見た目が踏み台だからと言って、中身も踏み台だとは思うなよ?   作:蒼天 極

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アリシアちゃんお前もか!

「……し、死ぬほど痛え。まさか御神流、ここまでハードとは」

 

『そこまで無茶して頂かなくても振るってもらえるだけで私は満足ですので!』

 

『諦めなさいカリバー。マスターは途中で投げ出すことはしないタイプですので、剣術を極めるまで止まりませんよ』

 

 恭也さんに鍛えてもらい早三週間。

 練習のある翌日は昼まで筋肉痛で苦しむのが日常茶飯事となってしまった。

 だがまぁこの程度のキツさも俺の成長補正を持ってすればあと一ヶ月もしないうちに、なんとも無くなるだろう。チートなめんな。

 

 ピンポーン

 

「ん、お客さんか?」

 

 ピンポーンピンポーンピンポーンピンポーンピンポーンピンポーンピンポーンピンポーンピンポーンピンポーンピンポーン

 

「……一見連打しそうなひなちゃんはインターフォン一回しか鳴らさないから違う。一体どこのクソガキだ? 我が家のインターフォン連打しまくるのは」

 

 説教してやろうと痛む身体に鞭を打ち、足早に玄関のドアを開ける。

 

「おいコラインターフォン連打してるアホンダラはどこのど……」

 

「ほら見ろ、やっぱり怒ってるじゃ無いか」

 

「ヤッホーレオ! 遊びに来たよ〜!!」

 

 ドアにいたのは黒髪黒目の少年、クロノ・ハラオウンと金髪赤目の実年齢アラサーの幼女、アリシア・テスタロッサだった。

 ひさびさの友人をみた瞬間インターフォンを連打された怒りは一瞬で沈静化した。

 

「おー、クロノ君にアリシアちゃんじゃないか! よく来たな〜、上がってくれいいコーヒーあるぜ!」

 

「おーっと待った! 実はあと一人お客さんがいるんですよ〜!」

 

 アリシアちゃんはそう言うと、家の近くにある電柱の後ろへ行く。

 

「ほら、行くよ! え、別れ際に大好きって言ったしなんだか恥ずかしい? なーに言っとるのかねこの子は! ほらさっさと顔を見せる!!」

 

「あ!! ……あ、はは、久しぶりレオ」

 

 電柱の後ろから引っ張り出されたのは、アリシアちゃんをそのまま成長させたような少女、()()()()()()()()()()()だった。

 

 ………………。

 

(お────────い! 海鳴魔導師組!! 俺の家に集合!!!!)

 

(にゃ!? なに、何なの!?)

 

(うわっ、びっくりした!! 一体なんなのよ!?)

 

(むぅー! お昼寝してたのに〜!!)

 

(機械弄ってるから後じゃダメ?)

 

(うるせえよ、もう少し静かにだなぁ……)

 

(俺の家にアリシアちゃんとフェイトちゃんが遊びに来た!! いいから早よ来いや!! 帰っても知らねえぞ!!!!)

 

(((((すぐ行く!!!!)))))

 

 

 〜数分後〜

 

「フェイトちゃん久しぶり〜!! ちょっと背伸びた?」

 

「そ、そうかな?」

 

「ほらフェイトちゃん! リニスも連れて来たよー!!」

 

「あ、リニス。久しぶり元気にしてた?」

 

「ええ、フェイトも元気そうですね。すっかり血色も良くなって安心しました!」

 

「フェイト、ゲーム持って来たから一緒に遊びましょ!」

 

「フェイトちゃんが気になってた本も持って来たよー」

 

 フェイトちゃんを取り囲んでわちゃわちゃやってる魔導師組。

 クロノ曰く今日俺に用があったのはクロノ君とアリシアちゃんで、フェイトちゃんは今日は予定が空いていたので、みんなに合わせるのも兼ねてついでに連れて来たらしい。

 

「用があるって一体どうしたの?」

 

「報告は二つだ。一つ目プレシア・テスタロッサの裁判が始まった」

 

 クロノ君は続ける。

 俺がミゼットさん宛てに出した手紙は無事に届き、彼女らの権力によりヒュドラの駆動炉の元副所長を逃げる隙を与えず徹底的に調査することが出来たようだ。

 するとプレシアのヒュドラの安全確認の嘆願書や、不正の証拠が出るわ出るわ。結局、ヒュドラの駆動炉の事故の真犯人が副所長だった事が判明して無事逮捕できたらしい。

 

「そっか。これなら事件後プレシアは色々なものを失ったショックで精神的におかしくなっていたと持っていけるな」

 

「あぁ。それに定期的にフェイトとアリシアがプレシアの元へ面会に行ってるが、早く彼女に娘を返してやりたいしな」

 

「レオ君のおかげだよ。もう少しでママとフェイトと三人で仲良く一緒に暮らせる。ありがとね」

 

「どういたしまして。でも精神病だって言ってもやった事がやった事だし無罪にはならないだろ?」

 

 本当ならミゼットさん達の権力でプレシアの罪を上手い事ごまかせないかとも思ったが、やった事の責任はきちんと取らせたかったし、俺一人の感情でミゼットさん達に不正をさせたく無いと思ったから敢えてしなかったのだ。お礼されても複雑なのが心情である。

 

「いや、そうでも無いんだ。かの三提督が今回後ろ盾になってくれてな。管理局勤めになるだろうが、何とか無罪に持って行けそうなんだ。……それだけバッテリーデバイスが魅力的だったんだろう」

 

「何やってんだよミゼット婆ちゃーん!!」

 

 不正をさせたくないから敢えて副所長の身元を洗い出すだけに留めたのに……これじゃあプレシアにちゃんと罪を償わせられないじゃんか!!

 

「……まぁプレシアも今回の事件は心の底から反省してるし、管理局に貢献する事で償うって言ってくれてる。君としては複雑だろうが……」

 

「分かっとりますよ。まぁ無罪の方がアリシアちゃんも安心だしな」

 

「えへへ、なんかごめんね? お詫びにハグしてあげる!」

 

「やめなさいアリシアちゃん。ソーシャルディスタンスはちゃんと守って」

 

「あー! れお君にシアちゃんがハグしてる!! だめだよシアちゃん、れお君は私のだよ〜!!」

 

 ひなちゃんが乱入して来て、アリシアちゃんを引き剥がそうとする。

 後ひなちゃん? 俺はひなちゃんのものじゃ無いよ? 俺は俺のものだからね?

 

「えー、レオはひなのじゃ無いでしょ〜? 告白だってまだのくせに」

 

「ちゃんと好きって言ったよ! ラブって言ったよ! チューできるって言ったよ!」

 

「え、嘘!? ……うわぁ、出遅れたか〜!!」

 

 アリシアちゃんはガックリと項垂れる。

 え、なに? まさかアリシアちゃんも俺のこと狙ってんの? いつの間にかモテ期に入った件について!!

 

「でも子供のうちにやっちゃうと大人になっても後悔するかもだから、今は待ってって断られちゃった」

 

「え、て事はまだ私も望みがあるって事だよね? ひなには負けないよ?」

 

「いいよ! どっちがれお君と結婚できるかしょーぶだ!!」

 

「あの……俺の奪い合いは俺のいないところでやってもらってよろしいでしょうか? 死ぬほど恥ずいです」

 

 ほら大声でドストレートに好き好き連発するもんだから、 なのはちゃん達がこちらに注目しておりますぜ?

 何とか二人を落ち着かせると、自分のコーヒーを一気飲みする。ふぅ……

 

「……それで二つ目は?」

 

「仕切り直したな。二つ目はアリシアの事だ。アリシア、レオにドロップを」

 

「オッケー」

 

 アリシアちゃんがバッテリー型デバイス、ドロップを取り出す。

 ……あー。

 

「壊れたんだな?」

 

「うん、急に胸が痛くなって休んでたらフェイトにリンカーコアが覚醒したんじゃ無いかっていわれてね。検査してもらったの」

 

 フェイトちゃんはアリサちゃんとすずかちゃんのリンカーコアが覚醒したときその場にいたから、アリシアちゃんが胸痛めたときも覚醒したって気づけたんだろうな。

 

「そしたらね? 魔導師ランクAAAの魔力を手に入れたのです!!」

 

「おー!!」

 

 ひなちゃんが拍手をする。

 なるほど察した。その後もドロップを使おうとして、自前の魔力をバッテリーデバイスに流したから壊れてしまったと。アリサちゃんもすずかちゃんも壊してたよ。

 

「了解。ドロップをインテリジェントデバイスに改造するくらいなら半日で終わるから、ひなちゃんやみんなと遊んでて」

 

「えっと違くてね。……私もレオみたいに沢山のデバイスを使いたい!!」

 

「……アリシアがそう言って聞かないから困り果ててたんだ」

 

 クロノは呟く。何でもアリシアにはデバイスのイメージした形があり、それを紙に書いて貰ったのだがハッキリ言って無茶な要望で管理局のデバイス技師も頭を抱えていたのだと言う。

 紙に書いたのか。ちょいとそれをおじさんに見せてみなさいな。

 

「これだよ! 名付けてフォーチュンドロップ!!」

 

「……ほぉ、そう来たか! 俺には出来ない発想だ、面白い!!」

 

 アリシアの書いた要望書には、一つのデバイスの中に複数のデバイスが内包されており、それをセットアップして戦うと言った物。

 

「できる?」

 

「誰に聞いてんだ。おかげさまでインスピレーションが湧いたわ。一ヶ月で作ってやる!」

 

「やった、さすがレオ!! それじゃあクロノお願い!」

 

「ああ」

 

 クロノはそう言って俺の机の上にミッドの札束をトントンと沢山置いてくる。

 ……え、えぇ!?

 

「もしレオが承諾してくれたら渡して欲しいって母さんから頼まれてたんだ」

 

「リンディさんから? それはまたどうして?」

 

「アリシアちゃんのこの考えは面白いわ。アイドル系局員としてやっていけば人気が出ると思うの! って乗り気でお金出してくれたよ!!」

 

「材料費と依頼料だ。お金が余っても返さなくていいと母さんは言ってたぞ」

 

 想像してみたが、優秀な人材に目がないリンディさんの事だ。アリシアちゃんも魔力がAAAになった上に、アリシアちゃんの奇抜な提案をバッテリーデバイスの基礎理論を組み立てた俺が実現させたら面白い事になると思ったのだろう。

 そのために数百万もお金を渡して来た。これは期待されてるなぁ。

 

「了解! この金全部使ってとびっきりのいい物を作ってやるよ」

 

「もう一度言うがこれは依頼料も含めてるからな?」

 

 分かっとりますよ。だが毎月100万貰ってる俺からしたら依頼料なんて要らないのだ。返さなくていいなら精度がいいデバイスにして還元してやりますよ。

 

 その後しばらく俺の自宅でみんなで遊んだ後、日が傾いた頃にクロノ君とアリシアちゃんとフェイトちゃんは帰っていった。

 

 ……アリシアちゃんに特別なデバイス作るなら、ひなちゃんにも何か作ってあげようかな?




ひなちゃんとアリシアちゃん邂逅。
一応A'sまではこの2人がメインヒロインでやっていきます。
A's以降は……増えるか増えないか決めてないです。
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