見た目が踏み台だからと言って、中身も踏み台だとは思うなよ?   作:蒼天 極

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覚悟しろよ仮面ども。ブッ転がしてやらぁ!!

「ヤマト、戦いながら言霊の魔力を貯める事は出来るようになったんだよな?」

 

「ああ、ただ普通にやるより時間がかかる」

 

「守護騎士を正気に戻すくらいなら何分でいけそうだ?」

 

「5分」

 

「オケ、ならお前はいつでも言霊を使えるように守護騎士を抑えろ。俺はあの三人が余計な事をしないように足止めする。状況が状況だ。情に流されずに非情に戦え、怪我してもひなちゃんに回復して貰えばいい」

 

「分かった」

 

「作戦会議は終わったか?」

 

 あらあら待っていてくれた様だ、ありがたい事で。

 ……どうやって守護騎士を洗脳したのかは知らないが、ここまでやったからにはタダで帰れると思うなよ?

 俺は無言でNロッドを掲げて、守護騎士と仮面の男らの間の結界を分断する。

 これで仮面どもはあっちにはいけまい。

 

「結界を分断しただと!? このままではあっちの結界は解けてしまう! おいお前は結界を出てあっちに移れ!」

 

「わか「させると思ってんのか?」ぐ!?」

 

 Tチェーンソーでヤマトの方に移ろうとしていた仮面の男Bに斬りかかる。

 相手は三人いるから一人に集中すると狙い撃ちにされる。ならば今は少しでも相手の機動力を削ぐのが先決だろう。

 無言でWファンメランを展開して、結界内の気流を激しく乱れさせた。だがそれと同時に仮面の男Cがこちらにスフィアを撃ってきたが、暴風にあおられて俺には当たらない。

 

「……恐ろしい女だ。気流を乱すことで我々を飛べなくするなんてな」

 

「ついでにスフィアなんかも使えなくなってるぜ? ……潔く投降しろ。今なら俺を女と間違えた件について半殺しにするだけで許してやる」

 

「これはすまない、君は男だったか。だが我々にも使命がある、そちらこそ邪魔をしないで貰おうか!」

 

 直後、相手側の魔力が目に見えて増大した。

 何だコイツら? 薬かなんかで魔力のブーストでもしてんのか? いや魔力をブーストする薬なんてものは知らない。

 

「なんかヤバそうだな……。短期決戦でケリをつけるしかないか。《マキシマムスコール》!」

 

 Mブラスターの砲撃を空に向けて射出すると、空中で散開。俺を中心に半径50メートルに雨の様に砲撃が降り注ぐ。

 だが仮面の男どもは上空にシールドを張ってそれを防御。やると思ったよ!

 俺はすかさずFガントレットのジェット噴射による突きをリーダー格の男にぶち込む。

 っ!?

 

「おいおいまさか素手で止めるかよ……」

 

 それと同時に回し蹴りを入れてくるが、止められたなら反撃に出るのは目に見えている。冷静にそれを回避して、一度距離を取る。

 だが仮面の男BとCはそう簡単には逃してくれない。俺のバックステップよりも早く俺の懐に入ってきた。

 そして鳩尾に拳をめり込ませてくる。

 

「ぐっ! ……だがそれがどうしたぁ!!」

 

 死ぬほど痛いが、普段からアリサちゃんの暴力に晒されている俺からしたらどうってことないダメージだ。Iスティックに氷を纏わせて鎌状にして振り回す。

 相手さんが距離を取ったらすかさずMブラスターから魔力弾で追撃だ。だが仮面の男どもは全て躱して見せやがった。

 なんか魔力が上がってから急に動きが良くなったな。最初は相手が手加減していた? いや、使命だ何だとほざいてる連中だ。使命を掲げておきながら舐めプするなんてあり得ない。

 つまりは最初から本気を出していた。そしてデバイスを持っていないという事はカートリッジシステムの使用ではない。……ってことはやっぱり薬かなんかの無理矢理なブーストだと思った方が納得がいく。

 

 よし。突破口が見えてきた。無理矢理なブーストは身体への負担が大きい。わざと長期戦に持ち込んでスタミナ切れを狙うとしよう。

 大丈夫、そろそろ5分立つからヤマトが守護騎士を正気に戻してこちらに戻ってくるはず。それに常に長期戦が大好きなひなちゃんを相手にしている俺からしたら、耐えるのは得意な方だ。

 

 だが俺がそう決意したのに反して、仮面の男達は動きを止めた。

 ……念話で結界の外と連絡してるのか?

 

「……目的は達成した。貴様の蒐集はまた今度にするとしよう」

 

 あ、これ撤退する流れだな。

 そしてこの口ぶりはヤマトがやられたと推測したほうがいい。おそらく守護騎士達もコイツらと同じブーストが掛かっていたか、ヤマトに予想外の事が起きたんだろうな。

 

 ……待てよ? ヤマトを倒したのなら守護騎士を合流させて数の暴力で押し切ればいいはず。

 なのにそれをしなかったって事は……?

 ちょっと賭けてみるか。

 

「おいおいここまで来て帰るのは連れないじゃないか! もう少し遊ぼうや!!」

 

「な!?」

 

 結界に干渉して、逆に仮面の男達を出られない様にしてやった。ついでに守護騎士達は入れない様にプログラムを一瞬で弄り回しておく。いやー、こんなときのために事前に守護騎士達の魔力を測定しておいて良かった良かった。

 すると仮面の男達は目に見えて動揺する。やはりそうか。

 

「普通ヤマトを倒したら後は俺を狙えばいいだけなのに、逃げようとするからおかしいと思ったんだよ。……逃げなきゃいけない理由…………助っ人かなんか来たんだな?」

 

「れお君大丈夫!?」

 

「やられてないよね。無事だよね!?」

 

 直後結界内にひなちゃんとアリシアちゃんがやって来た。

 ククク、予想通り。

 彼女達を危険に晒す事になるが、この場でコイツらを逃すよりはいいだろう。

 

「ひなちゃん、アリシアちゃん。守護騎士がおかしくなってたのはコイツらが原因だ。結界に干渉して閉じ込めたからここで叩くよ」

 

「そっか。ヴィーちゃんはあなた達が操ってたんだね!? 絶対に許さないんだから! 《セラフィムウイング》!!」

 

「そっかー! つまりこの人達を捕まえれば事件解決だね! 行くよフォーチュンドロップ!」

 

 アリシアちゃんの実力は未知数だから負ける可能性がある。

 故に一人一殺ではなく、3対3で立ち回るスタイルで行こう。

 覚悟はいいな?

 

 直後結界内にもう一人侵入したのを感知した。味方かと思ったが、海鳴魔導師組でもなくクロノ君でもない未知の魔力だ。

 咄嗟にひなちゃんとアリシアちゃんを両脇に抱えて横跳びをする。

 

「くらえや! 《エターナルコフィン》!!」

 

 直後、俺らがいた場所は巨大な氷で覆われた。

 あっぶねえ! この場にいたら氷漬けになってたわ!!

 

 仮面の男達の前にもう一人仮面の男の子Dが現れた。まだいたのかよいい加減にしろ!!

 

「おいおい、なんてザマだよ。7人いれば余裕って言ってたじゃねえか?」

 

「……すまないな。予想以上にその男は頭がキレる。手のひらの上で踊らされてしまった様だ」

 

「ザマァねえな。だが俺様が来たからにはもう安心だ!! この踏み台は俺がやってやんよ!!」

 

 言葉使いが転生者っぽいな。あの邪神俺ら四人以外にもう一人転生させてたのか? それに加えて奴が持ってる杖は危険っぽいな。恐ろしい魔法が内包されている。

 ……流石に実力未知数の相手にひなちゃんやアリシアちゃんは巻き込めないな。

 

「一時撤退!!」

 

「え?」

 

「ふえ?」

 

 俺は結界を解くと同時に、両脇に抱えていたひなちゃんとアリシアちゃんごと時空間転移でミッドに避難した。

 

「あ、また来たのレオ君? ……なんで変身してるの。何か事件に巻き込まれた!?」

 

「久しぶりですねクイントさん……すみませんが本局に連れて行ってもらえません? ……これは本当に事態がややこしくなった……!!」

 

 流石にやばかったからヤマトやヤマトの方に助っ人に行ったであろう魔導師を置いて来ちまったが、アイツらは無事だよな?

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