見た目が踏み台だからと言って、中身も踏み台だとは思うなよ?   作:蒼天 極

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はいこれバッテリーデバイスの論文と設計図ね

「ごめんね僕……あ、なんだレオ君か」

 

「どうもメガーヌさん。これ渡航許可証ね」

 

「はーい。通ってよし!」

 

 次元転移の後毎度のごとく呼び止められたが、渡航許可証で華麗に回避。

 今回はこのまま地上本部へ行く。そこでアリシアちゃんと待ち合わせをしているのだ。用事はもちろんフォーチュンドロップの受け渡し。それが終わったらミゼットさんへバッテリーデバイスの論文と設計図を渡しに行くのだ。

 何でも裁判はあっという間に終わり、プレシアは管理局勤めとなりこれからはリンディの元で働くと言う。

 周りの目がありミッドは娘を育てるのに適していない事、そしてフェイトちゃんが俺らと仲良い事から、海鳴市へ引っ越そうとしているらしい。まぁ、引っ越しの準備に数ヶ月かかるらしいから、フェイトちゃんとアリシアちゃんと学校に通えるのはまだ先の話だが。

 

 ミッドのバスや電車などの交通機関を乗り継ぎ、地上本部に到着したがアリシアちゃんとの待ち合わせ場所である入り口らへんでなんか騒ぎ声が聞こえる。

 

「もう、なんなんですかあなたは! 私はあなたのお嫁さんじゃありません!!」

 

「いい加減にして! この子は関係ないでしょ!!」

 

「もぉリュウヤしつこい! 今日はレオとの待ち合わせだからあっちに行けー!」

 

「はぁ、なんであの踏み台がここで出てくるんだよ! まさか浮気か!? この尻軽女が、もう二度と浮気できないように俺がしっかり教育してy「叫喚地獄っ!!」おごぉおおおおおおおおお!!!?!??!! 「ついでにもう一丁、大叫喚地獄っ!!」ひぐぅううううううううう!?!!!?」

 

 いつの間にか娑婆に出て、アリシアちゃんとフェイトちゃんと紫髪の小さな子にちょっかいを出していた金髪に2回金的を喰らわせる。

 ったく、ミッドでもその悪癖は抜けないのな。

 

「やっほアリシアちゃん。フォーチュンドロップ出来たよ」

 

「やっほレオ! リュウヤ倒してくれてありがとう。釈放されてからは会わないようにリンディさんがしてくれてたんだけど、コイツ抜け出して来たんだよ。付き纏って来てキモかったんだ」

 

「あ、レオ。良かった来てくれた」

 

「あ、あの。助けてくれてありがとうございます!」

 

 紫色の髪の少女が丁寧にお辞儀をする。まだ幼いのに随分と礼儀正しいね、お母様の教育が行き届いている証拠だ。それにしてもこの子どこかで……

 

「ギンガー!!」

 

「あ、かあさん!!」

 

 そのとき、次元転移したときにたまに俺を呼び止めるパトロール局員のクイントさんがこっちに来る。ああ、この子クイントさんの娘さんだったんだ。

 

「大丈夫? 変なことされてない?」

 

「うん、この人が助けてくれたの」

 

「そうなの! レオ君、ウチの娘を助けてくれてありがとうね!」

 

「どういたしまして」

 

 その後クイントさんは何度もこちらにお辞儀をして、ギンガちゃんの手を繋いで行ってしまった。

 二人を見送った俺は金髪の方を向く。そしてこれみよがしにカリバーと会話してやる。

 

「全く、アレだけバカやったんだから釈放されたならもう少し静かにすればいいのに」

 

『バカは死ななければ治らないと言うことでしょう。それに管理局も管理局です。いくら人手不足とはいえ精神的に致命的な欠陥を抱えたこの腐れ野郎を使わなくても良いではありませんか』

 

「全くそのデバイスの言うとおりだ!! 海の連中が魔力の多い優秀な局員になりうるからと釈放したが、命令無視に独断専行、挙句の果てにはしつこいナンパ!! これでは治安が乱れる一方! そしてその責任は我々陸に降りかかる!!」

 

「あ、レジアスのおっちゃん久しぶり」

 

 この騒ぎを聞きつけて来たのだろう。この地上本部のトップであるレジアス・ゲイズ中将が後ろからのっそりと現れた。

 レジアスのおっちゃんはミゼットさんとお茶してるときに、ミゼットさんに報告があると言うことでやって来てからなんだかんだで話すようになった。と言ってもおっちゃんの愚痴を聞いてるだけだけど。

 

「聞いてくれよレジアスのおっちゃん! コイツと俺同郷なんだけど、俺の故郷でもこんな事してるんだぜ? しかも気に入らなければ魔法で屈服させようとして来て……俺の故郷は管理外世界だかんな。なのに魔法なんて使いやがってふざけんな!!」

 

「そーだそーだ!! コイツうちの可愛い妹にも散々ちょっかい出したんでしょ? おかげでフェイトはオッドアイアレルギーになっちゃったんだよ!」

 

「れ、レオは平気だよ! ……まだちょっと怖いけど………………」

 

「何ぃ? 次元震を起こす前から変わっていないと言う事は、何も反省していないと言うことではないか! おい、誰かコイツを懲罰房にでもぶち込んでおけ!!」

 

 レジアスのおっちゃんの命令で、気絶した金髪は一人の局員によって襟首を掴まれ引き摺られていった。

 一生そこから出てくんな。

 まぁ、何はともあれ……

 

「ねえねえレオ! フォーチュンドロップが完成したって本当?」

 

「おう。ここでは展開すんなよ? ほら」

 

「わぁ、流石だね!」

 

 懐から取り出した腕輪型のデバイスを受け取ったアリシアちゃんは、キラキラした目でそれを自分の腕へとつける。サイズピッタリだね。

 よし、アリシアちゃんへの用事は終わった。あとは……

 

「レジアスのおっちゃん。今ミゼットさんってどこいる?」

 

「ミゼット統幕議長は今こちらにはいらっしゃらない。急用が入ったのでな。故に儂が代理として受け取りに来たという訳だ」

 

 おっちゃんはそういうとこちらに一通の手紙を差し出す。

 読んでみるとミゼットさんの文字で、三提督に急用が入ったのでバッテリーデバイスについてはおっちゃんに渡して欲しいと書いてあった。

 

「手紙に偽造は無さそうだね。それじゃあおっちゃんコレ」

 

「うむ。……これがあれば地上本部は更なる発展を遂げることが出来そうだ。これが全局員に支給されるようになった暁には魔力資質に依存しない体制を築くことができる」

 

「あ、まだまだ基礎理論作っただけだから、安全確認や量産態勢とかは慎重に行ってね。あと海の連中にも共有すること。オーケー?」

 

「分かっている。コイツを独占して管理局を二つに割ることなんてせんさ」

 

 レジアスのおっちゃんはなんか裏でよからぬ連中と付き合ってる気配がするが、おっちゃんのミッドチルダを守ろうとしているその意思は本物だ。絶対に正しく使ってくれるだろう。

 

 直後走ってこっちに来る一人の職員。

 

「大変です! クラナガン西の商業区にて魔法による強盗が発生した模様!! 犯人は人質を取り立てこもっているようです!!」

 

「なんだと!?」

 

 ……あー、なかなかに面倒な事件が起きたっぽいね。

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