見た目が踏み台だからと言って、中身も踏み台だとは思うなよ?   作:蒼天 極

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入学

 この世界に生を受けて早いことでもう二年が過ぎました。

 俺は本日より二度目の小学校入学です。

 それにしても……

 

「正直言ってこの制服はなんか嫌だわ」

 

 聖祥大附属小の制服はとにかく真っ白。正直言って落ち着かない。俺は黒が着たいんじゃ!! カッコよくビシッと決めたいんじゃ!!

 

「えー、そうかな? れお君可愛いよ?」

 

「ぶ、ふふふ……確かに可愛いよなwww」

 

「もう、ヤマト君笑いすぎなの」

 

 笑いすぎだろヤマト! つかテメェ鏡で自分の姿見てみろよ、お前も俺と大して変わらんからな?

 

「えへへ、れお君。ひなの制服はどう?」

 

「うん? ……胸のリボンズレてるよ。ほら、直すから動かないで」

 

「はーい」

 

 リボンを直してやっていると、なのはちゃんとヤマトが微妙な表情を浮かべていることに気がつく。

 

「レオ、お前いくらなんでもそれはどうかと思うぞ?」

 

「ちゃんと可愛いって言ってあげるの」

 

 やめてくれよ二人とも。俺みたいな捻くれ者は面と向かって褒めるのは恥ずかしいんじゃ。

 それにひなちゃんの事はどうも妹……いや、娘としてしか見れないからそう言うところが目立って見えてしまうと言うかなんと言うか。

 

 入学式の校長の長話を聞き流した後、クラスを確認したのだが……

 

「あ、みんな同じクラスなの!」

 

「やったねなのちゃん!」

 

 俺、なのはちゃん、ひなちゃん、ヤマト、そしてあの金髪が同じクラスになっていた。

 

「なあヤマト、この結果。絶対あの邪神なんかしたやろ」

 

「神様やってんなあ。あとレオ、いくらなんでも邪神は失礼だろ」

 

「強制的に銀髪オッドアイに転生させたあの神は邪神で十分だ」

 

「……お前も苦労してんだなあ」

 

 そりゃあ、あの金髪があちこちで大暴れしたせいで同じオッドアイの俺が謂れなき誹謗中傷を受けているのだ。自分で銀髪オッドアイになることを祈ったのならまだしも、邪神のストレス発散でこの姿となったのだ。心の狭い俺は普通に今も恨んでるかんな。

 どす黒いオーラを醸し出す俺をしり目にヤマトはクラス表を見てつぶやく。

 

「お、アリサとすずかもいる」

 

「……お前、なのはちゃん以外にも手を出してんのか」

 

「ひ、人聞きの悪いことを言うな! アリサもすずかも友達だよ!!」

 

「浮気者は大概そう言うんだよ」

 

「だから違うって言ってるだろ!?」

 

「早く教室入ろー?」

 

 ひなちゃんが呼んでるから今回は許してやろう。

 その後、オリエンテーションの後に、自己紹介が始まる。

 俺の頭文字”み”だし後のほうだし、ゆっくり何を言うか決めるか。

 

「あ、普通はあから始まるけどそれじゃつまらないし後ろからやりましょうか」

 

「……」

 

 マジか。

 

「俺は龍帝院 竜弥。神に選ばれた勝ち組だ。なのはとアリサとすずかとひなは俺の嫁だからお前ら手を出すんじゃねえよ!!」

 

「「「「はあ!?」」」」

 

 

 こいつ俺に戦争吹っ掛けてきやがった。ひながお前の嫁だと? ひなはお前のもんじゃねえ、俺の娘だ!!

 

『違いますよね? ひなちゃんには本物のお父さんいますよね? 仲良しですよね?』

 

(……すみません)

 

 念話でアスカに詰め寄られ、思わず謝罪してしまう。でも言い訳させてくれ、ひなちゃんがあんまりにも色んなところについて来るし、懐いてるものだからついつい父親と錯覚してしまったんよ。

 

(それに精神年齢的には、親子ほど歳離れてるし)

 

『……はぁ』

 

 ため息つくほどかよ。

 アスカにため息の意味を問い詰めようとすると、後ろの人が自己紹介のために席を立っていた。

 あ、次俺の番か。

 後ろの席の子が座ったのを確認して、俺は静かに席を立つ。

 

「どうも、宮坂麗央です。後ろの金髪と同じオッドアイですが、みんなと友達になりたいんで仲良くしてくれると助かります」

 

「おい、お前それどう言う事だよ!!」

 

 後ろの金髪は無視して席に座る。

 何故か拍手大喝采を受けた。先生も「こんな見た目で苦労したのね」と涙を流している。解せぬ。

 

 〜放課後〜

 先ほどの発言について呼び出してきた金髪の元へ向かうと、奴は有無を言わさず剣を飛ばしてきやがった。

 だが二年間で散々鍛えた俺にはそんなものを避けるのは容易く、適当に殴り倒した後教室に戻る。

 ひなちゃんは待ってるって言ってくれてたけどもう帰っちゃったかな……。

 

「うぁあああああん!!」

 

「っ! ひなちゃん、どうしたの!?」

 

 ひなちゃんの泣き声が聞こえた俺は、大急ぎで泣き声のする教室へ向かう。

 中ではなのはちゃんと金髪の少女……あぁ、思い出した。アリサちゃんが頰を引っ張りあっており、その光景を見たひなちゃんは泣き、すずかちゃんはオロオロとしていた。

 

「つ、月村さんどうしたの!?」

 

「あ、宮坂君。アリサちゃんとなのはちゃんが喧嘩始めちゃって……それを見たひなちゃんも泣いちゃって」

 

「分かったまずは二人を落ち着かせよう! 二人とも一旦やめよ? 手を出す前にいったんお話を……」

 

「手を出さないでレオくん!」

 

「うっさい、このリュウヤの同類!! 部外者はすっこんでなさい!!」

 

 HAHAHAHAぷっつんしちまったぜ。

 

「てめぇ、バニングス! 人の気にしてること言いやがって、殴り合いで決着つけてやるぜオラァ!!」

 

「上等よ! なのは共々かかってきなさい!!」

 

「あぁ、宮坂君まで……ど、どうしよ〜!!」

 

「びぇえええええん!!」

 

 その後駆けつけたヤマトに殴り倒されて気絶している間に彼が上手いこと仲裁して仲直りさせてしまっていた。

 

「お前さー。仮にも前世では大人だったんだろ? もう少し大人な対応してくれよ」

 

「しゃ、社会人になったらあらゆる抑圧を受けなくてはならなくてストレスがやばいんで、子供の身体のうちに喧嘩はたくさんしとこうと言う考えっすわ」

 

 ほ、頰が痛い。ヤマトのやつ強めに殴りやがって……

 どう復讐してやろうかと考えているとアリサちゃんが俺の方へ来る。

 

「リュウヤの同類だなんて言ってごめんなさい!」

 

「いや、俺の方もキレて髪引っ張ってごめん」

 

「私も引っ張り返しちゃったし……うん、やっぱり私が悪いわ。いくら同じオッドアイだからってリュウヤと一緒にしたのはダメよ」

 

「じゃあこれで終了ね。改めて俺は宮坂麗央、よろしくバニングスさん」

 

「私はアリサ・バニングスよ。アリサで良いわ、よろしくレオ」

 

 二人で握手して完全に仲直り。うん、俺も熱くなり過ぎた。反省反省。

 

「そういえばヤマト君」

 

「どうした、すずか」

 

「なのはちゃんと随分仲良いけどどう言う関係なの?」

 

「ど、どう言う関係って友達だけど……」

 

「え、私なのはちゃんとお友達だったって知らないよ」

 

「私も知らなかったの」

 

「私もね。……ヤマト? これは一体どう言うことかしら?」

 

 おっとこれは……修羅場ですかね。ワクワク

 

「ど、どうしたんだ三人とも、そんなに怖い顔をして……」

 

「うん、言い訳は後で聞いてあげる」

 

「とりあえず」

 

「そこに正座するの」

 

「……はい」

 

 三人娘に正座させられて説教されるヤマト。

 

「ひなちゃん、将来はこんな浮気癖のある男性とはお付き合いしちゃダメだよ?」

 

「はーい」

 

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