見た目が踏み台だからと言って、中身も踏み台だとは思うなよ?   作:蒼天 極

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と、特例!?そんなもの出して大丈夫なの!?

「犯人は広域次元犯罪者グループ、メビウス。複数の管理世界で強盗や誘拐を繰り返すかなり悪質な犯罪組織です!」

 

 立てこもりでかつ犯人は複数。しかもメビウスと言うとミッド育ちでない俺でも知ってるほどの、かなり有名かつ悪質な犯罪グループだ。犯人が一人じゃないなら狙撃とかは使えないし、かなり面倒くさい案件だな。

 他人事なのでボーッとそんな事を考えているとレジアスのおっちゃんは頭を抱える。

 

「今事件に向かえるのはゼストの部隊のみ。だが相手には人質がいる……。やむを得ん、龍帝院を呼べ! 気に入らんがアイツのレアスキルで脅しをかけるんだ!」

 

「今龍帝院は気絶しており、水をかけても起きる気配がありません!」

 

「な……!?」

 

 すまんおっちゃん、それは俺のせいだわ。確実に意識を刈り取るために2回股間を蹴り上げたのは不味かったか。

 そんな事を考えていると、テスタロッサ姉妹が中将の元へ行く。

 

「私たち嘱託魔導師です。何か手伝えませんか!?」

 

「私もフェイトとたくさん練習したので、負けない自信はあるよ!」

 

 え!? アリシアちゃんも嘱託魔導師の免許取ってたの?

 聞くと、バッテリーデバイスにより魔力が生まれたのだから有効活用したいと、俺がフォーチュンドロップを作っている間に、安物のストレージデバイスで嘱託免許を取ってしまったらしい。行動力凄まじいな。

 

「相手には人質があるのだぞ! 速度特化の魔導師でも、犯人が人質を撃ち殺す方が早い!!」

 

「……つまり犯人が人質を撃ち殺さないようにすればいいの? おっちゃん、俺がやろうか?」

 

「バカを言うな、お前は嘱託魔導師でもないだろう! ミッドで魔法を使うのは違法だぞ!!」

 

「うん。だから()()()()()()()()()()()()って聞いてんだけどどうする?」

 

「え、レオそんな事したら逮捕されるよ!?」

 

「ちょいちょいレオ、早まるな!!」

 

「……」

 

 レジアスのおっちゃんはとても難しい顔をしている。おっちゃんには魔法の訓練施設で俺の魔法とかを見せた事があり、実力は知っているのだ。

 さておっちゃんはどう言う判断を下す?

 

「……緊急事態につき、宮坂麗央に特例を与える。現場にはゼストが出向くから彼の指示にしっかりと従うように」

 

「と、特例!? それっておっちゃんヤバいんじゃないの!? 別に俺は勝手に手伝って勝手に逮捕されるぞ!?」

 

「構わん。儂はお前のことは買っているんだ。だが儂にここまでさせて無様を晒したら承知せんぞ!!」

 

「……了解! そこまで信頼されてんなら全力で解決させてやらぁ!!」

 

 まさかおっちゃんが特例を使うだなんて。

特例とは管理局員だけではどうにもならないときに、魔法を使える者の魔法の行使を特別に許可することだ。だが特例を貰ったものが過失を犯したときは、その責任は特例を与えた者に降りかかる。

 ましてやおっちゃんは中将だからマスコミや海の連中は、常におっちゃんがミスを起こさないかを嗅ぎ回っている。故に特例はおっちゃんにとって非常に危険なものなのだ。

 

「レオはこんな凄い人からも頼りにされてるんだね」

 

「流石、コネ持ちは違うね〜」

 

「まさかここまで信頼を得ていたとは思ってもいなかった」

 

 

 〜商業区〜

 

「レジアスから話は聞いている。特例を貰ったからにはこちらの命令は聞いてもらうぞ」

 

「了解です」

 

「あれ、君ってレオ君!? 特例貰ったって大丈夫なの!? 戦えるの?」

 

「大丈夫だよ! レオすっごい強いから!!」

 

「嘱託の私たちよりも強いですよ」

 

 なぜお前達が答えるんだテスタロッサ姉妹?

 顔見知りであるゼストのおっちゃんに敬礼すると、犯人たちが立てこもっている建物を見る。

 人質は一階に集められてて、いつでも殺せるように得物を向けらている。

 

「ゼスト隊長、二階より上の階には人質はいませんでした」

 

「ならば一階を制圧すれば終わるな。だが無理に突入すると人質を殺されるだろう。どうしたものか……」

 

 ふむ。

 

「ゼストさん。俺、犯人と人質の間にシールド張れます。あそこでこれ見よがしに人質の一人に至近距離で銃型デバイス突きつけてるやつがどうにかできれば、後はシールドで人質守れますよ?」

 

「なに? かなりの距離があるぞ、届くのか?」

 

「あちらにご注目」

 

 立てこもってるビルとは反対側のかなり離れたところにシールドを展開して見せた。半信半疑だったゼストさんも実物を見せられれば納得せざるを得ない。

 

「なるほど疑って悪かった。後はあそこの犯人を射撃できればいいのだが……」

 

「あ、それなら私やります! 私ガンナーだから腕には自信があります!!」

 

「割と離れてるけどいけんの?」

 

「もちろん」

 

 ならアリシアちゃんの射撃と同時に俺がシールドを張って、その後は殲滅タイムでいけそうだな。

 俺がミスをする事はすなわちレジアスのおっちゃんの立場を危うくすると言う事だ。故に今日は属性デバイスとかのお遊びは抜きで初っ端からアスカを展開する。

 

「せーので行くよ?」

 

「おう」

 

「「せーの!」」

 

 フォーチュンドロップから召喚された拳銃から発砲音が聞こえたと同時に、パーフェクトプロテクションを展開する。

 よっし、成功! 人質を取り囲むようにシールドを張ったし、もう犯人どもは人質に手を出す事は出来ない。

 アリシアちゃんも犯人の額を正確に撃ち抜き、意識を奪った。解放された人質ももちろんシールドを張って安全だ。

 

「今だ、ゼスト隊+α突撃!!」

 

『ラジャー!!』

 

 ゼストさんの掛け声で一斉に犯罪者グループに突撃をかける。

 あれだけ世間を騒がせる犯人グループだったのだ。そこそこ魔導師としてランクの高い奴らがいる。だが今回は相手が悪かったな。

 

「行くよバルディッシュ、《アークセイバー》!」

 

「ぐぁああああ!」

 

「お前の番だカリバー、《ウィンドカリバー》!!」

 

「ぎゃぁあああああ!」

 

「行っくよー、フォーチュンドロップ、《ハリセンスマッシュ》!!」

 

「あああああれぇえええ!」

 

「あの子達すごいわね……」

 

「メガーヌ、ボーッとしてる場合じゃないわよ! オラァ、アンタ達のせいでうちの可愛いギンガをくま髭の怖いおじさんに預ける事になったじゃないのよ!!」

 

「ぐへぇえええ!!」

 

 くま髭の怖いおじさんってレジアスのおっちゃんだよな。クイントさんって娘預けられるほどおっちゃんと仲良かったの?

 

 

 〜数分後〜

 

「……なんか呆気なく終わったな」

 

「うん。広域次元犯罪者グループだからどれだけ強い人がいるんだろうって思ったけど……あんまり大した事なかったね」

 

 あと、クイントさんの暴れっぷりが凄まじかったのも呆気なく終わった理由の一つだろうな。クイントさんに殴られた人の顔面陥没してたけど、後遺症とか残らんよね?

 

「いや、私たちが強いからだよ! イェーイ!!」

 

「調子に乗ってたら痛い目見るよアリシアちゃん?」

 

「彼の言うとおりだ。そして強ければ人質なんてとらない」

 

 ゼストさんが目を瞑って吐き捨てる。

 そりゃそうだよなぁ。そもそも強ければ管理局員が来る前に強盗を済ませるだろうし、もし管理局員が来ても返り討ちにするのは目に見えている。

 

「今回はよくやってくれたな。お前ら三人のおかげで誰も被害者が出なかった。お手柄だぞ」

 

「いや〜それほどでも〜」

 

「大した事はしてません。それに私よりもお姉ちゃんとレオが活躍してましたし……」

 

「一切手を抜かずにやったしあそこまで完璧に事態を収拾できれば、おっちゃんに特例を出した件についての追及はないだろ」

 

 日も暮れてきたが、今日はおっちゃんへの報告とか引き継ぎとかしないといけないだろうし、今日はミッドに泊まりだな。




 その後レジアス中将が特例を出した件について海から追及があったが、レオ君が与えられた役目を完璧に遂行して見せたため、周りからは言いがかりをつけていると言われて海の信頼が少し落ちることとなった。
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