見た目が踏み台だからと言って、中身も踏み台だとは思うなよ? 作:蒼天 極
「れお君学校行こ?」
「わざわざ本局まで来てもらって申し訳ないけど俺はパス。一分一秒でも早くコイツを完成させないと……」
確かに本日は学校だが、俺は自らのニコポナデポの魔力を打ち消す魔力を込めた特殊カートリッジを製作中だ。流石に状況が状況だから学校は休んで仕上げた方がいい。
「えー! 今日フェイちゃんとシアちゃんが転入してくるんだよ!」
「それは貴重なイベントだけどしょうがないだろ?」
それにカートリッジの件以外にもこの状況で学校に行くことはかなりのリスクがあるのだ。
相手さんらも魔力SSS……いや、成長補正によってSSS以上の魔力を持つ俺を決して逃すわけがないし、手段を選ばずに狙ってくるはず。
登下校はもちろん、最悪授業中に襲いかかってきたら本当に笑えない。
「大丈夫だからレオ君学校に行っておいでよ。まだなのはちゃん達の5機も修理が来週までかかっちゃうし、学校行ってても一週間なら間に合うでしょ? それにやっぱり本分は小学生だもん。キチンと学校には行かないとダメだぞ〜」
「それに学校にいる間はしっかりと監視しておくから、狙われても助けに行ける。それにある程度は自衛できるし、最悪時空間転移でミッドチルダに逃げられるだろう?」
「そう? それなら行かせてもらおかな」
クロノ君とエイミィさんに説得される形で俺も学校に行くことにした。
〜学校〜
「あ、レオ君、当分の間は学校休むと思ってたよ」
「俺も休もうとしたけど、クロノ達が監視してるから安心して行って来いって言ってくださってさ」
それにメンテナンススタッフの皆様が特殊カートリッジは必要個数作っててくれるみたいだからな。帰ったらそれに魔力を込めるだけでいいというわけだ。
お陰様でかなりの余裕が出来た。ならばこの際
おっとそろそろホームルームのお時間だ。席につかなければ。
教室に担任の先生が入って来た。
「さて皆さん。先週急に決まったんですが、今日から新しいお友達が二人もこのクラスにやって来ます!」
「はい! その子は女の子ですか!?」
「美少女です。金髪です! しかも双子です!!」
『おー!!』
やかましい男子共。それにフェイトちゃんはヤマトに、アリシアちゃんは俺にお熱だから期待している展開なんてねえよ(ゲス顔)
「海外からの留学生さんです。フェイトさん、アリシアさん。どうぞ」
「「失礼します」」
ウチの学校の制服に身を包んだテスタロッサ姉妹が教室に入って来た。
直後隣の席のひなちゃんが目をキラキラさせながらジェスチャーで来たよ! と伝えてくる。
守護騎士の一件でそれどころじゃ無くなってたけど、俺含めた魔導師組全員がこの時を待っていたのだ。興奮するのも無理はない。
顔を真っ赤に染めたフェイトちゃんから自己紹介を始める。
「あの……フェイト・テスタロッサと言います。よろしくお願いします……」
「私はアリシア・テスタロッサだよ! 小っちゃいけど私の方がお姉さん!! よろしくね!!」
クラス全員は二人を拍手で出迎えたのだった。
◇
「ねぇ、向こうの学校ってどんな感じ?」
「すげー急な転入だよね。なんで?」
「日本語上手だね。どこで覚えたの?」
「前に住んでたのってどんなとこ?」
そして休み時間。テスタロッサ姉妹は転校生の洗礼である、質問責めを一身に浴びていた。
内気で引っ込み思案なフェイトちゃんは「あ、……えっと……」しか言えておらず、アリシアちゃんもなんとか質問を返そうとするが、返す前に次の質問が来るから困ってしまっている。
「フェイトちゃんにアリシアちゃん人気者……」
「でもちょっとこれは大変かも」
「やっぱりみんなもフェイちゃん達のことを知りたいんだね〜」
「ボロを出したら後で笑ったろ」
「レオ、お前ほんと性格悪いな」
「はぁ、しょうがないな〜」
質問責めされる二人を見ていられなくなった友達思いのアリサちゃんが二人の救援に行った。
「はいはい! そんな転入初日の留学生をそんなにみんなでわやくちゃにしないの! それに質問は順番に、フェイトもアリシアも困ってるでしょ?」
アリサちゃんの登場によりクラスの包囲網が一瞬緩んだタイミングでアリシアがこちらに駆け寄る。おっとこれは……
俺は無言でアリシアタックルを躱す。
「レオ助けてー「抱きつかせないよ?」……ちぇ」
「え、宮坂君テスタロッサさんと知り合いなの?」
「半年前にアリシアちゃんとフェイトちゃんが海鳴に旅行に来ててね。そのときに知り合ったんよ。姉の方に懐かれて困っちゃうなぁ!」
わざと男子を煽るように言ってやると男子から殺気が漏れ出す。
ククク、奴らが次にどう言った行動に出るか手を取るように分かるわ!!
「俺はトンズラさせていただくぜ。あばよ!!」
『待てこのリア充がぁあああああ!!』
休み時間の後半はクラスのモブ男子共とリアル鬼ごっこに興じるのだった。
その後キャパを超えてしまったフェイトちゃんがヤマトの後ろに隠れてしまったことで、フェイトちゃんと仲が良いことがバレたらしく、ヤマトもリアル鬼ごっこの逃げる側に参加したのだった。
◇
昼休みはいつも通り屋上で弁当を食べる。
今まで六人だったが双子が入った事で一気に大所帯になったなぁ。
「フェイちゃんとシアちゃん。初めての学校はどう?」
「うん。同年の子がいっぱいで楽しいよ」
「いやー、こんな楽しい思いが出来るなら20年くらい寝てた甲斐があったってものですよ!!」
「アリシアちゃん、その冗談は笑えないの」
「フェイトちゃんが暗い顔してるじゃんか。ちょっとくらい考えなこのアラサー」
「ぐふぅ!?」
アリシアちゃんは吐血して崩れ落ちた。
やっぱり女子には年齢弄りが一番効くなぁ。(ゲス顔)
「自分を棚に上げて何言ってんだこのアラフォー」
「カハッ!!」
ヤマトの無情なツッコミに俺も吐血して崩れ落ちた。
そ、そうだった。よく考えたら俺はアリシアちゃんよりも長生きしてるじゃん……。
「ま、まぁ20年は死体だったから肉体は老化してないわけだし…………」
「ま、まぁこのボディはまだ9年しか稼働してないわけだし…………」
「アリシアちゃんとレオ君が壊れちゃったの!!」
「姉さんはともかくレオがアラフォーってどういう事?」
「……何故かこういうと傷つくんだよなこいつ。俺らと同い年なのにオカシイナー」
「ヤマト、あんたレオの何を知ったのよ?」
ま、まぁ何はともあれテスタロッサ姉妹が転入して来たんだ。これからが楽しみだよ。