見た目が踏み台だからと言って、中身も踏み台だとは思うなよ? 作:蒼天 極
「それじゃあ、改めまして……はやてちゃんお誕生日前日おめでとう! 乾杯!!」
「「「「「「乾杯!」」」」」」
「みんなありがとうな」
すずかちゃんに乾杯の音頭を取ってもらい盛大に乾杯する。
今日の主役のはやては『本日主役』と書かれたタスキと、やたらクオリティの高い王冠を装備している。
これを用意したのはヤマトで自作したようだ。
俺たちの手伝いの要請を断り続けてたのも、最高のクオリティの飾り付けをしたかったからだと言う。お前は何処を目指しているんだ。
「でもまさかヤマト君やすずかちゃんだけやなくてレオ君までもが結託して、誕生会をしてくれるなんて。車椅子レーサー感激や……」
「まぁライバルだしなぁ。それに企画したのはヤマトだ、感謝するならコイツにしな」
「ありがとうなぁ、ヤマト君」
「別に大したことはしてない。ご飯ご馳走になってるし日頃の感謝の気持ちだ」
この料理作ったの俺だけどな!
いい雰囲気だから敢えて口に出さないけど。
「この料理作ったのヤマト君やないやろ? ……なのはちゃんかレオ君かな?」
「おま、俺が気を使ってツッコまないでやったものを……!」
「ねぇ、何でもいいけど早く食べないと冷めるわよ」
アリサちゃんのツッコミでハッとする俺たち。
そうだそうだ。せっかく腕によりをかけて作ったのだから、いざ実食。
ハンバーグをデミグラスに潜らせてパクリ。ライスをかき込む。
……これはひなちゃんが焼いたハンバーグだけど、ちゃんと中まで火が通ってて美味しい。
と言うか味付けは俺がやったけど、ハンバーグのタネをこねて丸めて空気を抜いて焼いてもらって……このハンバーグはひなちゃんの作ったものと言っても過言ではない。
そう考えると余計美味しく感じる。
「……この料理を作ったのは誰や?」
「俺だ。因みに俺とヤマト、なのはちゃんのハンバーグはひなちゃんが焼いたものだ」
はやてのハンバーグにだけはチーズが入っているのに加え、途中で蒸し焼きと余熱で肉汁をハンバーグの中に閉じ込めたけど、なんか不味かったかね?
「はっきり言うわ、……参りました。はぁ、このハンバーグのレシピ聞きたいわぁ」
それくらいなら後で書いてあげるよ。
前世含めて20年近い一人暮らし生活。はやてとは歴が違うのだよ歴が!!
「ほ、本当に美味しいわね……お店で出したら売れると思うわよ?」
「美味しい。将来はいい
「おいそれはどう言う意味やすずかちゃん?」
お嫁さん? 俺は男だよ。女顔なんだけど一応男だよ?
女装したら確実に女の子に間違われるし、普通に男物の服でも女の子と間違われる時がたまにあるけど男だよ?
「あ、ごめんね。レオ君は男の子だしお婿さんだね」
「おいしー! ねぇねぇれお君。ひなと結婚して毎日ご飯作って?」
「え、ひなちゃんそれ告白!?」
何の前触れもなくいきなり爆弾発言が飛び出たんだけど!?
ほら今いるメンツもビックリして目を大きく見開いてるぞ!!
(こ、こ、こここここここここここここれはどうすすすすすすればいいのでしょうか!?)
(落ち着きなさいレオ!! ひなの事だから子供で言うところの将来〇〇のお嫁さんになるーってやつよきっと!!)
(そ、そうだよひなちゃんは何も考えてないよ!!)
(そ、そうだよな)
だがそうだとしたら俺はひなちゃんに注意をしないといけない。何も考えずにそんな事を言ったら勘違いして纏わりつくアホンダラも少数ながらいるのだ。
ここは一番の(精神的な)年長者として、しっかりと教えてあげよう。
「こ、こらひなちゃん? そう言うのは心から好きな異性に言わないとダメだよ?」
「ひな、れお君のこと好きだよ?」
「と、友達として……だよね?」
「ライクじゃなくてラブだよ? チューできるよ?」
「「「「「「………………(絶句)」」」」」」
あ、あれ〜?
もしかして俺に対するひなちゃんの好感度ってMAXだったのかな?
いつでもひなちゃんルートに行けるレベルまでフラグを建ててたのかな? あれあれ〜
…………。
「ひなちゃん。俺らはまだ9歳で子供だ。軽い気持ちで結婚なんてしたら絶対いつか後悔する。だから今は結婚の約束はしないよ。でもひなちゃんが大きくなったときに、その気持ちが変わらないでいてくれたら……その時はお付き合いしようね?」
「うん!」
ひなちゃんが俺のこと好きだったのはビックリしたがまだ彼女は精神的に子供だ。
もう少し精神が成熟したら、もう一度聞いてみよう。それまでは今まで通り兄として振る舞おう。
そう心に決めたのだった。
(逃げたわ。ヤマトが朴念仁ならレオはヘタレね)
(レオ君とひなちゃんはいつも一緒にいるしある意味お似合いなの)
(私もひなちゃんみたいにはっきり言える勇気があれば……うぅ…………)
(二人が付き合う事になったら祝福しないとな)
「……私の誕生会なのにそんな雰囲気を一気にぶっ壊された件について。とりあえずカップル候補の二人に一言…………爆発せえ」
爆発しろって言ったはやてとは後でお話しします。
波瀾万丈の食事会も終わり、なのはちゃんのケーキをお披露目。
それは多少クリームの塗り方が歪ながらもしっかりと飾り付けが施され、ケーキの真ん中にははやての顔がチョコペンで描かれていた。
「わぁ、すごいなぁ なのはちゃん。これなのはちゃんが描いたん?」
「うん。思い出しながらだから変になっちゃったけど、喜んでくれたなら嬉しいの」
なのはちゃんがそう言いながら切り分けようとして、その手が止まった。
あ、そうか七人いるから切り分けるのが大変なのか。
「 なのはちゃん分度器で51度で測りながら切ればいいんじゃないかな? そうしたらそのうち一個は54度になるけどそれは主役のはやてにあげればいいし」
「そ、そうじゃなくてね。はやてちゃんの顔切る事になっちゃうなぁって」
ああ、そう言う……
「なに女々しい事言ってるんやなのはちゃん。こう言うのはな、思い切りが肝心なんや!!」
「あーはやてちゃんがー!!」
なのはちゃんからケーキナイフを強奪したはやてによって、ケーキのはやてちゃんの絵は綺麗に七等分されましたとさ。
因みにケーキはとてもおいしかったです。
その後帰ろうとしたのだが、天気予報が外れたらしく外は土砂降り。
急遽お泊まり会をする事となった。
「なぁヤマト君。一緒に入らん? 足動かないから身体洗って欲しいわ」
「風呂の中に車椅子で入るわけにはいかないしな。別にいいぞ」
「あ、はやてずるいわ! 私も入る!」
「私も入るの!」
「私も!」
「みんなが入るならひなも!!」
「空気を読んで撤退!」
ひなちゃんに手首を掴まれた。
あ。(察し)
「れお君も入ろー」
「レオ一人仲間外れもダメだしな。お前も行くぞ。はやてもいいよな?」
「私は別にええよ。男と女、裸で語り合おうや」
「以前も言ったと思うけどもう一回。お前らマジで羞恥心って知ってる? おじさん最近の若い子が怖いんだけど……」
はい、次回お風呂会(3回目)