見た目が踏み台だからと言って、中身も踏み台だとは思うなよ? 作:蒼天 極
「うへへへ〜、一攫千金や〜」
本日はゲーセンにメダルゲームをしに来ています。
と言うのもカリバーにフォーチュンドロップ。そしてひなちゃん用のデバイスなど、最近は色々なデバイスを作った。
なので改めてデバイスとは少しだけ距離を置き遊ぼうと思ったのだが、思いついたのがゲーセンしかなかったのだ。
前世からの趣味はメダルゲームだったのでこうしてちょくちょく遊びに来てプレイしているのだが、メダルが払い戻されるときの爽快感。なんとも言えない至福のひと時よ。
「うへへへへへ」
「ちょ、いくらなんでもキモいわよ?」
「うぉ!? な、アリサちゃん、なのはちゃん、すずかちゃんの原作三人娘じゃん」
「げんさく三人娘? 何言ってるのレオ君?」
ビックリした〜、まさかこんなところでも鉢合わせるとは。聞くとアリサちゃんはこのゲーセンのタップダンスの常連らしく今日はそれを見に来たと言う。
「そうなのか。俺と鉢合わせたのはハズレだったな。アタリの日にはヤマトがレースゲームしに来るんだが……」
「あぁヤマトもいたわよ。レースゲーム終わったら合流するって」
「マジか気づかんかった」
そもそも今日は誰とも遊ぶ約束なんてしていない。俺一人で楽しむつもりだったのだ。なのに偶然五人も集まるとは……これでは後ひなちゃんがくれば全員集合ではないか!
「偶然五人集まるだけでも凄いんだから、流石にひなちゃんはいないだろ」
「あからさまにフラグを建てたね。もしかしてわざと?」
「イエス」
さぁ、フラグを建てたぞ。来い、来るんだひなちゃん。
「あれ、みんないる。おーい!」
「なんだお前らも来てたのか」
フラグ効果かは知らないが、ヴィータちゃんと手を繋いだひなちゃんがやってきた。あれま今日はヴィータちゃんと遊んでたのかな?
「本当に来たの! ひなちゃんはゲームセンターなんて来ないと思ってたよ」
「ひなもよく来るよ。100円でお菓子いっぱい貰えるんだもん!」
「あー、クレーンゲームね。確かにひなはお菓子目当てで来そうではあるわ」
まぁキッカケは俺なんだけどな。いつも通りメダルゲームしに来たら、背後にひなちゃんがいたんだよ。偶然見つけてこっそりついて来たって言ってたけど、ひなちゃんの事だからどこに行くのか気になっただけで、ストーカーではないと信じたい。
まぁそれで一緒にゲーセン回ったときに、お菓子の入ったクレーンゲームを見つけたって訳だ。
「でも100円で手に入れるのって相当難易度高いんじゃない? 私もたまにやるけど数千円くらいかけてようやくよ?」
「流石金持ち、金の使い方になんの躊躇いもない。大丈夫、山積みにされたうまい棒とかを取る必勝法は教えてるから」
「……なんと言うか流石だね」
ひなちゃんも覚えは良いため、クレーンゲームのコツとかを少し教えてやれば、あっという間にものにしたと言う訳だ。流石転生者、覚え込みが早い。
さてとみんながいるならメダルゲームもここまでにして合流しようかね。
メダルはスタッフに預けて、みんなの元へ行く。
……ん?
「ヴィータちゃん何見てんの?」
「なんでもない」
ヴィータちゃんの視線の先には、かなり大きめの のろいうさぎのぬいぐるみ。
コイツはマイナーながらも一部の子供からの人気は高く、なんでも怖可愛いらしい。この世界の子供の感性が分からん。
「ヴィーちゃんこれ欲しいの? せっかくだしチャレンジしてみたら?」
「そ、そうだな。それじゃあ一度だけ……」
ヴィータちゃんはポケットに入れていた小さながま口財布から100円を取り出すと、クレーンゲームに挑戦する。
見事にのろいうさぎを掴んだが、ポトリとアームが外れて落ちてしまう。
「ちくしょう、ちゃんと掴んだだろ! なんでだよ!?」
「この手のクレーンゲームのアームって掴む力弱いからな」
一定の確率でアームが強くなるから、本気でぬいぐるみを取りたいなら数千円は掛けなければならないのだ。
「任せてヴィーちゃん。ひなが取ってあげる!」
自信満々なひなちゃんが、チャレンジする。
無論失敗だ。
「あれ? お菓子だと上手く行くんだけどなぁ」
「ひな。お菓子の詰め合わせは軽いから割と簡単に取れるけど、ぬいぐるみは重いからやり方が違うんじゃないかしら?」
「そ、そんなー!」
アリサちゃんの正論がひなちゃんに突き刺さる。ひなちゃん撃沈。
「よーし、次は私がやってみるの!」
次は なのはちゃんの挑戦だ。なのはちゃんは空間把握能力が異常に高い。故にアームはぬいぐるみを、しかも脇にアームを入れて綺麗に掴めた。
さてどうだ〜?
「にゃ、落ちちゃった〜」
「残念。だけど凄く惜しかった」
「次は私の番ね!」
アリサちゃんの挑戦。結論から言うが普通に失敗だ。そもそも綺麗に掴めてない。
ひなちゃんに指摘出来るだけの観察眼はあれど、そもそも実力が伴っていないパターンだった。
「惜しかったわ」
「全然惜しくないよアリサ」
ヴィータちゃんが呆れたようにツッコム。何はともあれ順番的に次はすずかちゃんの番だ。
「えっと、このボタンで横に動いて…………、こっちで奥に行くんだね……やった掴めた!」
アリサちゃんの付き添いで来るだけでクレーンゲームをやったことのないすずかちゃん。初めてのクレーンゲームに四苦八苦しながらも、無事ぬいぐるみを掴んだ。
「あぁ、失敗だ〜!」
「大丈夫だよすずかちゃん! アリサちゃんよりも上手だよ!!」
「それはどう言う意味かしらなのは?」
ただ掴んだだけでは意味はなく勿論失敗だ。
よしならば俺のターン「待たせて悪かった。一位とって来たぞ」……ヤマトが来た。
「ヤマトーあれ取って」
「お願いひな達の仇を取って!」
「もうアンタしかいないわ!!」
「え、クレーンゲーム? あぁ、のろいうさぎか。ヴィータはこれ好きだもんな」
なんだか流れ的にヤマトがクレーンゲームをやることになったが、俺から言わせてもらえばコイツにやらせるのはオススメしない。
俺がヴィータちゃんの好感度を高めたいからではない。普段ならこの手の好感度イベントはむしろヤマトに花を持たせてやる。
だがクレーンゲームだけはマジでオススメしない。
「……ミスった」
「……え? ヤマト、アンタ今ふざけただけよね?」
「すまん、真面目にやった……」
「嘘だろ? 全然見当違いなところにアーム行ったぞ……」
「やめといた方がいいよ。コイツ、致命的なほどクレーンゲームド下手だから」
「面目ない。どうしてもこれだけは出来ないんだ……」
人には向き不向きがあると言うが、コイツはそんな次元ではないのだ。
さてヤマトが戦力外である事が改めて再確認できたところで改めて俺のターンだ。
「ヤマトでもこのザマなのにレオに出来んのか〜?」
「舐めんな。格の違いってやつを教えてやんよ」
と言っても流石の俺も一回で取れるほど思い上がってはいない。だがぬいぐるみの位置を考慮したら300円あればいけるだろう。
「まずは1回目」
「……ちょっとズレただけじゃないの」
「2回目」
「……お? ゴールに近づいてるぞ、これは行けるか?」
「そんで持って3回目」
「す、すごい。入ったの!」
まぁ、こんなもんですわ。
賞品受け取り口からのろいうさぎを取り出すとヴィータちゃんに手渡す。
ヴィータちゃんは嬉しそうにそれを抱きしめた。
「ありがとう、レオ!」
「どういたしまして」
「れお君はすごいねー」
そりゃまぁ多芸を俺の売りにしているんで。クレーンゲームも極めておりますよ。
その後、他のみんなからも取って欲しいと言われて、このゲーセンのほとんど全ての台の賞品を取らされる羽目になったのだった。
※キチンとお金は払ってもらっております。