見た目が踏み台だからと言って、中身も踏み台だとは思うなよ?   作:蒼天 極

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闇の書の守護騎士。

 サンドウィッチを頬張りながら魔導師のこと、二ヶ月前のジュエルシード事件について事細かに伝えた俺たち。

 はやては納得した表情で咀嚼していたたまごサンドを飲み込み牛乳で流し込む。

 

「なるほどな〜。なのはちゃんやひなちゃんが急に遊べなくなったのも、ヤマト君がウチにご飯食べに来なくなったのも、レオ君がやたら疲れていたのもそれが原因だったんか〜」

 

「黙っててごめんねはやてちゃん」

 

「別にええよ。急に魔法がなんたらって言われても、困ってまうしな」

 

 そう言って笑うはやてちゃん。お、大人だ……。

 

「さて魔法のこと、魔導師のことはなのはちゃん達に聞いたし次はあなた達の番やな。闇の書について詳しく聞かせてもらってもええか?」

 

「はい」

 

 闇の書の守護騎士、ヴォルケンリッターのリーダー格の桃髪の女性が言うには、闇の書の存在意義は主を守ることと、闇の書のページの蒐集。

 リンカーコアの魔力を闇の書に食わせることで白紙のページが埋まっていき、666の全てのページが埋まると、持ち主は大いなる力を手に入れることができると言う。

 

「ウマウマ」

 

「美味しそうに食べるねぇ、ひなのも食べる?」

 

「……ありがと」

 

 あまりにスケールの違いすぎる内容についていけないひなちゃんは、ヴォルケンリッターの中でも小さな少女にメンチカツサンドをあげていた。この子のマイペースさは時に羨ましく感じるなぁ。

 

「ご命令を頂ければすぐにでも蒐集を開始します」

 

「うーん、大いなる力か〜。私としては正直憧れるし、すっごい欲しいけど……そのための蒐集って人様に迷惑をかけるんよね? だったらあかん。少なくとも私は騎士のみんなに蒐集をさせる気はないよ」

 

 大いなる力には憧れるんだな!? 欲しいんだな!?

 さてはあれだろ? 大いなる力を持って金髪をぶっ飛ばしたいんだろ!?

 だが残念だったな。奴はもうこの世界にはいねぇ、今頃管理世界で馬車馬のごとく働いてるだろうさ!

 

「だから私があなた達のマスターの間は蒐集活動はお休み! 守護騎士達みんなの衣食住は私がきっちり面倒を見なあかんね」

 

 微笑みながらそう言うはやてにポカーンとする守護騎士達。

 はやてが闇の書の蒐集を命じると思ってたようだ。

 

「外聞もあるし設定を考えななぁ。……ねぇみんな、守護騎士達の設定どうすればいいと思う?」

 

「生き別れた家族!」

 

「はやてちゃんのお家の元々の所有者!」

 

「実ははやてちゃんは隠し子で、守護騎士さん達は正妻とその家族!」

 

「「いや昼ドラか!? 真面目に考えてやれよ!!」」

 

 ツッコミを入れる俺とヤマト。

 なのはちゃん達のその設定じゃ、ドロ沼展開になるんじゃないかってご近所さんが心配しちゃうでしょ!?

 

「すずかちゃんの隠し子設定がオモロいな。それで行こか」

 

「やった」

 

「やったじゃないからな!? あとはやてもはやてで面白いからで受け入れんな!」

 

「えー、ええと思うけどなぁ。ならヤマト君はどんな設定がええの?」

 

「普通に遠い親戚でいいだろ? ホームステイなり、はやてが心配になって移住してきたなり」

 

「えー普通すぎやろ」

 

 普通でいいんだよ。設定に面白さを求めんな。

 

「何はともあれまずは着る物やね。みんなのその服じゃ私の家に招待する前にお巡りさんに捕まっちゃうから、ご飯食べたら服買うてくるからサイズを計らせてな?」

 

 

 その後、守護騎士の服を買いに出かけたはやてと荷物持ちでついて行ったヤマト。

 残されたメンバーは無言でお互いを見つめ合っていた。

 はやてには魔法を使える者同士、仲良くなっててな? って言われたけど絶対無理だと思う。だって今思い出したけどコイツら二期の敵対キャラなんだもん。

 

「「「「「………………」」」」」

 

「「「「…………」」」」

 

「……自己紹介でも……しときます?」

 

「……そうだな」

 

 無言に耐えきれなくなった俺の提案に、乗ってくれたシグナム。

 よし先行はこちらからだ。

 

「メカニック担当宮坂麗央でーす」

 

「回復担当桃崎ひなでーす!」

 

「え、そ、それでいくの!? ほ、砲撃担当高町なのはです……」

 

「近接担当アリサ・バニングスです!」

 

「えーと……防御担当月村すずかです」

 

 適当とはいえ自己紹介は自己紹介。

 今度は守護騎士のターンだ。ほら早くやれよ。

 

「私は烈火の将、剣の騎士シグナムだ」

 

「紅の鉄騎、鉄槌の騎士ヴィータ」

 

「風の癒し手、湖の騎士シャマルです。えっと……よろしくね?」

 

「盾の守護獣ザフィーラ」

 

「はい。お互い自己紹介終わったし、ここからは自由に駄弁ってくださ「その前にお前らに聞きたいことがある」……なんです?」

 

 適当に雑談して最終的に上手く打ち解け合うようにしたかったが、シグナムさんに阻まれた。

 シグナムさんは俺らを警戒しながら告げる。

 

「お前ら魔導師が主に近付いた理由はなんだ。闇の書を見つけたからか?」

 

 単刀直入に聞くなよ。その聞き方だともし俺らが悪い奴だったときに、上手く誤魔化されるぞ?

 と言うかはやては私が守る感出してるけど、あなた達より先に俺らが友達になってるんですからね?

 

「闇の書なんて今日までずっと知らなかったわよ!」

 

「はやてちゃんとはスーパーで知り合ってそのまま仲良くなったんです!」

 

「確かに私たちは魔法を使えるけどはやてちゃんとはただの友達なだけなんです! 信じてください!」

 

「逆にポッと出てきたアンタらにはやての保護者ヅラされたく無いんだけど? 文句があるならその本の中に帰れェ!!」

 

「そうだそうだー! はーちゃんは私達が先にお友達になったんだぞー!」

 

「……」

 

 シグナムさんはしばらく俺たちの方を見ると、他の騎士に話しかける。

 何気に俺喧嘩売ってたんだけどスルーですか。まぁ、無駄な戦いはしないと言う精神なのだろう。

 

「嘘をついてるようには見えないが……どうする?」

 

「ダメよシグナム。本当に主はやてとはただのお友達みたい。傷つけたら主はやてが悲しむわ」

 

「なんか変な事したらぶっ飛ばせばいいだろ?」

 

「うむ」

 

 どうやら様子見をすると決め込んだようだ。

 えっと聞きたい事はもう無いかな? それじゃあ雑談開始しよっか。

 

 

 〜数分後〜

 

「ふむ、お前は剣士なのか。良ければ今度手合わせでもしてみないか?」

 

「確かにシグナムさんと練習すれば剣の腕も上達するかも。よろしく頼むわ」

 

「私もスノートライデントの練習したいし、混ざってもいいですか?」

 

「構わん。2人がかりで来るといい」

 

 

「ヴィータちゃん。守護騎士って今までどんな感じだったの?」

 

「……思い出させんな高町なんとか」

 

「にゃ!? わ、私の名前は高町なのはなの!」

 

「なのはなの? 変な名前だな」

 

「な・の・は!!」

 

 

「ねぇねぇ、おねーちゃんも回復担当なんだね。お揃いだねぇ」

 

「ふふ、そうね。……ところでひなちゃん。あなた私達とどこかで会った事ないかしら?」

 

「ひなしゅごきしさんとは会った事ないよ?」

 

 

「ザフィーラさん。アンタカッケェよ! 漢だよ。ザフィーラの兄貴って呼んでもいいかい?」

 

「……変わった男だ。好きにしろ」

 

 普通に仲良くなりました。

 

「ただいまー。たくさん買ってきたよ〜……あ、みんなもう仲良くなっとる」

 

「……この短時間で何が合ったんだ?」

 

 はやては手早く守護騎士達を着替えさせると、家族という最高の誕生日プレゼントを神様から貰ったと喜びながら帰宅したのだった。

 こうして色々合った誕生日前夜祭は終わった。




難産だった……
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