見た目が踏み台だからと言って、中身も踏み台だとは思うなよ? 作:蒼天 極
さて、久しぶりのニコポナデポなわけだが……近くにいるフェイトちゃん。君には犠牲になってもらおうか。
フェイトちゃんが反応するよりも速く、彼女の頭に手のひらを乗せる。安心して、お邪魔する前にキチンと手は洗ってるよ。
それでは……
「ニコ」ナデナデ
「ひ、ひぃいいいい!? 強化されてるから前よりもゾクっと来たよ!!」
「れ、レオ……アンタなんて恐ろしいことを!」
うーん、久しぶりの反応、悲しくて泣けて来るよ。
さてニコポナデポで遊ぶのはここまでにして、まずは実験だな。
「まずはニコポナデポは効きすぎると本当に洗脳状態になるのかを実験したいんだけど……。犠牲になってくれる心優しい女子はいるかい?」
「はーい!」
ひなちゃんが元気いっぱい手を挙げるが、効かないから君はダメだ。
ただ出来れば守護騎士と条件を一緒にしたいな。確か守護騎士と金髪は面識が無かったはずだ。
つまり守護騎士はニコポナデポに耐性が無かったと言うことだ。それならば……
「アリシアちゃん。モルモットになれ」
「え、私? レオに洗脳されるのは本望だから別にいいよー」
守護騎士と一番条件が高いのは彼女だ。
アリシアちゃんも金髪のニコポナデポは食らってはいるが、他の女子ほどに頻繁に受けた訳ではない。つまりはニコポナデポに対する耐性はなのはちゃん達よりも無いだろう。
そしてアリシアちゃん。そんな危険な性癖は今すぐ捨てるんだ。
その後お互いに向かい合って座る。
まずは優しく微笑みかけてみるか。ほらニッコリ。
直後アリシアちゃんはボンッと顔から湯気を出しながら赤面する。
「あ、あれー? なんだか恥ずかしいな……へ、変なのー。あはは」
「アリシアちゃん、正しく効いてるの……」
「アリシアはヤマトよりもレオの方が好きだしねぇ。ひなと同じでニコポナデポで恐怖心を感じないのね」
「お姉ちゃんすごい……」
うーん、次は念じながら笑ってみるか。
アリシアちゃん、あなたはだんだんボーッとする。その全てを俺に委ねたくなる。委ねたくなる。委ねたくなる……(ニコニコ)
「あ、あれ〜なんだかボーッとして来たよ……。でもこの感じ、なんだか気持ちいい………………」
「アリシアちゃんの目が虚になって来てる!」
「こ、これがニコポナデポの真価やったんか!? なんて羨ましゲフンゲフン……けしからん能力を持ってるんや!!」
おいはやて、お前は何に使うと思ってんだコラ? おっぱいに執着してる車椅子レーサーの事だ。悪用して巨乳ハーレム作ろうとか考えてるんだろうなぁ!
おっといかん、集中集中。
アリシアちゃんもボーッとしてるし仕上げに頭をなでなでするか。
俺の事を好いてくれているアリシアちゃんの事だ。なのはちゃん達ほどの拒絶反応は見せないだろう。
「アリシアちゃん。あなたの精神は深い海の底に沈み、身体も心も全てが俺に委ねられる……」ナデナデ
「………………」
「なんかこれだけ聞くと催眠みたいなの」
完全に沈黙したアリシアちゃん。顔を覗き込んでみると守護騎士の様に目に光を無くしていた。
よしこの状態で何か軽い命令をしてみるか。
「ねぇレオ。お姉ちゃんに無茶な命令をしたら許さないからね?」
「しないよ。せいぜい今から海鳴市一周フルマラソンに行かせるだけだよ?」
「普通に無茶振りだよ! そんな事したら母さんに言いつけるからね!?」
「「「え? 海鳴市一周フルマラソンってそんなにキツい(か)?」」」
「ヤマトにひなまで……」
別にそこまでキツく無いんだけどな。軽く走っても一時間程度で走り切れるし、ウォーミングアップには最高なんだけど……。
まぁプレシアに言いつけられたら、愛娘を洗脳したことも含めて殺されるのは目に見えてるからやめておくか。
それじゃあ……
「無難に近所のスーパーのマンゴー杏仁でも買って来てもらう? もちろんお金は俺が出すよ」
「それくらいならまぁ……」
「待ちい! マンゴー杏仁は夏限定の商品や!!」
チッ、バレたか。
この際命令が遂行出来無かった場合はどう言う反応をするのか見たかったんだが。
「レオ……」
おっといい加減フェイトちゃんの目が怖くなって来た。ふざけるのはここまでにしよう。
「アリシアちゃんにお願いね。右手上げて」
「はい」
「左手上げて」
「はい」
「左手下げないで右下げて」
「はい」
おぉ! 言う事を聞く。しかも軽いフェイントも突破できてる。
「なのはちゃん達は守護騎士と戦ったんだよな。アリシアちゃんのこの調子はどう?」
「うん。間違いないよ、ヴィータちゃん達のそれと同じだ」
「犯人はリュウヤで確定ね。……私のヴィータを操るなんてフレイムアイズでその首叩っ斬ってやろうかしら!」
「アリサちゃんのヴィータじゃ無いけど、犯人がリュウヤ君で確定なら許せへんわ……」
「本当に許せないよ。レオ君、スノーホワイトを殺人に使っちゃうけどいいかな?」
「ひなもリュウヤ君やっつけるよ! てんせーしゃの不始末はてんせーしゃがつけなきゃ!」
物騒な五人。そりゃあ四人ともヴィータちゃんやシグナムさんを中心に仲良くしていたし、はやてに至っては大切な家族なのだ。キレるのも無理はない。
だがこれだけは言っておかなきゃな。
「おいおい金髪を地獄に送るのは俺の役目だぜ!? なんたって腹刺されてるんだからなぁ。その分の借りも返さねばならん!!」
「お前も根に持ってたんだな……」
そりゃあ根に持ちますよ。
「そろそろお姉ちゃんの洗脳を解いてほしいんだけど……」
「「「「「「あ」」」」」
忘れてた。
だがまだ実験は残ってる。俺はアリシアちゃんの元から離れてアリサちゃんのところへ行く。
「俺が気絶した場合にアリシアちゃんの洗脳が解けるかの実験だ。さぁ遠慮はいらん。やれい」
これは何気に一番重要だ。もし俺が気絶した場合にアリシアちゃんの洗脳も解けるならば、金髪を徹底的につけ狙えばそれで済む。ヤマトが頑張って守護騎士四人を押さえているうちに、 なのはちゃん達が数の暴力で、金髪を含む仮面四人を叩き潰せばいいんだからな。
「な、なんで私が気絶させないといけないのよ! 実験の為って分かってはいるけどその為に傷つけたく無いわよ!!」
「え、だって暴力=アリサちゃんでしょ?」
「この……! ダメよ、ここで殴ったらレオの狙い通りになってしまう。我慢よ、我慢するのよアリサ……」
くそ、煽ってやれば殴ると思ったのに。
そう言えば最近すずかちゃんにあんまり暴力はいけないよって注意されてたっけ? すずかちゃんめ余計な事を……
「仕方ない。ヤマト、やれい」
「後でケーキ奢ってやるよ。オラァ!!」
「こぶえ!!」
ヤマトの右ストレートを鳩尾に受けた俺は計画通りと呟きながら意識を落とすのだった。
〜数分後〜
すぐに意識を取り戻した俺がアリシアちゃんの方を向くと……アリシアちゃんは目に光のないまま。
「なーんだ。気絶しても解けないのか。アリシアちゃん、元に戻れ!」パァン
「うにゃ!? わ、私今洗脳されてたね! で、でもなんだか夢見心地でフワフワしてて凄く気持ち良かった……///」
「「「分かる」」」
「分かるな!」
しまった! アリシアちゃんにいらん性癖を植えつけちまった!!
なのはちゃん達と通じ合えてるのはそれはもうアウトなんだよ!!
「ねぇねぇレオ、もう一回やって!!」
「か、勘弁して……あ、今度は魔力測定しなきゃだから、やらなきゃいけないのか……」
「やったー!」
その後もう一度アリシアちゃんを洗脳して、ニコポナデポを発動中の俺の魔力を測定して、本日の実験は終了。
はやてをこのまま家に帰すか迷ったものの、流石に守護騎士や仮面の男共のそばに置くわけにも行かないので本局に連れて行ったのだった。
リンディさんは自首という形ではやてを逮捕したものの、実際は保護のようなもので牢屋ではなくちゃんと部屋が与えられたのだった。
そしてその後……
「あらレオ君いらっしゃい。そんなに泣いてどうしたの?」
「懺悔させてください騎士カリム……」
「……聞きましょう」
いたいけな少女に変な性癖を植えつけてしまった罪を聖王教会で聖王様に懺悔をするのだった。
ああ偉大なる聖王様、どうか僕をお許しください……
おまけ:麗央君が懺悔している少し前本局では
「あなたが闇の書の主なのね。ごめんなさいねわざわざ来てもらって」
「八神はやてっていいます……。うちの子がそちらに多大なご迷惑をおかけしてすみません……」
「レオ君や羽鳥から報告は聞いているわ。守護騎士は操られてるだけで、はやてさんは蒐集を命令していなかったのよね」
「はい。大いなる力には惹かれましたけど、やっぱり誰かにご迷惑をおかけするのはダメかなと……」
「そうだったのね。こんなにいい子なのだもの羽鳥が通報しなかったのも分かるわ。本当に申し訳ないけど逮捕という形になっちゃうの。出来るだけ便宜を測るように働きかけるわ」
「お願いします。……なんなら自首したんやし、未成年だから執行猶予とかはつきますよね……?」
「ちゃんと自首してくれたんだから、それくらいはつけなきゃね。少しずるいけど麗央君のコネも使わせてもらいましょうか」
「それに洗脳の犯人のリュウヤ君は管理局が捕まえてたんよね? なら管理局の責任も多分にあると思うんですよ」
「えぇ、その通りだわ。この際徹底的に上に責任を追求しましょうか。上手くいけばはやてさんは無罪でお家に帰れるわ。……少し向こうでもっとお話ししましょう? 私とあなた、なんだか通じ合えると思うの」
「奇遇ですなぁ。私もそう思ってたところです」
「「フフフフフフフフフフフ……」」
「……母さんが女狐ならあのはやてって子は子狸じゃないか?」
「う、うん。はやてって子は癖が強いや」