷蔵庫の中に入れておくね」

 

「それじゃひな手伝おっか?」

 

「ひなもレオの手伝いするんだろ? 俺のことは気にしなくていいぞ」

 

「はーい」

 

 なのはちゃんとひなちゃんが部屋に入ってきた。

 

「こんにちわレオく……うにゃ!? バイオハザードやってるの!!」

 

「きゃー! ゾンビだー!」

 

 あぁ、二人はグロ系ダメな方だったっけ?

 別にステージをクリアする事にこだわっていないので、バイオはやめてマリオのソフトと入れ替える。

 マリオならばなのはちゃん達でも楽しめるだろう。

 ……あ

 

「なのはちゃん気をつけて。この子(ひなちゃん)無意識にPKするから」

 

「ぴーけー? なんでマリオでサッカー? あぁ!?」

 

「あ、ごめんなのちゃん」

 

 ひなちゃんが投げた甲羅が、なのはちゃんのプレイヤーに当たって死んでしまった。

 ひなちゃんはゲームはあまり得意ではないのかよくミスをする。だがタチの悪い事に周りを巻き込んだミスをする事が多い。

 プレイヤーキル、略してPKだ。

 

「ひなちゃんのイジワル!」

 

「ごめんねー。お詫びにひなが向こう岸まで送ってあげる。……あ」

 

「にゃあああああ!」

 

 なのはちゃんのプレイヤーをおぶったひなちゃんは、明らかにジャンプじゃ届かない所を無謀にも飛び、二人仲良く奈落の底へ落ちてしまった。

 その後も悪意なき攻撃がなのはちゃんを襲い続け、最終的には殺し合いに発展したのだった。

 

「よ、よくもやったね、なのはも落としちゃうの!」

 

「あ、そう言う遊びなんだね! 負けないよー!」

 

「……マリオでスマブラすんなよ」

 

 ふと時計を見ると3時45分。これ以上はなのはちゃんとひなちゃんが喧嘩しちゃいそうだし、前倒しで準備を始めてしまおう。

 

「それじゃ今から料理するから俺行くな。ひなちゃんも行くよー」

 

「はーい。それじゃあなのちゃん後でね」

 

「にゃ〜、なんか疲れたからゲームはもうやめるの……」

 

 本日の夕飯は、無難にライスとハンバーグとシーザーサラダとコーンスープだ。

 余ったときはヤマトが何日かに分けて食えばいいし、お代わりしてもいいように沢山作っておこう。

 

「ひなは何すればいーい?」

 

 ピンクのエプロンをしたひなちゃんが聞いてくる。

 羽鳥さん曰くよく手伝いをするから、切ったり焼いたりも出来るって言ってたけど流石に包丁とか火とか使わせるのは怖いなぁ。

 

「ハンバーグのタネを作って欲しいかな。このミンチの入ったボウルに玉ねぎのみじん切りとか牛乳とか色々入れるから合図したら、それが満遍なく混ざるようにこねてね」

 

「はーい」

 

 

 〜一時間後〜

 

 

 ひなちゃんの協力もあって、無事にハンバーグのタネが完成。あとは焼くだけの状態だ。

 シーザーサラダはひなちゃんがミンチをこねている間に手早く完成させたし、米もすでに炊き始めており、はやてが来る頃までには炊き上がるだろう。

 

「部屋の飾り付け終わったぞ。そっちはどうだ?」

 

「もうすぐコーンスープも出来る。ハンバーグもあとは焼くだけの状態にしてる」

 

「そうか。アニメとかだと大体このくらいの時間にトラブルとかがあるけど、そこら辺は大丈夫だよな? 例えば飲み物とか買い忘れてたりとか……」

 

「……飲み物? 普通に2リットルのお茶とコーラ、オレンジジュースを2本ずつ買ってるし、キチンと持ってきてるぞ。流石にそこら辺は抜かりな……あ、ハンバーグにかけるソース作るの忘れてた」

 

「そ、それはまた地味に致命的なミスだな……」

 

 いけねえ、いけねえ。指摘されなきゃ気づかなかったぜ。

 ハンバーグのソースはトマトソースとデミグラスと和風おろしソースの三種を作っておくか。

 

 

 〜一時間後〜

 

 そろそろアリサちゃんとすずかちゃんが遊びに連れ出していたはやてをここに連れてくる時間帯だ。三人がここに来るまでにハンバーグを焼いてしまおう。

 昨日買った大量の卵はここで登場!!

 

「このハンバーグの上に半熟の目玉焼き乗せたら絶対美味いだろ」

 

「「おー!」」

 

 様子を見に来ていたなのはちゃんとひなちゃんが目を輝かせる。

 先ほどまでかき混ぜたり盛り付けたりと言った簡単な作業はひなちゃんに頼んでいたが、半熟の目玉焼きなどはタイミングが命なので、ここからは俺一人で行う。

 

「ハンバーグ焼くだけならひなもできるよ?」

 

「大丈夫だよ。ここは俺の腕の見せ所だから」

 

 今日は七人分だ。まとめて焼こうにもどうしてもフライパンの大きさが足りない。なので2回に分けて焼く事にする。

 そして4人分が焼き上がったタイミングで全員にすずかちゃんとアリサちゃんから念話が来た。

 

(大変だよ! はやてちゃんに気づかれちゃった!! 今すごいスピードでヤマト君の家に向かってる!!)

 

(偶然会った桃子さんが口を滑らせちゃうなんて……)

 

「もうお母さーん!!!!」

 

「マジかよちくしょうめ!! ひなちゃん、緊急事態だから残りのハンバーグ焼いてもらっていい!? 俺も超特急で目玉焼き作るから」

 

「分かった!!」

 

「なのはちゃん、ヤマト!! お前らも手伝い頼む! コーンスープはすでに温め直したから皿によそって食卓に並べておいて!!」

 

「分かったの! ヤマト君、なのはが皿によそうから並べていって」

 

「了解だ!」

 

 

 そして10分後。ヤマトのリビングのドアがバンと開けられ、息の上がったはやてが入って来た。

 

「ゼェ……ゼェ……私を欺こうなんて百年速いんや! これだけ急いで来たからまだ準備は終わっとらんやろ!?」

 

「ハァ……ハァ……お前の負けだ車椅子レーサー! ギリギリ準備終わったよ!!」

 

「フゥ……フゥ……サプライズって知った途端、嬉々として準備中に突撃して来るのやめてよはやてちゃん!!」

 

「というかそんなに息が上がるくらい無茶してまで、急いで来んなよ!」

 

「え? だってせっかく準備してくれたサプライズをぶち壊すのって最高に気持ちがええやん?」

 

「趣味が悪いよはーちゃん!!」

 

 と、とりあえずサプライズは成功……でいいのか?

 ………………いや、これは失敗だなクソッタレ。




 注意:ウチのはやてちゃんは性格悪いです。ご了承ください。
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